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『惡の華』かつて思春期に苛まれたすべての少年少女に捧げるグロく理解不能の自我の屈折した欲望青春映画:動画配信・映画感想あらすじ考察

2021-03-12

映画感想『惡の華』コミックが原作の本作は青春の苦くて切ない気持ちを・・なんて中途半端な綺麗な映画ではない。主人公二人の暴走した歪み切った愛と自己否定の物語!原作に負けず劣らずぶっ飛んだ構成は圧巻

これは、なんだ?

映画化していいものなのか・・・

そう思わせる内容がオンパレードの『惡の華』

原作コミックはそこそこ受け入れられたものの、実写化されると話が違う

猛烈に原作が好きなコアなファンには、甘いと嫌われてしまうかもしれないが原作を知らないアニメを知らない視聴者には間違いなく、

「これってどうよ???」

「何が面白いのかわからない」

と断じられてしまう類の映画であることは間違いない。

暗ーく深ーい、心の奥底の欲望をゆがめて出てくる自我・自己愛・自己否定、他社否定すべてがぐっちゃぐっちゃに入り乱れてぶつけられる映画

さて、そんなのおもろないよね?

なんですが、

個人駅には好きです。おもろー

”ほげる”的には、

間違いなくおすすめの作品です

4のおすすめ(5点満点)

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

この映画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、
かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます。


中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所にしながら、「周囲と自分は違う」というぼんやりとした選民意識を持ち、息苦しい人生を過ごしていた。
ある日、忘れ物を取りに放課後の教室を訪れた春日は、こっそり恋心を寄せていた同級生・佐伯奈々子の体操着が落ちているのを見つけてしまい、衝動的に盗んでしまう。
しかし、その一部始終をクラス一の問題児・仲村佐和に見られていたことが発覚し、なんとか「誰にも言わない」と約束を交わすことに成功した。だがその代償として、春日は仲村からとある”契約”を持ちかけられる――。

[showTable]

映画情報&キャスト

『惡の華』 2019年 日本
【原題】惡の華 コミック
【監督】井口昇
【脚本】岡野麿里
【出演者】
春日高男(伊藤健太郎)
 :どこにでもいるごく普通の学生。
  ボードレールの詩集を心の拠り所にしている。
仲村佐和(玉城ティナ)
 :クラスの問題児。
  何か気に食わないことがあると相手を「クソムシが」などと罵倒する。
佐伯奈々子(秋田汐梨)
 :美人のクラスメイトでクラスのマドンナ的存在。
  ある日、体操着を何者かに盗まれる。

超感想中心の評価考察・レビュー

あらすじ仕立て ネタバレ感想・いや本当に難しい

「ばらさないでやってもいいよ。」

「その代わり、私と契約しよ?」

鬼才・押見修造が描く原作コミック「惡の華」は、累計発行部数300万部を突破し、テレビアニメ化・舞台化など各種メディアミックスに登場している異色作です。

「自分は他の人とは違う」

「クラスメイトはみんなくだらないし、つまらない」

映画などの映像作品を含め、サブカルチャーが好きな方々なら、一度は考えたことがあるはずです(なかったらすみません)。

「惡の華」の主人公・春日高男もそのうちの一人です

ボードレールの詩集「惡の華」を愛し、

「自分は他のやつらとは違う」と他者を見下し生きる、思春期特有の″痛いやつ″。

群馬県桐生市を舞台にした第一幕では、そんな彼を取り巻く2人の女性が登場します。

以降あらすじテイスト!
ーーーーーーーーーーーー

クラスのマドンナ的存在であり、春日へ「普遍的な幸せ」を与えてくれる佐伯さんこと佐伯奈々子。

山に囲まれたこの狭い町から抜け出させてくれそうな、「普通じゃない」仲村さんこと仲村佐和。

学校帰り、春日は忘れ物を取りに行くために一人で放課後の教室へと向かいます。

しんとした夕方の教室で、春日が見たもの。それは、今日の体育の時間に佐伯さんが着ていた体操着でした。

思春期で興味津々なのはわかるけど、それでもやっていいこととダメなことがあるだろ!

同じクラスの同級生の体操着ですよ。何するの、バレたらどうするの。。。

可愛らしい色合いの巾着袋の中から取り出される、「佐伯」のゼッケンが縫い付けられた体操着。

春日がそっと鼻を寄せ、匂いを嗅いだ瞬間・・・教室のどこかで、物音がしました。

驚く春日。しかし、辺りを見回しても誰もいません。

もしかしたら、誰かに見られたかも――そう思った春日は、咄嗟に体操着を自分の学生鞄と一緒に抱きかかえ、そのまま家まで帰ってしまいます。

あああ、やっちゃいかんだろ、おいおい! さすがに盗んだらダメでしょ!

「返さなきゃ・・・」と自宅で一人反省する春日。

いや、当たり前だろ。つーか
クンクンすんな!

翌日、どう見ても浮かない顔をした佐伯さんと担任が教室に入ってきました。

「佐伯の体操着が、今朝来たらなくなってたそうだ」

担任の口から、予想通りの言葉が発せられます。

「変態じゃん!」「ばか、やめろって!」下卑た野次が飛び交いますが、春日が名乗り出ることはもちろんなく、そのまま一日を過ごしていつも通り帰路につきます。

自転車で堤防を爆走しながら、心の中で懺悔する春日。

道中、春日は仲村さんに偶然出くわします。

「私、見てたんだよ。春日くんが、佐伯さんの体操着盗んだところ」

今まさに心中で懺悔していたその罪を、なんとクラスメイトに知られていたなんて!

自分の乗っていた自転車を仲村さんに預け、叫びながら走り去る春日。

どうでもいいですが、伊藤健太郎走るの早いですね・・・。

「逃げ野郎。クズネズミ」

半端ない語彙力で逃げる春日を責め立てる仲村さん。

「盗ったんじゃなくて、たまたま持って帰っちゃっただけ」

そんな言い訳が通じるはずもなく、仲村さんは不敵な笑みで春日ににじり寄ります。

ばらさないでやってもいいよ。その代わり、私と契約しよ?

ここから2人の”契約”が始まりました。

”契約”って言葉、大人になってから聞いたらものすごくムズムズしますよね。黒歴史とか、恥ずかしい過去を思い出しますが・・・(まあ、普通ないのかなー)
自分的には、高校の修学旅行でパンツをホテルの部屋に忘れて
後日、教室で先生に「パンツ忘れたやつ、取りに来い」と言われたときですね

ざわつく翌朝。

ホームルーム前の教室で、女子生徒が鞄をまさぐりながら騒いでいます。

どうやら、持ってきた給食費がなくなっているというのです。

「もしかして仲村じゃね?」

「私、昨日の放課後に仲村さんが教室入っていくの見た」

証拠もないのに、風評被害だけで仲村さんを犯人に祭り上げる級友たち。

それに、仲村さんは昨日の放課後、春日と一緒にいました。

給食費なんて盗めるはずがない。

犯人探しに盛り上がるクラスメイトたちを、春日は大きな声で一蹴しました。

「何の証拠もないのにそういうこと言うなよ!」

仲村さんを犯人だと疑った調子のいいクラスメイトは、真面目な春日の反論を茶化します。

その直後、給食費は女子生徒の鞄の底から見つかりました。

盗まれたと思われた給食費は、女子生徒の勘違いだったのです。

お調子者の同級生は小馬鹿にしていましたが、そんな春日の行動にも胸打たれた人物がいたのです。

クラスのマドンナ・佐伯さんでした。

「かっこよかったよ、春日君」

まさかマドンナからそんなふうに言われるなんて、、、春日は浮き足立った様子で喜んでいます。

しかし、階段の下には”契約”を交わした仲村さんがいました・・・。

この町で普遍的な幸せをくれる佐伯さんと、「クソムシ」ばかりのこの町から抜け出したい仲村さん。

可愛いくて健気で、憧れていたマドンナの佐伯さんと付き合っているはずなのに、なぜか自分を”普通”じゃなくしてくれる仲村さんの顔が頭をチラつきます。

結局、「自分は佐伯さんの体操着を盗んだ変態なのだ」という自責の念に耐えきれず、春日は仲村さんに「僕が体操着を盗んだことを佐伯さんに話してくれ」と懇願します。

しかし、仲村さんがそんなことを承諾するはずもなく、「だったら全部さらけ出せばいい」と深夜の学校へ一緒に向かうのでした。

チョーク、墨汁、絵の具、ありとあらゆる道具を使って教室中で大暴れをする春日と仲村さん。

ここで期待の新人バンド・リーガルリリーがつとめる挿入歌が流れます!雰囲気にぴったりで最高でした。

「やっぱり春日くんは本物の変態だよ」

春日にとっての「普通の人生」が終わった瞬間でした。

翌朝、当たり前ですが学校は大騒ぎ。

自宅に帰ると、両親が玄関に立っていました。

母親は洗濯機の中から取り出してきた、墨汁まみれの服を手に持っています。

追い詰められた春日は、「この町のどこにも居場所なんてない」と走って堤防を走ります。

仲村さんと”契約”したときと同じ堤防で、仲村さんは「山の向こう側」=町の外へ、春日と一緒に行こうと提案しました。

居場所を失ってしまった春日は、二つ返事で承諾しました。

しかし、あいにくの天気で雨宿りをしていた2人のもとに、佐伯さんが訪れます。

仲村さんが、体操着を盗んだことなどを例に挙げ、春日のことをどれほど変態か説明しても、佐伯さんは「自分を思ってしてくれたことなら嬉しい」と承認。

そんな春日と佐伯さんの純愛?っぷりに、仲村さんは「つまんない」と背を向けます。

佐伯さんのことは好きで、大切で、だけど仲村さんを笑わせたい、”向こう側”へ連れて行って欲しいと願う自分もいて。

2人の間で揺れ動く春日はどちらも選べなくなり、雨の中で「僕は空っぽなんだよ!」と叫びます。

その結果、佐伯さんにも仲村さんにも呆れられてしまう春日。

「…わかった。もう…いい…」

佐伯さんはそう言って、春日からプレゼントされたボードレールの詩集を濡れた地面に捨て、帰ってしまいました。

「これ以上、私の魂をズグズグにしないで」

そう言った仲村さんの表情は、これまでにないくらい悲しく、感情的なものでした。

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原作コミックだとかなり混沌としていて、警察に補導されて終わるシーンですが、映画だと春日の咆哮ですっきり(?)終わっていて印象は良かったです。

ここから場面は変わり、春日が埼玉県へ引っ越したあとの話に飛びました。

原作を読んでいない方は、ここで「ん?」となったかもしれません。

佐伯さんと偶然出くわしたりして、過去を回想するたびに、あのあと、あの町で何があったのかが明らかになっていきます。

もうあらすじでお腹いっぱいです 勝手な感想

こいいう、ストーリー展開と構成は個人的にはものすごい好みでしたが、

まったくもって、うまくブログ感想を組み立てられない。

コミック見ないで、映画観たら5分でプチ!だったなぁ^^

時系列もぐちゃぐちゃになっていたかも知れません。

前半、ずっと薄ぼんやりしたままの伊藤健太郎の演技が非常にリアルで、だからこそ後半にかけて覚醒していく春日の「変態っぷり」に拍車がかかっていて、浮き彫りにされていく性(サガ)が良かったです。

逆に、大人でなく思春期だからこそ感じる、本当に鬱屈とした独特の感情が渦巻いています

毒々してる

いや、ドクドク脈打っている感じか・・

大人になんて一切迎合しない・・

玉城ティナ『貞子VS伽椰子』でも、切れっぷりが冴えわたっていたけど、

あの細い体から出てくる、まがまがしいオーラが凄い

雰囲気は、『地獄少女』のほうが、似てるか

どことなく達観したものの考え、春日よりも遠くから物事見てるから

まったく一般の人には欠片も気持ちがわかんない!

とにかくぶっ飛んだ感じの演技が、冴えわたりました。

ネットでは、性格ブスとかなんとか、出てくるけど映画の演技はすんばらしい!

演技力が非常に飛躍していて、今後ますます成長に期待できる女優さんになるでしょうね

原作との比較

原作ファンも未読勢もちょうど意見が分かれています。

内容としては、

概ね「演技は上手いが、詰め込みすぎの脚本でバックボーンが見えない」、「俳優陣が大人過ぎて、中学生には見えない」といった内容が大きかったです。

個人的には、あの奇妙な漫画の雰囲気を壊さずに守ったまま映像化出来ていた点を大きく評価したい

こだわりが細部にわたり響いていると思いますね、監督の意向でしょうか、構図や撮影にも

徹底して原作を意識して角度にもこだわっていると強く感じました(あくまでも私見ですがね)

ちょっとだけ、祭りの日の部隊の上で手を握って独白、いや二人で語り始める

あのシーンは、

原作とイメージが合わなかったかな

急に現実と漫画コミックの差が埋められなくて、映像だけが先走った感じがしました。

コミックて時系列が狂ったり、飛んだりしても受け入れられるんですよね。実写映画はストーリーがあの独白のシーンの後、春日達はどうなった?って、急に現実に戻っちゃいました。

そこまでは、しかたないか!

映画の感想まとめ

友人におすすめできるか、と言われれば少し悩むような作品です。

しかし、良い作品かどうかと聞かれれば、間違いなく「良い!」「いや、見ろって推し」と答えることができます!

うまく原作の良さを引き出しつつ、映画ならではの手法も駆使した名作でした。

→思春期に忘れたい過去がある

→黒歴史がある

→可愛い女の子に翻弄されたい

こういう人は、絶対この映画おすすめです!

ほげる的には
おすすめの作品です。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       5
 ストーリー構成    3
 初見で読み取れない謎 5 

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、に面白い作品と思います