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『カメラを止めるな』張り巡らされた伏線の嵐!キャストの名前の秘密:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-01-15

新人監督と無名俳優陣達が挑む、チャレンジングな30分ワンカットのゾンビ映画・・・賛否両論が渦巻く中、ありがちなストーリーの中に数々のレトリックがひしめき合う低予算日本映画です。まさにアイデア勝負の低予算映画、超おすすめの作品! 迷うな、見よう!

あらすじ 見どころ

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ゾンビ物の自主映画を撮影中に事件は起こった!
悲鳴を上げる女の子、襲いかかる彼氏のゾンビがおそいかかる!
監督は演技のふがいなさに女の子に激怒する
「臨場感を出せ、本気を出せ、嘘なんかいらない、本気の悲鳴をだせ!」
一端演技の指導が入り、撮影は小休止。
小休止中に何かおかしな音が響き渡る、外からは悲鳴ともげた腕が・・・・
本物の悲鳴を上げた女の子、大喜びでかけより、それが本物の悲鳴だーと叫ぶ監督。

「カメラを止めるな!」
山の中の惨劇は始まったばかりだ・・・

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映画情報&キャスト

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『カメラを止めるな!』 2017年 日本
ONE CUT OF THE DEAD
監督     上田慎一郎
脚本     上田慎一郎
原作     和田亮一
       上田慎一郎
製作     市橋浩治
音楽     鈴木伸宏 & 伊藤翔磨
       永井カイル
主題歌    謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美
       「Keep Rolling」
撮影     曽根剛
編集     上田慎一郎
制作会社   PANPOKOPINA
製作会社   ENBUゼミナール
出演者
日暮隆之   濱津隆之
日暮真央   真魚
日暮晴美   しゅはまはるみ
神谷和明   長屋和彰
細田学    細井学
山ノ内洋   市原洋
山越俊助   山﨑俊太郎
古沢真一郎  大沢真一郎
笹原芳子   竹原芳子(どんぐり)
吉野美紀   吉田美紀
栗原綾奈   合田純奈
松浦早希   浅森咲希奈
松本逢花   秋山ゆずき

映画としての評価感想

映画は大きく3部構成

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『カメラを止めるな』は、大きく分けて3部構成となっています

  • 前編 「one cut of the dead」 37分 ワンカット映画
  • 中編 過去)出演者背景
  • 後編 種明かし ネタバレ

公開当初日本全国で話題になり、その名をとどろかせた『カメラを止めるな』だが、なるほど面白い要素が随所にちりばめられています。

B、C級ホラー映画の撮影かと思いきや、本物のD級ホラー映画の始まりでそれがワンカット映画の構成になっている。さらに、そこから面白さのツボが潜んでいて、見る物を引き込んでいきます。

巧妙に組み立てられる数々の伏線

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本作品をネタばらしをしないで、面白さを伝えるのは難しいと思うので、以降はネタばらしがあります。

先の章で述べたように、3部構成となっている本映画は前編で貼った数々の伏線を、中編で基礎を塗り固めて、後編で前編と同じワンカット映画を作り手側の視点から再度撮影して映画全体を再構成していく形を取っています。。

後編がいわゆる伏線回収を一つ一つして、前半で不自然な物が見えてきます。

この伏線の一つ一つがツボにはまると面白いです。

映画の作り手としての専門家でなくとも、単なる”ほげる”のような観客サイドからでも前編をみているときに違和感を感じる、いやB級ならこんなもんか?って感じの伏線が至る所に張ってあります。

その不思議に思った伏線や、B級だからしゃーないか、と思っていたものが後編までの間で見事に全て埋まっていきます。

例えば

  • カメラが数秒止まる
  • 台詞が出てこない
  • 台詞が繋がらない
  • カメラ目線がおかしい
  • 道具配置おかしい
  • 悲鳴おかしい

数え上げるとキリがない。

”上田慎一郎”監督は何を伝えたいのか

エンドロールが流れると感動(面白かったという)が襲ってきます。

わ、なんだこの映画、面白ーい。

そこで、また気がつく。エンドロールでは、前編のワンカット映画、後編のワンカット映画も含めて、カメラマンや位置取りが違ったりさらに違う視点で取られているオフショットになっていて、さらに楽しめます。

このオフショットを見ていると、

監督の上田慎一郎が本当に伝えたかった物は、
   「ゾンビ映画のネタばらし」
    だけではなく、
   「映画人の映画1本にかける熱い想いと受け手は作り手と違う反応をする物」
    好きに楽しんでね。

と言うメッセージ性があると思います。

少なくとも映画人にも観客にも「どうだ、このネタわ!」と挑戦してくる映画です。

タイトルでもあり、キャッチコピーの「カメラは止めるな!」とカメラを見て台詞で言われているのはそういうものが隠されたメッセージだと思います。

まったくの個人的感想になりますが、エンドロールを見ていると、そう感じてしまいます。

ただ、見る人が映画に携わっている人の視点から見ると、少々馬鹿にしている風なニュアンスも感じますが、撮影の秘話として映画撮影のあるあるーって、伝えたいのだと思います。

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演技?わざと 出演者達のコミカルさ

ほぼ無名の俳優陣達

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キャストのキャリアを見ていると、少なくとも銀幕やテレビを華々しく飾っている人達は誰もいません。

どっかで見たことあるなーと言う感じの人はいますが。

この俳優陣達の演技も、どこまで本気なのか、どこまでB,C級映画テイストを装うっているのか、本気の演技なのか読み取れません。これがまたいい。

この辺の怪しさ満天な、俳優陣の演技がコミカルで、皮肉で、面白いです。

  • 日暮監督のキャッチフレーズ、速い」「安い」「質はそこそこ」
  • 娘が他の映画撮影では使えないが、父親の作品では活き活きと能力を発揮する
  • 母親の切れた演技 日暮監督は数々の現場を謝って廻った

この映画作成に対する強烈な皮肉が込められているのではないかと思います。。考えすぎかもしれないが映画作成をパロティ化することで、本映画全体の質をD級まで落とした上で、最後の伏線回収で評価を何倍にも高める結果に繋がっていると思います。

日暮監督の台詞 = 上田慎一郎監督の本音?

映画の中で、日暮監督の気持ちが入っている台詞に着目すると

ワンカットゾンビ映画の冒頭の、女優を叱るシーンで

『出すんじゃ無くて、出るもんだろ、嘘ばっかの人生だから出ないの』
こんな感じの台詞がありました。

これは、この作品へのメタファーであり、映画人としての本音をここのシーンにたたきつけているのでは無いかと思います。

名前の秘密 キャストと役名にまで伏線ばっちし

低予算だからと行ってしまえば、それまでなのですが

キャストと役名の関係性があるのは気がつきましかね?

必ず、1~2文字漢字を実名から持ってきているます。もしくは、名前も実名と同じとか。

たとえば、家族役で出ていた小暮家

 日暮隆之   濱津隆之
 日暮央   
 日暮晴美   しゅはまはるみ

こんな感じです。とても、ふざけている(笑)

これも昨今の制作費高騰していく制作費とかへの一種の皮肉で、名前や脚本なんてどうでもいいじゃない?と言った想いが込められているのだとしたらたいしたものですね。

さらに、カメラの中に収まり続けたヒロイン

 松本逢花   秋山ゆずき

あら、彼女だけは名前の収まりが悪い、法則に当てはまっていません。

ここで、脳裏をよぎったのが、
台詞の

『あ、それ事務所的にNGなんで~私はやりたいんですけどね』

そんなメタファーが絶対込められていると確信しました。

まとめ

”ほげる”的には、最高におすすめの1本です!

出演者で選んだわけでも無い、監督で選んだわけも無い、
有名だからみたわけでも無い、低予算だからでもない
事前知識なしで、ストレートに見て楽しかったです。本作品は味がある。

確かに、本作品に対して賛否両論であるのは理解できます。

評価しない人が”悪い”とか、そんなんではないですね。そっちの意見もわかる気がします。

どこか作成側をバカにしているような気がするので、きっと映画に詳しいとか業界人であればあるほど、受け入れられない部分とか、当たり前のことが出来ていないだけで、伝わらない面白さがいっぱいあるに違いないです。

一般的な観客の”ほげる”は、無条件で面白かったので映画を知らないだけなのかもしれないが、それはそれでいいでわないかと思う次第です。

久々に日本映画の中で、会心の一撃が出た気がします。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽     
 3
 キャスト       5
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎
 5

いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、面白い作品と思います。