映画感想『パラサイト 半地下の家族』アカデミー賞を総ナメ!切り干し大根の香しい楽園

2020-03-29

映画『パラサイト 半地下の家族』は2019年度のアカデミー賞を総ナメしたと言って良い韓国のアジア映画初の快挙、主要作品賞・監督賞まで取った極上のサスペンススリラー映画!キムの一家は下町のビル半地下で暮らす貧乏家族、ひょんな事から超金持ちの豪邸に低層貧困層であることを隠しながら一人また一人と家族がアルバイトや仕事で金持ち家族に入り込んでいく。そして迎える衝撃のラストは圧巻

世界各賞を総ナメしてきた本作品

日本に上陸したのは、2019年の年の瀬でした。

正直、話題が先行しすぎたので見に行くのを嫌煙して代の映画好き達の先行評判を待ち、ちまたの噂を見てから”ほげる”的DVDスルーにしようと思っていたくらい。

ところがです

人気はとどまること頃を知らず、

アカデミー賞の舞台では予想を裏切りアジア初の快挙の連発

恥ずかしながら、2020/2/9のアカデミー賞発表後に

ミーハーな人々と同じように争うように劇場に見に行きました

それでもまだ懐疑的でした。

それまでみた予告トレイラーで映画をわかった気になっていた。それが大失敗!

公開と同時に見に行くべき映画でした

エンターテインメントと社会問題の一端、

コメディ要素や家族愛まで盛り込み見事なまでのストーリープロットとして、隙が無い作品、

しかも、アメリカで韓国語の英語字幕で、ここまで大人気になるなんて、相当凄い事です。

アメリカ人は字幕で映画見るの大っ嫌いですから。。。

そんなわけで、本映画は

ものすごい、とっても

絶対に見るべき映画、☆5!

おすすめ作品です。

全般的に感想中心です

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

『パラサイト 半地下の家族』イメージ画像
公式HPより  http://www.parasite-mv.jp/

キム家は夫婦ギテク、チェンスク二人と大学浪人中の兄ギウと美大を目指す妹語彙ギジョンの4人家族で下町のビルの合間、半地下に住む底辺の生活をしている。日々の生活は困窮し、携帯のWifiでさえ近所から無断使用して、まともな働き口もない中で内職やちょっとしたアルバイトで日々を繋いでいた

ギウの元にアルバイトで超大豪邸パク家の娘への家庭教師の話が舞い込んできたことから一家の生活が一転する。
ギウが巧妙に入り込んだ後は、パク家の息子の美術の先生、運転手、家庭教師とそれぞれが働き口としてパク家に入り込んでいった。身元を隠しながら収入を得て、ほんのささいな幸せを感じる生活を謳歌するようになっていった。

あるときパク一家が不在の所に、キム家が入り込むより前に働いていた家政婦がパク家を訪ねてきてから、思いも寄らぬ方向に話しが急展開をしていく・・・

詳細なネタバレはMIHOシネマ

映画情報&キャスト

『パラサイト 半地下の家族』 2019年 韓国
【原題】기생충
【監督】ポン・ジュノ
【脚本】ポン・ジュノ
    ハン・ジンウォン
【製作】クァク・シネ
    ムン・ヤングォン
    ポン・ジュノ
    チャン・ヨンファン
【出演者】
キム・ギテク(ソン・ガンホ)
 :半地下の父親、主人
キム・ギウ(チェ・ウシク)
 :ギテクの息子
キム・ギジョン(パク・ソダム)
 :ギテクの娘
キム・チェンスク(チャン・ヘジン)
 :ギテクの妻
パク・ドンイク(イ・ソンギュン)
 :IT会社の社長で大豪邸の主人
パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)
 :ドンイクの妻

超感想中心の評価考察

公式HPより youtube.com

アカデミー賞はじめ世界の賞を総なめ

アカデミー賞の4部門をはじめ、その前哨戦のゴールデングローブ賞、英国アカデミー、カンヌ映画祭の最高賞のパルム・ドールを受賞と名だたる映画賞を席巻しました。

中でも、アジア初となるアカデミー賞での作品賞・監督賞は圧巻でした。今後のアジア映画に希望を灯すと共に、日本映画との埋められない差のような物も感じてしまいました。

確かに、カンヌ映画祭の最高賞パルム・ドールあたりから、世界で大ブレークする雰囲気はあったんですよね。勢いがあった!

なによりも、確かな映画としての作りが絶対的にもの凄く良いです。

コメディタッチの中に、サスペンススリラーの要素が入り組み、更に韓国の社会問題・政治問題を風刺するかのような格差社会をテーマとして取り上げて、ラストで全ての伏線(伏線ってよりも描写って範囲ですけどね、謎らしい謎は無し)を回収しきってから韓国映画っぽい特徴までも出しています。

濃厚で緻密に練り上げられたストーリー展開と、ネタバレや視聴者の期待をある意味裏切ったり、上手くよそお通りに乗せてくれたりまったく飽きない展開です。

映画の背景が韓国の社会背景・社会問題に実によくマッチしていると、世界に思わせたのが成功の勝因ですね

実態としては違うところもあるでしょうが、見事にエンターテインメントと韓国人以外が見てもその微妙な違いなどわかりゃあしない。

カンヌ映画祭では、前年の『万引き家族』の是枝監督のインタビューでも言っていましたが、国際映画祭の賞レースは社会問題や政治問題を取り上げないと評価されにくいとのこと。

こういう所からも、半地下は非常に国際賞レースに相性が良かったのだと思います。

合わせて読みたいパルム・ドール賞『万引き家族』

ポン・ジュノ監督の半地下・格差の驚く演出

全て計算して作られている映画ですから驚きです。

パク家の豪邸も13億円かけて作ったフルセットです。

この辺の金のかけ方がまず違います。日本映画との抜本的な違いですね。

韓国映画は中長期的に戦略的にハリウッドの映画技術をふんだんに取り入れています。

貧民街への撮影の入り方や、瞬間的に入る空撮などはまさにハリウッドそのもの。

日本映画の地を這うようなカメラワークと一線を画しています。

日本の映画マンのある方がインタビューで言ってました。「日本では雨の映画は嫌われる。」

誰に嫌われるのかというと、スポンサーや製作マネージャーからすぐクレームが入るそうです。

なぜなら濡れることで撮影に使っているスポンサー製品やコマーシャル製品がよく見えなくなってしまうから。

おそろしく商業的に、かつ効率的に、低予算で作ることが当たり前の日本映画では、このような些細なことでも命取りになるのですね。そう言われれば、雨のシーンや重要な局面は少ない気がします。

半地下では、”雨”は逆にキーワードになっています。

いかに汚れて、暗闇の中から底辺と上層の格差社会を浮きだたせるかが勝負ですから。

そんな中でも、監督の演出で群を抜いているのが、”匂い”をテーマにした演出の数々でしょう。映像に見えない匂いを撮影セット現場でわざとまき散らして、本当のリアル環境で撮影をしたそうです。

  • トイレ便器の横で兄弟で電波探し
  • 浮浪者・酔っ払いがキムの家に排泄するところ
  • 洪水で綺麗なギジョンが汚物まみれ
  • ギテクとチェンスクの匂いの表現

金のかけ方も違いますが、センスの一つ一つがズバ抜けています。

髪型もいけてますしね。

ポン・ジュノ監督

正直、韓国映画の中にあって新しい表現として『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』あたりは凄い監督だと思っていました。

匂いは、確かに『殺人の記憶』くらいから、匂ってましたね。大根の匂いではないですが、大物風のセンス匂いまくっています

個人的には『スノーピアサー』が面白くなさすぎて、好きじゃありませんでした。何か設定の必然性が良くわからなかった。なんで汽車なのかも良くわからない。

ただ半地下でのイメージとしては、既に『スノーピアサー』で格差社会への挑戦の言う意味では、もう始まっていたんですね。

ポン・ジュノ 監督の構想というか、挑戦は、計算され尽くされたものですね。

そして『オクジャ/okja』、これもよかった!

新しい世界観で視点の持ち方が面白い作品です。

残念ながらNetflixと言うことで賞レースから嫌煙されたようですが、

もうポン・ジュノはアカデミー賞を取った監督として人々の記憶に明確に残りました。次作が本当に楽しみになりました。

低貧困層は切り干し大根の秘密

この映画は是非見た方が良いので、

ネタバレしないギリギリで解説風で。。。

ストーリーラインは本当に良く出来ています

キム一家が、パク家の大豪邸へ寄宿生活(笑)、家族全員が仕事だったりお手伝いだったりと一人ずつ働くようにになっていきます。

キム一家はパク家が不在の時に羽目を外してどんちゃん騒ぎ!そのとき、元家政婦のおばちゃんが訪ねてきてから、キム家は自分達よりさらに底辺の生活を送る人達を知り驚愕します。

それでも、自分達の今の楽しい、楽な寄生生活を手放すことなどこれっぽっちも思っていない。

でも、彼らは人を暴力で傷つけようなんてのはこれっぽっちも思っていない。

お互い偶然傷つけ会うことはあっても。。

社会からも、借金回収の暴力団からも追われ

ある意味シンパシーを感じながら、も自分達の家族ワークには受け入れられない

この辺に、この映画の喜劇性と悲哀がこもっています。

一つの金持ちに寄生できるの一つの生物(家族)だけなのです

ラストの、ドンイク殺害に向かうときのギテクの気持ちは、推し量ることが難しいです。

傷ついたギジョンを助けないといけない人としての最低のラインと、ドンイクが車のキーを優先した事

決め手は恐らく、「切り干し大根のような匂い」とドンイクに言われたことが

ひっかかり、ドンイクの反応を見てのとっさの行動だったに違いないです

憤りとモヤモヤした感情が一気に吹き出したのでしょう。

心情的に納得のいくラストではないですが、

映画の展開としては、この謎めいた行動心理が少しあった方が良い。より一層好奇心を駆り立てられます。

映画のラストで語られるギウの成功ストーリー的な夢ですが、実際はギウが、ギテクを助け出す(大豪邸に住む)ことは、一生無理でしょう

無理ゲー

結局はそれが、この映画のテーマなのかもしれません。

キム一家が目指したのは何だったのか

いずれ、絶対バレる金持ちへの寄生生活で、彼らは何を目指していたのでしょう

ギウがパク家の娘と結婚して、生涯寄生することがゴールなのか

それでもきっと、ギテク一家は家族のことは誰一人と見放すことなく、お互いが寄生しあい助け合いながら生きていったことでしょう。ギウも恐らく、ラストシーンから考えると婿養子として家には入れても、ギテクの長男として生涯過ごしたの違いないです。

この辺は、日本人や外国人にはわからないかもしれません、中国や韓国では儒教の考えが徹底されていますから、長男や年配の方への敬い方が想像以上です。

合わせて読みたい韓国の財閥の凄さ『死体の消えた夜』

安定のソン・ガンホ 若手のチェ・ウシク

キム・ギテク役のソン・ガンホは安定の演技力で、切り干し大根の匂いが漂ってきそうな怪しい演技が光りました。古くは『シュリ』『JSA』や、『グエルム 漢江の怪物』、日本の乃南アサ小説からメイクされた『凍える牙』など韓国を代表する俳優です。

息子のギウ役は若手俳優のチェ・ウシクが演じます

涼しげな韓国のイケメン俳優ですが、線が細く受験に失敗した浪人生役です。妹のギジョン役のパク・ソダムの大胆な行動で共にパク家をはめ込んでいきます。

チェ・ウシクは、ポン・ジュノ監督作品は、『オクジャ』に続いて2作連続です。『非情な都市』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年、『ゴールデンスランバー』(2018年)と立て続けにヒット作に出演して存在感が増してきています。

一方で、パク・ソダムもキャリアが浅い割には多数の映画やドラマに出演しています。

長編映画では『プリースト 悪魔を葬る者』にヨンシン役を演じて、韓国の様々な映画賞を受賞しています。悪霊に取り憑かれた少女を鬼気迫る演技が印象的でした。

その他にも、キャリアの方向性を決めた『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』などヒット作にも多数出るようになっています

海外の評価 2020/03時点

評価は、批評家・視聴者ともに、異常に高いです。

如実に万人が良いと思う作品は珍しいでしょう。

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
96
User rating8.6/10
ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
99
Audience 90

映画の感想まとめ

”ほげる”的には、ある意味期待を裏切られすぎて、良すぎて記憶に残ります。

個人的に映画鑑賞でやっちまったのは、ものすごく余談ですが、ギテクとドンイクのドライブシーンで、

どうしても我慢できずに映画館でレストルームへ。。実は少し見逃したんですよね。3分くらい。。。

あああ、アカデミー賞取ったくらいい映画だったのに。。。

絶対、ビデオでこれから生涯で5回くらいは見る作品だと思います。

→下克上好き
→驚くラストの映画は好き
→濃厚なストーリーにコメディあるのはいい!

こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       5
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 5