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『アリータ バトル・エンジェル』ネタバレと解説 パフォーマンスキャプチャCG融合の高速SFアクション:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-02-24

『アリータ バトル・エンジェル』は日本の漫画が原作のSFアクション大作!失われた技術で作られたサイボーグのアリータは、 くず鉄町の犯罪者と戦うハンター。天空の街ザレムへ行くためにローラーボールで賞金を稼ぎ街の悪者フィクサーのヘクターと果敢に戦う。

ロバート・ロドリゲス監督と、ジェームズキャメロン製作で送る超CGアクション大作!

アカデミー俳優達が、ごろごろと出演しているのも、個人的には超興味のある作品です。

1990年代の日本の漫画原作で、ジャパン漫画の実力を世界に知らしめてくれた、会心の作品です。

主人公の少女アリータのちょい気持ち悪いくらい大きな目が特徴で、架空のローラーボールと言うローラースケートで鉄のボールを何でもありのバトルしながら高速で奪い合うシーンは、CGとはいえ大迫力です。

ストーリーとしては、少々原作を散らかし気味ではありますが、良いとこのみをコンパクトにまとめた、おすすめの作品です

あらすじ 超ネタバレあり

アイアンシティはザレムからの廃棄物が残骸として常に落ちてくる文字通りくず鉄町。
ザレムは地球最後の空中都市で火星との宇宙戦争の果てに唯一残った楽園と思われている。くず鉄町の住人は誰もがザレムに憧れ、いつかザレムへ行くことを夢見ているが、その方法は一つだけ、モーターボールでチャンピオンになること。

サイボーグ医師のイドがくず鉄の中から、少女のサイボーグの頭部を発見する。
まだ生きているかのような少女の頭脳をなんとか修復して死んだ自分の娘の身体になるはずだったサイボーグの身体に移植すると、少女は記憶を失いながらも意識を覚ます。少女はアリータと名付けられた。

アリータは記憶がないながらも、イドや病院に出入りするヒューゴを通じて明るさがよみがえってきた。
あるときイドが夜中に出かけているのを見かけたアリータはイドの後をつけると、イドがハンターであることを知る。くず鉄町には警察がいない代わりに犯罪者を取り締まるハンター制度が成り立っていた。
賞金首のグリシュカがイドの前に立ち塞がったときに、アリータは身体が勝手に動き驚異の運動能力を見せてグリシュカを撃退する。「機甲術」(パンツァークンスト)と呼ばれる失われた火星URMの戦闘術だった。

ヒューゴと仲間達から、とっておきを見せると案内された町の外れの墜落した宇宙船。それは300年前に地球の敵であった火星URMの戦闘戦艦だった。導かれるようにアリータは船内に入っていき、バーサ-カーのボディーを見つけ持ち帰る。

イドに内緒でハンター登録を済ませるアリータが、ハンターのたまり場でグリシュカを倒すようハンター仲間を煽動するも、ザパンをはじめ誰も話に乗ろうとしなかった。そこにグリシュカがパワーアップした身体で現れてハンター達が次々と殺される。
グリシュカに使われている新たな身体の一部は、なんとヒューゴが町のボスであるヘクターへ違法に横流ししたものだった。 グリシュカの片目を奪いながらも、アリータもまた身体がバラバラにされる。

イドはアリータをバーサ-カーのボディーに移植し、その驚異のバーサ-カーのボディーの自動調整機能でアリータは本当の自分の身体を取り戻していく感覚を得るのだった。

ヒューゴの夢はザレムに行くこと、その夢に共感し協力するためにアリータはモーターボールで賞金稼ぎをしようとするがヘクターの息がかかったやさぐれ達にアリータの抹殺指令が出ていた。モーターボールで驚異の動きで敵を撃破し続けるアリータ。同じ時、ザパンがヒューゴの違法なやり方に目をつけヒューゴを人質にアリータをおびき寄せた。ザパンはアリータにヒューゴがヘクターと組んでいる事実をつげヒューゴの命を奪う。

アリータのヒューゴを失った泣き顔を見てチレンは娘を思い出しヒューゴの頭脳を救い、アリータと共に逃がすのだった。
イドはヒューゴにサイボーグの身体を与え、ヒューゴとアリータはヘクターにザレムへ行く方法を教えるよう迫るも、そこには臓器だけにされたチレンの姿があり、その姿が唯一ザレムに行く方法であることを知る。
グリシュカとヘクターを倒すも、ヒューゴがザレムへ行けないことに悲観しザレムとの連絡チューブを上るはじめるが道半ばで防御リングによりバラバラにされてしまう。

数ヶ月後アリータはローラーボーラーの舞台で活躍していた! 天空のザレムのからヘクターの裏で手を引いていたノヴァの目線がアリータを見つめているのだった。。。

映画情報&キャスト アリータ バトル・エンジェル

『アリータ バトル・エンジェル』イメージ画像
公式HPより http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/

『アリータ: バトル・エンジェル』 2019 アメリカ
【原題】Alita: Battle Angel
【監督】ロバート・ロドリゲス
【脚本】ジェームズ・キャメロン
    レータ・カログリディス
【原作】木城ゆきと 『銃夢』
    日本のYJ漫画
【製作】ジェームズ・キャメロン
    ジョン・ランドー
【製作総指揮】
    デヴィッド・ヴァルデス
【出演者】
アリータ(ローサ・サラザール CG合成)
 :ザレムから頭だけの状態で
  くず鉄町に捨てられて記憶を失っている。
  イドに救われ失われたURMの技術の
  バーサ-カーの身体に移植してもらう
  「機甲術」(パンツァークンスト)と呼ばれる
  戦闘技術を使える
イド(クリストフ・ヴァルツ)
 :娘の治療のために
  ザレムから妻チレンと共に
  追放されるも、娘は自分の改造した
  モーターボーラーに殺される
チレン(ジェニファー・コネリー)
 :イドの元妻
  ヘクターの元で働く科学者で医者
ヘクター(マハーシャラ・アリ)
 :くず鉄町の裏家業のボスで
  モーターボールのオーナー
  ザレムと密かに繋がり、
  ザレムに認められた臓器を定期的に送っている
ザパン(エド・スクライン)
 :アリータにこけにされてから
  アリータを執拗に狙う賞金稼ぎ

感想考察

日本の漫画が原作のアクション大作

公式HP http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/ より

ビジネスジャンプで1990年に連載を開始した、木城ゆきと著の『銃夢』が原作の『アリータ バトル・エンジェル』は、原作の1巻~4巻くらいまでのポイント・ポイントを取り入れたオリジナル書き下ろしのストーリーとなっています。

原作の映画的に絵になりそうな良いところを上手く取り入れて、構成されています。

原作の漫画ファンからもお叱りを受けない程度に、中心となる背景設定やストーリー展開を汚さない程度にシーンの順番を入れかえつつ、登場人物の役割をかえつつ映画化されています。

英語版では『Battle Angel Alita』で映画よりも先に刊行されていますので、MANGA(コミックと)としては英語圏でも有名で、主人公の少女は原作では、ガリィーと言いますが英語版では意味として”不毛”となり語呂が良くないことから”アリータ”になり、映画でもそれを踏襲されています。

製作・脚本にジェームズ・キャメロン

映画の権利としては、ジェームス・キャメロンが日本の漫画として刊行されているときから目をつけ、長い間交渉を繰り返し2000年頃に正式に契約を木城ゆきと氏と結び、実に9年越しの映画化になりました。

ジェームズキャメロン監督は、その間にも監督作品を増やし続け

  • テレビ:『ダーク・エンジェル』 (ジェシカ・アルバ出世作)
  • 映画:『ターミネーター2』
  • 映画:『タイタニック』
  • 映画:『アバター』

と製作・監督で名作をリリースしていきますが、アリータまではなかなか辿り着かなかったようです。

この辺は原作者の木城ゆきと氏もインタビューでヤキモキしたこと語っています。

ジェームズキャメロンに取っては、機が熟していなかったと言うことでしょう。

実際、『アバター』や『ターミネータ』シリーズで培ったノウハウがふんだんに取り込まれていますので、映画の製作というのは原作や脚本構想と映画製作との技術的なもののバランスで成り立っているということでしょう。

ジョン・ランドーとジェームズ・キャメロンも『アバター』は架空の世界だからできたが、『アリータ』はリアルな世界だから撮影は中々出来ず、『アバター』の経験が活きていることをインタビューで語っています。

あわせて読みたい『ターミネーター2』コラム

アリータはCG(パフォーマンス・キャプチャー)です

アリータを演じているのは、ローサ・サラザールですが顔は違います。どことなく顔立ちは似ている気もしますが、あの大きな目のアリータではりません。

アリータは、パフォーマンス・キャプチャーと言う技術でCG化し実現されています。

パフォーマンス・キャプチャーとは俳優のマーキングした点を複数台のカメラで捉えてその動きを記録してモーションキャプチャーしていく技術です。

よりリアルに3DCGのデータに再現していくことで表情や動きが本物の映画セットと一緒に撮影し、取り込めることでより自然で、物やセットとの距離感や物質感に対してリアリティがモーションキャプチャーとの圧倒的な差です。

また、俳優など演じる点ではモーションキャプチャーとの最大の違いは、表情までも取り込めるので、CGとはいえローサ・サラザールの微細な表情の演技全てが映画で再現されます。

ローサ・サラザールは、CGではありますが、身体の動きは全て演じる必要があり、持久力をつけ・身体を絞るために、4ヶ月半のトレーニングを毎日2時間積んだそうです。

トレーナー(武術トレーナー キース・クック)により、マーシャルアーツ・ムエタイ・カンフー・キックボクシングと徹底的に基礎をたたき込まれ、自然に身体を動かし演技へ集中する土台を作ったことをインタビューで語っています。

ローラーボールの為の、ローラスケートも毎日練習したそうです。

豪華すぎる俳優陣

CGやそのアクションにばかり目が行ってはいけません。

この映画を確かに支える、助演男優・女優達の豪華すぎる顔ぶれをもう一度見てみましょう。

イド役のクリストフ・ヴァルツは、『イングロリアス・バスターズ』で圧倒的な演技を評価されてアカデミー賞で助演男優賞を獲得している、あのランダ大佐です。

全編英語でもどことなくドイツなまりっぽいアクセントとで話すんですね。

CGのアリータ相手でも手を抜きません。

端正で涼しい冷静な顔立ちからポンポンとアリータへお愛おしさが溢れてくる演技をしてくれています。

合わせて読みたい『イングロリアス・バスターズ』

イドの妻チレン役のジェニファー・コネリーは、子役時代から常に映画の世界を見てきたベテラン女優です。

彼女も『ビューティフルマインド』でラッセル・クロウ演じるジョン・ナッシュの愛妻を演じ陰から主人を支える姿が高評価でした。

『アリータ』でもイドとの間の愛娘を亡くして、アリータに愛娘を重ねてしまう切ない役が印象でした。

個人的には、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のあのバレエを踊っている少女が印象的で、一気に彼女の虜になったのを記憶しています。

そして、なんといっても旬すぎる俳優、
ヘクター役のマハーシャラ・アリですね。

彼はなんと『グリーンブック』でアカデミー助演男優賞を受賞したインタビューで『アリータ』での役柄に少し触れています。

『グリーンブック』での芯のしっかりある、黒人音楽家(ドン・シャーリー)と打って変わって、超チャラい悪役です。

しかも街のフィクサー的な悪役と、ザレムからのメッセンジャーとしてのノヴァの代弁者を務めます。

この落差激しすぎる演技がすごい、本作をみて、彼は肉体改造すればポスト”ウェズリー・スナイプス”でも十分やっていけるのではないかと感じました。

合わせて読みたい『グリーンブック』

さらに、この映画ではエンドクレジットにも乗せていませんが、ザレムの悪役であるノヴァ役でエドワード・ノートンがカメオ出演しています。

ロバート・ロドリゲス監督と親交があり、彼からの要請で『アリータ』がシリーズものになったときの為にも、ザレムのドン・マッドサイエンティスト、支配者をしっかりした人物にやってもらうよう伏線をはったようです。

デビュー作の『真実の行方』でぶっちぎりの、2重人格の振りをした超悪の悪党を演じてゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得しています。(アカデミーは助演男優賞ノミネート)

本当に凄すぎる、出演者陣に本当に舌を巻いてしまいました。

海外の評価 2020/03時点

評価は、批評家・視聴者ともに、まま良い感じの数値ですね。

特に視聴者からはもの凄い高い数値で評価されています。

内容を見ても、概ね高評価ですね。進化したCG技術をたたえるコメントも多いです

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
53
User rating7.3/10
ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
61%
Audience92%

映画の感想まとめ

『アリータ バトル・エンジェル』は、ジェームズ・キャメロン製作の話題のCGに話が行ってしまいがちですが、以下2点はしっかり抑えておきたいところです。

  • 日本の原作『銃夢』
  • 豪華アカデミー俳優陣

原作が大好きな人には、受け入れられないところは確かにあると思いますが。

ジェームズ・キャメロンの作ったエンターテイメントとしてみればそれはそれでかなり楽しめる作品でした。続編を作ってもそこそこ楽しめるのではないかと思います。

昨今のマーベルやDCコミック原作シリーズの流れに、一石投じて日本漫画原作の底力を見せてくれた気がします。

原作ファンも、SFファンも是非見るべきおすすめの作品です。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       5
 ストーリー構成    4
 初見で読み取れない謎 4

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、に超面白い作品と思います。