『最強のふたり』実話ベース介護について考える!破天荒な介護士と障害者のハートウォーミング物語:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信
映画『最強のふたり』は、2011年のフランス映画!若く貧しい看護師と脊髄に損傷を負った介護者の大富豪のふたりで繰り広げる、危なっかしい介護の中にも真に心の通った触れ合いがある、ロードムービー的なヒューマンドラマ
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緊急事態宣言の解除が決まっても、これまでのインドアライフが染み付いてしまい、週末にも関わらず家でずっと映画を見るという生活を続けている。
Netflixとかのような映画配信サイトはめちゃくちゃ今絶好調じゃんと無駄に経済的なことを考えながら見つけた映画が『最強のふたり』だ。フランス映画なんて無駄におしゃれなんだろ!ジュテーム!みたいな偏見に満ち溢れた目で観ていたのだが、これがなかなかよいってかかなり素晴らしい映画だったので紹介したい。
物語は、全身麻痺の大富豪のフィリップの元に、介護士としてドリスという青年がきたことから始まる。多くの介護士はフィリップの顔色を伺ったり、フィリップに対して同情的な接し方をするにも関わらず、ドリスはフィリップに一切同情などせず接していく。周囲から見るとドリスのやり方はかなり破天荒ではあったが、自身の障害を全く気にしないドリスに対してフィリップは好感を抱き、二人は患者と介護士という関係を超えた友情を築いていく・・・
映画前半から、ドリスがかなりいい味を出している。実話なのか?と思えるほどファンキーなドリスのおかげで、ヒューマン映画でありながらコメディ的な要素を多く備えた映画だと思う。
フィリップも最初は俺のことかわいそうだと思ってんだろ。近寄るなみたいな雰囲気を出していたが、ドリスがそんなことお構いなしに絡んで来るので映画後半には徐々に笑顔が増えていき、観ていてほっこりしてしまった。
この辺が、『世界一キライなあなたに』のようにラブ的な愛を通して語られるのでなく、介護士と介護者の関係を純粋に貫いているところが見どころであり、完全なる涙と愛の物語でないところ
なによりも、ドリスがかましてくれた破天荒な行動は映画の至る所に散見されるので是非とも確認してもらいたいが、個人的にはフィリップの車椅子を改造してスピードを出せるようにしたシーンがお気に入りだ。
結構スピード出ていたので法律に引っかかるんじゃないの?と心配してしまった。あとはフィリップが本当に全身麻痺で何も感じないのかを確認するためにお湯を足にかけてみたり、フィリップがお茶を飲ませてくれといった際に「自分でやれよ。」と言ってしまったりするドリスを見ると、本当にフィリップを障害者というよりもただの仲のいい友人だと考えているのだなぁと常々感じたし、だからこそフィリップとあそこまで打ち解けることが出来たんじゃないかなぁとも思った。
意外だったのは、見た目的にヒップホップ感の強いドリスが、これが俺のおすすめだとフィリップに教えた音楽がカーペンターズだったこと。
破天荒なドリスがビートルズのLet It Beとか勧めてもなんかあれ?ってなるが、カーペンターズが恐ろしくマッチしていたので、時代を超えて愛される名アーティスト、名曲の偉大さを感じた。
ドリスが事情があってフィリップの元から離れた時のフィリップの不機嫌さもなかなかの名演だ。多分映画をみていた人も「ちっ・・・なんだよこの新しくきたヘルパーは!ドリスを出せ!」みたいな気持ちだったと思う。一旦ドリスに慣れたら他の人なんて無理だね。砂糖水しか飲んだことない人にコカコーラプレゼントするようなもんだよ。
ラストシーンはドリスのフィリップに対する気遣いとともに、障害のために自分にどこか自身を持っていなかったフィリップの背中を押してあげるのだが、ラストシーンのドリスの笑顔を見ると、フィリップだけではなく、ドリスもフィリップによって変わった部分があるんじゃないかなぁと感じた次第だ。
介護士不足が日本でも問題になっているが、フィリップとドリスのような関係を持った人達が増えていってくれないかなぁと思う今日この頃。
― hogeru -
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