『マクマホン・ファイル』Netflix配信 イラン・コントラ事件がモチーフの政治サスペンス:動画配信・映画感想あらすじ考察
中南米の現場取材記者のエレナ・マクマホンが、アメリカとニカラグアの関係を調査していく中で奇しくも自分の父親がコントラへの資金・武器配給に関わっているスケープ・ゴートであることを知り事件に巻き込まれていく。イラン・コントラ事件にインスパイアされてるアン・ハサウェイ主演のポリティカルスリラー!
2020/2/21Netflix配給配信開始した、アン・ハサウェイ主演でベン・アフレック共演で送る豪華なキャストで送る政治サスペンスです。
が、しかし豪華キャストと大作臭を漂わせながらも少し残念、
いえかなり残念な感じがする映画です。
”ほげる”的にはどんな映画にもかなり理解力いい方だと思っていますが、頭に入ってこない。
そもそも、アメリカの政治的な事件と言うものが日本人的にはなじみがないのが原因かもしれません。
それでは、以下見ていきましょう
あらすじ ネタバレあり
1980年代、中南米でファラブンド・マルティ民族解放戦線 (FMLN)の取材を強行するアトランティックポストのエレナ・マクマホン
彼女のあらゆる事を調査し報道してしまう行動は、政府・反政府軍そしてアメリカにとっても情報統制のきかない存在となっていた。
その取材では、エル・モソテの大虐殺も含まれていた。
政治情勢から事件の報道から二年経過してもエルサルバドルの現場への復帰は出来ずにいた。アメリカ政府のコントラ(親米反政府民兵)への支援の調査を進めようとするも会社からストップがかかってしまう
母と自分を捨てた父親は、母親が亡くなったこを忘れるぐらい痴呆が出始めていた。
父親のケアをしながら、繰り返されるキーワードのような言葉と人物名。
その人物にコンタクトをとり会ってみると、奇しくもエレナが追おうとしていたコントラへのアメリカからの武器供与に関わっている事実が浮かび上がってくる。
父親の代理として危険地帯に向かい、取引に関わる、
ニカラグアへ密入国するも、武器への支払いが麻薬で行われる等、現地反政府とアメリカ、二重スパイ、フランスのスパイと複雑に絡み合う人間関係に翻弄され、事実が巧妙に覆い被されていた。一方でニカラグアでもアメリカへ対抗しサンディニスタ(左派 対アメリカ)による抵抗が続いていた。
父親はアメリカのコントラへの武器・資金供与へのスケープ・ゴートにされていたのだ。外交官のモリソンに助けられながらエレナは事実を深追いせず、アメリカへ戻る決意をする。
モリソンに翌日脱出作戦決行と言われ準備を進める。
隠れ家でかくまってくれていた住人が全員殺され、エレナもまたスケープ・ゴートとされつつあった。サンディニスタ達もまたモリソンを救済に向かっている。
翌日、緊急脱出ポイントでたたずむエレナに銃を撃ったのは、モリソンだった。
事件のあらましを外交官としてモリソンが記者会見している裏で
エレナの同僚がエレナと共著で『CIAの中南米への麻薬組織への関与』の記事を仕上げていた。
映画情報&キャスト
『マクマホン・ファイル』 2020年 アメリカ
【原題】the last thing he wanted
【監督】ディー・リース
【脚本】マルコ・ビラロボス
ディー・リース
【原作】ジョーン・ディディオン
「the last thing he wanted」
【製作】カシアン・エルウィス
ディー・リース
【音楽】テイマー・カリ
【出演者】
エレナ・マクマホン(アン・ハサウェイ)
:中南米現場記者
トリー・モリソン(ベン・アフレック)
:エリート外交官
ウィレム・デフォー(リチャード・マクマホン)
:エレナの父親、少し認知症
母とエレナを捨てて出て行った
感想考察
キャストを活かしきれない残念作 <アン・ハサウェイ>
アン・ハサウェイとベン・アフレックの共演とくれば、かなりの期待作でした。
予告編もいい、盛り上がるような描写と政治色あるサスペンスな感じがビジビシ伝わってきます。
ですが、見てみるとかなり残念な感じです。
ストーリーに入り込めない。
てんでバラバラの構成が最後までなかなか繋がってこないんですよね。これは政治色が強すぎるのか、原作のジョーン・ディディオン『the last thing he wanted』ともストーリー展開が微妙に違っているようです。
伝わらない要因は
- 背景・政治説明が難解なわりに、説明が希薄
- キーとなる登場人物の説明描写が少ない
- 展開が急な割には地理的説明が少ない
- 伏線が怪しくないから、単純にわからない
- 映画全体で何を言いたいのかわからない
こんなところでしょうか。
ポイントをおさえたキャストは素晴らしい
熱血記者にアン・ハサウェイ、裏の顔を持った外交官にベン・アフレックとくれば本当に期待です。
さらに、悪役をやらせればピカイチのウィレム・デフォーがアン・ハサウェイの父親役で、ポイントをおさえた配役が光っています。
合わせて読みたい『ゴーンガール』
イラン・コントラ事件 実在のモデルは?
原作は、実際のイラン・コントラ事件にインスパイヤされています。登場人物は実在の人物が出てくるとかはないですが、それっぽい構成にはなっています。
でわ、この超政治的な事件とは何だったのでしょうか?
ここは、wikiの力を借ります。
ロナルド・レーガン大統領直々の承認を受けて極秘裏にイランに対して武器を輸出したばかりか、国家安全保障担当補佐官のジョン・ポインデクスターと、国家安全保障会議軍政部次長でアメリカ海兵隊のオリバー・ノース中佐らが、イランに武器を売却したことで得た収益を、左傾化が進むニカラグアで反政府戦争(コントラ戦争)を行う反共ゲリラ「コントラ」に与えていた。
wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/
そうです。劇中でもあったように、ニカラグアへのアメリカ政府への介入なんですね。
ここが問題で、良い悪い色々な見方あると思いますが、この『マクマホン・ファイル』ではそこに麻薬取引も資金の一部として使用し、アメリカの州兵の武器を横流ししているのを問題視しています。
こうしてみると、ベン・アフレック演じる、トリー・モリソン外交官は実は、オリバー・ノース中佐がモデルなのではないかと推察します。
あらすじ ネタバレを通じて解説を考えると
あらすじと、ネタバレ含めてストーリーを自分なりに再整理すると、
あれ?
悪くない!
これ脚本は実は優秀ちゃうかな!
全体的にだれが悪いかはわからないですが、映画製作としては監督でしょうね。名作・大作、歴史スリラーを追い求めるあまり、作品としてとっちらかって色々な伏線とか情報を回収出来ずに、断片だけで視聴者側に謎を解明する、考えさせる手法をとってしまいました。
視聴者はそんなに頭よくないですって。少なくとも私はそう。
俳優の演技そのものは、かなり熱演です。
アン・ハサウェイはさすがのアカデミー女優、迫真過ぎる演技です。キレイな顔をふりみだして一心不乱に現場記者を熱演します。緊迫感も伝わってきます。
※乳がんで片方の乳房がない描写もあり、こういう名優たちの演技が作品中の中でどこにもつながらない。(もしくは、つなげて言いたいことあるんだろうけど、伝わらない)
残念ながら、ラストシーンにいたるまで、主人公が何をしたいのか、ストーリーとして何を問題視しているのかが伝わってこないのは、映画構成の悪さだろうと思います。
映画の感想まとめ
Nrtflixから、大作になるかもしれなかった映画として記憶に残りそうですが、おそらく何度も見る映画ではないかもしれません。
Netflixのありあまる予算がこういう難しいストーリーに対しても映画化して、キャストそろえて数打ちゃ当たる戦法で色々と世の中に出てくるかもしれませんね。
そういう意味では今後に危惧の念を感じえません。
とはいえ、中南米やレーガン時代の政治背景に詳しい人には垂涎もののポリティカルサスペンスなのかもしれません。
”ほげる”的には、映画からあまり読み解くことが出来ませんでしたが、なんだか凄そうな映画であることはわかります。
娯楽的に、おすすめ度としては低めですが、どっぷり政治を考えたい方の作品となるでしょう。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 3
キャスト 3
ストーリー構成 2
初見で読み取れない謎 2
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません