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『セブンシスターズ』一つの人格を7姉妹で演じる秀逸な世界観だが・・評価・感想 ネタバレ:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-01-16

近未来の食糧難の世界で一人っ子政策が徹底されてる世界で、政府に隠れ7つ子の姉妹がそれぞれの人格を隠してカレン・セットマンと言う一つの人格を共有している。ある日事態は思わぬ方向に向かう。『セブンシスターズ』近未来サスペンス映画です!世界観とベースストーリーが秀逸な映画、おすすめの作品!

世界観としては、面白いものを持っています。

主演が、ノオミ・ラパスとくれば、そこそこアクションもあること期待できます。

ノオミ・ラパスの7変化も見られるので、そこそこ見どころもあります。

一度は見ておいた方がいい映画であると断言はできます。

しかしながら、ラストシーンや、その秀逸な世界観を活かし切れていないのも事実

そこそこおすすめの映画です

それでは見ていきましょう

あらすじ 見どころ

環境・人口増加による食料供給難問題が世界を破滅に向かわせている近未来。 そこでは、人口抑制の為のあらゆる試みがされ、 そこには遺伝子組み換え作物等あらゆる手段を試みたが、逆の影響により多生児(たたいじ)が増加する事態に悪化した

そんななか政府は一家に一人のみの子供、
一人っ子政策を打ち出して厳格に管理する。
二人目以上の子供は、冷凍冬眠されいつか食糧問題が解決されたときに
目覚めさせるという

そんなとき、セットマン家には、7人の姉妹を産み母親は死亡した。祖父のテレンス・セットマンは7人兄弟をなんとか、救おうとして 7人を一人の人格として政府に登録して、極秘に全員を育てるという行動に出た。
7人はそれぞれ、曜日で名付けられて
各名前の曜日にカレン・セットマンとして外出が出来る、そんな毎日を30年送っていた。

ある日、Monday(マンデー)が外出の日。いつもどおりカレン・セットマンとして会社へ出勤するが
その日は家に帰ってこないことから歯車が狂い始める。

なんてことは無い日常だったはずなのに。
セブンシスターズの運命は・・・・


[showTable]

映画情報&キャスト

『セブン・シスターズ』 2018年 イギリス・アメリカ
【原題】 What Happened to Monday
【監督】トミー・ウィルコラ
【脚本】マックス・ボトキン
    ケリー・ウィリアムソン
【製作】ラファエラ・デ・ラウレンティス
    ファブリス・ジャンフェルミ
    フィリップ・ルスレ
【製作総指揮】
    ティエリー・デミシェル
    ガイ・ストーデル
【出演者】
セブンシスター(ノオミ・ラパス)
カレン・セットマン
 以下7姉妹役
 Sunday
 Monday
 Tuesday
 Wednesday
 Thursday
 Friday
 Saturday
ニコレット・ケイマン(グレン・クローズ)
テレンス・セットマン(ウィレム・デフォー)

映画の構成背景 ネタバレ

https://www.netflix.com/ より

ベースの世界観が素晴らしい

『セブン・シスターズ (What Happened to Monday)』の世界観では、全世界的な食糧難から遺伝子組み換え作物等あらゆる手段を試みて、それにも失敗し、逆に多生児(たたいじ)が増加する事態に悪化していると言う設定になっています。

食糧難で、対策講じたらさらに人口が大爆発しているって・・・

多胎児って、そもそもそんなに聞いたことない言葉ですが、正式な言葉では3つ児以上が生まれた時の定義のようです。

それが、この映画では7シスターズです。7人ですよ。すごい多胎児っぷりです。

この辺の背景説明が、映画冒頭でさらっと状況説明をテロップとアナウンスで流し説明されます。

結構、それがはまるんですよね。映画全体で妙におかしなこねくり回して伏線で説明されるより、こういう風にさらっと冒頭で説明されるほうが映画のストーリーラインとしては分かりやすくなります。

世界観・背景ってのは、それぐらい重要ですから。

人口が増えるにしろ、食料が減るにしろ、我々現代人の遺伝子治療や遺伝子組み換え作物への警鐘ともとれるような世界観ですから、かなりググっと引き込まれていきます。

そして、遺伝子組み換えの失敗

これなんかは、まさに他人ごとではないですよね、何世代もかかってようやくわかる科学的な影響はいっぱいあるずですから。

遺伝子組み換え食物の恐ろしさが、心の中にサクッと入って来て恐怖を感じました。

ドキュメンタリーでも警鐘を鳴らしている映画もあります。映画の世界観としては違いますが『世界が食べられなくなる日』『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』なんかが、上げられます。多少大げさに表現していますが、こちらはリアルワールド笑い事ではなかったりします。

映画は、そういう世界観の中で思い切った政策をとって、逃げ切っていこうとします。

『水曜日が消えた』に似てるよね

まあ、どっちが先かというと本作ですよね

邦画の『水曜日が消えた』ってのがもう月曜日との違いだけで

かかげる映画のベースの主人公の設定が同じ・・・

本作からインスパイヤして作られていると思いますよやっぱり。

一人っ子政策

この映画の世界の中で取られている対策が、なんと一人っ子政策。

策としてそれしかないのかい、と突っ込みたくなりますが、

どっかの国を風刺しているかのようですよね。(おそらくそこまでの意図はないと思いますが・・・)

この政策を行うと普通は、急速な高齢化社会を迎えていくのは中国をみればわかりそうなもんですが、そんなことは気にしない。

だって、ひたすら多胎児がうまれいくのですから、怖いものはありません。抑止するしかないのです。世界的にたしかに同時多発的に小動物のように、子供がいっぱい生まれる環境だと抑止するしかないのかもしれませんね。

抜本対策がないのですから。

そして、この一人っ子政策が、一番の伏線になります。伏線ってよりもメインストリームか。

セブン・シスターズの誕生

彼女たちは、多胎児で産まれました。なにかアニメのカッコイイ キャラとかではありません。普通の女の子たちが7人生まれたのです。

しかも7つ児ですから、同じ顔が7つ。

ここで世界観、つまり一人っ子政策のさなか、一人しか子供が生きられない時代です。

7つ児が生き抜くためには、祖父であるテレンス・セットマン(ウィレム・デフォー)は何をとち狂ったのか、全員救う道を選びました。

出産で娘さんは亡くなり、どうしていいのか途方に暮れたところでかわいい孫を残す道を選んだんですね。

凄い英断です。仮に中国でこんなことやったら、見つかったら物凄い罰金(税金)ですよ。

なので、金持ちしか子供を持てない。でも、この世界では見つかると。。。当局に連れていかれます。

当局とは、児童管理局の事で、厳しく一人っ子政策を管理します。移民管理局みたいですよねまるで。でもこの世界では絶大な権力を持ちます。政策として一人っ子政策が政党の存在意義になっている世界ですから、独裁者政権を作っている政策に他なりません。

捕まった場合はどうなるかと、言うと連れ去られて凍結されてしまいます。。。。表向きは!

彼女たちは、7人ですから、それぞれ曜日に見立てられて名前を付けられ育てられ育ちます。

じいちゃんの厳格な教育のもと、決して外出することは許されませんでした。

そこで、じいちゃんは、決めます。

外出できるのは、同時に唯一ひとりだけとして、

彼女たちの架空の外出用のペルソナのカレン・アセットとして、各名前の曜日に外出して生活するのです。

架空の人格カレン・アセットに成りきるのだけが、セブンシスターズの生きる道(外出する)でした。

それ以外は、家の中で隠れて生活するのです。

ちょっとだけ、ナチスのユダヤのゲットー政策を思わせる、自由のない生活です。

合わせて読みたい『戦場のピアニスト』

ここに映画のポイントがあります。

30歳までは彼女たちは、何事も無く生活していました。

ただし、セブン・シスターズはそれぞれ別人格を持っているのです。

月曜:野心家・リーダー的存在のしっかり者
火曜:少し気弱で甘えん坊的
水曜:トレーニング大好き女性、鍛えまくっている筋肉女子
木曜:幼き日から体制に反抗的、常に疑問を抱えている
金曜:リケジョ、頭脳明晰でIT技術でハッキングまでする能力あり。(めっちゃ引きこもり)
土曜:社交的で文化的
日曜:全員のまとめ役、月曜のの補佐役

考えてみてください、7つ児とはいえ、それぞれの人格を隠しながら、週に一度だけ外の世界に出られるのは、カレン・アセット架空のペルソナ人格のみの世界。

恐ろしいですよね。絶対気が狂います。

外で、自分以外の自分(カレン・アセット)が、何をしているのかはわからないのですから。。。

映画としての感想評価

主演女優

主演女優でセブン・シスターズ7人の人格を園児分けるのは何かと話題のノオミ・ラパスです。

色々な作品に登場し、アクション女優としてノリにノッテいる彼女、『ドラゴンタトゥー シリーズ』など、サスペンス・スリラー系な映画には欠かせない存在トンってきています。

さらに、エイリアンシリーズにまで登場して『プロメテウス』で腹にエイリアン抱えて、手術台で意識保ちながら手術したあの切れた女性ですよ。

ドラゴンのリスベット・サンデルに近いアクションとか、知性が入り混じった役など切れっぷりな的な役が妙にはまるイメージになってきましたね。小柄な割に筋肉質でアクションもできるし。

本映画の見どころとしても、7つ児女性、7人の個性の使い分が見事でした。

カメラワーク、演出・脚本である程度演じ分けが出来るとしても、カレン・アセットマンと言う共通人格をベースに置いたうえでの、7つ児の演じ分けです。

多重人格を演じるのとも少し違ったエッセンスが必要になると思います。

リアリティーさとしては、本当の7つ児ならもっと性格や身体能力が先天的に似通うものではないかと思いますが、それは映画の中の話で、そこをつっこむと『セブン・シスターズ』と言うタイトルまで成り立たなくなりますもんね。

映画そのものとしての感想・評価

純粋な感想で言うと、世界観とノオミ・ラパス演じるセブン・シスターズと言う面白い設定がなければ、ストーリー構成は読める展開ばかりなので少し味気ない物でした。

セブン・シスターズと言うキーワードと世界観に思いを巡らせて、映画に没入していくと、非常に面白い作品となります。

確かに、突っ込みどころは満載ですが、そこには目をつむって見て欲しい作品です。

セブン・シスターズは、色々な語源の意味があるようです。

石油メジャーと言う意味合いもありますが、おそらくギリシャ神話のプレイアデス姉妹を表しているのではないかと思われます。

プレイアデス姉妹の中でも一人だけ、神々の子供を生まなかったメロペーがマンデー(monday)をイメージしているように思えます。

原題から結構想像できてしまうのですが、

最終的には、原題の通り"What Happened to Monday"、兄弟を裏切ったのは誰なのか即わかります。

ただ、作品中でもどうして裏切ったのかまでは、明確に表現されていません。

これは、想像の域を出ませんが、兄弟を裏切るつもりではなく。

幼きころ、木曜日のせいで薬指を切断することになったときに、既に決断はしていて、いつか、自分は主格となって自分一人の世界にするつもりで30年間を生きてきたのかもしれませんね。

ラストのマンデーを見ていると、そういうしたたかさがにじみ出ています。

別の映画で、多重人格を扱っている『スプリット』とはまた違った味付けの映画となっています。

全く異なる人格ではなく、同じ人格を共有するという面白い発想が、その主格を奪い合うのですから。

人格の後ろに隠れているのは、人格ではなく、肉体をもってい人間そのものですからね。

合わせて読みたいスプリット含めたシリーズ最終作『ミスターガラス』

ラストシーン ネタバレ

この映画での、一人っ子政策が実は子供達を冷凍では無く、ぶしゅーっとプラズマのような光線で殺していました。

このへんが、正直想像通りすぎて、まったくひねりが無くて本当に面白くなかったです。

しかも悪の親玉がグレン・クローズなんだから、考えなくても配役でわかってしまうレベルに感じます。

グレンローズ見ると、”悪”しかイメージ出来なんだから、一番の伏線になっちゃいますよね。今までも『101』や古くは『危険な情事』とか、テレビとかだと『ダメージ』でバティとういう冷酷な弁護士を演じ、とにかく忘れられない怖さをかもし出す彼女ですから。ここを乗り越えて実がいい人!って設定だとかなりサスペンス要素では面白かったと思います。

まあ、お役奥で仕方がないのかもしれませんが、この配役による、ミスリードなしのネタバレは残念でなりません。

この配役だけ、なんとかしてくれて、

本当のラストシーンで、最後に生き残ったのが木曜日では無くて、実は月曜日でしたって流れであれば、もう少し楽しめたと思われます。本当に残念なところでした。

どうどうと、カレン・アセットの名前をついで、ペロッと舌だして終ってほしかった><

この辺は、内容は置いておいてホラー映画のストーリー展開『へレディタリー/継承』とかが秀逸でしたね。

海外の評価 2020/03時点

評価は、批評家・視聴者ともに高い数値です。一般視聴者よりも批評家サイドから評価が高いのもアカデミー俳優達の演技が底上げしているものと思います。

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
47
User rating6.9/10
ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
57
Audience67

まとめ

”ほげる”的には、おすすめの1本です。

ネタや伏線は、気にせず是非”世界観”とセブン・シスターズと言う秀逸な設定、

是非、主演女優のノオミ・ラパスを見て欲しい作品です。

✔ノオミ・ラパスが気になる人
✔近未来映画が好きな人
✔多重人格な映画好きな人

こういう人ならば、この映画は大すきになれると思います。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       4

 ストーリー構成    4
 初見で読み取れない謎 3

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、面白い作品と思います。