『征途-英雄へのバトルロード-』MMORPGゲーム発のワイヤー+CGバランス良しファンタジーアクション:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『征途-英雄へのバトルロード-』はNetflixで配信されている同名のMMORPGゲームが元になっている中国ファンタジー歴史アクション映画で主演はヘンリー・ラウ(Henry Lau)!春秋戦国時代の中国北東部にある北燕国と南超国は互いに争い戦争状態が長く続いていた。超の国では国中から腕の立つものを集めて大将軍を決めるための競技大会が開かれようとしていた
2020/7にNetflixで公開された中国映画
歴史映画かと思いきや、ファンタジック要素もふんだんに盛り込まれた
ファンタジック歴史アクション映画とでも言いましょうか
おなじみのワイヤアクションとCG等との特殊技術をうまく融合した作品となっています
それもそのはず同名のオンラインゲームの世界観がそのまま持ち込まれています
PG15ではありますが
エロなど一切なく仲間との絆を中心に展開され
そういう面では家族とも安心して観られます
(ちょっと血なまぐさとこはありますが、ファンタジーレベルです)
悪を友と仲間と一致団結してやっつける英雄モノです
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
時は春秋戦国時代
中国の北にある北燕国と南超国は互いに争い戦争状態が長く続いていた。互いに疲弊し講和を結ぶがその時も10年と長くは続かなかった。
燕国で新しく帝位についた王は超を攻め滅ぼすために再び戦いを仕掛け、間者や暗殺者を日々送り込むのだった
超国の太師は、ここに新しく大将軍を作るべく、全国各村から腕の立つものを集めて競技大会の勝者に大将軍の位を与えるべく号令を出し動き始めた。
清源村からは、3人の若者が選ばれ競技大会の会場を目指し旅に出る。
ドン・イーロンは長老に拾われた時に、母親の命がこと切れみなしごだったが競技大会で村人たちに認められたくて参加をすることにした、チューはかつて燕国との大きな戦いで太師の裏切りに会い将軍だった兄をなくし、生き残った唯一の人物だった。
鳳凰城に着くまでに一行は巨大サソリに襲われ2人に減っていた。
競技会に出たいという、腕の立つ少女剣士のジンガンを仲間にして引き入れて準備を進めている。一行は燕国の捕虜ビーヌーをひょんなことから救い出したが、かつてビーヌーの親はチューの兄に殺されチューの棍棒を見て、敵(かたき)であることを知り恨みを晴らそうとチューを狙うようになる。
競技会は各部族の代表として8つの村から3人ずつ参加している。各々の事情や、人々の想いなどをよそに壮絶な大将軍の地位ををかけて生き残りの戦いが始まろうとしていた・・
映画情報&キャスト
『征途 英雄へのバトルロード』 2020年 中国
【英語タイトル】Double World
【監督】テディ・チャン
【配信】Netflix
【脚本】リウ・フェンドウ
ウエン・ニン
【出演】
ドン・イーロン(ヘンリー・ラウ Henry Lau)
:清源村の長老に拾われ育てられたが
村人からは野良犬と呼ばれるが
皇帝の大将軍選抜競技会へ参加する
チュー・ハン兄貴(ピーター・ホー Peter Ho)
:イーロンと同じ村の代表として
鳳凰城へ向かう
かつてチューの兄はチュー家の有名な将軍だった
ジンガン(リン・チェン・ハン Lin Chen Han)
:鳳凰城でチューやイーロンと出会い
仲間となる
ビーヌー(ジャン・ルーシャー Jiang Lu Xia)
:超と敵対する燕国出身
チューに恨みがある
超感想中心の評価考察・レビュー
監督は俳優出身のテディ・チャン
テディ―・チャン監督はアクション映画が得意な監督で、総じてアクション映画が多い監督です
自身の俳優としてのキャリアの中では香港映画の中で主にわき役として、出演しています。インファナル・アフェアから遡る事11年前の警察とヤクザにそれぞれ属した時のサイドストーリー『インファナル・アフェア 無間序曲』でも端役として登場しています。
監督業としては、ジャッキーチェンの『アクシデンタル・スパイ (2001)』やドニー・イェンの主演のアクション映画、『孫文の義士団 (2009)』、『カンフー・ジャングル (2014)』でメガフォンを取っています
主演の野良犬はヘンリー・ラウ
ヘンリー・ラウが清源村の代表として協議会に参加するみなしごのイーロン役を演じています
さえないキャラクターに見えるヘンリー・ラウですが
それはK-POPをよくわからない私が冴えていないからですね!
韓国の男性?ボーイシンガーグループ、SUPER JUNIORのサブユニットとして中家系で活躍するSUPER JUNIOR-M元メンバーだったヘンリー・ラウ
彼は、カナダ出身で6か国語を流暢に扱い、グループに属していただけあって歌も踊りもハイレベルなパフォーマンスでこなします
どうりで、イーロンが身軽だったわけです
日本では、犬の魂が生まれ変わりを繰り返していくハートフルヒューマンドラマ映画の『僕のワンダフル・ライフ』の続編として、『僕のワンダフル・ジャーニー』にヒロインのボーイフレンドとして登場してなじみが深いでしょう。
日本でも活躍するピーター・ホー
ピーター・ホーはチュー兄貴を演じます
劇中、いつの間にか義兄弟になったのかイーロンとジンガンから好かれまくるチュー兄貴、ひげを生やすとちょっと見、小栗旬?って雰囲気もある台湾の俳優です
そんなピーター・ホーですが、日本でも意外となじみ深く
台湾の弁護士役で『着信アリ2』にも出演していますし、『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』なんかにも出演し、ちょいちょい日本のドラマにも出演しています。
中国映画だと、『モンキー・マジック 孫悟空誕生(2014年、香港・中国)』でしょう二朗神として、やっぱり槍を片手に猛々しい姿で登場しました
ジンガン役のリン・チェン・ハン
ジンガン役のリン・チェン・ハン(Lin Chen Han)は、まだ15歳の幼さが顔に残る中国の女優さんです
劇中のジンガンが何がしたいのかよくわからないうちに、あっという間にみんなに溶け込み愛くるしさを振りまいていきます
愛嬌のある可愛さは記憶に残るでしょう
ネットでもあまり情報も出てこないので、この後追加情報に要注目したいです
映画感想、解説 ネタバレあり
映画は冒頭にも少し書きましたが、Giant Networkが提供する同名のMMORPGゲームが元になっています
世界観も忠実に再現されています。
ファンの間では、鳳凰城と清源村の位置関係や登場する
ファンタジック系の架空の巨大サソリや、ヘビのような獣王など垂涎物の設定になっているようです
このオンラインゲームをやったことがないので、
”個人的には素の映画”としてでしか見ることが出来ませんでしたが(笑
映像化、配信にあたっても本来なら中国国内の映画館で2020/7に配信される予定でしたが
コロナウイルス騒動もあり、戦略的に映画館をスキップして、VODスルーとでもいいましょうか
動画配信サービスからの公開になったようです。こういう映画が増えてきました
中国国内では、iQiyi(愛奇芸)という中国の動画配信サービスでデビュー、その他の世界各国ではNetflixでの配信(中国国内ではNetflixがNGのため)となり、どでかい興行となっています
日本でも2020/7/25にNetflixで配信開始されました
しかも本作は、製作費としては約4300万ドル(約45億円)を投じています。ハリウッドと比較すれば、まだまだ低予算に見えるかもしれませんが中国のオンライン動画配信サービスとして考えると、なかなか野心的な設定です
『流転の地球』でさえ5000万ドルですから、かなり製作費をかけているのがわかります
それもそのはず、全体の80%を特殊映像を絡ませて作っているそうなので、製作費の高上り傾向は否めないですね
昨今の映画でも、作り手として積極的に特殊効果を利用する形態と、低予算でも乗り切るよう頑張るグループに二極化してきているように思います、『ザ・ファイブ・ブラッズ』なんかも予算のかけどことして練られて戦略的に特殊効果を使わなかった映画です。
さて、映画はと言うと
面白い
中国の昔話なのか、寓話なのかと言うとゲームが元の世界観ですから、多少すっとんでる設定でも問題なく見ることが出来ます
逆にゲームの世界観の割には、歴史風な雰囲気も漂いながらファンタジーが苦手な人にも受け入れられる世界として成り立っているのではないでしょうか
イーロンは自分の出自の秘密を知りたくて、同じ村の逃亡兵であるチュー兄貴と鳳凰城まで旅しはじめます。
イケメンの村の若者が、あっさり巨大サソリに連れていかれる所まではファンタジー要素あると思っていなかったので、違う意味でビビりました
デカすぎサソリの動きが速すぎ・・・
チュー兄貴の棍棒での殴打で無事撃退して先に進みます
巨大砂嵐に襲われて、チュー兄貴一行は他の村の競技会参加者を嵐から救ったことで、馬をプレゼントされます。
この辺が実にRPGっぽい。
テレッテー♪♪
「レベルが上がってウマをもらいました」みたいな
この辺から唐突感が強くなっていきます
鳳凰城に入り飲み屋に集う参加者たちが一触即発の雰囲気ですが、なぜか可愛い女の子のジンガンが「私も競技会に出たいんだー」と盗みを働いたり喧嘩を仕掛けたりしますが、誰もかまわずに行きついたのがチュー一行!
そして弟子入り、末弟の出来上がりですね。
シャオメイ(小妹)って劇中でも言われてましたね
第1、第2ゲームと進んでいきます
コロシアムのようなところで先にゴールにたどり着く3種族を選ぶ競争の第1ゲーム
カンフーのできる中国人にしかできない芸当ですね。ロープならぬ鎖渡りをしながら敵の追随をかわして、落としたり落ちてくる巨大な鉄球をかわしたり・・
優勝したのは紫軒族の女子3人衆
かなりハイレベルな容姿の3人が、本当にゲームのように舞います
これだけで映画の価値アップ
われらがチュー兄貴一行は何とか2位
二回戦へ進出です
2回戦は、獣王の卵を持ち帰ると言う『ハリーポッター 炎のゴブレット』で見たような設定ですが、まあそういうことです。
イーロンが獣王を説得して無事持ち帰ることが出来ました。
ここにもヘビ語をしゃべることのできる、パーセルマウスがいたなんて・・イーロン凄い
そこに現れた謎の青い服の女
鳳凰城にある、過去を見ることのできる迷踪林(めいそうりん)で汝の過去がわかるであろう
「イーロンやあんたは、実は燕の王家の跡取りなのじゃ」
なんかやっぱりRPGっぽいよね
超の太師は、新しい燕王のスパイで超を滅ぼそうとしている設定です。みんなで太師を倒せばいいのにチュー兄貴は頭が固い。
「燕人なんかと、一緒にいられるか―」
そういって別れて
3人仲たがいしたところで、ジンガンが太師に殺されてチュー兄貴は急に兄弟愛に目覚めていく
そのあとは、巨悪の太師を追い詰めて倒していく王道のストーリーなのですが
いまいち、ビーヌーの位置づけがよくわからず。
チュー一行に別れを告げたのに、最後戻ってきて
「本当は止めてほしかった・・・」と息絶えます
ビーヌー役のジャン・ルーシャーを出したかっただけでしょ・・・、ジャン・ルーシャーは本格的な格闘技が売りで12歳で少林寺に入門してさらに武術学校を出て映画界に参入してきています。
日本では、『エンジェル・バトラー』等で有名です
もうちょっと、ちゃんとした設定の役をやらせてあげてほしかったなと、個人的には思いましたね
彼女の格闘技を使った演技も言うほど活かされなかったです。
この物語のラストは巨悪の太師を倒した後、なぜかイーロンではなくチュー兄貴に大将軍の位がプレゼントされます。
この後の映画続編があったならば、
燕のイーロン VS 超のチュー兄貴
を見ることが出来るかもしれない、いい具合のラストで終っています
まあ、続編あるもなしも全てはMMORPGの元のゲームが売れるか売れないかだとはおもいますがね。
総じて、飽きずに2時間ガッツリ見ることが出来たので、推しです
映画の感想まとめ
中国映画のレベルは確実に上がってきています
そう感じさせるレベルの映画ですね。
漫画、ゲームからのスピンアウトで作られ興行的にもプロモーションがうまくなってきました
色々な見方はあると思いますが、純粋に映画としていても楽しめます。PGはついていますが子供とみても特に残虐シーンはありませんので、安心してみることがができます。(戦闘シーンはあり、その中で血はでますけどね)
個人的には、十分面白い映画でした
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 5
キャスト 4
ストーリー構成 4
初見で読み取れない謎 4
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