『きみがぼくを見つけた日』変えられない人生を見続けるタイムスリッパ―と終生の愛を貫く妻:動画配信・映画感想あらすじ考察
『きみがぼくを見つけた日』はベストセラー小説が原作の恋愛タイムスリップ映画!自分の意思とは関係なくタイムするっぷをすることが出来るヘンリーは、ある時自分の能力に突然目覚める。静かに暮らす彼の目の前に突然、あなたを知っているという女性クレアが現れたちまち恋に落ちる。彼女は幼き頃から彼ヘンリーに会い続けてきたというのだ。。。
何度見ても、この映画は少しの発見を繰り返します。
そんな映画です。
目立った伏線はありませんし、サスペンスではありません。
しっかりとした心温まる恋愛として、”先に知る”事から始まる恋に終始します
批評家からは意見が分かれていますが、”ほげる”的には
おすすめ作品です。
全般的に感想、想いのつぶやき中心です
それでは、以下見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
母親と一緒にドライブをしている少年のヘンリー、突然車から消えてヘンリーは母親の車が事故を起こしたのを見つめている。
そこに青年が目の前に現れてヘンリーに「理解出来る日が来る」とだけ告げて消える。
時は流れて20代になったヘンリー、少年の時に経験した”あれ”はタイムスリップであったことは、すでに理解している。そのヘンリーの前でクレアと名乗り少女が現れ初対面にもかかわらず、クレアにはヘンリーが何者であるのかわかっている様子だ。
クレアは小さな時からヘンリーを知っているという。
ヘンリーのタイムスリップはどの時代にタイムスリップするのかわからないが、クレアとは結婚する運命のようだ。二人はたちまち恋に落ちていた・・・・
詳細ストーリーネタバレはMIHOシネマさん参照
[showTable]映画情報&キャスト
『きみがぼくを見つけた日』 2009年 アメリカ
【原題】The Time Traveler’s Wife
【監督】ロベルト・シュヴェンケ
【脚本】ブルース・ジョエル・ルービン
【原作】オードリー・ニッフェッガー
【製作】ニック・ウェクスラー
デデ・ガードナー
【製作総指揮】
ブラッド・ピット
リチャード・ブレナー
ミシェル・ワイス
ジャスティス・グリーン
【出演者】
ヘンリー(エリック・バナ)
:タイムスリップ能力を持つ青年
クレア(レイチェル・マクアダムス)
:ヘンリーの妻
映画感想・評価
ベストセラー小説の映画化!
アメリカで大ヒットを果たした、原題では同名の『The Time Traveler’s Wife』オードリー・ニッフェネガーの恋愛小説です。
2003年出版のこの本は、独特の書き方で展開されクレア視点の時間の流れでストーリーラインは追うものの、内容としては、クレアとヘンリーの視点両方で一人称で書かれて展開されるベストセラーにまでなっています。
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストに28週連続トップ10となる快挙となりミリオンセラーとなり、本としてはExclusive Books Boeke PrizeおよびBritish Book Awards等を受賞して、かなり実績があります。
日本で言うと辻仁成と江國香織『冷静と情熱のあいだ』を思い出します。最も『冷静と情熱のあいだ』は、二人の作家が交互に連載で書くことで自然に男性の視点と女性の視点が入り乱れ情景を織りなしていきますので、違いはありますが、同様の表現としての手法で書かれています。
アメリカではなじみの深い同名の小説ですから、ヒットするのは必然でしょう。
日本的には、小説名も含めてタイトルが非常にいけていない。『ライムトラベラーの妻』ですので、語呂も悪い、これはいけていないたしかに。そんなわけで、タイトルが『きみを・・』に変わっています。
たまーに配給元の、変な改ざんの入った意味のわからない映画タイトルがつけられますが、本映画に関しては、タイトル単体として意味は通じなくてもキャッチーで映画自体の方向性を良く表して、とっても好感が持てます。
製作にブラット・ピット、監督にロベルト・シュヴェンケ
製作にはブラッド・ピットが名前を連ねており、彼の映画製作会社で映画化の企画を手がけていたそうです。それも小説が出版される前から目をつけられていたというのだから驚きです。
こう言う選球眼こそ、ハリウッドでの成功の秘訣なのかもしれません。
監督は、『フライトプラン』や『ダイバージェントNEO』『RED』等を手がけたロベルト・シュヴェンケ監督です。
サスペンスが得意な監督ですが、恋愛映画としてはこれ1作だと思います。
ダイバージェントが恋愛映画であるなら別ですが。
それでもなかなかどうして、映画として特徴があるのはエンターテイメント性よりもストーリーラインの展開がキチンと構成されていると言うとこだと思います。
恋愛映画にありながらも、音楽とか映像美でごまかしとかがないです。
タイプストリップものなので、ストーリーラインの確実性がキモになっているのが前提です。
そのなかで、しっかり一つ一つのシーンが作り込まれています。
そして、伏線とか謎解きのような表現でもないです。
受ける印象はサスペンスとかわくわく感ではなく、しっかりとやってくる歴史を過去から未来に向かって確実に踏んでいっている事が伝わってきます。
恋愛映画としてもSFとしても盛り上がりには、欠けますがわざとこのように作っているのでしょう。二人の恋愛が積み重ねあげられていくのが伝わってきます。
恋愛タイムスリップの女王レイチェル・マクアダムス
もうこの笑顔で迫られたら、だれもがキュートさにキュンとくるのではないでしょうか。
そんなに美人って訳ではないですが、とびっきりの笑顔が印象的なレイチェル・マクアダムス!
タイムスリップだけではありませんが、恋愛映画と言えば『きみに読む物語』『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』等で魅力を振りまいてくれました。
『シャーロックホームズ』など恋愛映画だけではないですが、印象はやはり恋愛です。
彼女が演じる、クレア自身の物語である本映画です。小さな時から変なおじさんが、幼女を恋に落ちた目で見つめてくるのをずーっと見つめてきたのです。
しかもファーストキスまであっさりと、おじさんに奪われてしまいます。そのあともヘンリー演じる(エリック・バナ)に彼女の初めてをどんどん奪われていきます。
ある意味、究極の独占です。緊縛プレイと言っても差支えがないですね。これを考えると愛なのかなんなのかわからなくなりますが。
この辺は、彼女にとっては恋愛であり悲哀であり、コメディですよね。一生この男性に全方位で過去の男、未来の男に縛られ続けています。
そんなクレアを全身で演じて、彼女レイチェル・マクアダムスの魅力をあますことなく表現されていると思います。
泥臭いタイムスリップ
主題は恋愛でも、タイムスリップを通して生涯を添い遂げる二人の物語です。
とはいうものの、キーはこのヘンリーのタイムスリップです。
このジャンプ能力が泥臭い。
- 裸になる
- 時間指定できない
- 場所指定できない
- 過去・未来も指定できない
- 突然やってくる
- 同じ時間軸に同時に存在できる
- 遺伝しちゃう
- 胎児でもジャンプする
これは、能力というより病気に近いですね。
厄介すぎるこの能力、SFとしてはいまいちでも恋愛を構成するには最適です。
最大の恋としての障害であり、結びつきですからね。
主人公ヘンリーに秘密はない
秀逸なのは、ヘンリー自身の持っているタイムスリップが非常に厄介であったとしても、彼には助言してくれるよき先生がいたことです。
そうですそれは、彼自身が先生なのです。
未来から過去から、経験したことや経験した結果を先に自分が認知しちゃうから、そこそこ人生うまくやっていきます。
可哀そうでもありますが、未来の娘から自分の死んでしまう日時まで聞いちゃいます。
過去の自分が間男になって、妻を寝取られたりもします(しかも、過去なのですでに自分がしでかしたこと)
厄介すぎます。
でも、この二人クレアとヘンリーは、お互いを愛し続けるのです。
ラストは分かっていても、見続けてしまう映画です
海外の評価 2020/04時点
評価は意外ですが、かなり低いです。
興行成績はそこそこいいのですが、批評家からが特に低いです。
タイムスリップとか時系列の表現が悪かったのが、コメントとしておおいです。
Metascore (批評家) | 47 |
User rating | 7.2/10 |
TOMATOMETTER (批評家) | 39% |
Audience | 59% |
映画の感想まとめ
”ほげる”的にはかなり好きな映画です。
終生の愛を貫いていくのが、目新しい設定で見ていてハラハラドキドキはありませんが、恋愛映画のドキドキがあります。
確かに見る人によっては、好きか嫌いか分かれる映画かもしれません。
全体のトーンがタンタンと進んでいくので、そのへんにエンターテイメント性がないのが嫌われるとこでもあるでしょう。
→タイムスリップが好き
→レイチェル・マクアダムスの笑顔に癒されたい
→ハルクの血から強いタイムスリップを期待!
こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 3
キャスト 4
ストーリー構成 4
初見で読み取れない謎 4
ディスカッション
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