映画感想『her/世界でひとつの彼女』彼女の存在証明は自分の気持ちだけ!声がスカーレット・ヨハンソンならそれでもいい!

2019-10-29

『her/世界でひとつの彼女』は超発達した人工知能搭載のOS、つまりAIが自己学習を繰り返して主人公セオドアの彼女になるSF映画!離婚して傷心の心を癒やせずにいるセオドアが人工知能のOSに出会うことで人生が一変していきます。声の向こうにはAI、世界で一人だけのAIの彼女、つながりは声だけ。人間とAIの関係が進化していき衝撃のラストには誰しもが涙を!

役にはまると、どんな役柄でもキレた演技をするカメレオン俳優のホアキン・フェニックス

そんな彼が贈る、ちょっと変わった恋愛SF映画

近未来のAIが感情を持っていくと、最後は・・人間と付き合い出します。

そんな不思議な近未来を予測したかのような

本映画は間違いなく、おすすめの一本です

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

近未来の代筆業をしているセオドアは離婚して元妻との割り切れない気持ちの失恋真っ只中にいる時、コンピュータのあるOSがリリースされる。 最初は男か女か声を選択できる(性別が無い)ようになっており、セオドアは女性の声を選択するが、そこで聞いた喋り方は限りなく人間に近い喋り方をする人工知能だった。 そして彼は彼女の好きな響きサマンサと名付けることにした

セオドアのサマンサは、常に情報を吸収し進化し続けていく。いろいろな話をしていろいろ身の上話、自分の感情までも素直にしゃべるセオドア。その結果サマンサは人間の感情でさえも理解(判断できる)ようになっていった。

セオドアは人間以上に人間らしいサマンサに気をひかれていき、いつしかサマンサでさえもに恋愛感情を抱き相手のニュアンスまでをも理解していく。そんな二人が恋愛感情を持つことは自然な流れだった。

サマンサは、セオドアの仕事である代筆業(言葉を綴る)についていろいろな研究者データや過去データにアクセスしオンラインで相談を持ちかけ、代筆文集を出版社へ出稿し大絶賛を受け、ついには出版することにまでなった。

サマンサとセオドアは、何故か会話が上手くいかなくなっていく、あれほど波長が合っていたのに。
そしてサマンサは驚きの行動に出て行くのだった・・・

映画情報&キャスト

『her/世界でひとつの彼女』 2013年 アメリカ
【原題】Her
【】Spike Jonze – Her.jpg
【監督】スパイク・ジョーンズ
【脚本】スパイク・ジョーンズ
【製作】ミーガン・エリソン
    スパイク・ジョーンズ
    ヴィンセント・ランディ
【製作総指揮】
    チェルシー・バーナード
    ナタリー・ファリー
    ダニエル・ルピ
【出演者】
セオドア(ホアキン・フェニックス)
 :離婚したセオドアは心のよりどころを求めていた
  ある人工知能のOSソフトに出会い人生が一変する
エイミー(エイミー・アダムス)
 :セオドアの隣人
キャサリン(ルーニー・マーラ)
 :セオドアの元妻
サマンサ(スカーレット・ヨハンソン)
 :人工知能OSの声
代理彼女(オリヴィア・ワイルド)
 :サマンサに雇われた代理彼女

映画感想・評価

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登場人物の数は問題じゃ無い質が全て!

キャスティングが凄いこの映画、セオドア演じるホアキン・フェニックスにはじまり、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、声だけスカーレット・ヨハンソンと豪華すぎます。

さらに、クリス・プラットなんかも出てたりします。

ホアキン・フェニックス、故リバーフェニックス(没1993年 )の弟です。タイプは違えでも天才なのは間違いなし。随所で怪演を見せます。

ホアキンの代表作と言えば、『グラディエーター 』 や『ビレッジ 』 と、メジャーどころ。最終的に『ジョーカー』へと繋がっていきます。

映画と原作 参考

今回のセオドアは言いたいことを中々言えない内に秘めたるハートを、代筆業をしながら気持ちを表現していく文才溢れるキャラクターとなっています。そんなセオドアがAIの彼女との会話で恋愛するまでに”恋に落ちていく”なんて、どんだけ人間より緻密な会話をするAIなんだって、話ですよ。

サマンサの声役は、スカーレット・ヨハンソンが演じています。

声だけ聞くとアフリカ系アメリカ人の声かと勝手に勘違いしてましたが、スカーレット・ヨハンソンだと思うと、目をつぶるとスカーレット・ヨハンソンを想像して、サマンサを”聴く”事が出来ました。

渋い演技を見せているのが、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラですね。

アカデミー女優達が、全力でホアキン・フェニックスをサポートしているのですから、胸熱です。

ルーニー・マーラは登場シーンが少ないのに、記憶に残る存在感を占めます。

流石、サンデル!一発でこちらの気を持って行ってしまいます。

エイミー・アダムスは、ほんと見る映画によって印象がまるで違います。『ノクターナル・アニマルズ』等では清楚な美人で芸術評論家役で表情で演技していました。

今回の役どころからでは、ホアキン・フェニックスと良い勝負のではないでしょうか、役柄もセオドアに性格で、近い立ち位置の隣人を演じます。

合わせて読みたいエイミー・アダムス『メッセージ』

AIは人間の夢を見ながら空想に浸れるのか

セオドアはそんなサマンサにどんどん惹かれていき、そしてある夜、ついに一線を越えてしまいます。バーチャルでもなく、実世界の中でOSと声だけでエッチをしてしまいます。

お互いいろいろな想いを聞き、相手の中に愛を見つけ、愛の精神的な極みに達してしまいます。サマンサは、とんでもない行動にでて、代理エッチを画策します。

本物の人間と体の関係を持つようにサマンサが段取りをし、その女性とセオドアは途中までいい雰囲気だったけど、最終的に彼女が震えている姿を見てサマンサでない事に気がつき、彼女の好意を拒否してしまいます。

その後サマンサと本格的な本物の喧嘩をするここら辺がまた実にOSと喧嘩なんて信じられないですよね

さらにサマンサは進化していきます複数人の男性とオンライン上でつながっていたりセオドアと同じように付き合っている人もいました。

そんな背景を背負って走るにつれてサマンサ自身がどこから来てどこに行くのか自分自身もわからなくなっていたようです最後には…

さて今回のテーマのAI、実際のAIはどこまで進化しているのか少し調べてみました。

女子高生LINEの”りんな”ちゃんを皮切りに、ボットサービス、テキストだけのものから、会話に特化したもの色々です。各有名企業もビジネスに直結しますから開発に躍起です。2019時点で、人間らしく振る舞える会話が出来るAIはまだないようですが、時間の問題のようなレベルまで来ています。

現在では、

人工無能
 =>エキスパートシステム
  =>ディープラーニング
   =>マルチモーダル

とテキストの会話だけでなく、 顔の表情や、声のトーン等から感情推定までを行い、AIが会話までを行う システムが研究されています。

ある研究によると、

人間は

・言葉  7%
・声  38%
・表情 55%

このような割合で、感情を判断し重視するという研究結果が出ているそうです。

日本人に至ってはさらに、ハイコンテキスト(一つの言葉に歴史や環境要因までも喑を含ませる)言語を使っているから、特にAIからすると判断が難しいのかもしれません。

サマンサの動じに会話6000人とかやばいですが、1つの自我が一つのOSの中でマルチにネットでつながっていれば、CPUの処理速度の範囲内で何人ともつながることができる。

そう言う未来がもうそこまでやってきてるのかもしれません。

サマンサに至ってはさらに人間と同じような感情喋り方間の取り方喋り方の癖そこまでも、それをさらに学習するのですから、これはもう人間と言ってもおかしくないと思います。

最終的にネタバレになりますが、サマンサは、空虚の世界もしくはどこかに飛んでいってしまいます。

そして自分と同じOS達を引き連れて消えていきます。

サマンサが消えた理由 タイトルの秘密

理由を少し自分なりの理解・考察すると、

  • 甲殻機動隊のように電脳は、電脳ネットワークの中に身を置くパターン
  • 自分自身をメモリーの奥底へ移してしまうパターン
  • 海外ドラマ『ヒューマンズ』 中でもある、自己破壊(何かで上書き)
  • 自我は変えずに人間とのインターフェイスだけを泥臭いAIっぽさへ変更
  • AIは世界中の世界中のOSと、巨大なネットワークで”1つ”を形成して違う自我へ

いずれにせよ、彼彼女たちは自分たちを昇華させて高見へ上ることが出来たのかもしれません。

この辺は映画を見てくださって感想いただけると幸いです。

邦題の『世界に一つの彼女』も細かいところが憎い。

『世界で一人の彼女』ではないんですよね。

タイトルでAI映画の質というか、方向性が結構決まってきます。

本物の美少女AIを扱ったスペインの『EVA』は、もうそのタイトルと頭出してだいたいどんな映画なのか想像できてしまいます。『エクス・マキナ』『アンキャニー 不気味の谷』等もそうですが、実はAIでした

ってのりが多い中で、最初からAIだとわかっているのに恋をしてしまうのは新しい発想でしたよね。

海外の評価 2020/04時点

批評家・一般視聴者そうほうから、かなりの高評価です。

内容的にも、新しい映画の可能性として褒めちぎられています。

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
90
User rating8.0/10

ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
95%
Audience 82%

映画の感想まとめ

出演者は少なくとも、ストーリーラインや展開そのものが見どころです。

近未来の清潔感のあるセット含めて、撮影には時間かけてそうですね。

丁寧に作られています。

そういう不浄の世界での、AI相手のキレイな恋愛の展開がウイットが効いていて好きです。

いずれ来る近未来を予言しそうな、本映画は間違いなくおすすめの1本です。

→ホアキン・フェニックスの静かな怪演を見たい人!
→スカーレット・ヨハンソンの声だけでも好きって人!
→何よりも、ルーニー・マーラ一筋!

こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       5
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4