『リバー・ランズ・スルー・イット』釣りを通してわかる人生の意味と家族愛!地味な名作:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』は1992年のアメリカ映画!ロバート・レッドフォード監督による、ある家族の緩くも静かな出来事、人生の意味と家族愛を地味な展開で美しく描かれる
イケおじとなったブラット・ピット
若手俳優の位置を本作で名実ともに確立した名作!
ただ、本作では静かな展開で主演ではないのですが、その若く美しすぎる頃を堪能するだけでもめっけもの!
そして作品は、往年の名優ロバート・レッドフォードが監督でメガフォンを取っています。
物語は、第一次世界大戦勃発前夜のアメリカ・モンタナ州。父から教わったフライ・フィッシングを心の糧に成長していった兄弟は、別々の道を歩んでもフライ・フィッシングを通じて繋がっていました。しかし、兄は弟の深い闇を知ることになります。
『リバー・ランズ・スルー・イット』を訳すると
「川がそこを通って流れる」、「そこを通って流れる川」となるようで、壮大で美しい大自然+家族や兄弟の愛情となると必然的にステレオタイプの人間ドラマになりそうですが、『リバー・ランズ・スルー・イット』は川が流れるように淡々と丁寧にノーマンとポール兄弟の成長を描く
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレあり
20世紀初頭アメリカ・モンタナ州ミズーラ
兄ノーマンと弟ポールは、牧師である父から神へ信仰の一環として教わったフライ・フィッシングに夢中になっていく。
兄のノーマンは真面目でデキが良く、弟のノーマンは明るい性格と兄弟は正反対の性格だが、フライ・フィッシングは、そんな兄弟と家族をつなぎ、仲の良い兄弟関係を築く
アメリカが第一次世界大戦に参戦したことで世の中が不穏な空気に包まれながらも、やんちゃな盛りの10代を迎えた兄弟はフライ・フィッシングを楽しみながら青春を送る。やんちゃ盛りの10代は瞬く間に過ぎていき、ノーマンは実家を離れ名門大学へ、ポールは地元大学へ進学する
卒業後ノーマンは、将来の展望が見出せないまま就職することなく帰郷、ポールは新聞社に就職して家を離れる。久しぶりに再会した兄弟は、フライ・フィッシングを楽しみ郷愁の念を描きながら交流する
就職をすることなく宙ぶらりんのノーマンは明るく活動的な女性ジェシーと出会い、ポールのように社交的な性格ではないためか、なかなかその関係は進展しなかったが、徐々にジェシーはノーマンの真摯なアプローチに心を開いていく。一方、インディアンの女性と付き合っていたポールは、根深い差別から恋人を守るため喧嘩となってしまい警察沙汰になってしまう。ポールが度々ギャンブル関連で警察の厄介になっていたことをノーマンは知ることになる。
ギャンブルで借金漬けのポールが気がかりなノーマンでしたが、シカゴ大学の英文学の教授に採用となり、ジェシーとの結婚を真剣に考えるようになる。そんなおり、ノーマンの前でカラ元気を見せるポールは、翌日、父を誘って一緒に釣りに行こうと約束する。
翌朝ノーマンはポールが約束通り来るのか不安となりつつも、当の本人はギャンブルにハマっていることなどおくびにも出すことなく約束通り実家にやって来て、父と兄弟は、昔のようにフライ・フィッシングを楽しむのだった。
何もかも上手くいくと思った矢先、ノーマンは、警察からポールがギャンブルのトラブルで無残な死に方をしたと知らされる。
人生はポールの死はマクリーンの一家に影を落としながらも、時は川が流れるよう過ぎていく。ポールや両親、妻ジェシーを失い老境を迎えたノーマンは、川が流れるように過ぎ去った日々に思いを馳せながら独りフライ・フィッシングに興ずるのだった・・
映画情報&キャスト
『リバー・ランズ・スルー・イット』(字幕版)1992年 アメリカ
【原題】A River Runs Through It
【監督】ロバート・レッドフォード
【脚本】リチャード・フリーデンバーグ
【制作】ジェイク・エバーツ
【出演者】
ノーマン・マクリーン(クレイグ・シェイファー)
:マクリーン家の長男。
真面目で秀才と親から見れば自慢の息子になるが、
女性に対しては少々オクテ。
ポール・マクリー(ブラッド・ピット)
:マクリーン家の次男。
デキのいい兄に嫉妬することない明るい性格だが、
どこか危うい儚げさを漂わせている。
マクリーン牧師(トム・スケリット)
:ノーマンとポールの父。
息子たちに心の糧となるフライ・フィッシングを教える。
ジェシー・バーンズ(エミリー・ロイド)
:ノーマンが心惹かれる女性。
貞淑な女性が美徳だった20世紀初頭では、
活動的な部類に入る女性。
超感想中心の評価考察・レビュー
フライ・フィッシングの意味
フライ・フィッシングのイメージが一新しました!
釣りと言えば、『サザエさん』で波平さんとマスオさんが釣りに行って、肝心の魚が取れなかったので近所の魚屋で買ったというエピソードが頭を過りすぎる・・
そりゃあ、言いすぎですが
なかなかフライ・フィッシングを楽しむ環境が自分のか育った環境になかったので、本作『リバー・ランズ・スルー・イット』のフライ・フィッシングのおかげで釣りのイメージが一変したわけですよ
モンタナの大自然を背景に兄弟がフライ・フィッシングに興じる姿は、
神々しくこの世のモノとは思えない美しさ!なんか、いいなー、これは楽園と言えるでしょう。
終盤での父と兄弟でのフライ・フィッシングのシーンは幸せに満ち溢れ、ポールがダークサイドに堕ちてしまったことなど忘れてしまいそう
美しく幸せな時間が続くと思えた矢先、マクリーン一家に悲劇が訪れます。
愛するものを失っても川が流れるように時は過ぎていき、残された者は亡き人を心に秘め生きていくしかないのです。『リバー・ランズ・スルー・イット』で兄弟がフライ・フィッシングで楽しんでいた川とは、無情にも過ぎ去っていく儚い人生を表現しているようです。
ノーマンとポールは仲良し兄弟
デキのいい兄と明るい弟という設定
まあ、ひと悶着ありそうですが、ノーマンとポールは観ている側が幸せな気分にさせてくれるとっても仲良しな兄弟なわけです。
歳を取っても仲良く軽口を叩きながら、フライ・フィッシングに興じている老いた兄弟の姿を見ることができなかったのは残念です。
ポールの悲劇があればこそ、人生に意味を考えさせられる映画的なプロットとしてはいいんですけどね。
ラストでフライ・フィッシングをする年老いたノーマンの脳裏には、眩い笑顔でフライ・フィッシングをするポールが過ったことでしょう。
多角的な美しさを兼ね備えたブラッド・ピット
ブラッド・ピットの出世作となった『リバー・ランズ・スルー・イット』
ブラッド・ピットは、可愛さと美しさを兼ね備えた弟くんキャラでしたが実生活では弟と妹がいる長男で、アンジーとの結婚生活では養子もたくさんの子供好き(のはずです・・・)
日本では「ブラピ」の愛称でお馴染みのブラッド・ピットは1987年に映画の端役でデビューしており、1992年『リバー・ランズ・スルー・イット』でブレイクするまではテレビや映画などで端役やゲスト出演などが続き、なかには主演作もあったようですが日本未公開だったり、ビデオスルーでしたね
普通のイケメン集団から伸び抜けたブラッド・ピットは、『リバー・ランズ・スルー・イット』でロバート・レッドフォードの再来と言われ世界的にブレイクします
前年に公開された『テルマ&ルイーズ』(1991年)で
今のブラピを想起させる端役ながらもフェロモンダダ洩れのチョイワル役で注目されていきます
そして、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイヤ』、『セブン』とスターの階段を上り始めるんですよね
やっぱり、本作は起爆剤!としていいでしょう
個人的には駄作(『アド・アストラ』とか・・)も多くあると思っていますが、『ファイト・クラブ』、『ジョー・ブラックをよろしく』、『イングロリアス・バスターズ』、『オーシャン11』シリーズと、やはり名作が多い!
残念なことにアカデミーとはずーっと無縁でノミネート・キングでしたが、ようやっと『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で助演男優賞を受賞し、オスカー俳優の仲間入り本当に良かったと思う次第です。
そして、プランBで、プロデューサー行としても成功していますね、自分で主演した『マネー・ボール』でも高評価を得て、制作側としても地位を確立します
ロバート・レッドフォード:往年の超絶イケメン
ロバート・レッドフォードと言えば、名優!
なのですが、監督をやっている俳優は数多くいますが、俳優と監督、両方で成功している映画人は一握りと言えるのではないかな!?(^^♪
『リバー・ランズ・スルー・イット』の監督ロバート・レッドフォードは、まさに俳優と監督で成功した一握りの映画人ですね
現在、俳優業を引退したロバート・レッドフォードは70年代の超絶イケメン俳優としてブレイクし、『明日に向って撃て!』(1969年)、『スティング』(1973年)、『追憶』(1973年)、『大統領の陰謀』(1976年)など後世に残る名作に出演しています。
初監督作品『普通の人々』(1980年)でいきなりアカデミー監督賞を受賞したロバート・レッドフォードは、その後、監督・製作でも評価されており、日の目を見ない映画人のためのサンダンス映画祭の生みの親でもあるようです。
リアルタイム世代ではない人にとってロバート・レッドフォードは敷居の高そうな俳優ですが、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)でアレクサンダー・ピアース役、悪人でしたが・・><
ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットは監督と俳優でしたが、『スパイ・ゲーム』(2001年)で二人は共演しています。
レジェント級の旧イケメンと、飛ぶ鳥を落とす勢いの新イケメンの共演で話題になりました
原作:『マクリーンの川』
『リバー・ランズ・スルー・イット』の原作は日本では『マクリーンの川』という、シカゴ大学の英文学の教授ノーマン・マクリーンの同名小説を原作にしております
ノーマン・マクリーンの弟は若くして亡くなっており、定年後、弟との日々を元に書き上げた処女作『リバー・ランズ・スルー・イット』は徐々に注目されていきロングセラーとなります。
当初ノーマン・マクリーンは『リバー・ランズ・スルー・イット』の映画化には乗り気ではなかったようですが、ロバート・レッドフォードの真摯な熱意により実現にこぎつけたとのこと
映画の感想まとめ
大作映画の陰に隠れ気味の『リバー・ランズ・スルー・イット』
実は、じみーーーにアカデミー賞では撮影賞受賞しています
ただ、こういう人生もありかな?
と思わせるだけのものが、そこにあります。
一度見ると記憶には残らないタイプですが、人生観みたいなものは考えさせられます。
空気感的には、『ブロークバック・マウンテン』にも似ているので、そちらを好きな人は確実に本作も好きなタイプだと思います。
動画配信の普及により記憶から記憶に残る名作に変わってきましたね(^^♪
本当にオススメです。
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