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『クワイエット・プレイス』静寂が唯一の道!おすすめの新感覚ホラー:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-01-06

得体の知れない宇宙からのモンスターに壊滅状態に追い込まれた世界。 静寂だけが盲目のため異常発達した聴覚を持つモンスターから逃げられる唯一の生き残る道。ジョン・クラシンスキーが監督・脚本を勤め自らも出演す卓越した世界観の無声が伝えるホラー!

あらすじ

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得体の知れない宇宙からのモンスターに壊滅状態に追い込まれた世界。 盲目のために異常発達した聴覚を持つモンスターから逃げられる唯一の生き残る道は静寂(音を立て無い事)。全ての音に反応し、どこにでも存在するモンスターは人間社会を絶滅の危機まで追い込み世界は荒廃していた。 荒廃した世界でアボット一家はたくましく生き残っている家族だった。アボット一家の一番下の弟は幼いながら音を立てるのを必死にこらえているが、聴覚障害を持つ姉のリーガンが自分の見つけたスペースシャトルのオモチャを幼い弟に渡してしまう。幼い弟はオモチャのスイッチを入れて遊んでしまいモンスターに殺されてしまう。 一年後、リーガンは弟の死の責任と負い目から家族から攻められ、両親はもう一人の弟のほうを自分より愛しているとの思い込みがどんどん強くなり疎外感を感じてる。母のイヴリンは妊娠し徐々に大きくなるおなかを抱えながら、家族全員で生きていた。父親のリーが留守中に突如産気づいたイヴリン。イヴリンは不注意からモンスターに音を聞かれ家族の暮らす家を突き止められた。無事に最後まで家族は生き残ることが出来るか。。。。。

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映画情報&キャスト

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『クワイエット・プレイス』 2018年 アメリカ
A Quiet Place
監督  ジョン・クラシンスキー
脚本  ブライアン・ウッズ
    スコット・ベック
    ジョン・クラシンスキー
原案  ブライアン・ウッズ
    スコット・ベック
製作  マイケル・ベイ
    アンドリュー・フォーム
    ブラッドリー・フラー
製作総指揮
    セリア・コスタス
    ジョン・クラシンスキー
    アリソン・シーガー
    アーロン・ジャナス
出演者
イヴリン・アボット  エミリー・ブラント
リー・アボット    ジョン・クラシンスキー
リーガン・アボット  ミリセント・シモンズ
マーカス・アボット  ノア・ジュープ

沈黙の中の切ないドラマ

絶望にあふれた世界での家族愛

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『クワイエット・プレイス』は、絶望があふれる世界の中で、希望を抱きながら生活する家族が直面する親愛なる家族の中で一番の末っ子である幼児の弟が死亡するところからはじまる。まだ何もわかっていない年齢なのに。

いきなりの衝撃で、この家族はどうなってしまうのか心配になり心を引きずり込まれる。

ジョン・クラシンスキー監督は、自らメガホンを取りつつ父親役で出演し臨場感を盛って・持ってくのが上手い。なんてことない普通の家族が得体の知れないモンスター”何か”に襲われる映画に、人生を見事に凝縮させている。

少し言いすぎかもしれないが、家族愛をもの凄く感じることが出来る作品だ。

末の弟を死なせたことに責任を感じるリーガン。実際問題としてリーガンのせいで死に至るわけだが、そこにも巧妙な仕掛けがあり、リーガンが聴覚障害者の役どころで、誰にも彼女責める資格はないし出来るわけが無いのだ。

このモンスターは盲目であり聴覚が異常発達しているため、リーガンにはモンスターの強みを理解できない為、”音”の出る行為やその”音”そのものの本質がわからず弟を死に至らしめる。

家族はそんなリーガンの気持ちや状態が痛いくらいわかる、弟の死について家族が立ち直れてないところに新たな生命を宿し、お母さんが妊娠する。

リーガンは
 弟の死+もう一人の弟と自分の比較+新たな生命
に直面し、家族全体の問題をより際立たせる。

家族皆がわかっていることだけど解決できないこと、さらの”音”のない世界でそれらの“言葉”を伝えきれないもどかしさが良く伝わってくる。

聴覚障害者の映画に与える衝撃

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リーガン・アボット役のミリセント・シモンズは演技では無く、実際の聴覚霜害を持っている。

本作品のタイトル、『クワイエット・プレイス』の”クワイエット”は、リーガンの世界の事では無いかと個人的には思っている。

それぐらい、ミリセット・シモンズの演技は素晴らしい、ロールではエミリー・ブラントのほうが上だがミリセット・シモンズなしではこの映画のリアリティは増さなかったであろう。

実際、ジョン/クラシンスキー監督のインタビューでもミリセット・シモンズが抱えてきた心の闇や家族との立ち位置、確執、なじめない様子、疎外感などを彼女自身の経験の中から表現してもらっているとある。

演技そのものも、自分の知らない”音”に反応する得体の知れないモンスターへの恐怖を”静寂”と言う世界で完全に表現できている。これだけ音楽や台詞、表現が言葉で語られている中で、無声で手話だけでそれらの世界観を作っているのは感銘した。むしろ手話だからここまで出来ているとも言うが。

ホラーとしての評価

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得体の知れない恐怖

モンスターの謎はよくわからない。新聞などでその存在が表現されているが”音”を出したら襲ってくるその世界で、生き延びている人々は相当数いそうだが、連絡手段がない。

古くからの狼煙などで、生存確認を行っているがそれも少数だろう。ラジオやテレビのメディを使うと一発アウトなのだから。

モンスターの総数や知能高いのならもっと違うことあるだろうにとか、モンスターの目的など詳細は伏せられたままだから余計に得体のしれない何かへの恐怖がかき立てられる。

モンスターに立ち向かう家族愛

『クワイエット・プレイス』では、逃げられない環境の構築設定も上手い。モンスターパニックや恐怖ゴースト系ではいまいち必然性を感じないときが多々ある。

本映画では、そこに新しい生命がいて、母親はモンスターから逃げなければいけないが根源的には立ち向かわないといけないのだ。そして、父親はあらゆる事から新しい命を守り、大事なリーガンに対してどんなに自分が愛しているかも示さねばいけない。

そのれらの状況が映画に恐怖とのコントラストが逆説的設定が映画への没入感を高める。

ラストシーン ネタバレあり

映画全体は大好きだし、かなり高い評価だがラストシーンについてはもう少しだけひねってくれるとさらに良いと思った。

これしかない終わり方ではあるが、父親が子供達をまもるためにモンスターと対峙(自殺)していく。

その顎、エヴリン母親(エミリー・ブラント)がリーガンとともにモンスターに立ち向かうが、それが出来たなら父親死ななくても良かったじゃーんと素直に思ってしまう。父親の死があるから、ここまで頑張れるのかもしれないが、この部分だけネガティブ出し過ぎに感じた。

エミリー・ブラントは、さすが『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のリタである、”戦場の牝犬(フルメタル・ビッチ)”の呼び名は立てじゃない、強い心と精神力で太刀向かいっぷりも半端じゃない。

恐怖と痛みに良く耐えれるものだ、演技が迫真であったが、ラストシーンは少し急いている感じが拭えない。

まとめ

”ほげる”的には、最高におすすめ、絶対見た方がいい映画の一つ!

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       4
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、最高に面白い作品と思います。