映画感想『トリプル・フロンティア』Netflix配信 人間の性がさらけ出される選択の連続!男たちは何のために戦ったのか

2020-03-24

『トリプル・フロンティア』はNetflixで配信された、製作費100億越えの大作犯罪映画!アンデス山脈のふもとトリプルフロンティアを舞台に繰り広げられる麻薬王が貯めこんだ現金を元アメリカ特殊部隊隊員たちが非合法に強奪を企てるが計悪通りに事が運ばず、次々と予測できない出来事が起こる。

2019年のNetflixの本領発揮してきました。

低予算で色々な映画を作る一方で、出演者・内容ともにキチンと作りこまれている良質の作品だと思います。

スケール感が非常に大きく、複数の国をまたがった作品になっています。

本作品は超おすすめ作品です。

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ラッシュ

『トリプル・フロンティア』イメージ画像
Netflix公式HPより 

アメリカ特殊部隊に所属していたホープは除隊後に民間軍事会社を立ち上げ、ブラジル警察に協力し麻薬捜査を手伝っていた。ブラジル最大の麻薬マフィアの王であるロレアを追い、隠している麻薬王の居場所とともに上納金の隠し場所を突き止める。
麻薬王ロレアは、ジャングルの奥深くの自宅に隠れ、家に金を隠して家族と暮らしていた。
ポープはかつての特殊部隊の仲間達を集めてロレアを襲撃し金を強奪する計画を練った。集まった仲間は、冷静沈着なリーダーのトム、アイアンヘッド、ベン、キャットフィッシュ。

それぞれの役割とかつての特殊任務同様に相手の技量を図り、緻密な計算と計画で襲撃計画を構築する。
トムはリスクや逃走経路すべてを計算に入れ、家族や護衛がいない時を見計らいいざ襲撃する。
計画通りロレア抹殺に成功するが金が見つからない、逃走まで猶予がなくなってきたときに塗られたばかりの壁の奥に現金を見つける。文字通り家じゅうが隠し財産だった、壁を壊し柱を壊し現金を強奪するが当初計画の10倍以上の現金だった。

逃走に使うはずのへりに積むが過積載で高度が上がらない。なんとか低空飛行しながら飛行するが、遥かアンデスの山々を超える手前でヘリコプターのロータのギアボックスが焼き切れ、近くの農村へ不時着することになる。
なんと、不時着した農村はマフィアのお抱えの麻薬農園であった。

5人はトリプル・フロンティアを脱出してへりで海まで行ってボートで逃走する予定だったが、車も輸送手段が何もない状態で徒歩で海まで荷物を持っていく決断をしてしまう。
麻薬マフィアたちの手を逃れることが出来るのか、過酷な現実が彼らを追い詰めていく・・・

映画情報&キャスト

『トリプル・フロンティア』 2019年 アメリカ
【原題】Triple Frontier
【監督】J・C・チャンダー
【脚本】マーク・ボール
    J・C・チャンダー
【原案】マーク・ボール
【配給配信】Netflix
【製作】チャールズ・ローヴェン
    アレックス・ガートナー
    アンディ・ホルヴィッツ
    ニール・ドッドソン
【出演者】
トム:レッドフライ(ベン・アフレック)
 :かつて特殊部隊のリーダー
  不動産営業で生計を立てる
  別れた奥さんと子供がいる
ポープ(オスカー・アイザック)
 :私設の民間軍事会社で麻薬王ロレアを追う
アイアンヘッド(チャーリー・ハナム)
 :ベンの兄
  ベンのマネージャ
ベン(ギャレット・ヘドランド)
 :格闘技に参加している
キャットフィッシュ(ペドロ・パスカル)
 :パイロット

映画感想・評価

Netflix公式 youtube.com

ストーリー構成のバランスが良い

映画のバランスを見るときに、起承転結とよく言います。

ストーリ展開として、どのセクションが飛びぬけていても面白くないしどこかぎこちなく見えるものです。

そんなストーリー展開のバランスが、本映画は飛びぬけてよいです

特殊部隊の男たちを集め麻薬王を抹殺するのが主題かと思いきや、ポイントはそこではないのです。あくまでも人間の業というか、性(サガ)というかヒューマンドラマイムズで後半は攻め立てる、そこがポイントなのです。

前半のアクションや犯罪系の映画かと思いきや、本作は後半の人間の本質と根源的な欲と命と、他人の命(子供達)を巧妙に計りにかけながら、我々視聴者も同様にその天秤に毎回自分たちの判断をかけていくのです。

このバランスが絶妙にうまい。

人の本質を見事にえぐっていきます。

その判断を視聴者にも投げかけているんです。

・麻薬王ロレアが見つからない
 探す?探さない?
・現金を目の前にした時
 もっと運ぶ?運ばない?
・ロレアの家族に姿を見られたとき
 殺す?殺さない?
・へりが過積載の時、協力してくれた女性を
 連れていく?連れて行かない?
・へりが明らかに過積載
 金をおいてく?運ぶ?
 荷物を捨てる?捨てない?
・へりが不時着した時
 村人を殺す?殺さない?
・逃走中に焚火を
 灯す?灯さない?
・トムが殺されたとき
 死体を持っていく?置いていく?
 現金を優先する?しない?
・海辺の町で
 戦闘する?しない?
・脱出後に報酬は
 トムの遺族に渡す?渡さない?
 
こんな感じで、常に判断の連続で物語がいくにしたがって自分をさらけ出していく感じになります。それは何も映画の中だけでなく、自分の中で瞬間的に自分ならどっちを選ぶかを考えるので、映画を見終わったときには恐ろしく疲れています。

そして、最後の選択を見たときに、ホッとするのです

まるで今までの罪が洗い流されたかのように。

J・C・チャンダー監督の光るセンス

映画監督本数ほど少ないですが、J・C・チャンダー監督は確実にキャリアを積んでいます。

映画デビューの『マージン・コール』ではアカデミーのオリジナル脚本賞にノミネートされ、

2作目『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』では、名俳優のロバート・レッドフォードの名演技があったとしてもアカデミー主演男優賞ノミネートされた映画の監督をしています。

これからも非常に楽しみな監督です。

トリプルフロンティアの意味

トリプルフロンティアとは、アルゼンチンとブラジルとパラグアイが合流する境界エリアの事を指します。多くの意味合いとしては国境が曖昧で非合法的な地域となります。

以下ニュースサイトでも語られているように、
麻薬を扱う犯罪者たちには、ものすごい価値のあるマリファナ・コカインの生産地帯がアンデスなのです。

以下ニュース参考リンク

トリプルフロンティアにはそういう意味が込められています。

”ほげる”の解釈では、先ほども記載したように、曖昧な判断、判断のつかない事そのものに対する

メタファーとしてタイトルがつけられていると思います。

ある論文によるとパラグアイ・ボリビア・ペルーなどは、国民の1-3%くらいは何らかの形でマリファナやコカインの清算に関わっているそうです。

計算にもよりますがGDPベース最悪30%近くが麻薬関連ともいわれています。

それぐらいの規模なら、最後のシーンで海辺の町の若者や子供街中総出で、追っかけてくる事情はは分かりますね。

ラストシーン ネタバレあり

特殊部隊の仲間だった、男たちは結局は何のための戦いをしたのでしょうか。

無です。

戦友(とも)であるリーダーのトム(レッドフライ)が死ぬことによって、何も得られていない自分たちに気が付くのです。

そして、皆考えます。トムの家族へどう報いてあげるのか。

アメリカの戦場ではありません、私利で動いている私設軍人に過ぎないのですから。

持ち帰ることのできた現金はそれぞれのリュック一つ程度です(そうはいってもものすごく大金ですが)。

結局は、みなトムの家族へ慰謝料を払うことで現実へ戻っていくのです。何事もなかったかのように

最後にアイアンヘッドから、紙のメモをポープ(オスカー・アイザック)は眺めます。

そこには、捨ててきた大量の現金があるであろう座標が書かれています

トムのいない自分たちがそこに行く選択をしないであろうことを知っていて、アイアンヘッドもそれをポープに渡していたのです。

ベン・アフレックのダメぶりがいい

ベンを演じるベン・アフレックですが、本作ではとことんかっこ悪いです。

でも、それがいいんですよね。

軍隊を抜けてから、抜け殻のように生活して何物にも慣れない不動産ディーラーだったトムが、作戦への参加で生気を取り戻して昔のような緻密な作成を立てます。

そのトムが自らリスクを超えて、誤った判断をしていくのです。
さらに判断間違いは続き、村人を殺したりしていきます。

そして、クライマックスで、あっけなく死ぬのです。

この辺の演出が最高です。

あっけなく。
ただ、あっけなく、村人の子供から”恨み”で殺されます。

『ゴーン・ガール』並みにかっこ悪いです

でも、ベン・アフレックはかっこ悪い役も、そつなくこなします。デビューしたころのような『パール・ハーバー』のようなムカつくイケメンより、こちらのほうが好感持てますね。

演技そのものも、かなり良かったです

あわせて読みたい『ゴーンガール』

オスカー・アイザックって役回りがSWと一緒

なんとなくですが、オスカー・アイザックの役が、SWのポー・ダメロンとかぶってしまいます。

無鉄砲で熱血漢、正義に厚く真偽を貫く!

演技そのものは、キレている感じですが、後半に行くにしたがって存在感が薄くなってきました。これは脚本のせいかもしれませんがね。

海外の評価 2020/03時点

一部批評家からもは、辛辣コメントがありますが

概ね全体的に、一般からは良い受けになっています。

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
61
User rating6.4/10
ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
72%
Audience 55%

映画の感想まとめ

アクション映画、犯罪映画と銘打たれているように、テンポが速く誰が見ても楽しめると思います。

”ほげる”としては、Netflixに大御所たちが移ってきたなと判断する一本でもあるので、すごい推しの映画です。

こういう映画がNetflixで増えてくると、通常のサイクルと予算で撮影するハリウッド映画には本気で勝ちに行けると思います。

2020/6後悔された、『ザ・ファイブ・ブラッズ』等Netflixでも戦争映画など、ある程度お金をかけている物、名匠・鬼才の監督が政策会社としてNetflixを選んだときには名作になる傾向ありますね。

本作品は、超娯楽としてもめっちゃ楽しめます。

→刑事もの・軍隊もの好きな人
→『SAW』で選択することが好きな人
→モヤっとしたい人

こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       5
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4