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『スプリット』多重人格のサスペンス 評価・ネタバレ:動画配信・映画感想あらすじ考察

2019-12-27

24の人格を自らの精神世界に住まわせるケビン。ナイト・M・シャマラン監督が送るアンブレイカブル続編と位置づけられている野心作

あらすじ

人と一線を引き、学校でも皆と距離を置いて一人で行動するケーシー。

同級生のクレアとマルシアと、帰宅につく車に乗り込むやいなや誘拐されてしまう。目を覚ますとそこには、トイレと水道、ベッドしかない部屋だ。

誘拐したのは、乖離性障害(多重人格)を患っているケビンの主格の人格の一人で、デニスが3人を誘拐してしまう。

デニスは潔癖症の人格で、何事も整理・清潔でなくては治まらない正確だ。デニスの隙をつきクレア・マルシア、ケーシーは脱出を試みようと何度かトライするも失敗に終わる。

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閉じ込められている部屋の隣の部屋から物音が聞こえ、わずかな隙間の鍵穴から覗くと女性とデニスが言い合いをしているようだ。

女性が彼女たちに優しくするようにデニスを諭しているのだ。そして女性が監禁室に入ってくると、そこにはデニスと同じ人物(ケビン)がネックレスをして女装をして立っている。

彼女の名前はパトリシア。ケーシーは、ケビンが多重人格であることを突き止める。パトリシアはケビンと同じく主格の一人だ。

しばらく監禁部屋で過ごすうちに、ケーシーは子供の人格のヘヴィッグを引き出す。

ヘドヴィッグを言葉巧みに騙し、情報を引き出しケーシー達は瞬間的に脱出に成功するもケーシー、クレア、マルシアはバラバラに閉じ込められる。

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精神科医のフレッチャー女医は、ケビンの主治医で彼の診察を定期的にするうちにケビンには23もの人格がいることを突き止めたのだ

フレッチャーは多重人格には、人格を変えるだけで無く肉体をも物理的に変えることが出来ると独自の論理を展開し学会へ紹介していた。

ケビンは定期的にフレッチャーの診察を受けている。フレッチャー女医の診察中は主格の人格の一人でファッションデザイナーのバリーが訪問していた。

バリーとの会話を通じ、フレッチャーはデニスがバリーの振りをしていることに気がつく。照明を受けているのは、デニスでバリーはしばらく現れていないのだ。ケビンの人格達は光の照明(スポットライトを浴びるという表現)を受ける権利と言う表現で、人格が表に現れることを表している。

フレッチャーはデニスの行動を不審に思うが、彼女も捕まり監禁されてしまう。

主格達デニス、パトリシア、ヘドヴィッグらは、 クレア、マルシア、ケーシーを彼らが信仰するビーストという24番目の獣人の人格があらわれるための生け贄にしようとしているのだ。

ケビンは親からの虐待を受けて多重人格となってしまった。そのため、ビーストは「生まれてから苦労をしたことの無い若者」を集め生け贄としようとしていた・・・・

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映画情報&キャスト

スプリット 2016年 アメリカ
Split
監督  M・ナイト・シャマラン
脚本  M・ナイト・シャマラン
製作  M・ナイト・シャマラン
    ジェイソン・ブラム
    マーク・ビエンストック
出演者
ケビン・ウェンデル・クラム
    ジェームズ・マカヴォイ
ケイシー・クック
    アニャ・テイラー=ジョイ
カレン・フレッチャー医師
    ベティ・バックリー(英語版)

デビッド・ダン (エピローグだけ)
      ブルース・ウィリス
イライジャ・プライス (名前だけ)
      サミュエル・L・ジャクソン

多重人格の超人性を表現

人格の使い分け・演じ分け

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ケビンを演じる、ジェームズ・マカヴォイの演技力が随所で光っている。

ケビンに存在する23の人格は、”照明”の権利を受けることで表に出てくることが出来る。照明の権利を仕切っているのは、バリーとヘドヴィッグ。

本作品では、23人格全ては出てきていない。それぞれのキャラクターの正確や物理的な変化までも含めて、仕草や表情までも差分をつけて演じきっている。

人格(精神)が肉体に及ぼす影響

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フレッチャー女医は、学会に可能性として精神の多重人格の各人格が人体にまで物理的な影響を及ぼしていると研究成果を発表している。

その中でも、本作品のビーストは獣の中から産まれた人格のようにに描かれており、人肉を食し、壁を上り、銃弾でも死なない。鉄格子もわけなく、曲げてしまう。

ビーストは、人格達の中でも“群れ”(ザ・ハード)と表現され、最強の人格としてあがめられている。アンチテーゼ的にはヒーローだ。

23人格の中での神として人々を断罪する

一方で、他の人格も宿した状態の弱点を持ったままの多重人格のヒーローとしての不確実性が物語の終盤にかけて、裁定者のように裁きを人々に与える存在へ変化していく。

ヒロインのケーシーは過去に、父親が死んだあとに伯父から幼児虐待(おそらく性的)を受けた過去を持ち、苦労してきて生きてきたからビーストから赦される。

クレアとマルシアは、苦労知らずだから、罪を背負い、断罪される。

シンプルだが、ケビン(自身)と同じ体験をした者は赦される。

続編への期待『ミスター・ガラス』

エピローグでダン(ブルース・ウイリス)が現れ、本事件を噂している人に、数年前の異常な事件の犯人に似ている、だれったか?と思いを巡らせている人に、
「ミスターガラス」
とつぶやき、登場する。

とってつけた感が満々だが、これで自作への布石ができた。
(事件も全く似ていないが)

同名のタイトルのフィルムとして、本作のあと『ミスター・ガラス』と、メガフォンを取り、前作の『アンブレイカブル』3部作の構成となっている。

あわせて読みたい

本作で回目出来なかった謎や、どことなくモヤモヤした内容はこれらの映画で晴れるだろう。

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まとめ

”ほげる”的には、おすすめの一つ!

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      3
 キャスト       4
 ストーリー構成    4
 初見で読み取れない謎 3

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、最高に面白い作品と思います。