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『ペット 檻の中の乙女』(PET)見て損なし!エンディング読めないどんでん返し:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-04-20

映画『ペット 檻の中の乙女』(PET)はスペインの2016年サスペンス映画!タイトルを見て欲しい、絶対これって監禁された少女をいたぶる社会的な問題作だと思うはずだが・・・その期待はいい意味で裏切られる。あなたはエンディングを読めるか?

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

個人的にはたまに、当たりが出ればいいと思っているスペイン映画!、サスペンス・スリラーやホラーでは一定の評価がある。

そんな、スペイン映画から今回は紹介していくことになる。

どんでん返し系の映画を最近みていないなぁとふと思った。ちょっと言葉の使い方が悪いかもしれないが、どんでん返しというのは最後に成功するシンデレラストーリーという意味で言っているのではなく、映画の視聴者の想像を裏切るエンディングという意味ね

グラントリノのラストシーンとか、というわけでどんでん返し系の映画を探していると友人から一本の映画を紹介された。それが今回紹介しようと思っている『ペット 檻の中の乙女』(PET)という作品だ。というわけで早速あらすじを紹介したいと思う

動物保護センターで働くセスは友人もおらず孤独な青年だった。そんな彼はある日偶然バスで、かつて同じ高校に通っていたホリーという女性と再開する。久しぶりに彼女に再開したセスは、彼女に淡い恋心を抱く。そして彼の淡い恋心は徐々に暴走をはじめ、おぞましい計画へと結びついていくのだった・・・

この手の監禁映画だと、ミスターガラスシリーズの「スプリット」とか、『クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴』、『マーターズ』とかこういったところだろう

本作は、スペイン映画ということもあり、ちょっと見通しが甘かった。いい意味で!

正直最初は人付き合いが苦手なセスがただのやばいやつになる映画かぁと思っていた。バスの中で出会ってから、SNSでホリーの行動を逐一確認し始めて、趣味であったりどこにいったかを全て把握しCIAもびっくりな情報収集力(ストーカーぶり)を発揮したセス。

しかも念入りに準備をした挙句ホリーにデートの誘いをひどく振られてしまう始末。挙句にはホリーの元彼にはストーカー野郎!と殴られ、プレゼントした薔薇の花は気持ち悪いとホリーに思われてしまうなど行動が全て裏目に出てしまった感じだ。

まぁそんな彼がある日、動物保護センターの地下室にホリーを監禁した時はいよいよセスもやっちまったなと思ったね。そういうのは一般的には許容されないんだよ!とか思いながらホリーに同情しながら見ていたのだが、ここからがこの作品の秀逸なところ。最初はただ単にセスがやばいやつだと思っていたが、実は本当にやばいのはホリーの方だったという衝撃的な事実!セスがホリーのストーカーしている時に偶然拾った彼女の手帳には小説の下書きなんてかわいいものが書かれていた

わけではなく、おぞましい彼女の殺人の記録が書かれていたのだ!(どうしたんだホリー!)

ネタバラシしちゃうとホリーは二重人格で、片方は冷酷な殺人鬼で、もう一方はみんな知ってるかわいいホリーだったわけだ。それに気がついたセスは、彼女がこれ以上罪を重ねないように地下室で監禁することで彼女の矯正をしようとしていたというわけですな。まさかのセスがまともだったパターン!

監禁する時点であんまりまともじゃないけど・・・ね

あ、これってどこかで見たなぁと思いだすと、あれだね「ユリゴコロ」だちょっと気持ち悪さの意味合いが違うけど、雰囲気あるかな。

最終的にセスは職場の地下室なんてすぐわかりそうなとこにホリーを監禁していたこともあり、同僚にバレたり警察にバレたり、バレたことを隠そうとして罪を犯してしまったりと坂道を転がっていくような形で追い詰められていくのだが、そこに殺人鬼の人格ホリーが口を挟んでいくことで展開が変化していくんですよ・・・

エンディングは映画を是非見ていただいてえ!?っていう体験をしてみたいと思うのだが、ただのエログロ系のB級映画ではないことは確かだと思う。

総じて言えば隠れた名作で、人間の心理面を丁寧に描いた良作の映画だと思う。ちなみにPETなんてタイトルのせいでエログロ系にカテゴライズされそうだが、エロ要素は一切ない。グロテスクなシーンは後半結構出てくるので、あんまりそういうの苦手・・・という人は少し気をつけたほうがいいかもしれない。

余談だが、セスとホリーの両者ともまぁやばい奴なんだけど、序盤のセスの周囲からの扱いを見ていると、よくもまぁ今まで耐えていたもんだと逆にセスに少し同情的になるとともに、エンディングはある意味セスにとってハッピーエンドだったのかぁとも思ってしまった今日この頃。

― hogeru -

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