『博士と狂人』世界最大の英語辞典OEDの驚きの実話!:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『博士と狂人』は2019年のアメリカで公開されたヒューマンドラマ映画。誤って男性を撃ったことから精神病院に入っていたマイナー、オックスフォード英語辞典(OED)のボランティア募集を見つけ言語学者のジェームズ博士とともに辞書作りに励むのだが・・・。
邦題のタイトルが、ちょっとおかしいじゃね?
と思うかのような「博士と狂人」
原題でも、”The Professor and the Madman”
そっちでも狂人なのかい。。。
本作は、『マッドマックス』シリーズのメル・ギブソン
超演技派俳優で『ミルク』『ミスティック・リバー』『アイ・アム・サム』のショーン・ペンの名俳優が共演タッグを組んだことでも知られ、
おまけに二人が初共演だという事でも話題になりました。
世界最大の英語辞典「オックスフォード英語辞典」制作にあたっての真実が描かれた作品です。
見て、損はない映画
円熟した、中高年になった二人の厚みのある演技がヒューマンストーリーにこれほどはまるとわ・・
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは、見ていきましょう!
あらすじ ネタバレなし
19世紀のイギリス
アメリカ人の元軍医であったマイナーは何者かに狙われているという精神疾患のトラウマに悩まされ、誤って無実の無関係の男性を銃で撃ってしまう
マイナーは裁判にかけられ、精神疾患から無罪となったが、精神病院に入れられてしまう。
一方、周りからのやっかみにあいながらも独学でオックスフォード英語辞典の編集者となったジェームズ・マレー博士
言語学者として、能力だけで就任したが当時の学術界には栄誉と金にまみれた汚い世界でもあった。
そんな、マレー博士も辞典の作成は困難を極め、全ての言葉の語源を探すという途方もない作業に、永遠の旅に流され完璧な辞典作りの壁にぶち当たることになっていた・・
マレー博士が思いついた起死回生の辞典作成の手法は、善意のボランティアによる協力だった。
偶然にも、それを見つけたのが精神病院の病棟内のマイナーであった。
そこから、二人の辞書作りが始まるのだが・・・。
映画情報&キャスト
『博士と狂人』2019年 アメリカ
【監督】P・B・シェムラン
(ファルハド・サフィニア)
【脚本】トッド・コマーニキ
P・B・シェムラン
【音楽】ベアー・マクレアリー
【撮影】キャスパー・タクセン
【出演】
ジェームズ・マレー博士(メル・ギブソン)
:言語学博士で、独学で勉強し、博士となった。
ウィリアム・マイナー(ショーン・ペン)
:殺人犯で、精神科施設に収容中のアメリカ人の元軍医。
イライザ・メレット(ナタリー・ドーマー)
:夫をマイナーに人違いで殺された妻。
マンシー(エディ・マーサン)
:精神科施設の看守。
フレデリック・ジェームズ・ファーニヴァル(スティーヴ・クーガン)
:マレーを推薦した教授。
エイダ(ジェニファー・イーリー)
:マレーの妻。
チャールズ・ホール(ジェレミー・アーヴァイン)
:マレーの助手。
ヘンリー・ブラッドリー(ヨアン・グリフィズ )
:マレーの助手。
フィリップ・リッテルトン・ジェル(ローレンス・フォックス)
:大学の出版局長。
リチャード・ブレイン博士(スティーヴン・ディレイン)
:精神科施設の院長。
超感想中心の評価考察・レビュー
ファルハド・サフィニアの描く静かな熱情
監督と脚本を手掛けたP・B・シェムラン(ファルハド・サフィニア)
主演のメル・ギブソンとの仲は良く知られているところで、『アポカリプト』ではメル・ギブソンが監督でP・B・シェムランが脚本を手掛けています
思うところとしては、メル・ギブソンの手法や癖も知り尽くしたうえで、脚本家出身の監督らしく原作に寄り添う形で映画全体が描かれている。
原作はサイモン・ウィンチェスターによるノンフィクション『博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話』で、アメリカでは大ベストセラーになった作品
静かな熱情を、二人の名俳優に演じてもらい、見事に原作を表現できているのではなかろうかと思う
バカと天才は紙一重とは、よく言ったもので本作ではまさにそんな様が描かれている
欲を言えば、ショーン・ペンがカッコよすぎて、本当に狂人なのか狂人のふりをしている大天才なのか、サスペンス仕立て風な実は彼を襲う強迫概念は何かの真実を表していてバケモノでも出てくるのではないかとドキドキしてみていたが、
まあ、そんな展開はないので、安心してヒューマンドラマをご堪能あれ!
驚きの実話
本作の驚くべきことは、殺人犯と博士が一緒に辞書作りをしたという考えられない話なのに、これが実話だということ
そう、本作の原作として挙げられるのは、「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」というサイモン・ウィンチェスターが書いたノンフィクションが元になっています。
この本は、1998年に出版されてからというもの、ニューヨークタイムズのベストセラーリストにも入るほどの大反響があったこともあり、メル・ギブソンがその後すぐに映画化に名乗りをあげ、本作が出来上がったと言われています。
確かに内容としては、世界的に発売するような最大の辞書を作るのに、犯罪者が関わっているなんて・・!
と思うわけですよ
まあ、事実は小説よりも奇なりって言いますが、
ポイントは、犯罪者ってよりは精神疾患のある人の”言葉”を信じて、その言葉を辞書として世に刊行してしまうことにある気がする。
だって、言葉の信ぴょう性が命なのにね。
これは、あるいみ採用した側のジェームズ・マレー博士が偉大すぎですわ
辞書作りで芽生えた二人の友情
辞書作りの映画というと、「舟を編む」があまりに印象的な作品でしたが、こちらは博士と殺人犯の共作で作られた辞書作りというのがあまりに異色な内容です。
本作の中で作られた辞書は、41万語以上の収録語数を誇る世界最大の英語辞典「オックスフォード英語辞典」で、途方もない数の言葉の意味を永遠と考えている博士の元に、不意に送られてきたマイナーの手紙。
マイナーの手紙のおかげでどんどん作業が捗る中、二人の友情も芽生えていきます。
こういう作業を共同で行うと、どんな二人でも友情が芽生えてしまうことは間違いありません。
もし、それぞれが違う立場で出会っていたら、もしかしたら親友になっていたかもしれないですし、それとも全く友達になっていなかったのかもしれません。
こういう特殊な状況で、出会った奇妙な関係の二人だからこそ、世界最大の辞書が作れたのでしょう
映画の描写的に言うのであれば、
一般市民の代表であるかのような無学位の天才言語各社であり著名な編纂者のマレー博士
生まれが良く学位のあり、ある意味エリートだが粗野で精神疾患を抱えるマイナー
この二人の、双極性が色々な世界観を紡いで世界最大の辞典オックスフォード英語辞典を生み出し、途中で諦めることなく世界中の英語の言葉や意味を網羅したことは、まごうことなき驚異の偉業としかいえない
そして、違う世界の二人だからこそ、惹かれあった友情であり、友情無くして辞書はなかったのでしょうね
名俳優たちの豪華共演(メル・ギブソン、ショーン・ペン)
本作は博士役のメル・ギブソンと殺人犯役のショーン・ペンが一番の見どころです。
メル・ギブソンというと、実生活では交通違反やDVなどでも騒がせていたイメージが最近は強かったですが、本作では辞書作りに熱心である博士役を務め、先程も書いたように本作を作ろうと手を挙げた程の力の入れようでした。
最近は、俳優としてよりもプロデュースする側として、監督業がもっぱらの生業となっていただけに、本作で、やはり名優は名優なんだなと思い知りましたわ。
「マッドマックス」のような、「リーサル・ウェポン」のようなアクションなくても、円熟味の増した顔の深いしわが演技している
そんな感じです
一方で、精神疾患のハイソサエティで生まれ育った、ウイリアム・マイナーを演じたショーン・ペン
殺人犯の芝居が強烈すぎて、メル・ギブソンはあまり目立たなくなってしまったなというイメージもありありでした。まあ、物語をそっちに寄せたのかもしれないですが、演技としてはショーン・ペンに軍配が上がっているようにも思いますよ
ただ、冒頭でも言いましたが、この演技が多少行き過ぎていて
ヒューマンドラマ以上の何かを期待しちゃうんですよね・・
個人的には、『ミスティック・リバー』のショーン・ペンが最高と思っているので、好きな俳優の一人です
映画の感想まとめ
本作は実話ということで、驚かされる話でもあります。
犯罪者が辞書を作ることに携わるなんてありえないだろうと思いますが、実際にあったなんて、かなりの衝撃です。
また、ショーン・ペンの迫力があまりに印象的な映画でした。
実話が好きな方にはおすすめの作品です。
超ド級のヒューマンドラマですが、
結構サスペンスやミステリーが好きな人もはまると思いますわ
— hogeru —
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