映画『フォルトゥナの瞳』少し切ないラブSF!死を見つめる瞳:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『フォルトゥナの瞳』は、2019年2月15日に公開された作品。運命の女神と呼ばれる「フォルトゥナの瞳」を手に入れ、死を目前にした人が透けて見えるようになった主人公:木山慎一郎(神木隆之介)の物語を描く。『永遠の0』『海賊とよばれた男』の百田尚樹さんによる小説『フォルトゥナの瞳』が原作
サスペンスだと思って見たら、ミステリー+せつないラブストーリーでした。
主人公の木山慎一郎(神木隆之介)は、小さい頃飛行機事故で両親が亡くなり
「死を目前にした人が透けて見える」=「フォルトナの瞳」を手に入れてしまう。
その能力は年齢と共に無くなっていった。
しかし、いきなりその能力が復活!
身近な人や最愛の人の死が分かってしまうようになる。
両親が亡くなってから、死んだように生きていた主人公が
必死に「誰かを助けようとする姿」がせつなく、泣きどころが満載でした。
少し納得のいかないところがありましたが、悲しいストーリーで終わりました。
そんな作品で、おススメ度は
☆3.5のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
幼いころ飛行機事故で両親を失った木山慎一郎(神木隆之介)は「GARAGE ENDO」で自動車塗装工として仕事一筋に生きてきた。
ある日のこと。
慎一郎は、電車の中で手が透けて見える男性を見かけます。
その他にも全身が透けて見える別の男性がいるのに気が付き、その男性は車に轢かれて死んでしまう。
慎一郎は自分が「死を目前にした人間が透けて見える能力」を持っていることに気が付きます。
ある日、慎一郎は携帯ショップで販売員の桐生葵(有村架純)と出会います。
慎一郎は彼女の指が透明になっていることに気づき、「お話があります」と近所のカフェに呼び出す。
すると葵の指は透けてはおらず、元に戻り安心します。
実はこの日同時刻に、葵の帰り道にある工場で爆発がありました。
葵を慎一郎がカフェに移動させたことで、彼女の命を救ったことがわかります。
この出来事をきっかけに二人は交際を始める。
映画情報&キャスト
『フォルトゥナの瞳』/2019年2月15日公開。
【キャスト】
・木山慎一郎(神木隆之介)
事故で家族を失って以降、仕事ひと筋に生きてきた青年。
死ぬ直前の人間が透けて見える「フォルトゥナの瞳」を手に入れる。
・桐生葵(有村架純)
携帯ショップ店員。
初めて慎一郎が愛した女性。
・金田大輝(志尊淳)
慎一郎が勤務する「GARAGE ENDO」に勤める青年。
社長に気に入られている慎一郎を快く思っていない。
・宇津井和幸(DAIGO)
「GARAGE ENDO」の常連客。
・植松真理子(松井愛莉)
過去に「GARAGE ENDO」に勤めていた慎一郎の同僚。
・黒川武雄(北村有起哉)
慎一郎の主治医。
「フォルトゥナの瞳」について慎一郎に助言をする。
・遠藤美津子(斉藤由貴)
遠藤哲也の妻。
慎一郎を見守る。
・遠藤哲也(時任三郎)
慎一郎と金田が勤務する「GARAGE ENDO」の社長。
仕事ひと筋に生きている慎一郎を気遣う。
【原作】百田尚樹『フォルトゥナの瞳』(新潮文庫刊)
【原作】三木孝浩
【脚本】坂口理子、三木孝浩
【音楽】林ゆうき
【主題歌・挿入歌】ONE OK ROCK「In the Stars(feat. Kiiara)」(A-Sketch)
【製作】市川南
【共同製作】村田嘉邦、畠中達郎、弓矢政法、髙橋誠、渡辺章仁、吉川英作、板東浩二、田中祐介
【エグゼクティブ・プロデューサー】山内章弘
【企画】橋口一成
【企画プロデュース】臼井央、春名慶
【プロデューサー】川田尚広、西野智也
【プロダクション統括】佐藤毅
【編集】坂東直哉
【助監督】清水勇気
【音楽プロデューサー】北原京子
超感想中心の評価考察・レビュー
実は、正義感が強かった主人公。
子供の頃に飛行機事故に巻き込まれ、両親を亡くした主人公。
その事故で同じ年くらいの女の子を救えなかったことを、ずっと悔やんでいるようだった。
その時から「死んだように生きていた」主人公の慎一郎。
自分の事も、他人の事もどうでもいいような雰囲気だった。
その慎一郎の心の変化があったのは「フォルトナの瞳」の能力が何故か復活し、葵と交際を始めてから。
初めて「守るべきもの」が出来たからだと思う。
お世話になっている社長や、大切な彼女。
そこは「自分が危険でも、命を助けたい」という気持ちは、100歩譲って分かるとします。
しかし「偶然出会った保育園児たちの手が空けている。」という理由で、
自分の命を省みず助けようとする主人公が、ちょっと納得がいかなかった。
「フォルトナの瞳」を持ってしまった責任感からだろうか。
慎一郎の担当医:黒川医師も、同じ「フォルトナの瞳」の能力を持っていたようだったが
「他人の運命に関わることは、自分の命を削ることになる」
「この能力で透けて見えたとしても、その人の寿命」
「何人も助けたら、自分が死ぬぞ」
という忠告けますが、自分の命を削る事を選択してしまう慎一郎。
慎一郎がいつも通勤で使う電車では、身体が空けている人が無数にいる。
これでは、命がいくつあっても足りない。
それでも助けたいと言う、正義感が強い人物でした。
金田と宇津井のキャラ設定は、結構良かったと思います。
この映画で出てくる悪役と言えばこの2人かな?と思います。
慎一郎が勤務する「GARAGE ENDO」に勤める、金田大輝を志尊淳さんが演じました。
社長に特別扱いされている慎一郎にムカつき、ガラの悪い分かりやすい意地悪をしていました。
しかし金田がお客さんの車を勝手に使用していたのが分かり、クビになります。
金田は逆恨みし、社長に金属バットで襲いかかりますが、慎一郎が社長を庇い助かりました。
その後、慎一郎は「GARAGE ENDO」の支店長になりますが、クビになった金田を従業員として誘います。
なんてお人よしすぎるんだろう。
そう思いましたが、その後の金田と慎一郎には信頼関係のようなものが出来ていて、凄くいい関係になり微笑ましいストーリー。
志尊淳くんのヤサグレた演技を初めてみましたが、なかなか嫌な雰囲気を出していて良かったと思います。
もう一人、悪役を演じてくれたのはDAIGOさん。
宇津井和幸という、金持ちの常連客でした。
女の子を誘惑しては、食いものにしていたサイテーのグズ役でした。
あの優しそうなDAIGOさんが、性格の悪そうな顔をしている…。
なかなかサマになっていたので意外性があり楽しめました。
フォルトナの瞳」のフォルトナとは?
この映画で出てくる能力「フォルトナの瞳」のフォルトナとはなんだろう?
そう考える人も多いのではないでしょうか。
「フォルトナ」または「フォルトゥーナ」と呼びますが、ローマ神話に登場する「運命の女神」の事です。
「運命の女神」の他に「幸運の女神」らしいです。
「運命を操るための舵」を携えており
運命が定まらないことを象徴する「不安定な球体」に乗り
幸運の逃げやすさを象徴する「羽根の生えた靴」を履き
幸福が満ちることのないことを象徴する「底の抜けた壺」を持っています。
さらに「チャンスは後からでは掴めない」ということを表しているため
「フォルトナには後ろ髪がなく前髪しかない」らしいです。
そういえば「チャンスの女神は、前髪しかない」と言うのを聞いたことがあります。
そして、フォルトナは「幸運の女神」でもあるらしいです。
この映画の主人公は、幸運を掴めたのかは不明ですがね。
神木隆之介さんにとっては、初めての本格的ラブストーリー。
主演を演じた神木隆之介さんは本格的ラブストーリーを演じるのは、この映画で初めてだったとか。
凄く意外ですよね。
この映画の為に、神木隆之介さんは体を鍛えたらしいです。
ヒロイン役の有村架純さんと神木隆之介さんは、よく共演するので安心感がありとてもお芝居がやりやすかったとか。
しかし、安心感がありすぎて「きょうだいに見えるよ!」と、監督に言われてしまうこともあったようです。
それもそのはず。
二人はで18歳の時から、ずっときょうだいの役柄を色々な形で演じてきていたそうです。
この映画でも二人の演技は息がピッタリだったのも、なるほどな。と頷けます。
映画の感想まとめ
主人公が、とても切ない運命を辿ってしまう映画でした。
なぜ主人公はこの能力を持ってしまったのか。
そして、その能力は「何が引き金となって持ってしまう」のか。
そこが不明なまま終わってしまったのが残念でしたが。
最後の最後で、葵も実は…。
というところが
「なんでやねーん」
「慎一郎に早く言ってあげて!」
とツッコミを入れたくなりました。
慎一郎も葵も、自分よりも相手を思いやる気持ちが強く、お互いずっと同じ気持ちだったのに。
そんな二人の気持ちを考えると、やはり「どちらかが犠牲になるしかなかったんだな」と思うと、やるせない。
慎一郎は「死んでるように生きている自分に、希望がもてた」と、
自分を犠牲にすることは後悔していないような感じでしたが
やはり残された者は辛い。
覚悟を決めた本人も辛い。
二人は「これから幸せになろう」という未来を描いていたのに。
そう思うと涙があふれる映画でした。
-yumichi-
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