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『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』音楽が全てだったミュージシャンの苦悩!黙って観ろ:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-05-01

映画『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』は2020年の音楽が全てだった!難聴を抱えたミュージシャンの葛藤と苦悩を当事者視点で描くヒューマンドラマ作品!かなりのおすすめ度が高いアカデミー賞も受賞したAmazon配信作品

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

昨年くらいから特に進んでいる、動画配信サービスいわゆるVODの延びがすごい、コロナの巣ごもり需要なんかも取り込んだうえに、世界での勢力がすっかり映画業界にも及んでいる。

ネフリや、アマプラ、Huluなどかねてより、物凄い拡大スピードだったがここ数年は目を見張るものがある。映画と言えばハリウッドだったのが、ハリウッドからモードが完全にVOD業界へ移りつつある。

さてさて、そんな状況で昨年のアカデミー賞の賞レースでも「マリッジ・ストーリー」や、「二人のローマ教皇」などの躍進が目立った。2021年度、今年はというと、数あるネフリ作品にも注目したがアマプラからエントリーしてきた、本作を紹介したい。

ということで、

『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』あらすじ説明しましょう

ハードコアのドラマーでバンドマンのルーベンは恋人で歌手のルーとともに、トレラーで全米各地を転々と回り、ミュージシャンとして活動していた。請われるまま気の向くままに旅をしながらライブをこなす日々だった。あるとき、ルーベンは自身の耳が突然聞こえなくなっていることに気が付き、病院を回りなんとかドラムをたたきながら必死にしがみつこうとするが、何よりの養生は耳を労わる事で、音楽を聴くことをやめることが少しでも聞こえる状態を長持ちさせること、ルーベンスは人生が急激に崩れていくのを感じた。自分と同じ視聴覚障碍者の救済会を紹介され、投げやりだった人生に少しずつ希望を持ち始めるルーベンス!健聴者と同じ生活を再度求め始めるが・・・

やばいぐらい感動!お涙頂戴なんてない、徹底した当事者の目線、いや聴覚的な聴覚点とでもいうのかルーベンスの聞こえる状態を音楽としている感じ

正直言って、アカデミー賞ノミネートされているとはいっても、期待していなかっただけに感動が大きい。聞こえない状態の映画でこれほど表現できるのは凄いことだ。

世間の評価ではきっと、ジョー(救済会)の手話をしながらしゃべるリーダーに集まるんじゃあなかろうか、圧倒的な演技だったし、逸話的にも両親が手話を使っていたとの話で凄味のある手話にも納得。安定した優しさの中に、難聴者や視聴覚障害のメンバー達を率いているジョーは非情さがすごい

いや鉄のルールというべきか、”規律・示し”この、規範が凄い

ジョーだって自身の境遇もあるだろうに、不公平感がグループの崩壊であるとして、ルーベンスを特別扱いはしないところは、なかなかウっと来る。

個人的には、ルーベンスの耳を奪われた絶望のミュージシャンの演技というか、ガチリアルな雰囲気が気に入っている。ルーベンスを演じたのはリアルでもラッパーのリズ・アーメッド、「ナイトクローラー」で一躍有名になった。

ほぼ、ルーベンスだけの映画で一人旅になっているが、本当に仕立てがいい。映画とはいえ自身の命である耳、ミュージシャンから耳を奪ったら何が残るのあろう・・・

余談だけど、耳も目と同じで使えば使うほど劣化するものなのだそうだ。NHKのあさイチでもいつだったか紹介していたと思うが、耳を守るには大音量で聞かない。ヘッドフォンなどでの大音量はさらにまずいらしい。

きっと、ルーベンスは本当に職業病!朝起きたら聞こえないと勝手本当にひどすぎる。必死に支えてくれたルーは健常者であって住む世界が違うので別れなければならない。ルーベンスが自分自身の耳に対峙して、”聞こえない”と言うことに向き合うことが出来て、コミュニティーの救済会の人達と向き合い笑うことが出来たころに、”聞こえるということ”にもう一度、憧れというか、希望を抱いてしまう。

これは、わかるよ、本当にわかる。絶対誰もが思うけど、ジョーがそこに冷や水を浴びせるのもわかる。

お互いが、真剣に向き合ってるんだなぁ

ルーベンスが人口内耳を付けて、脳を騙して音の信号らしきものを再生する技術で、なけなしのトレーラーやドラムセットを打っぱらって、施工してもらうんだけど、これがまた壊れたスピーカー状態の音質。

それでも聞こえなければいいのだろうけど、愛しのルーに会いに行くために必死に希望に縋りつく様が本当に胸を打つ!いやさ、それが皮肉なことにルーにあい、彼女の新しい生活を見て彼女から自分を捨てられない事、彼女の歌声が以前のように聞こえない事を知ったときにルーベンスは、悟っちゃうんだよね。

この時の彼の表情は本当に、解脱

シャカにでもなったかのように、悟って、手術して付けた装置を取ってしまう・・・

そうか、このラストのワンシーンのこの表情と静寂を見るためだけに、この映画を観たってことに気が付く!

是非見て欲しい

総じて言えば、なんてことのないドラマ性のない展開!それでも、面白い!に時間はアッと今にすぎるし、最後には何かが胸の中に残っている。ルーベンスのその後の生活は描かれていない、ジョーに許しを請いに行ったのか、新しい自分探しの旅に出たのか、それでもルート別れて歩み始めることは確かだと思う。

邦画というかアニメでも「聲の形」なんかも、ちょっとイジメって視点からの感動もあったが、サウンドオブメタルはミュージシャンが突然耳を失うって事が現実的に突き刺さるぐらイメージしやすいのが、良かったんだろうなと!

まあ、目が見えなくてもあくまでも頑張る、吉岡里帆の「見えない目撃者」とかのエンターテイメント作品とは少し一線を画す、社会派なドラマ映画であることは間違いなし!

まあ、騙されたと思って見てください

― hogeru -

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