『記憶にございません』現実とだぶるかのような、”もしも”喜劇!三谷幸喜プレゼンツのエンターテイメントコメディ:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『記憶にございません』は三谷幸喜監督による秀逸な現実世界パロディ映画!歴代最低と言われる黒田総理が演説中に石を頭にぶつけられて一時的な記憶喪失になった。記憶を無くしていることは周囲の側近を抜かし絶対の秘密で真人間として生まれ変わった黒田総理が新しい政治を行おうと奮闘していく・・
話題先行の感はありますが
三谷幸喜プレゼンツで送る『記憶にございません』は見て損はない面白い仕上がりになっています
政治・政争の道具に使われそうな、現実世界を映したかのような設定
女性蔑視、何でもしゃべる総理夫人など、トンデモ設定です
三谷幸喜監督が、公開直後に2019年の総理大臣である安倍晋三総理と対談したことでも話題になっています。
こんな映画を公開して、総理と対談してしまう日本はやっぱり自由の国なのでしょう
肝心の映画の内容としては安定の三谷幸喜ファミリーに加えて
やるだろうな・ここで笑わしてくれるだろうなって言うまさに演劇チックなところもあり
若干尻下がりでトーンダウンはしていることは否めないですが、
見ごたえある面白い内容に仕上がっています
見て損はないです
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
病院で目を覚ますと自分が何者かわからなくなっていた黒田は、半ばパニックを起こしながらパジャマのまま街に出て足の向くまま、お腹がすいたので街の定食屋に入る。店主や客は不思議そうに黒田を見ている。定食を食べていると黒田がテレビに映り、自分がまさかの内閣総理大臣であることを知った。
官邸に無理やり連れ戻されて、事情は大分呑み込めた。
自分は内閣総理大臣の黒田(中井貴一)で、歴代最低の総理と言われる粗野で乱暴な物言い、まさに出来の悪い政治家そのもののようだ。
秘書たち(ディーン・フジオカ、小池栄子)によると、官房長官の鶴丸(草刈正雄)の傀儡政権になっているとのことだ。
総理の家庭もうまくいっていないようで、妻(石田ゆり子)も息子も自分のことを向いていない
記憶を無くしているのに、スクープ記者(佐藤浩市)がゆすってきたり、SPからも嫌われている。
記憶喪失のことを考えれば、逆になんでもできると開き直った黒田は、日本を良き国にするために、もう一度自身の政治を見直し始めるが、様々な問題が山積していた・・・
映画情報&キャスト
『記憶にございません!』 2019年 日本
【監督】三谷幸喜
【脚本】三谷幸喜
【製作】石原隆
市川南
【出演者】
黒田(中井貴一)
:内閣総理大臣
井坂(ディーン・フジオカ)
番場(小池栄子)
:黒田の秘書
聡子(石田ゆり子)
:黒田の妻
寿賀さん(斉藤由貴)
:首相官邸の住み込み料理人
山西(吉田羊)
:野党第2政党党首
黒田の浮気相手
鶴丸(草刈正雄)
:官房長官 影で内閣を操り
党の重鎮
古郡(佐藤浩市)
:スクープ記者
超感想中心の評価考察・レビュー
現代の喜劇製造メーカー三谷幸喜
三谷幸喜プレゼンツ、脚本/監督で製作された本映画は東宝からの配給になっています。
三谷幸喜作品と言えば、数多くあれど
数々の三谷幸喜の他の作品あれど、前作の『ギャラクシー街道(2015』以来の本作は、
どうしても思い出してしまうのが、テレビドラマの『総理と呼ばないで』になりますね、記憶喪失ではないのですが田村正和がいけていない総理として、就任最短記録辞任を更新するかどうかのなんちゃって内閣
そのダメな総理大臣がヒューマニズム溢れる人間味のあるドラマ的な展開から、徐々に総理として良い人間になっていくとういう設定です
どこまで一致性があるかはおいておいて、かなり似てますね。
総理官邸での家族との関わり合いなどを出す点など、総理と言えど、「一個人なんだな」と思い出させる描写が本作と一番似ている感じがします
感覚的には、三谷幸喜作品ではないのですが、同じくテレビドラマの総理大臣の父と息子が『転校生』のように入れ替わる『民王』とも似てる設定がありますね。記憶を無くしているということから、こっちのほうが近いかもしれません。
海外映画でも大統領が急病になって、急遽影武者として動いていた人物が本物として表舞台で活躍する『デーブ』など、シチュエーション映画としては割とある設定かもしれません
安定の三谷幸喜ファミリー 中井貴一
中井貴一の記憶を無くした総理大臣の設定です
総理とはいえ、情けないシーンが多くなっています。中井貴一のコミカルさと情けなさを前面に出して、まさにはまり役でしょう
三谷幸喜作品では、『ステキな金縛り』、『ザ・マジックアワー』等で映画で重要な役割を演じています。
WOWOWのドラマで鈴木京香とワンカットのアドリブドラマ『ショートカット』など、野心的なものにも出演していますね
他の三谷幸喜ファミリーの中で、佐藤浩市など総理をやっても良かったかもしれませんが、味のある真人間になっていくのは中井貴一だからこそのキャラクターでしょう
映画感想、解説 ネタバレあり
政治的信条はないのですが、この映画はいろいろと波紋を起こすのでしょうね
普通に見て、日本政権史上猟奇政権となっている安倍政権
安倍晋三首相をどうしても想起してしまう、
・おしゃべりな妻
・暴言を吐く総理
・嫌われている総理
・権力のないお飾り政権
一見すると、左巻きな感じで
安部総理をディスっているように見えますが、果たして・・
映画を見進めていくと
・記憶にございません ロッキード事件の有名な言葉
菅直人の原子力発電所関係を想起
・国会を休んでフィリピンパブにいってしまう大臣
民主党や立憲民主党を想起
・半ズボンの大臣
羽田孜を想起
・必ず文句ばかり言うニュースキャスター
某テレビ局
・政治家同士の不倫
某野党女性議員
など、どちらかというと左巻きな人をディスっていることが多いような感じが・・・
結構痛い内容ばかりですよね
このオマージュと言うのか、メタファというのか
考えれば考えるほど相反するものを、ならべて演出するって
かなり面白い感じがしましたね
三谷幸喜自身は、おそらくですが政治信条はなく
どっちに倒れれても、「笑いを取れるから」
くらいの演出のように思えます
まさに、究極のエンターテイメント
喜劇王ですね
さて、映画の中身はドタバタコメディなのですが
1本芯が通っていて、それは
”間違ったものを正していく”
この1点において、良い方向に世の中を持っていくために映画として構成されています
そういう意味では、木村拓哉の不幸にも一回の教師が父親の後を継いで政治家になり、総裁選で勝ち総理大臣になったドラマ『CHANGE(チェンジ)』とマインドがかなり似ているテイストです
結局は記憶喪失が途中から実は戻っていたけど
良い政治家になろうとして、記憶を無くしたままで行動をしていました。
ちょっとだけ考えると、
どこから記憶が甦っていた?ってのは不思議に思います。
恩師の先生を呼んだあたりから実はそうだったのでしょう
ストーリーのプロットとして少しだけ思うのは、
記憶思い出したんなら、記憶を無くしていることを知っている側近以外には別に亡くしたふりしてもいいけど
徹底して”ふり”をする必要まではないんじゃない?
と思いますね。
だって、家族にだって・6か国語を理解する総理が通訳交えてアメリカ大統領と会話とか、どんだけ不自由なんだっけ?
それら以外は、本当に安定して面白おかしく見ることが出来ました
もちろん政治は数がモノを言うマスゲームですから、こんな簡単にはいかないんでしょうけどね
政治に夢を持ってしまいますよね
映画の感想まとめ
そうじて面白いでしょう
三谷幸喜の作品で、映画タイトルが先行して、期待ほどには達していなかったのが正直なところですが、それでも鉄板で面白い作品です。
三谷幸喜作品って、俳優が本当に活き活き演技していますね
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 3
キャスト 5
ストーリー構成 4
初見で読み取れない謎 4
ディスカッション
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