『ヒルビリー・エレジー/―郷愁の哀歌―』Netflix配信アメリカの根深い問題をえぐる!田舎者のノスタルジー:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『ヒルビリー・エレジー/―郷愁の哀歌―』は2020年Netflixで公開のアメリカの骨太ヒューマンドラマ映画!イェール大学のロースクールの学生だったJ.Ⅾは母の入院を機に再び故郷に戻ることになるが、そこで、自分のルーツを振り返り、受け入れていく。
本作はNetflixオリジナル作品配信され、
助演ですが、グレン・クローズはアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされている
いわゆる、アカデミー賞級の作品になります
「ダ・ヴィンチ・コード」などで知られるロン・ハワードの監督作品!!
数々の作品を手掛けてきた監督の作品というだけでも、期待大です
ニューヨークタイムズ紙でベストセラーになった実話を原作にしています
キャストも豪華な俳優陣が脇を固めています!そんな本作は、
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
ヒルビリー出身(田舎)のJDは、自分の境遇を乗り越えて名門であるイェール大学に通う
JDが就職活動をしていた時に母の入院を知り、故郷に戻ることになった。故郷では母ベブの薬物依存に悩むことになるが、祖母マモーウの思いに支えられ徐々故郷での複雑な人間関係としがらみに、自分自身のルーツを見出しながら、そして全てを受け入れていく・・・
映画情報&キャスト
『ヒルビリー・エレジー/―郷愁の哀歌―』 2020年 アメリカ
【監督】ロン・ハワード
【脚本】ヴァネッサ・テイラー
【原作】J.D・ヴァンス
【音楽】デヴィッド・フレミング
ハンス・ジマー
【撮影】マリス・アルベルティ
【出演者】
べヴ(エイミー・アダムス)
:シングルマザーの看護師。薬物を使用しており、情緒不安定な部分がある。
マモーウ(グレン・クローズ)
:べヴの母親。べヴのことを見守っている。
J・D・ヴァンス(ガブリエル・バッソ)
: エール大学のロースクールの学生。
リンジー(ヘイリー・ベネット)
:J・Ⅾの姉。
ウシャ(フリーダ・ピント―)
:J・Ⅾの彼女。いつもJ・Ⅾのことを心配している。
超感想中心の評価考察・レビュー
ベストセラーの原作
本作は原作があり、大変なベストセラーになっています。
それがJ・Ⅾ・ヴァンスが書いた「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」です。
この原作は、2016年トランプ政権の誕生の際、アメリカ人が衝撃を受けていた時に話題になった本です。著者はオハイオの学校に通い、母親はオピオイド依存症で結婚を繰り返し、薬物依存という中でエール大学に進学した経歴を持っていました。
しかし、これは決して成功の話ではなく、白人エリートと貧困に苦しむ人の光と影を現した作品なのです。
この原作をネットフリックスが映画化したのです。原作も合わせて読んでみると、アメリカの闇が見えてくるかもしれません。
これが、今の分断するアメリカの真実の姿かもしれません
ロン・ハワードの本気 アカデミー狙い
ロン・ハワード監督の本気がうかがえる本作品です
キャスティングは基より、脚本や音楽にも力を入れています。過去にアカデミーにノミネートし受賞している、説明する必要のないほどのハンス・ジマーを起用
彼は、「ライオン・キング」でアカデミー、日本でも「ラスト・サムライ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」などで有名な音楽作家で壮大なクラシック調の音楽にシンセサイザーを絡めることで幻想的な音を届けてくれます。
「バットマン」以降クリストファー・ノーランとのタッグも知られています。
私のGoogle Play musicでも、ハンス・ジマーの手掛けた本作の音楽がシネマ集から奏でられています。(^^♪
話が、それまくりました。
「ダ・ヴィンチ・コード」から、ロン・ハワード監督との、コラボも多くなり本作に繋がったのでしょう。
ロン・ハワードですが、古くは「コクーン」から「アポロ13」、そして主演にラッセル・クロウを迎え「ビューティフル・マインド」でアカデミー賞の作品・監督賞をゲットしている
超絶な監督なわけです
本作は、絶対アカデミー賞のショーレースを狙うための映画っぽいところが、随所にそれっぽい社会性のテーマを見せてくれています。
手がける作品には、何か一本筋が通っているものが多く、原作通りに必ずしもないものの
ロン・ハワードらしい雄大で壮言なテーマ性がこの映画でも垣間見えるのが特徴ですかね
そんなロン・ハワードの本気がちらほらする本作ですが、残念ながらアカデミー賞に助演でノミネートされていますが何故か、ラジー賞にもエントリーされています。
時期的に政治色が強すぎて、狙いすぎ感があったかもしれません。
アカデミー女優の演技対決!豪華なキャスト
何といっても、本作では豪華なキャスト陣が魅力的に演じています。
実力派エイミー・アダムス
まずは実力派のエイミー・アダムス。
彼女は「アメリカン・ハッスル」などでアカデミー賞にノミネート、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞も二度獲得しています。「メッセージ」なども好きです。
本作では、結婚を繰り返してしまい、薬物依存に苦しむ母親を演じています。
JDへの歪んだ愛に、祖母(グレン・クローズ)との対立する家族構図が見ものです
そもそも、めっちゃ美人の彼女の、薬物ジャンキーぶりはかなり新鮮で、本機がうかがえます
グレン・クローズの濃厚で落ち着いた存在感
また、何よりも印象的なのはグレン・クローズ。
彼女は7度のアカデミー賞ノミネートを誇り、最近では「天才作家の妻―40年目の真実」が記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれません。
本作では、主人公の祖母を演じていますが、本人かと思うくらいのそっくり度です、彼女は本作で2021年のアカデミー助演女優賞にノミネートされています。
存在感がとにかくありますが、本作ではそれでいて、出しゃばっていない感じが物凄く好感が持てます。なんか顔や凄味があるので、どうしても目に入りますが控えめの演技でちょうどいい存在感と役への納得性が醸し出されています。
これだけ実力派が参加しているという作品だけに、アカデミーでもかなり期待ができます。
ラジー賞にもノミネート!なぜ低評価なのか?
原作はアメリカ人ならば誰もが読んだと言われるほどのベストセラーになりましたが、本作はあまり評価が高くありません。
それはなぜなのでしょうか?
貧困白人のルーツである山地には、独特な習慣や考え方があります。そのため、主人公たちの家族は移民のような扱いになってしまっていたのですが、その部分があまり表されず、家族に焦点を当てたもの担っていたのが要因なのではないかという意見が多数あります。
この貧困層である白人たちはトランプ政権を支持している人たちが多いと言います。その彼らがどんな暮らしをしているのか知りたいという人たちには、物足りなかったのかもしれません。
2021年度のアカデミーであれば、「ノマドランド」のほうがそういう意味では、白人たちの行く末をリアルに表現していて、受けがいいのかもしれません。
映画の感想まとめ
正直、あまり評価自体は高くない作品ですが、家族再生の物語として自分を振り返るときに見ていただきたい映画です。
アカデミー賞にもノミネートされているので、そのあたりも楽しみに沢山の方に見ていただきたい作品です。
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