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『サマーウォーズ』魅力ある伏線に映像の美しさで150%マシマシのストーリー!押田守作品:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-03-28

映画『サマーウォーズ』2009年に公開された細田守監督作品であるサマーウォーズ。あの名作、時をかける少女の制作スタッフによる作品となっている。なんと言っても映像が美しく魅力で、思わずその世界に引き込まれてしまう

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

いつか日本だけではなく世界で、こんな便利なものができたらと願うばかりである。

まあ、便利すぎる世の中も危険かもしれないが。

ある日、健二は友人の佐久間とインターネットの仮想世界であるOZの点検作業を学校で行っていた。そこに、憧れの先輩である夏希からバイトに誘われる。それは、夏希の実家に一緒に行くというものだった。なんと26人の親族が集まり、御歳90歳となる栄おばあちゃんの誕生日を祝うために集合していたのだ。そしてそこで、健二は婚約者のフリをすることに…
そして事件は起きる。健二宛にOZから暗号のメッセージが送られてくる。それを解いて返信したことで健二のアカウントが盗まれてしまう。
OZの中枢がラブマシーンという人工知能によってパスワードが書き換えられてしまい、水道や電気や電車、インターネットや個人情報なども管理できなくされてしまったのだ。カズマもラブマシーンと戦うも敗れ、アカウントが取られそうになるも撤退に成功する・・・

バイトとはいえ、親族に婚約者で紹介されるのはハードルが高すぎるのでは…(^^♪

ここでひとつ考えなければならないのは、全ての情報をOZで管理しているとこのような事態が起きてしまうことは有り得ることだということ。個人情報やその他の情報も全てひとつで管理されていると、ひとつにバグが起きた時全てがダメになってしまうのは防げないことだろう。しかし、人間はらくができるのならば楽がしたい生き物。リスクを背負うことも分かっていても、楽な方へ行くことが多い生き物と言える。

栄おばあちゃんは人脈を使い日本中の人々に声をかけ被害は軽減、健二のパスワード解読により一時的に自体は落ち着きを見せる。

そこに侘助が突如帰ってくるがラブマシーンの開発者であることを告げ、さらにアメリカの国防総省からオファーがあり多額の金が手に入るとおばあちゃんに伝えたことでおばあちゃんは激怒。侘助は去ってしまうが、翌朝栄おばあちゃんはOZのシステム混乱の影響で狭心症の発作時の連絡が届かず、死去してしまうのだ。

侘助にとって育ての親である栄おばあちゃんが亡くなり、本当に辛いのは侘助本人だろう。自分が開発した人工知能により引き起こされた混乱のせいで、なくなってしまったなら尚更だ。

そして、みんなで楽しく食事をとり、明日もみんなで楽しく食卓を囲めると思っていた家族たちの悲しみも相当なものだろう。

そして健二とみんなで力を合わせ、ラブマシーンを倒すことに。一度はラブマシーンを追い詰めたものの、機械トラブルにより作戦は失敗。カズマのアカウントも取られてしまい、OZの奪ったアカウントは4億以上になった。そして、ラブマシーンは奪ったアカウントのひとつである小惑星探査機’あらわし’を核施設などのどこかに落とそうとする。

夏希は得意の花札でアカウントを徐々に奪い返すも、敵のチート作戦により賭けに必要なアカウントを奪われてしまう。絶体絶命の中で、それを見ていた世界中の人々が夏希へとアカウントを預けてくれるのだ。

このシーン、めっちゃ泣けるのよね…

戦う姿が世界中の人を感動させ、勝ちたい、世界を救いたいという気持ちが一体となった事で勝ち得たものだと思った瞬間であった。

世界中の人々の応援を受け、夏希は勝負に勝ち、ほぼ全てのアカウントを解放することに成功する。そして残るアカウントは健二と陣内家のものになり、ラブマシーンは陣内家にあらわしを落とそうとする。だが、侘助がラブマシーンの防御力をゼロにし、カズマが攻撃をし倒すことに成功し、健二もあらわしの軌道を変更し陣内家への衝突を回避、1人も死者を出すことなく助かったのだ。

諦めないことで、大切な家族、世界中の人々を助けることが出来たのだ。1人じゃない、みんながいる。これ程心強いものはなかっただろう。繋がりがいかに大切かを考えさせられるものだろう。

近年、このコロナの影響もあり学校に行けない人や職を失って孤独や絶望を感じ、自ら命を絶ってしまった人も少なくない。去年1年間では女性が15%、高校生までの児童や生徒の数も過去最多となってしまった。こんな状況、こんな世の中だからこそ一人で抱え込まずに誰かに頼って欲しい。あなたは1人ではない。繋がりを、繋がりを広げることを怖がらずにいて欲しい。

いつの日かOZのようなシステムができあがり、世界中の人々が使うことになったら、ラブマシーンのように混乱を引き起こすものがいるかもしれない。いかにシステムを良くしても、何かきっかけがあれば混乱を引き起こすことはゼロではないだろう。

便利すぎる世の中が本当に素晴らしいものなのか、ぜひみんなも考えて見てほしい。

― hogeru -

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