『嘘を愛する女』虚構の中から家族・愛のカタチの物語!感動×2:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『嘘を愛する女』は長澤まさみ・高橋一生主演によるミステリラブロマンス映画!由加里は同棲している桔平が脳卒中で倒れ病院に急行するが、警察から桔平の勤務先も免許証も何もかもが嘘であると信じられない事実を伝えられる。由加里は同棲していた男が何者なのか自分にとって何者だったのかを探しはじめる・・
東宝から配給される本作品は、映画のオリジナルストーリーとなります
CMデイレクターの中江和仁を監督に迎え
主演として長澤まさみ・高橋一生をはじめ、豪華キャストで構成されます
タイトルから少しイメージの違うサスペンス・ミステリーと言うよりは、ラブロマンスやファミリーヒューマンドラマと言っていいでしょう。
そんな本作品ですが映画全体に愛とか家族のカタチが壮大なテーマであると思います
ラストシーンでは感動の波が押し寄せてくるでしょう
若干怪しいシーンもありますが、家族でも見ることが出来ます
そんな映画のおすすめ度は
☆4のおすすめ(5点満点)
それでは見ていきましょう!
あらすじ <ネタバレなし>
由加里(長澤まさみ)は、大手食品会社に勤めるやり手のキャリアウーマン。そんな彼女が同棲する桔平(高橋一生)とは、東日本大震災のあった日に東京の地下鉄の大混雑の中、避難するときに出会った。
気分の悪くなった由加里が困っている時に、桔平が介抱してくれたのだ。スニーカーを由加里に貸して颯爽と雑踏に消えた桔平と再度であった時には恋仲になっていた。
由加里は桔平を両親に紹介したがっていたが、桔平はどことなく避けていた。母に紹介する日、桔平が家に帰った来なかった。由加里のもとに警察が来て、桔平が脳卒中で倒れたのだという。
由加里は病院に急行するが、警察から桔平の勤務先も免許証も何もかもが嘘であると信じられない事実を伝えられる。
由加里は同棲していた男が何者なのか自分にとって何者だったのかを探しはじめる・・
映画詳細あらすじはMIHOシネマを参照ください
[showTable]映画情報&キャスト
『嘘を愛する女』 2018年 日本
【監督】中江和仁
【脚本】中江和仁
近藤希実
【製作】市川南
【音楽】主題歌 松たか子「つなぐもの」
【出演者】
由加里(長澤まさみ)
:やり手のキャリアウーマン
家で無収入の男と同棲している
桔平:きっちゃん(高橋一生)
:由加里と暮らすが
職場も経歴も偽って暮らす
海原(吉田鋼太郎)
:探偵
木村(DAIGO)
:探偵 調査担当
心葉(川栄李奈)
:桔平のファン
超感想中心評価
監督は実質映画初の中江和仁
CMディレクターの中江和仁が、初監督映画となる本作品です
正直驚きです、かなりハイセンスでハイクオリティに仕上がっていると思いました。タイトルの『嘘を愛する女』からは、洋画ですが『水曜日に嘘をつく女』とか、『冷たい月を抱く女』的な感じを想像していました。
映画の中身やストーリーは全く違いました、本作では嘘を愛したのではなく、許容でした!
素晴らしい演出や脚本でのセリフまわしの数々感動しました
主演の長澤まさみ
中国美人武将を演じた『キングダム』での圧倒的な美、『50回目のファーストキス』で1日しかない記憶の中で懸命に生きる女性を演じた長澤まさみです
ドラマに映画に圧倒的なキャリアを積み上げてきています。
ラブロマンスからアクションまで幅広く出演してきた彼女ですが、感動作品と言えばやはりセカチューで知られる『世界の中心で、愛をさけぶ』でしょう。
泥棒コメディの『コンフィデンスマン』シリーズも絶好調です
本作では、由加里というしっかりとした芯を持った女性を演じます。
強気でポジティブな彼女ですが、突然自分と一緒に暮らしてきた男が何者なのかわからなくなるのです。記憶喪失とかでなく完全に嘘、今まで知っていた”きっちゃん”がガラガラと音を立てて崩れたのでしょうね。
気の強いところのある由加里でしたが、全てが不安になり生活全てを投げ売って桔平の素性を調べ始めます。
目線やセリフなど、気が強いけど、不安を抱いている様子がひしひし伝わってくる演技はさすがです。
ベットシーンが多いよね高橋一生
高橋一生が桔平という謎の男性を演じます。
と言っても、脳卒中を起こしてしまうので、映画の中の時間では回想シーンでの演技が多くなっているんですけどね。
ベットシーンも多くなってしまいますが、別途でパイナップルのように包帯を巻いていても、イケメンはイケメンでした。
高橋一生と長澤まさみは、意外とむかーし共演しているんですよね『世界の中心で、愛をさけぶ』で主人公の朔太郎の親友のリュウ役で一緒してました。
じっくりキャリアを形成した高橋一生ですが、最近であ主演を演じることもすっかり多くなりました。
本作でもこもった感じのゆったりしゃべるセリフ回しが、役柄とぴったりマッチ、さすが演技派です
なぜ真実を知りたいのか、由加里は何を捜すのか
映画のストーリーラインは、由加里が桔平の真実を探す旅で構成されます。
探偵の海原(吉田鋼太郎)と木村(DAIGO)に助けられて、桔平の書いた小説とも日記ともとれる手記を頼りに瀬戸内海の灯台探しを始めていきます
由加里は、なぜ自分に嘘をついていた桔平の真実を探し出したのでしょうか
キャリアウーマンの由加里にとって、自分の思い通りにならない事は何一つなかったのでしょう。そして、そんな仕事に埋没していた人生の中で、出会った桔平という青年に対して唯一のレゾンデートルだったのだと思います。
自分が自分らしくあるための羅針盤のような存在になっていた、桔平が突然の脳卒中、そして自分の知る桔平はほとんどなかった事。そして彼の全てが嘘だったこと。
この事で、由加里は自分自身もカタチを保つことが出来なかったのだと思います。
こういう芯の強い女性が壊れていき、そんな中でも一つずつ自分の知らない真実を見つけていくと、さらに由加里は芯が崩れて、弱い女になっていくのです。
こういう演技の微妙な変化と、尖り方が長澤まさみならではで光っていました。
自分探しの旅
とどのつまり、由加里は桔平の事実を捜しているのですが、自分自身をカタチどっていた桔平のピースをもう一度見つけようとしているのです。
自分が愛した桔平は、嘘ではない
彼の素性は嘘だとしても、彼が自分に接してくれた態度や思い出はどれも真実だったはずと、想いをつないでいきます。
見つける桔平の真実のピースと、自分の中の思い出と、桔平の残したピースの中から本当の桔平の真実をひとつ、また一つと繋いでいきます。
見所は、由加里が広島で桔平の本当の家を見つけた時です隣人に誰か尋ねられた時に思わず、
「妻です・・」
この一言に全てがつながっています。
本当の桔平が、子供を欲しがらなかった理由や、手記の中での描写は実は由加里であったことは、この時には知る由もありませんが、
由加里の決意が、想いが、この一言に込められています。
もう一つの家族のカタチ
探偵の海原も、由加里の真実探しの旅に付き合ううちに、自分の本当の家族を見つめなおします。離婚した原因が、自分の娘に対してはなってしまった心無い一言、自分の娘でないかもしれない事を示唆していってしまいました。
ずっと後悔しているのに、前に進めない海原
由加里を見ているうちに、事実がどうであろうと自分の娘であることに違いない思いに帰着します。そしてもう一度家族に向き合う決心をします。
吉田鋼太郎の抜群の怪しさと、誠実さの二つが同時に見事にマッチして、悩める中年男性の代表ですねばっちり表現できています。
物語で言いたかったテーマは
色々と深い愛とか家族とか、表現されています。
個人的には、ラストシーンで桔平(高橋一生)がベットで目覚めた時に、由加里が全ての事実がわかっているはずなのに、”きっちゃん”と呼び続けているのが印象的でした。
まあ、普通それまで接してきた名前をそう違う名前では呼び変えられないものですが・・・
それでもやはり、殺人事件にかかわっているかもしれない行方不明の男です。
もう一度、恋人として、結婚相手として、家族として、
自分と過ごしてきた事実を追認するために、
事件の全容がわかっているのに、由加里は
わざとセリフとして”きっちゃん”と言っています
本作品でのテーマは、どんなに表面上、嘘や虚実を認めても、それは積み上げてきた事実の中にこそ真実があるということを語りたかったのだろうと思います。
それは、由加里と桔平しかり、海原しかりです。
わからないことが一つ
とは言え、この映画でよくわからない存在が・・・
そうです心葉(川栄李奈)の存在です。
色々心葉からは、語られていて、たまに桔平とHしていると言われていましたが、これも本当なのかどうかわかりません。
もし本当であれば、桔平はかなり不誠実で、ご都合主義的に由加里を利用していたのか、
感動が薄れてしまいます。
スッキリしないことが残るくらいが、映画としては丁度いいのかもしれませんがね。
映画の感想まとめ
ちょっと、分かりずらさが残る映画でしたが、それでも感動が多いですね
ラストシーンでは、2重3重に感動していきます。
桔平の真実がわかるにつれ、そして手記の真実がわかり・・
家族や愛ってのは本当に難しいですよね。
でもやっぱり人間だれしも一人では生きていけません。この映画はそれをも思い出させてくれるファミリードラマとしても秀逸でした。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 3
キャスト 5
ストーリー構成 4
初見で読み取れない謎 3
ディスカッション
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