『LIFE!』一歩を踏み出す勇気をもらえる!トム少佐のメロディに乗って:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『LIFE!』ベン・ステイラーの監督・主演で贈るヒューマン・ロードムービー!雑誌LIFEのフィルム管理の仕事をしているウォルターは日々の生活を漫然と送っているが、どんな時でも妄想を膨らませて自分の中の世界でぶっ飛ぶことを特技としていた。LIFEのインターネット化で雑誌の廃刊が決まりメインの冒険写真家ショーンのネガを最終号の表紙で飾る予定が肝心のNO25のネガが見つからない、ウォルターはショーンの手がかりからネガを捜し始めるが・・・
雑誌LIFE、リアルの世界でも超有名な雑誌をインスパイヤするかのように
映画『LIFE!』はベン・ステイラーの監督・主演で製作されました
もっさりした冒頭から、主役のウォルターの妄想癖のイメージシーンから始まり、
なんだかなー、空想冒険の映画かよって
突っ込みたくなりますが、我慢してください
しり上がりにドンドン良くなっていきます
映画を鑑賞した後の感動には、千差万別で人それぞれであると思います。
事実その通り、ただこのポジティブな元気出る系の映画に関しては、誰が見ても一定の響き方があります。
本作は、間違いなく
どっか塾の宣伝ではないですが、
一人一人が持っている、やる気スイッチを押してくれます。
年齢関係なく、背中をそっと押してくれます。
沁みますね
そんな、本作のおすすめ度は
☆5のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
ウォルター(ベン・ステイラー)は雑誌LIFEのフィルム管理の責任者として17年間仕事をしていた。地味だが写真雑誌LIFEを支えていると仕事には誇りをもっていた。ちょっとした妄想癖を持つウォルターは、たまに空想の世界に飛ぶことで自分の冒険心を満たしていた。
実生活では、早くして亡くした父親の代わりの母親と妹を支える一面を持っていた。最近会社に転職してきたしシェリル(クリステン・ウィグ)に秘かに思いを寄せている。シェリルが婚活サイトに登録しているのを聞いて自分も登録するものの、趣味や冒険談を書けずにいた。
ある時出社すると、新しいインターネットに対応するためにLIFEの廃刊が決まっていた。事業再編を取り仕切る皮肉屋のテッドから、冒険写真家ショーン(ショーン・ペン)の送ってきたNo25と言われるネガを最終号の表紙に使うと指示され必死に探すが見つからない。
ショーンとは17年間一緒に仕事をしているが、直接はまだ一度もあったことがない。ショーンから送られてきた他のネガの中から、ウォルターはフィルムのあり場所の手掛かりを探そうとするが見つからない。
その時、壁に飾ってあるショーンの写真が、妄想かもしれないがウォルターに手招きをしているように見えた。
ウォルターは最初の一歩を踏み出す決意をして、ショーンの撮った写真の痕跡を追う旅に出るのだった・・
映画情報&キャスト
『LIFE!』 2013年 アメリカ
【原題】The Secret Life of Walter Mitty
【監督】ベン・スティラー
【脚本】スティーヴ・コンラッド
【原案】スティーヴ・コンラッド
【原作】ジェームズ・サーバー
『ウォルター・ミティの秘密の生活』
【製作】サミュエル・ゴールドウィン・Jr
ジョン・ゴールドウィン
スチュアート・コーンフェルド
ベン・スティラー
【製作総指揮】
ゴア・ヴァービンスキー
マイヤー・ゴットリーブ
G・マック・ブラウン
【出演者】
ウォルター・ミテぃ(ベン・スティラー)
:雑誌LIFEのフィルム管理者
妄想癖のある主人公
シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)
:ウォルターの同僚
離婚して子供が一人いる
ショーン(ショーン・ペン)
:LIFEの冒険写真家
ウォルターの母親(シャーリー・マクレーン)
テッド(アダム・スコット)
:LIFE事業仕分け人
超感想中心の評価考察・レビュー
監督・主演ベン・スティラーから珠玉の1作
ベン・ステイラーが贈る本作品は
作成スタジオも、ベン・ステイラースタジオ製作、そして監督・主演もベン・ステイラーで作られています。
脚本は、『ワンダー 君は太陽』等を手掛けたスティーブ・コンラッドが執筆しました。諸侯は2011年の段階で既に出来上がってたと言います。実に映画リリースの2年前です。
業界で脚本のリライトで有名なベン・ステイラーは徹底した完璧主義者で、自身の監督作品では細部にわたる拘りとtake数は出演者やスタッフを辟易させると評判です。
ただ、スタッフへのインタビューでは20回目のtake以降にはまさに「真珠が産み出される」なんて、最上級のコメントがあったりします。
そんなベン・ステイラーですが、監督としてのキャリアとしては、『ケーブルガイ』や『ズーランダー』等でも動揺に拘りまくっているとのこと。
特に、『ズーランダー』はDVD配球後は売上としては好調な物の劇場では不振であったのに加えて、撮影時には製作費オーバーが発生し、ベン・ステイラーが自費を投じたとも言われています。
それぐらい撮影に拘る、ベン・ステイラーですが、本作では主演もこなし、映画の中で世界中のワンダフルなロケーションでの撮影は自身の願望なのかと良く問われ、
「自分とウォルターを引き離せるものではなく、間違いなくその一部では関連している。自分のなりたい姿かもしれない!」
と語っています。
そりゃあ、熱が入りますよね
元々はコメディ畑、両親もコメディアンですから、キャリアのベースはコメディです。
本作も、コメディ要素はありますがヒューマン・感動要素の方だらけで、コメディの枠組みはないですね。キャリアとしては『メリーに首ったけ』から、『ナイトミュージアム』シリーズと俳優としては確実にヒット作に出演して築いてきました。
本作は、監督としての珠玉の1作となると思います。
合わせて読みたい『メリーに首ったけ』
原作はミュージカルと短編小説
映画『LIFE!』は、原題では『The Secret Life of Walter Mitty』といい、ミティの秘密の生活と言う日本人的な感覚から言うと少しヘンテコなタイトルです
LIFEのほうが、なんとなくかっこいいですよ。
雑誌の名前と一緒だし。ナイス邦題!
実は、この作品はリメイクと言えば、リメイクに当たる作品なんです
元になった作品は、ダニー・ケイ主演映画『虹を掴む男』といいます。LIFEのフィルムを扱うわけではないのですが、ミュージカルであったため、ベン・ステイラーもインタビューでは『僕のミティは歌ったり踊ったりしないけどね(笑』なんて言ってたりします。
更に原作になっているのは、1939年に刊行された短編小説で、ジェームズ・サーバーの『ウォルター・ミティの秘密の生活』といいます。非常に短編な作品です
映画感想と解説 少しネタバレします
ウォルター・ミティは、若い時にモヒカンでスケボーの大会に優勝するなど、ものすごーーい
アクティブ人間
そんなウォルターは、父親を若くして亡くしてから
母親と妹の世話をしながら、ピザ屋でバイトをして生計を立てながら、LIFE誌へフィルム管理者として勤めはじめるのです。
いかにもありそうな話ですよね。普通の一般人がそれまで持っていた夢を諦めて、自分で自分の殻を作って日々を自身の夢の中で飛躍させてみるって事は良くありがち
”ほげる”もそうです。
だから、この映画は感情移入しやすい
定型的な普通の人生で、誰もが持っている未知への憧れをくすぶってきます。
LIFE社の中でも、別にウォルターが特別な事なんて何も無く、むしろテッドのようなエグゼクティブが特別な存在ですからね、普通。
そんなウォルターがショーンに会いに一歩を踏み出します
それが妄想癖の一つであったとしても、大きな一方です。
今まで出来なかった事をLIFEの廃刊というイベントとシェリルとの好みのタイプが偶然にも後押しします。
何よりもLIFEの最終号の表紙を探す責任感がそうさせます。
ウォルターの妄想癖はちょっと、常軌を逸しているくらい文字通り固まって白昼夢を見ている状態に突入します。
ここまで没入出来るのであれば、実はさぞかし集中力ありそうです。
SF映画張りの没入映像で、一つの映画になりそうです
これだけでも必見なんですが、何をしてもウォルターは目覚めないので、ある意味凄いです、いたずらされまくり。
ここで印象深いのは、
皮肉屋のテッドが、妄想中のウォルターに「もしもし~トム少佐~」と言っているます。
これが強烈でした。
グリーンランドのバーで、ヘリコプターパイロットが酔っ払って、ショーンを追っかけるのにアイスランド行きの船に行く必要があるけど、そのヘリコプターに怖くて乗れずにいます。
何を言われても一歩を踏み出せない、勇気が無い。
そりゃあパイロットが、あんだけ酔っ払っていればそうなんですけどね。
でも、ウォルターが悩んでいると、バーの奥から妄想の中でシェリルが現れて、
デビッド・ボウイの「Space oddity」を歌いながら現れます。
そうです。
『グランドコントロール、トム少佐~♪』って
シェリルがギター片手に歌いながら現れます
そのメロディにのって、リアルなウォルターの足が動き出し、ヘリコプターに飛び乗ります。
この瞬間から、ウォルターは生まれ変わるんです。
この対比がもの凄い、感動しました。
自身を圧している、妄想の中でしか対峙できない、非現実の権化であるテッドと、
自分の殻を破ってくれる、シェリル!
結局ウォルターは、自分の妄想だけども、シェリルの歌に鼓舞されて、以後のLIFE最終号創刊までの行動を超ウルトラポジティブ人間になるんです。
妄想の中でも、固まらずに一歩を踏み出して動くことが出来たのは、このシーンだけなんです。そして以後ウォルターは妄想を見ることがなくなりました。
現実が妄想を上まわってきたのです。
行く先々のロケーションはそれは、もう素晴らしい景色ばかり
アイスランド、火山の噴火、アフガニスタン、その山奥
ショーンに出会えてからは、更に人間が大きくなります。
写真は、その一瞬を切り取る物で、だからこと、動画なんかよりよほど活きている躍動感が伝わる究極のメデイアであろうと思いますが、ショーンの「それでも、写真なんかより目に焼き付けたい」って言う一言がこれからのウォルターの人生を更に明るい物にしていくでしょう。
ラストシーンは、LIFEを首(解雇)にはなりますが、ショーンが選んだ最終号の表紙は、自分ウォルター・ミティでした
LIFE社の前で、フィルムネガを大事にチェックしている、ウォルターだったのです。
最高の贈り物をもらったウォルターは、シェリルの手を自然につないで、これまで殻に閉じこもっていた人生を再び歩み始めるのです。
超感動です!
誰しもが、少しの勇気をもらい、一歩を踏み出す感じを疑似体験出来るのでは無いかと思ってしまいます。
まめですが、20世紀フォックスは、本映画で、パラマウントの『フォレストガンプ 一期一会』を期待しまくっていたそうで、ウォルターの世界のロケーション巡りが世間に受けるのかドキドキだったそうです。
余計な杞憂ですよね。
めっちゃ最高の映画でした。
海外の評価 2020/06時点
意外と批評家からの点数が低いです。
感動要素しかないですけどね、ステータスが低いのか、受けが悪いのか。。
意外ですが、批評家のコメントを見ると、やはり荒唐無稽な世界中を旅するところで失敗すると見立てている批評家が多そうです。
Metascore (批評家) | 54 |
User rating | 7.3/10 |
TOMATOMETTER (批評家) | 51 |
Audience | 71 |
映画の感想まとめ
誰がなんと言おうと、名作です。
元気をめっちゃもらえます。
何気に、アカデミー俳優のショーン・ペン、名女優のシャーリー・マクレーンを従えて玄人っぽい作りも好感が持てます。
シェリルの、クリステン・ウィグも有名どころでなくて実に雰囲気にマッチキャスティングです
全体的に、確かに荒唐無稽な冒険物語のようですが。その作り込みや背景では実に感情移入しやすい仕掛けがたんまりとあり、心がハッピーに向かいます
元気がないときには、一度見るべき作品だと思います。
✔元気ムービーは好き
✔ベン・ステイラーの作品は外せない
✔ショーシャンクやフォレストガンプは好きだ!
こう思う人ならば、本作品は好きになれると思います
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 5+1
キャスト 5
ストーリー構成 5
初見で読み取れない謎 5
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