FODプレミアム

『アメリカン・ヒストリーX』差別は何も生まない!因果応報を体現する衝撃の問題作:動画配信・映画感想あらすじ考察

映画『アメリカン・ヒストリーX』は1998年に制作されたアメリカの人種差別を赤裸々に表現&風刺した問題作!エドワード・ノートンとエドワード・ファーロング、二人のエドワードが兄弟として差別主義の実態に切り込みます

エドワード・ノートン主演作品!

まさに、怪演です。

彼が演じる役柄全てには、二つ以上の魂が宿ります

今だからこそ、見るべき映画!白人至上主義をあなたはどう思いますか?

今なお黒人差別が叫ばれるアメリカで作られた衝撃作と呼ばれている本作で、人種差別を抜きにしても映画としても二人のエドワードの才能のぶつかり合いも見所です

今だからこそ、是非見ていただきたい映画です。

めっちゃおすすめの作品です

5のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

白人至上主義であったデレク(エドワード・ノートン)が車泥棒をした黒人を殺害した罪で服役してから三年が経った。

デレクの弟のダニーは兄を崇拝し、白人至上主義にハマっていた。しかし、刑務所から出てきたデレクは前とは別人のように公平な人間にいた。

ダニーはその理由をデレクから聞くことになる・・・

[showTable]

映画情報&キャスト

『アメリカン・ヒストリーX』1998年 アメリカ
【監督】トニー・ケイ
【脚本】デヴィッド・マッケンナ
【音楽】アン・ダッドリー
【撮影】トニー・ケイ
【出演】
デレク・ヴィンヤード(エドワード・ノートン)
:白人至上主義を主張し、黒人を殺害し、刑務所に入る。
ダニー・ヴィンヤード(エドワード・ファーロング)
:デレクの弟。デレクを崇拝する。
ラモント(ガイ・トリー)
:刑務所でデレクと仲良くなった黒人。
キャメロン・アレクサンダー(ステイシー・キーチ)
:父親と同世代の白人至上主義のリーダー。

超感想中心の評価考察・レビュー

アメリカに見られる根強い差別感情

未だに根強い人種差別が叫ばれており、デモなどがアメリカでは続いています

昨今も、またこういう差別にたいする社会性のあるメッセージを込めた映画が増えてきた感じがする。2021年のアカデミーではNetflix配信で話題になった『隔たる世界の2人』なんかも、その代表でしょう。

本作の他にも、『フルートベール駅で』や『私はあなたのニグロではない』『ビール・ストリートの恋人たち』『デトロイト』などまだまだ数え切れないほどの黒人をテーマとした作品が存在しています。

これほど多くの映画でテーマにされているということは、人種差別がまだまだなくなっていないということを知らせているようなものですよね。

なかなか日本人には理解しにくいですが、アメリカでは日常茶飯事に起きている事実なのです。

本作では、前半はかなり人種差別発言をデレクがしており、観ている方としても正直、きついものがあります。

なので、初めて見る方はその辺りも覚悟してみた方が良いかもしれません。

デレクの変化:エドワード・ノートンの怪演

デレク演じる、エドワード・ノートンは本作でもカメレオンっぷりを発揮しままくりました。

『真実の行方』でメジャーデビューを果たしエドワード・ノートンは、次々と主役級の名俳優達を食っていくぶっちぎりの演技力があり、その演技力には映画の中で、2面性を持った人物をこともなげに演じ切ってしまうところにあると思います。

本作でも、主人公のデレクは、

バリバリの武闘派の白人至上主義者

コミュニティーを先頭を切って率いて、中心的な人物でしたが、

デレクが刑務所から出てきた時、まったくの違う変化をしていました。

それを、エドワード・ノートンの演技力が完全にカバー

そして、なぜそんなに変化していたのか?

それを脈々と語り出していく様、どれも圧巻ですね。

デレクは、入る前はあんなに白人至上主義だったはずが、刑務所のなかで、ある出会いを通じて変化していきました。

それは、ラモントとの出会いがきっかけで、彼は刑務所にいた黒人。黒人を殺し、白人至上主義だったデレクには、昔なら受け入れないような人種の人間です。

しかし、ラモントと話すうちにデレクは徐々に心を開いていくのです。

あんなに頑なで、考えが変わらなかったデレクがどんな人種でも話せば、理解することができるのだと知った瞬間だったことでしょう。

この表情、つきものが落ちていく変化

これぞ、エドワード・ノートンの真骨頂ですよ

そして、刑務所であったことをダニーに話し、怒り任せに人を殺しても虚しいだけだったと伝えるのです。

なかなか考え方は変わらないものですが、良い友達に出会うことができたというのが人生の糧になったような瞬間です。

本作に見られる名言と因果応報、差別の報い

本作は内容も内容だけに、かなりの名言が登場しています。

ここで心に響いた名言を紹介していきたいと思います。

「怒りは君を幸せにしたか?」

これは、刑務所で暴行を受けたデレクに向けられた恩師のスウィーニー先生の言葉です。この言葉のおかげで、デレクは今までの行動の愚かさに気がつくのです。怒りに全てを任せてもなんの意味もないし、時間の無駄なのです。

「俺は2人の人間を殺したんだ。何にも変わらなかった。
 ただむなしくなって、怒るのにも疲れたんだ。疲れちまったんだよ」

これは先程も書きましたが、ダニーにデレクが白人至上主義を辞めた理由を述べたシーンのセリフです。いくら怒って行動に起こしても、無意味であるし、虚しいだけだと気がついたのです。誰かがやめなければ、この醜い争いは永遠に続いてしまうだけなのだと教えてくれます。

「これが僕の結論だ。憎しみとは重荷であり、
 怒りに身を任せ続けるには人生は短すぎる。怒りにそんな価値はない」

これは、ダニーのレポートの言葉です。そういったダニー自体がラスト殺されてしまい、体現してしまっているのがあまりに皮肉そのもの

もっと有意義なことに人生の限られた時間を使うべきなのです。

本作には、人それぞれ刺さる言葉が異なるとは思いますので、探して見るのもいいと思います。

ただ、最後のダニー

これもデレクやダニー、特にデレクのこれまでの行いがそうさせている、因果応報

本当にある意味グッドエンディング

そして、バッドエンディング

映画の感想まとめ

本作はあまり日本人には馴染みがない人種差別がテーマで、最初の方はかなり見るに耐えない言葉が飛び交いますかね、

正直、ちょっと女性の方などは正直見にくいかもしれませんが、後半になるにつれ、どうしてこうだったのか、分かるようになっていくので、そこまで耐えるて先まで見てください。

考えさせられるような映画、衝撃作を見たいという方にはオススメです。

そして、エドワード・ノートンの演技にやっぱり着目です

アカデミー賞主演男優賞にノミネートは伊達じゃない・・

一見に値しますので、本当に見てほしい作品です