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『麒麟の翼』東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ!阿部寛のはまり役:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-03-28

映画『麒麟の翼』阿部寛が主演で製作された加賀恭一郎でシリーズ第9作、”ここから羽ばたく”という意味を持つ麒麟像、「光ある方明日へ羽ばたくのか、光のない闇へ羽ばたくのか」一つずつ謎が解き明かされていく

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

大人気作家、東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ第9作!

家族のあり方や複雑に絡み合う真実を一つ一つ紐解きながら真相を明らかにしていく加賀恭一郎。誰も予想できなかった真実に、震えと驚きが止まらない。

東野圭吾シリーズは小説をほとんど拝読しているが、どのシリーズも最後まで誰が犯人なのか本当に分からない。謎の解明をするためのルートやピースが多く、全てを解き明かすことでやっと真実の入口に立てるのが東野圭吾シリーズの醍醐味だ。

2006年に発刊された’赤い指’という東野圭吾の作品がある。この作品は最初から犯人は誰かわかっているが、別の人物に罪をなすり付け本当の犯人を隠そうとする。簡単に言えば、家族の別の人物を犯人に仕立てようとするのだ。この作品も最初に見ているとなんだ犯人わかってるしバレるのも時間の問題かと思いみていると、少しずつ別の真実が見えてくるのだ。東野圭吾シリーズは、例え犯人が分かっていても、まだ分かっていなくても解き明かさなければならないものが多いのだ。

舞台は日本橋、麒麟の像の下で腹部を刺された男性が発見される。男性は搬送されるも死亡してしまい、加賀恭一郎らが事件解明に乗り出す。被害者である青柳武明は、腹部を刺された状態で8分間歩いて麒麟の像の下まで来ていたことが判明する。しかし、家族は何故被害者が日本橋にいたのか、どうして麒麟の像にいたのか皆目見当がつかなかない。腹部を刺されても歩き続けたということは、まだ死ねない、誰かに何かを伝えたいという思いで歩いたのだろうか。腹部の痛みに耐え、出血により意識も朦朧としていただろう。それでもなお麒麟の像まで歩いた青柳武明は、この像に何を伝えたかったのか?


なぜ、日本橋に麒麟の像があるかご存知であろうか?

日本橋は江戸時代に五街道の起点と定められて以来日本の交通網のスタートラインとされている。その意味は、’日本中に飛び立って行けるように’、’ここから羽ばたく’だ。これを踏まえて、考えていきたい。

捜査が始まり、青柳の会社の労災隠しや事件直後に被害者のバックを持ち逃走途中にトラックにひかれた若い男がいた事も判明する。ひかれた八島冬樹と青柳との関係性が発覚し裏付け捜査が続けられていた。しかし、犯人として捜査していたさなかに八島は死亡してしまう。ここで私が感心したのが、加賀恭一郎の考察する力と推察力だ。

八島が犯人だった場合、なぜ青柳を殺すに至ったのか。そしてバッグを盗んだ理由は何か。そしてもうひとつ、八島が犯人ではなかった場合、一体誰が何の目的で青柳を刺したのか。青柳本人に目を向けていた加賀は、ここで、息子である悠人に目を向け、中学生の時に起きた事件のことを調べ始める。

この加賀の視点を変えたことが、真実を紐解く第1歩となるっていくとは誰も考えていなかったと思う

人々は、目の前にたくさんの証拠や手がかりがあればそれが’正解’と捉えてしまうことが多いのではないだろうか。今回も、たまたま青柳と関わりのある八島が居合わせバッグを盗むという行動をしたことで、犯人と断定され捜査が始まってしまったのだ。

しかし八島には、同じ施設で育った恋人の香織がおり、新しい命がお腹に宿っていた。その状況の中で、強盗殺人を犯し身重の彼女を1人にするだろうか。いや、するはずがない。お金に困っていたという事実はあったであろうが誰よりも彼女の妊娠を喜んでいたのだから…

加賀恭一郎は、悠人の中学生の時に起きた事件を調べていくうちに、事故で植物状態となった水泳部後輩、吉永の母親が書いているブログのタイトルが’キリンノツバサ’であることに注目した。元気に走り回って欲しいと願いを込められたタイトルであることを知る。

また、青柳の事件当日の行動を調べていくうちに水天宮に鶴を持ってお参りに来ていたのだ。このことからなにかのご利益を願って行ったことではないかと考えた加賀は、悠人が偽名を使ってブログにコメントし、鶴を水天宮にお供えしていたことも判明する。

水天宮は安産祈願だけでなく、水難除けとしても知られていたのだ。青柳は水泳部でリレーのメンバーだった悠人や杉野、黒沢が事件に関わっていることに気が付き…

事件当日、コーヒーショップで、悠人の友人である’杉野’から話を聞いていたのだ。

もう、分かるだろうか?

最初の話からすると誰も予想もしていない人が犯人だったのだ。偶然現場を目撃した八島が、運悪く青柳のバッグを盗んだことで本当の犯人が見えなくなってしまっていたのだ。

今回説明では省いたが、杉野は悠人の父親である青柳武明の葬式に出席していたのだ。いや、普通に考えたら凄いことだ。犯人は現場に戻ってくるって言うけど、現場ではなく葬式で遺体の近くに戻ってくるとは…

ここで、どうして青柳武明が刺された後8分間も歩き続け、麒麟の像の下で息絶えたのかを考えていきたい。
整理すると、’麒麟の像’がある日本橋は、交通網の’スタート地点、羽ばたいていく’。そして吉永の母親が込めた’キリンノツバサ’のブログに込められた願いは、’目覚めて元気に走り回ってほしい’。

どちらにも共通するのが’新しい1歩’という意味ではないかと思う。’皆が罪を償い新たなスタートを踏み出して欲しい’という想いが込められているのではないかと思う

罪に苛まれていだからこそ、悠人は鶴を折り参拝していた。杉野は罪に苛まれ、隠蔽という名の殺人を冒したのだろう。そして、誰かに悠人や友人たちが抱えているものをわかって欲しいと、誰かに手がかりを残そうという意味も込め、麒麟の像まで歩いたのではないだろうか。

加賀恭一郎だからこそ、このメッセージを受け取ることが出来たのだろう。
‘死人に口なし’。伝えられなかった思いを受け取ることが出来るのが加賀恭一郎という刑事なのだ。

― hogeru -

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