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『バケモノの子』細田ワールドさく裂!親子より大事な絆:動画配信・映画感想あらすじ考察

映画『バケモノの子』は細田守監督による2015年の日本のアニメ!超ヒットした『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』に続く細田守監督による長編オリジナル作品第3作にあたる!ひょんなことからバケモノに育てられた人間の子が精神的にも肉体的にも強く成長していく様を描く

なんか、アニメにもきっと系譜とか流行りってのが絶対的にある

宮崎駿監督だったり、エバ的な庵野秀明監督の流れ、そして時代は細田守監督と新海誠監督の2強になってきたのではないだろうか?

細田守監督は、2021年に『未来のミライ』以来の『竜とそばかすの姫』で世界中で空前の大ヒットを飛ばしている。

まあ、時代は来たね。やっぱりアニメは日本の本家として頑張ってほしいものです

本『バケモノの子』も、空前のヒットを飛ばして並みいる洋画や邦画を抑えてアニメが劇場を支配しました。大人も子供も家族でも楽しめる作品で、少年の強さだけでなく、家族の絆や親子ってことについて考えるファミリードラマ的な内容もあり、見ごたえあります

☆4のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

9歳の少年・連(宮崎あおい)は、両親が離婚し、母親と暮らしていたが、その母親も交通事故にあい独りぼっちになってしまう。
連は母親方の親戚に養子として引き取られる事になったが、その親戚も何もかも嫌になり逃げだしてしまう。渋谷の街を独りで彷徨い、警官に追われ裏通りでうずくまっていた。その時、連の前に、熊徹(役所広司)と名乗るバケモノに出会う。
「着いてくるか」と熊徹に声をかけられるが、何も答えなかった。熊徹が去ろうとする時、連は思い立って熊徹の後を追っていった。するとそこは、見たこともない、バケモノばかりが住んでいる「渋天街」だった。

自分の居場所がなく、一人でも生きて行けるように熊徹に弟子入りすることになり、「九太」と名前を貰う。しかし熊徹と九太はウマがあわず、最初はいがみ合い、衝突していたが、月日が流れ親子のような関係になっていった。

そこから8年が経った、九太は偶然人間界の渋谷に戻り、図書館で女子高生の楓(広瀬すず)と出会う。
楓は図書館で他の学生達を注意していた。その後、図書館からでた楓をその学生が待ち構えており、嫌がらせを受けていた。
それを見ていた連が楓を助け、そこから二人は仲良くなり、楓から学校の勉強を教わるようになる。その後も、連は渋天街と渋谷を行き来していた。そんなある日、熊徹が連の寝床から、人間の教科書を発見し、九太に人間界と縁が切れていなかったことを問い詰める・・・

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映画情報&キャスト

『バケモノの子』2015年7月11日 日本
【原作・監督・脚本】細田守
【キャラクターデザイン】細田守、山下高明、伊賀大介
【作画監督】山下高明、西田達三
【音楽】高木正勝
【主題歌】Mr.Children『Starting Over』(トイズファクトリー)
【キャスト】
・九太/ 蓮(宮崎あおい、染谷将太)
・熊徹(役所広司)
・楓(広瀬すず)
・多々良(大泉洋)
・百秋坊(リリー・フランキー)
・宗師/ 卯月(津川雅彦)
・猪王山(山路和弘)
・一郎彦(黒木華、宮野真守)
・二郎丸(大野百花、山口勝平)
・チコ(諸星すみれ)
・九太の父(長塚圭史)
・九太の母(麻生久美子)

超感想中心の評価考察・レビュー

細田守監督:子供の成長と時間を表現

細田守監督による、キャッチコピーは 「キミとなら、強くなれる」

となっているだけあり、見るものを引き込むものがある。

ずばり、子供の圧倒的な成長力と、その時間をアニメで表現していると思います。幻想的で摩訶不思議な人間の世界との平行世界、バケモノが住む渋天街を軸に置くことによって、異空間での異次元の子供の成長を表現!

そして、バケモノの中でも変わり者の強者である熊徹を、そだての親として強くたくましく育つ久太!

きっと、前作の『おおかみこどもの雨と雪』で、”おおかみこども”の成長を皮肉にも、人間界と野山の野生で分けながらも描写した続きの思いが絶対あるに違いない!

本作の後の作品では、『未来のミライ』で今度は起こってもおいない、未来の子供を想像する作品となっている。なんとなく、細田ワールドは仮想空間=>リアル=>過去=>現代=>未来=>

そして、そばかすの姫で、仮想空間を制覇しちゃったんじゃあなかろうかね

本作は、アニメ界でもものすごく評価されていて、第33回ゴールデングロス賞(2015年)日本映画部門・優秀銀賞、第39回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞、そして第25回日本映画批評家大賞でアニメ部門作品賞まで取っている

父と子の繋がりを感じさせる映画

父と子、そしてその絆!を本当に意識している展開なんですよね

連が登場した時は既に母親は他界していて。父親は生きているが、離婚しています

しかし、離婚は母親の親族たちによって強制的に離婚した事になっており、妻の死も知らず、当時九太を引き取る事が出来なかったといいます

母親が亡くなって、自分を引き取りに来ないとわかった九太は、当時、父親を信じられなかったはず。そこで、9歳からの8年間という長い年月、熊徹が父親変わりになりました。多分、愛情のない親戚の家で物だけ与えられて生きていても幸せではなかったはず。

乱暴で短気な熊徹は、今までに周りにいなかったタイプなんだろうな。

熊徹に反抗的な態度だったが、覚悟を決めて頑張って「卵かけごはん」を食べた姿が愛らしいてたまらない!

無理やり食べて、「おぇーーー」とかなってるし。初めての卵がけごはんが、醬油無しってキッついだろうな笑。

こんな熊徹と、何度も衝突し合うけれども、自分をそのまま出せる相手だからこそ、ここまで文句も言えるのだろうと思う。

お互い意地をはり合うが、いざという時はお互いの心配はしているようで、ケンカしても連は熊徹がピンチの時に応援したし、熊徹は連の為に、付喪神になり連の心に残った。

姿形は変わっても、血は繋がってなかったとしても、既に連の父親になっていたのだと思う。

過去の作品風景

見たことあるような過去の細田守監督の作品風景がチラホラと見えてるんですよ

「バケモノの子」の予告を、映画館で観た時、最初に思い浮かんだのが漫画のワンピース。

「バケモノ」と言うキーワードは、トナカイのチョッパーが「バケモノ」と言われ、嫌がっていたが、最終的にポジティブに「俺はバケモノだ!」と肯定していたセリフを思い出すタイトル

そして、ストーリの中では、実の父親ではない人に、ケンカしながら育てて鍛えてもらうシナリオが、サンジとゼフに似てるような気がしてならなかった。

他には、「渋天街」という異世界を観た時に「街並が、千と千尋に似ている…」まあ、厳密にはこれは細田ワールドってより、実は宮崎駿へのオマージュかもしれないですがね

さらに最後のシーン

一朗彦が巨大なクジラになった姿を観た時「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」と「怪獣の子供」が頭に浮かんでしまう。

どちらもデカいクジラがでてくる映画

妖怪ウォッチは2016年12月公開、怪獣の子供は2019年6月公開だが漫画は2006年から2011年。この時期は、映画でクジラが暴れるのが流行っていたのだろうか(笑

映画の感想まとめ

親子の複雑な関係や絆、そして大人になる為の自立…

そういう事を伝えたい映画

九太が熊徹の稽古を盗み見して、自分なりに練習しているところや、熊徹とケンカしても応援する姿がジーンときてしまうわけですよ

熊徹も九太の為に付喪神となり姿を変えて、九太の剣になってしまったところも、思わず泣きそうになる。しかし、理解できないシーンもあって

何故いきなり異世界と現在で行き来できるようになったのか?

まあ、ファンタジーなんだから細かいことを言うなってことだろうけども

これって九太の心を表しているんだろうか?ひょっとしたら子供の頃の連は、渋谷にはどこにも居場所がない。と思いこみ、心を閉ざした=自ら渋谷へ行ける道を閉ざした。なのか?と勝手に思いをはせて

そんなところも面白い

楓もいきなり渋天街に来ましたが、どうやって来たのかは謎のまま…。

最後に不思議な白い動物「チコ」は、何者なのか分からなかったけれど、ずっと九太の側にいたわけで「チコ=九太の母親」で、実はそっと見守ってる設定なのでは?

と最後まで何者なのかはハッキリ分からなかったけれど、連の母親の写真の側でチコが笑っていたので、やっぱりおかあさんだったんだな。と勝手に思っています。はい

自分は一人だと思っていた九太はきっと九太は守られていたのだろうと思う。

総じて、ストーリー的にはいい話だと思ったけれど、

一方で、なにか足りない気がする映画だった。もう少し新しい表現があると良かったと思う。(自分的にはどこかで見たようなシーンが多かったので)中盤から連は、現在と異世界を行き来するが、最後に「渋天街に行かなくなってしまった」と言っている。熊徹以外にも育ててもらって、お世話になった人がいるのに、結局父親と暮らすんかーい。とツッコミ入れてしまった。

声の役は、リアル俳優で話題先行!ちょっと多すぎなので少し残念でしたと思う今日この頃

主人公や重要人物くらいは、声優さんが良かったかな。・・・