映画感想『ナイブスアウト/名探偵と刃の館の秘密』タイトルの謎に潜む意味!2重3重のドンデン返しと衝撃のラスト

2020-08-26

『ナイブスアウト/名探偵と刃の館の秘密』2019年公開のダニエル・クレイグら有名俳優が出演する怪しげなミステリー映画!著名なミステリー作家で富豪のハーランが自分の屋敷で遺体で見つかり、家族と家政婦ら誰がハーランを殺したのか!?名探偵のブノアは匿名の依頼を受けて、警察とともに捜査の中で癖のある容疑者達の持つ秘密を解き明かしていく・・

007のダニエル・クレイグ、キャプテンアメリカのクリス・エヴァンスらを迎え

その他にも豪華出演陣が間違いなく見どころの本作品

雰囲気はまさにアガサクリスティー

ポアロとかコロンボが出てきそうな古くさい探偵物の映像の雰囲気が漂いまくってます

昨今のサスペンス調のミステリーに真っ向から対峙するかのような、オールド・ファッションな仕立てでゴシックとまでは言いませんがテーマも遺産相続を巡る骨肉の争い

コメディ調なのか真面目なのかわからない設定もあり、賛否両論分かれる映画であろうと思います

そんな映画のおすすめ度は

4のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

著名なミステリー作家で大富豪のハーラン・スロンピーが自分の屋敷で遺体で発見された
既に齢85才となり、その誕生パーティーに家族と過ごしていた夜の出来事だった。

自殺と思われるその奇妙な遺体、誰かが雇った私立探偵のブノアが警察とともに家族の事情聴取をはじめると、表面上は仲の良かった家族内でもハーランや家族同士の諍いがちらほらと見え始めた。

ハーランのプライベート看護師のマルタが最後に彼を見届けた人物で、ハーランは看護師以上の存在として接し、家族の秘密を語っていた。嘘をつくと吐いてしまう体質のマルタに事情聴取をするブノア。

マルタに疑問を投げかける度に明るみに出てくる家族とハーランの本当の問題が次々と浮き彫りになっていくのだった・・

映画情報&キャスト

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』 2019年 アメリカ
【原題】Knives Out
【監督】ライアン・ジョンソン
【脚本】ライアン・ジョンソン
【製作】ラム・バーグマン
    ライアン・ジョンソン
【出演者】
ブノア(ダニエル・クレイグ)
 :匿名の人物にハーランの死因調査を依頼された
  私立探偵
マルタ(アナ・デ・アルマス)
 :ハーランの看護師
ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)
 :大富豪で遺体となって発見される
ヒュー・ランサム・ドライズデール(クリス・エヴァンス)
 :ハーランの孫
エリオット警部補(ラキース・スタンフィールド)
フラン(エディ・パターソン)

以下その他家族
 リンダ・ドライズデール(ジェイミー・リー・カーティス)
 ジョニ・スロンビー(トニ・コレット)
 リチャード・ドライズデール(ドン・ジョンソン)
 ウォルター・“ウォルト”・スロンビー(マイケル・シャノン)
 メーガン・“メグ”・スロンビー(キャサリン・ラングフォード)
 ジェイコブ・スロンビー(ジェイデン・マーテル)
 ドナ・スロンビー(リキ・リンドホーム)

超感想中心の評価考察

公式HPより youtube.com

監督は『スターウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン

ライアン・ジョンソンが監督・脚本・製作と全てを手がけます。『スターウォーズ/最後のジェダイ』でシリーズ希代の迷監督として不本意な結果を残したライアン・ジョンソンです。

鳴り物入りで、SW監督ファミリーとして参加しましたが、散々な結果に終わりました。興行成績だけで無く、やはりSWのレイのシリーズの中でも???とクエスチョンが続くらしくないスターウォーズでした。

その前作の『LOOPER』では、ブルース・ウイリスが過去へ行くSF作品で評価を得ています。

本作では、SFではなく超伝統的な探偵・推理物のテイストを醸し出した現代版の作品に挑戦です。SWでもLOOPERでも監督・脚本と同時手がけました。

個人的には、脚本と監督は分業制の方が上手くいくと思っています(物にいりますけどね)、本作ではさらに製作まで手がけて、えらい熱の入れようです

映画としての推移物の作風としては、見た瞬間にイメージしたアガサクリスティーの世界観そのものです。それもそのはず、監督へのインタビューでは、『オリエント急行殺人事件』を見てそのような作品にしたかったとのこと。

ストーリー展開そのものは今回は素晴らしく、冒頭で富豪ハーランの自殺そのものの謎解きとしては、先に明かされて物語は進行していきます。当然、探偵のブノアにはわかっていない状態で展開していきますが、その先に更なる深い秘密が2重3重に待ち構えています。

くせ者揃いの出演者達も見どころの一つです

犯人顔のくせに~

善人そうなかおして~

なんて、ポイントが沢山あり見ていて面白いです。先の謎解きされているので観客はどうやって探偵は秘密を暴いていくのか、どうやって犯人はそれを逃れるのか、その行動に視点が移りドンドン集中して引き込まれていく仕掛けです。

名探偵ダニエル・クレイグ

名探偵ブノアとして、007のダニエル・クレイグが演じます

007史上最高のキャラクターとも言われる、人間味溢れるイメージですっかり定着してその名をとどろかせたダニエル・クレイグ!

本作では、名探偵です

タイトルに名探偵と入っていますから、さぞ名探偵なのでしょう。

登場の仕方からして、怪しい事情聴取で影の中から「ボンド、ジェーズ・ボンド」とでも自己紹介しそうな雰囲気で登場します。

でもキャラクター設定はやっぱりちがって、いささかおしゃべりな探偵です

しかも007のようなダンディズム溢れるこもった声では無くて、ダミ声で若干高い声が鼻につきます

わざとそういう話し方の演出なんでしょうけどね

ヒロイン役でアナ・デ・アルマス

最近はNetflix映画への出演が多いアナ・デ・アルマスがヒロインです

キアヌ・リーブスの駄目男ぶりを披露し男を誘惑する悪女の『ノックノック』、実話をもとにした国連平和団のお話し『セルジオ: 世界を救うために戦った男』と出演してきています

最近では、ダニエル・クレイグと共演で、なんと『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』にまで出演を果たして、脂がのりまくっています。

何ともいない不思議な魅力を放つ彼女ですが、本作では不幸な自殺をするハーランの私設看護師として、献身的な介護をする、いたいけな女性を演じます。

さらに、ハーランを・・・・犯人・・・

とか意外な役割です

ミステリー作家で富豪はクリストファー・プラマー

クリストファー・プラマーがミステリー作家を演じます

早々に自殺してしまいますが、謎解きシーンなど含めると意外と出演シーンは多いです。

かつて『名探偵ホームズ・黒馬車の影』でシャーロック・ホームズを演じた彼がミステリー作家をやるのが、まさに味噌ですよね。カナダのジミー賞を獲得して高い評価を得ています。

名優中の名優が・・・

放蕩傲慢な親族役でクリス・エヴァンス

この家族は皆クソのように駄目な人達なのですが、その中でも筆頭で駄目なヒュー役で、ハーランの孫を演じるのがクリス・エヴァンスです。

超絶、親のいえ、じーちゃんのすねかじり虫です

キャプテン・アメリカとして、地球を救いまくってきたはずなのに、どうしたクリス・エヴァンズ

それぐらいギャップ感で楽しめます

『トゥルーライズ』のジェイミー・リー・カーティス

ハーランの長女役で、ジェイミー・リー・カーティスが演じます。

『トゥルーライズ』でアーノルドシュワルツネッガーが演じるスパイの奥さん役で、まったく普通の女性だったのに事件に巻き込まれていくアクションコメディで注目を浴び、ゴールデングローブ賞を受賞しています。

その他には、メル・ギブソンの『フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白』などにも出演しています

その他豪華出演者

マイケル・シャノン

『ノクターナル・アニマルズ』で警部役としてキレキレの演技で脚光を浴びたマイケル・シャノン

そのうちに込めたる演技でアカデミー助演にノミネートまでされています

ドン・ジョンソン

不思議な物で、刑事物でキャリアを築いたドン・ジョンソンが怪しい義理の息子役をやります

『マイアミ・バイス』や、『刑事ナッシュ・ブリッジス』犯人を追い詰めるのが仕事だったのに、ただの浮気男です。

トニ・コレット

『シックス・センス』で脚光を浴びて、『リトル・ミス・サンシャイン』でも評価されているオーストラリアの女優です。最近はホラー系なんかにも顔を出していますが、演技派です

本作では、怪しい義理の娘でハーランから金をだまし取りまくる役です

名優達の迷走活劇

紹介したように、かつてのアカデミー俳優とかそれに匹敵する受賞者、名優達が勢揃いして作られている作品です。面白くないわけがない。

そうです

本作の最大の見どころは有名どこの名優達の演技対決なのです

普通の映画とはちょっと違う、見せつけるかのような俳優達の大げさとも取れる、ギリギリの演技!

そういう見方で見ると、この映画の面白さが1段上がります

タイトル『ナイブズアウト』の意味・謎・ネタバレ

ナイブズ・アウトのタイトルは何でしょう

外にナイフが向いて言う状態、邦題のサブタイトルでもある”刃の館”を指す意味があるのでしょう。映画の中でも所々で映し出される、大量のナイフが外に向いているオブジェがありました。もろ、そのものの意味合いでしょう。

さらに、英語的に言うともう一つ画された意味合いがあると思っています

ナイブズ・アウトは

the knives are out (for someone)

と言い換えることが出来ます

これの意味合いとしては、
「誰かを責めたり罰するためにナイフは外を向いている=準備が出来ている」
つまり
「罰する準備が出来ている」
と言う意味になります

これを考察すると、本作品の意味するところが見えてきます

ネタバレにもなりますが、

ハーランは自分のふがいない家族に対する、大きな大きな厳しい罰を用意していたと言うことなのです

屋敷のオブジェは、単にそれを暗喩として飾ってあるのに過ぎないのかもしれませんね。

数々のギミック

種明かししてはいけない映画だと思うので、ネタバレはしませんが数々のギミックに溢れた映画というのは間違いないでしょう。

その中でも一番面白いのが、マルタの体質です

マルタは嘘をつくと、ゲロを吐いてしまうのです

この体質が物語にメリハリをつけていきます。

なんせブノワが質問すると、ぴゅ~っと吐いてしまうのですから探偵は楽なもんですわ

この体質があるおかげで、ハーランの遺書が発表された後もマルタの清廉潔白な純粋な心が所々で伺えます。色々な人にくそみそに責められても、全くゲロを吐く様子も無く毅然としていますからね。

逆に吐かなければ、吐かないほど、他の家族が以下に駄目かってことが浮き彫りになっていく構図が見事です。

それでも不満は多少残ります

全体的に非常によく寝られていて面白い映画です

それは間違いないのですが、ラストシーンでの謎解きがいささかあっさりし過ぎているような気がします。

市川崑監督の金田一耕助シリーズに犯されすぎでしょうか、全てがまあハーランの思い通り進んでしまったのは、悲しいことですかね。

もう少し、全体的に不幸になったけど事件は解決した

って構図の方が面白い気がしました。

ブノワがいくら謎を解いても間に合わなかった的にね。

海外の評価 2020/08時点

海外評価サイトでも、両サイトとも高得点をマークしています。

納得の評価ですね

古い映画調ですが、世間ではこういう正面から映画に向き合っているような作品に飢えているのかもしれませんねー

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
82
User rating7.9/10

ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
97
Audience92

映画の感想まとめ

サスペンスホラーですが、まったく怖くありません

むしろコメディたっちも入る楽しさとわくわく感が続きます。

屋敷のラストシーンは、ドキドキしっぱなしでした。

見どころはたくさんありますが、昔風の探偵物が好きな人ならば絶対に気に入るはずです

かなり、おすすめです

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       5
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4