映画感想『クロール -凶暴領域-』予想外の連続を計算しつくした2展3転するシチュエーション!襲い来るワニの恐怖!

映画『クロール -凶暴領域-』は制作にサム・ライミ、監督はアレクサンドル・アジャとホラーの巨匠二人が組んだワニ+水害パニックシチュエーションのサバイバルアクション映画としての逸品です!ハリケーンが襲うフロリダで父親を捜すヘイリー、道路や川の周辺で寒水が始まった家の床下で怪我をした父親を見つけるが、そこには獰猛なワニが巣くっていた・・

ホラー界の巨匠と逸材

こういってもいいでしょう。

サム・ライミの製作プロデュースとアレクサンドル・アジャ監督による強力なタッグ否が応でも期待できます

単なるホラー映画ではなく

ワニパニック+水害パニック

この両軸で刻々と変わるシチュエーションとワニによる

モンスターパニック的な要素で飽きさせない構成が見事!

サバイバル・動物アクションとでもいいましょうか

本映画は間違いなくおすすめです!

そんな映画のおすすめ度は

4のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

フロリダの水泳の選考会で思った通りの結果が出ずに落ち込むヘイリー

小さなころから父親と二人三脚で水泳に打ち込んできたヘイリーは両親の離婚と大学に入り別々に暮らすようになってからは疎遠になっていた。水泳大会が終わったあとに姉からの電話でフロリダにハリケーンが来襲していると知らされる。姉から父親の様子を見に行くように頼まれたヘイリーは強風と雨の中、父親の住む家に向かうが愛犬を残しそこに父の姿はなかった。

離婚する前に皆で住んでいた家に向かうが、既に周辺の道路は冠水し警察に通行止めを振り払って父親を捜しはじめた。昔住んでいた家に着くも父の姿はなく、携帯電話には自分の不在着信が写るのみだった。

愛犬のシュガーの吠える声で床下を調べに降りると、足と肩に大怪我を負った父親が気絶していた。
ヘイリーは父親を運び出そうとするが、そこに巨大なワニが突如として襲ってくるのだった。
唯一の出口の階段はワニにふさがれてしまう。
床下には水が浸水してきて水位が刻一刻と上がっていき絶望的な状況となっていく・・・

映画情報&キャスト

『クロール -凶暴領域-』 2019年 アメリカ
【原題】Crawl
【監督】アレクサンドル・アジャ
【脚本】マイケル・ラスムッセン
    ショーン・ラスムッセン
【製作】アレクサンドル・アジャ
    サム・ライミ
    クレイグ・フローレス
【出演者】
ヘイリー(カヤ・スコデラリオ)
 :水泳の有望選手
  両親の離婚に自分の責任と
  引っ掛かりを感じている
デイブ(バリー・ペッパー)
 :ヘイリーの父親

超感想中心の評価考察

パラマウントピクチャーズ youtube.comより

ホラーの巨匠サム・ライミ製作

ホラーの巨匠サム・ライミが製作を手掛けています、監督としては『死霊のはらわた』シリーズで閉鎖空間での新しいホラーの魅せ方を確立したといっていいでしょう。

制作プロデュースとしては、日本発のホラー映画のリメイク『THE JUON/呪怨』、悪魔祓い・エクソシスト系の新境地として『ポゼッション』など常にハリウッドに新しい風を吹き入れてきました。

アクション映画としても、ニューダークヒーローの『ダークマン』、元祖『スパイダーマン』シリーズと幅広くて掛けています

本作でもその手腕が随所に活かされており、シチュエーションや閉鎖空間での絶望的な表現はまさにサム・ライミ的な手法と言っていいでしょう。

制作としてコンビを組んだのがクレイグ・フローレスです

ペルシャ戦争をストップモーションやスローモーションと色彩を効果的に使いギリシャ彫刻のような肉体での生々しい戦いを描いたジェラルド・バトラーの『300』、同じくギリシャ神話の中の戦いを描いた『インモータルズ 神々の戦い』人間の持つポテンシャルを引き出すかのような作風が多いプロデューサーです。

サム・ライミとクレイグ・フローレスが、『ハイテンション』の頃から一緒に仕事をしたいとアプローチをしていたという、アレクサンドル・アジャ監督を起用したということです

『ヒルズ・ハブ・アイズ』のアレクサンドル・アジャ監督

監督はホラー界の逸材と言われるアレクサンドル・アジャ

アレクサンドル・アジャ監督は、世界的にヒットした妄想系グロスプラッター・サスペンスの『ハイテンション』、サバイバル復讐劇のリメイク作品ながらも映画界に激震をもたらした『ヒルズ・ハブ・アイズ』で知られる鬼才と言って間違いなしのホラー監督です

『ピラニア3D』等での水中撮影技術や表現力が高く評価されて、監督としての起用に至ったとも言われています。

前述の映画を筆頭にホラー畑でキャリアを磨いてきたアレクサンドル・アジャ、元々がサスペンス要素の入ったホラーが得意な領域です、これまでの猟奇殺人が動物パニックに変わってもその表現力は健在でした。

キレのある演出と、息つかせぬ展開

常に安心のできないドキドキ感が満載です

主演のカヤ・スコデラリオ

主演のヒロインのカヤ・スコデラリオがヘイリーを演じます。

本作では、全開の体当たり演技が素晴らしいです

撮影環境も過酷だったでしょうが、ずばり窮地で光るキャラクターでしたね

トンデモ設定のある意味シチュエーションSFの『メイズランナー』でもヒロインのテレサを演じています。

水 + ワニ < アリゲーターのリアリティー感

本作品での見どころは、

ありそうなリアリティ

だと思います

シチュエーションムービーの類ではありますが、ありえないシチュエーションではなく、誰もがあるかもしれないと想像するギリギリのリアリティーさがあるのが特徴です

水害と一言で言ってしまえばそれまでですが、フロリダの地でのハリケーンに襲われるというのが、いかにもありそうな設定です。フロリダは本当に、川や沼などが多く台風やハリケーンが多いことで知られています。

そして、肝心のワニ

この設定も、どっかの映画のような巨大ワニ『アリゲーター』とか巨大ヘビ『アナコンダ』のような巨獣現るって設定ではなく、普通のワニ!

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キングレコード

ワニとアリゲーターの違いも微妙ですけどね

ジョーズのようにバックん、一飲みで人間を食べてしまうのでもなく獰猛で残忍だけども、多少付け入るスキがある。傷つければちゃんと死ぬ設定。

まあ、いっぱい出てくるけどね

痛々しさのレベルも想像できるギリギリを攻めてきます

主人公ヘイリーと父親は、もうワニに噛まれまくりますが、それでも闘いあがない続けます。ギリギリの傷つき具合と痛々しさ「あ、これならちょっとは動けるかもしれない」と観客に思わせる範囲が絶妙です。

ジョーズとかは、一発で丸のみでですからね。

本作では、牙に傷つけられてて重症だけどもギリギリなんたか踏ん張れる程度感が素晴らしい

ワニ同じ意味のアリゲーター、クロコダイルの違い

ちょっと調べてみました

ワニを英語に単純になおすと2種類あるのですが、実際は言い方で随分意味合いが違うようです

アリゲーター:小ぶりのワニで性格は比較的温和、口を閉じると歯は口からはみ出さない
クロコダイル:大型のワニで、人食いワニ、口を閉じると歯が飛び出している

こんな違いがあるようです

広く温帯地域に生息しますが、人間が実際に捕食されることも多い人食いワニ

アフリカでの民間伝承で「ワニに噛まれたら目を突け」ということわざがあるそうです。これは、目を突くと口を開ける習性があるらしく、逃げるときの伝承ですね。

なるほど!、ヘイリーさすがです

『クロコダイル・ダンディー』は、やっぱり、人食いワニだったってことですね。

ストーリー解説 ネタバレあり

実家へ赴いたヘイリーが見たものは、傷ついた父親と巨大なワニ

さすがスポーツマンの彼女は、あきらめません

足を噛まれますが、何とか窮地から抜け出て

自分と父親が助かる道を模索し続けます。

映画演出として素晴らしいなと思ったのは、途中で助けに入りそうな人が片っ端からワニにやっつけられていくことです。
登場人物が実に役立たずだなと思いつつ、この演出の映画に与える効果は素晴らしく、ヘイリーの絶望的な状況をより鮮明に浮き彫りにしていきます。

一人ぐらい生き残って、一緒に絶望シチュエーションに加わればいいのに・・・

誰も父娘を助けられない

次々とワニに襲われていくことによって、床下から抜け出しても家の周辺はワニの巣窟だってことが浮き彫りになります。こういうモンスターパニック的映画で言うと、近年のサメと一人格闘するブレイク・ライブリーの『ロスト・バケーション』を思い出しました。

ヘイリーは、脱出経路として最悪の道を選ぶしかなくなっていきます

A:階段 ワニが見張ってる
B:昇降路 荷物が置かれていて扉があかない
C:排水路 川に繋がっていて、周辺は冠水している

最終的には、彼女はCを選びます

勇気ありすぎ!

排水路の手前でヘイリーが見つけたものは、ワニの巣!

ワニの卵や水中に引きずり込んだ死体の数々!

ここで、ヘイリーは一匹や二匹じゃあない可能性に気が付き、家の周辺にあったワニ園から逃亡したであろうことを示唆しつつ脱出を試みます。

自分を助けに来てくれた知人の警官の死体から拳銃をなんとか手に入れます。

が、喜んだのもつかの間で水中からワニが飛び出し拳銃ごと銜えて引きずり込もうとしたとき拳銃の弾をあらん限り打ち込み殺すことに成功しますが、片手は食われてボロボロになります。

足し弾き0、いえむしろマイナスです

だってワニはたくさんいるんですから、重傷を負っただけ損です

なんとか、家の中から床板をぶち破って父親を助けたのもつかの間にハリケーンが襲いかかります、

「あのボートに乗るしかない、いけヘイリー」

ある意味、父娘の愛と信頼感が半端ない!

スイミングやっている娘を信じて、生き残るために泳ぐヘイリーは凄い!

自分なら、鼓舞されても絶対いけない、だってのワニは水しぶきに襲ってくるって父ちゃんが言ったんじゃないかー!

怖すぎる中でも、ヘイリーはGOです。イケイケです!

わんさかワニが襲い掛かる中、ボートに無事に乗り込むことに成功します。

その途端、鉄砲水がボートを襲い再び家の中に大量の水とワニと共に押し戻されます。

いや、なんてこったい

何回どんでん返しが潜んでいるのでしょう

この後も、ワニと戦い勝利していくヘイリーは素晴らしい

不思議な感覚ですが、途中でシャーク物のような映像も入りますが、お約束なのですがかなりビビりますね。水中を観察しているとその向こうから襲ってくる例のアレのようなシーンですね。『ディープ・ブルー』や 『MEG ザ・モンスター』でもありましたね。

ヘイリーも襲ってきたワニに肩口噛まれて、そのまま死のクロコダイルのダンスに引き込まれます

海中の中で回転しながら、獲物を窒息死させる習性の中で、発煙筒を目に一撃!

そうです、アフリカでの言い伝え通り、

目に一撃で口を開くのです!

なんとか無事、屋根の上に上ることが出来てヘリが助けに来たところでめでたしです

ストーリー的なリアリティとして全体的にもよくできており、緊張感とハラハラドキドキと高い納得性を得られますね。氾濫した川の流れにワニも逆らうことが出来ずに、流されていくことでワニの脅威もすっと下がっていきました。

オチとしても、最高にいい感じです

犬のシュガーもポイント

劇中、父親の飼い犬、愛犬シュガーが要所要所でいい味を出します

撮影地のメキシコで現地調達した犬だそうですが、どんな状況でも慌てることなくパニックにならずに撮影することが出来たことを、アレクサンドル・アジャ監督のインタビューで伝えられています。

映画の中でも、犬かきで家の中を泳いで、一瞬どうやって助かったかわかりませんでしたが、父親と一緒に屋根に上ったようですね。

無事助かりました。

ヒューマンドラマとしても見所あり

ヒューマンドラマとしても、高い完成度を誇っていると思います

家族の形が変わって、離婚にいたり

父親と疎遠になったけど本当は一緒にいたがっている娘が命を賭して父親を救い、自分の水泳やコーチしてくれた父へお愛や思いを再認識していきます

海外の評価 2020/08時点

海外評価サイトでも、両サイトとも高得点をマークしています。

rottenとimdbでもよくあることですが、少し評価が分かれていますね。アジャ監督の作品はどれも高い評価を得ますね。

納得の評価です

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
60
User rating6.2/10

ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
83
Audience75

映画の感想まとめ

サバイバルサスペンス動物パニックホラー、少し長いですがぴったりです

シチュエーションものですが、択一した映画展開と脚本も良いです。

監督も制作陣も協力に今まで培ってきた経験をフルに生かせている作品だと思います。

ありがちな日常の中に、ドキドキが入る

こういうシチュエーションのほうが、観客を引き込む力はります。少なくとも”ほげる”は非日常の映画も好きですが、日常の中で構築されるあるあるなリアリティが、映画に及ぼす影響も好きです

かなり、おすすめです

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       4
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4