『コーチ・カーター』実話?こんな人生の師は大歓迎、隠れた名作バスケ映画:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信
映画『コーチ・カーター』は、アメリカのCAリッジモンド高校のケン・カーターの実話を基にしている物語、カーターは時折見せるバスケへの真摯な向き合い方は、基より人生の羅針盤ともいうべき明確なビジョンを示すのだった
映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む
自分事になるが、外出自粛の中、運動する機会がかなり減ってしまった。もちろん定期的にかるくからだをうごかしたりはしているが、一般的にチームスポーツと呼ばれるスポーツからは遠ざかってしまっている。
そんな折に、バスケ漫画の金字塔『スラムダンク』が映画化されることを知り、気まぐれでバスケ映画と検索して出てきた映画があった。それが今回紹介したい映画の『コーチ・カーター』だ。
物語は、リッチモンド高校という在校生の半数が卒業できずにドロップアウトをしてしまう米国の中でもかなり荒れている高校の男子バスケットボール部が舞台となる。リッチモンド高校の卒業生であるカーターがバスケットボール部の監督に就任し、バスケットボール部の生徒たちに対してある契約を結ぶことを求めるのだが、その内容はバスケットボールと学業の両立を求める契約であり、バスケットボールを通じて人生をより良くしてほしいと願うカーターの理念だった。当初はカーターに否定的な生徒達だったが、リッチモンド高校の現状を知り、大学進学といった目標を見つけることで少しずつ成長しながら考え方を変えていく・・・
はじめにあらすじを読んだ時の正直な感想は、あぁ〜スポーツ映画にありそうなテンプレな内容だなぁとたかをっくったものである。
荒れた生徒達がスポーツを通して更生していくというストーリーは世界各国どこでもウケがいいのかなぁなんて思っていた。そして個人的に一番こういった類の映画で気に食わないところは、スポーツシーンがほとんど描かれないところ。
少し古いが、「スクールウォーズ」的な・・・
それを素晴らしいストーリーが補っているのならまだしも、ストーリー微妙!スポーツシーン皆無!だと一体なんの映画なんだとツッコミをいれたくなってしまう。
日本でも某ジャニーズアイドルを主役に据えたバスケドラマがあったが、ストーリーはともかく、肝心のバスケシーンに至ってはバスケ経験者は赤面してしまうこと間違いなしといえるクオリティだった。
とまぁそんな過去のトラウマ?があったにも関わらず映画を視聴した理由は主演がサミュエル・L・ジャクソンだったから。彼が出ている映画はあんまりハズレがないという独断と偏見から映画を視聴してみたのだ。
いやー正直期待を裏切られた。
いい意味で。ストーリーはいたってシンプルだと思う。シンプルだが逆に予想通りなので可もなく不可もなくといった感じだった。ただし、サミュエル・L・ジャクソンの名演により、かなり心惹かれるストーリー展開になっている。
役を演じる俳優が変わるだけで、
他の映画にもありそうなサクセスストーリーでもここまで大きく変わるのか・・・・
映画『コーチ・カーター』は実話に基づいており、カリフォルニア州リッチモンドにあるリッチモンド高校のバスケットボールチームのコーチ、ケン・カーターの実際の経験を描いています。
ケン・カーターは、優れた成績と行動規範を求め、学業成績が低い生徒にはバスケットボールの試合への出場を禁止するという厳しいルールを設けていたようで、この決定は、全国的な注目を集め、多くの論争を引き起こしたそうな。
ドキュメンタリーっぽいのだけども、ちゃんとエンターテインメントになっているのがすごい。これは、サミュエル・L・ジャクソンだけのなせる業でもなく、映画として見てもクオリティーが実際高いんだろうね。
うん。細かいところまで目が届いている。
監督のトーマス・カーター監督は『コーチ・カーター』以外にもいくつかの注目すべき作品を手がけています。『スウィング・キッズ』(1993)、『セイブ・ザ・ラスト・ダンス』(2001)とかね。
彼のキャリアはテレビと映画の両方にまたがり、特にドラマと伝記映画の分野で成功を収めています。
本映画の中でも、その手腕が光って、トーマス・カーターと生徒たちへの教育とその反響、地域住民との軋轢までを丁寧に演出しているのは見て取れる。
だが、最も圧倒されたのは作中のバスケシーン。
これ!これですよ!観ることができるレベルのバスケシーンは!
バスケの試合がフルに描かれているわけではないが、描き方が非常に上手いのだ。ピックアンドロールのシーンがうまく切り取られているし、ハイポストからの得点みたいな地味に試合中多いよね!
というシーンがうまく織り込まれている。バスケはダンクでしょ!というそこのあなた。確かにダンクはバスケの花形プレーだが、某名プレーヤーがダンクに対して地味なシュートを決めた後こう言っているのだよ。
「同じ2点だピョン」(わかったあなたはかなりのスラムダンクファン) とまぁ、スラムダンクネタは置いておいて、結構バスケの試合の得点の大半は地味なシュートによるものだったりする。
そういった描写が上手に描かれているし、出ている選手って本当に俳優さん?と言いたくなるくらいバスケが上手。余談だが、コーチカーターのDVDセットに選手を演じた役者達のインタビューがあるのだが、「マジで映画の撮影とは思えないくらいバスケの練習したよ。」と言っていた。日本の某ドラマでも練習はしていたのだろうが、これが街中にバスケリングがある米国と日本の差だなぁと思ったりもした次第である。(ちなみに俳優の1人は北野武監督の映画「Brother」にでている俳優だったりする。ちょっとしか出てこない役なので気になる方は探してみてね!)
エンディングでチームがどうなるのかは本編を見ていただきたいのでここでは書かないが、サミュエル・L・ジャクソンの名演もあり、テンプレなストーリーではあるものの実話をもとにした映画でもあるためぶっ飛んだ要素もないので映画というよりも一種のドキュメンタリーとして見れるのではないだろうか。前述した通りバスケシーンのクオリティは圧巻の一言であるため、バスケ経験者も未経験者もどちらも違和感なく楽しめるスポーツ映画である。
最後となるが、この映画のサウンドトラックであるTwistaのHopeという曲があるのだが、その曲のPVでは今作に出てきた登場人物達の作中では描かれていなかった背景が描かれているため、そちらも興味があれば是非一度観てほしい。(Twista feat Faith Evansで検索。原曲はFワードなどの汚い言葉が含まれているのだが、映画のサウンドトラック版では汚い言葉が一切使われておらず、カーターコーチの汚い言葉遣いを禁止するという理念にあわせたように思える。こういった細かい点まで考慮されてるのがすごい!)
― hogeru -
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