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『聲の形』親子で考える正統派のヒューマンドラマ!世の中へとの壁や怒りを素直に表現:動画配信・映画感想あらすじ考察

2021-03-16

アニメ映画『聲の形』は2016年公開の長編アニメーション映画、石田将也は小学生の時に転校してきた先天性の聴覚障害を持つ西宮硝子をからかったことからイジメの首謀者として友達から孤立していった、その後高校生になり再び硝子に出会う

再会した二人
しかし、将也は心を閉ざしたまま、過去の出来事を背負い自分を責めてばかりいたが、

硝子と一緒に自分を受け入れようと各々の理由で葛藤する

『映画 けいおん!』などを送り出した日本を代表する京都アニメーションが作った作品!

ということで、期待大です!

とにかくキャラクターたちの描き方がリアルで、いじめや障害を題材にしているということもあり、かなり胸に来るものがあります。

最初は小規模公開だったにも関わらず、高い評価を受け、世界中の映画祭でも上映されていきます!

しかし、一方では賛否両論の声も?!
ちょっと気になりますね。

”ほげる”的には、

間違いなくおすすめの作品です

4のおすすめ(5点満点)

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

小学生の石田将也のクラスに転校生してきた西宮硝子
彼女は生まれつきの聴覚障害を持ち、うまく人とコミュニケーションが取れなかった

そんな彼女はノートに筆談することで友達の輪に入り仲良くしようとするが
石田は彼女のことをいじめてしまう。

そのことがエスカレートし、学級会で逆に石田が責められ孤立していくことになる。その後、石田はクラス内でいじめの対象になり、お互い通じ合えないまま硝子は転校。二人は疎遠になってしまう。

そして、高校生となった石田は硝子に会い、過去の過ちを清算しようと、二人は仲を深めていく。そして、周りの人間たちも巻き込み、徐々に友情が生まれていく。

[showTable]

映画情報&キャスト

『映画 聲の形』 2016年 日本
【監督】山田尚子
【脚本】吉田玲子
【原作】大今良時
【音楽】牛尾憲輔
【撮影】高尾一也
【製作会社】京都アニメーション
【出演者】
石田将也(入野自由/松岡茉優(小学生時代))
 : 高校三年生。小学生のころ、硝子をいじめてしまい、自分自身も孤立しまった過去を持つ。
西宮硝子(早見沙織)
 : 生まれつきの聴覚障害を持つ少女。将也のいる小学校に転校してきたことで、いじめられてしまった過去を持つ高校三年生。
西宮結弦(悠木碧)
 :硝子の妹。カメラが趣味。
永束友宏(小野賢章)
 :将也の高校の同級生で、将也の親友。
植野直花(金子有希)
 : 将也の小学校の同級生。将也に思いを寄せ、硝子のことを嫌い、いじめていた。
佐原みよこ(石川由依)
 : 将也の小学校の同級生。硝子の唯一の味方だったが、自分もいじめられそうになり、転校してしまう。
川井みき(潘めぐみ)
 :将也の小学生の同級生。硝子のことを表向きはいじめていなかったが、皆と同じように助けたりしなかった。自分も加担していたとは思っていない。
真柴智(豊永利行)
 : 高校の将也のクラスメイト。将也と仲良くなりたいという。

超感想中心の評価考察・レビュー

とにかく絵が繊細!そして美しい!

この美しいアニメ映画は、日本を代表する京都アニメーションが製作した2016年公開の傑作アニメーション

『けんおん!』、『たまこまーけっと』などを手掛けた山田尚子監督作品
この時点で、かなり期待大ですよね。

とにかく景色の描き方が素晴らしいです。

実際、モデルとなっている岐阜県の大垣公園は実際の写真とアニメーションを見比べると驚くほどそっくりです。ほかにも、岐阜県の大垣市には、四季の公園、大垣駅、揖斐尾大橋など沢山のモデルになった場所があるようです。

もし、岐阜県に訪れることがあれば、映画を見てから聖地巡礼に訪れてみるのも楽しいかもしれません。

また、ヒロインの西宮硝子の描き方が美しい!この一言に尽きます。

先天性の障害を持った少女ではありますが、目が大きくウルウルした瞳、どんな人でも恋してしまいそうなルックスなのです。誰も一発で惚れてしまいますね

そして、一番感じたのは、主人公石田の感情に合わせて、繊細に描かれていること。

石田が心を閉ざしたあたりから、自分のことをきちんと見てくれる人以外は石田の視点から見ると、

全員顔に×印がつけられています。

そして、それが解放されると、×が消えて普通に見えるのです。

今までありそうな描き方ではありますが、見たことはなかったので、本当に分かりやすく明快な感情の表現方法です、×印が消えたシーンは「もういいんだよ、周りの目を気にしないでいいんだよ」と石田に言ってあげたくなるほどいいシーンでした。

それぞれの登場人物のリアルさ

本作の魅力は、何といっても登場人物たちのリアルさではないかと感じました。

■石田の親友と名乗る永束。

背が小さく、トレードマークの大きな頭にインパクトがあって印象的ですが、彼も最初はいじめられていた人間の一人でした。ですが、石田に助けてもらったことがきっかけで、石田と仲良しに!

本当は話してみると、人懐っこく、お茶目でおせっかいな一面を持つキャラクターです。
「あぁ、こういう人いるな」と思わされる愛すべき人物です。

■川井みきという女の子。

このキャラクターが一番印象的です。そんなにイメージが強い登場人物ではありませんが、クラスに一人はいるような性格の女の子です。

彼女は硝子を直接的にはいじめてはいませんが、見て見ぬふりをした同級生の一人であったにもかかわらず、自分はいじめていないという意見の持ち主。

そして、「私はやっていない」と後から言うのです。
結局自分のことしか考えておらず、自分が一番かわいいと思っているような人物なのです。

日常生活にもリアルにあったことのあるようなキャラクターの作り方に感心してしまいます。

■何より植野直花という硝子を一番嫌っていた女子のクラスメイト。

彼女は何でも思ったことを素直に言ってしまうタイプの人間なのです。
だから、石田が全てを背負うようになってしまったのは硝子のせいだと言い、硝子が転校してきたから全てが狂ったと言い、硝子が嫌いだと直接本人に言ってしまうのです。

それは植野が単純に石田のことを好きだからというだけなのですが、そのことは石田には伝えずに硝子のことばかりいじめるのです。

あまりに分かりやすい性格ではありますが、主人公二人を中心に見ると、「なんてひどいことするの?」と思う人も多いと思います。

しかし、好きな人を振り向かせたい、見てほしいという気持ちがよく描かれているようにも感じます。

こうやって見ると、登場人物たちのリアルさがよく見えてくると思います。
こういう風にリアリティーのある人物たちを描けるのはやはり京都アニメーションの魅力なのかもしれません。

いじめや障害を題材に

いじめや障害を題材に描いた作品は今までも沢山作られています。

例えば、いじめを題材にしたものでいうと、『キャリー』はいじめられっ子が超能力者になっていく姿を描き、コロインバイン高校銃乱射事件をモチーフにした『エレファント』はいじめの果てに事件を起こしてしまう少年を描いています。

また、障害を題材としたもので言えば、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は筋ジストロフィーの主人公をコミカルに描いています。

まだまだ紹介しきれない作品はたくさんありますが、この二つの難しい題材を同時に描いた作品は今までなかったように思います。

しかし、本作はこの二つの題材を同時に、時に鮮明に、リアルに描いています。

例えば、コミュニケーションをうまく取れない硝子はノートを使ってクラスメイトとやり取りをしようとしますが、そのノートを池に投げつけられたり、硝子の補聴器をいくつもクラスメイト達が壊したり、障害を持つ硝子に対してのいじめ方がリアルで痛々しいのです。

そこまでやらなくても、と感じてしまうほどですし、見ているだけでもかなりきついです。

また、石田がいじめの主犯格とされたシーンもあまりに残酷で、言葉がありません。

クラスの担任教師である竹内先生が硝子をいじめていたのは石田ではないか?という発言をクラス全員の前で始めるのです。

出来ることなら、自分のクラスでいじめなど起こしたくない。しかし、問題になってしまった以上、犯人を見つけなくてはいけない。そうなった場合、一番問題児だった石田を竹内先生は名指ししたのでしょう。

ですが、いくら大人の事情があったとしても、それはないだろうと思いますが、あまりにもきつい現実です。この場合のいじめは、見て見ぬふりをしていた先生を含め、クラスメイト全員が加害者なのですからね

ただこうやって鮮明に描くことにより、賛否も多いようです。

賛否両論の評論

先ほども述べたように、本作には様々な賛否の声が寄せられています。

まず、否定的な意見としては「いじめ方がきつすぎて見ていられない」という声です。
確かに先ほど述べたようにかなりきつい表現もあるので、過去に同じような経験をした人にとっては見るのがつらいという方も多いかもしれませんね。

また、「いじめられていた人に恋をするなんてありえない、感動ポルノのようだ」という声もあります。

感動ポルノとは見ている人が感動するためだけに取り上げられている対象という意味です。
壮絶ないじめがあったのに、そんな簡単に仲良くなれるはずないと思う方も多いのかもしれません。
その点に関しては少し分かるような気はします。

絶賛している意見としては「自分を肯定する素晴らしさが描かれている」という意見です。

こういう映画では賛否両論は出るでしょうね、同じく聴覚障害の2021年度アカデミー賞で一部音響賞などを受賞した「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」感動という恩着せがましさはありませんが、やはり一部には押し売り的な要素はあります。でもそれはしょうがないことかと思いますね。こういう映画はそれが主題なんですから!

主人公の石田と硝子は二人とも自殺を考えるほど自分を否定し、自分を責めて生きていました。
しかし、硝子の自殺を止めたせいで、石田はベランダから転落し、意識不明になってしまいます。しかし、奇跡的に回復した石田は硝子のいる橋へ歩いていくのです。その二人の再会のシーンがあまりに感動的です。

その時の石田のセリフ「君に生きるのを手伝ってほしい」という一言で、石田は硝子に生きてほしいという気持ちを見せているのも素晴らしいし、硝子の手を友達という手話の形にし、その上に自分の手をのせ、それ以上の間柄だと伝えた石田があまりに素敵で、感動的でした。

少し立場は違うかもしれませんが、自分を責めて生きていた二人がつながった瞬間だと感じました。

映画の感想まとめ

『聲の形』は感動的なアニメーション映画でした。

間違いなく、涙がこぼれます。きつい表現などもありますが、こういうことが起きてはいけないのだという警鐘を鳴らす映画として必要なのではないかなと感じますね

自分を好きになりたいという人にもおすすめの映画です。

本作は本当に沢山の人に見ていただきたい素晴らしい作品mなれど・・・・景色も人物もリアルに繊細に描かれていてるが、かなり考えさせられる

泣きたいなというときに是非見ていただきたいおすすめの作品です!