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『ケイト』(KATE)美しき暗殺者の滅びの復讐劇:Netflix動画配信・映画感想あらすじ考察

2021-09-12

映画『ケイト』(KATE)は2021年9月Netflix配信の日本が舞台のアクション映画で、BAND-MAIDのガチなロックに乗って壮絶なアクションシーン満載!幼き日より暗殺術を身に着けた殺し屋のケイトは日本でのある仕事がきっかけて引退しようととしていたが、最後の仕事で突然の眩暈に襲われ初めて暗殺の仕事に失敗する・・

日本を題材にしたハリウッド映画や、日本人がたくさん出てきて英語を一杯しゃべりながらハリウッド映画の中に混じっているのは、名作であっても滑稽だなーと思う自分がいる。

Netflixさんが、強烈にレコメンドしてきた本作『KATE』

胡散臭さと、予告の切り取りがイマイチ感が漂って、配信日から半日立つまで放置

が、しかしやっぱり気になる・・・

何も考えずに無心になって、見始めると・・・

当たりだった

いや、予告がもったいない

予告×2倍の面白

そして、音楽がいい

BAND-MAIDの楽曲がところどころ使われ、日本の世界観・文化の新しい描き方が、そこにあった。

これは、間違いなく、おすすめの映画

アクションシーンをとってみても、ある意味痛さ加減がめっちゃ伝わってくる演出と、丁度良いリアリティー感で、主人公のスーパー感もほどほど、やりすぎもせずなので没頭してみることが出来ます

ヒューマンドラマ的な感動作ではないので1評価を落としましたが、これは見たほうが良い映画

☆4のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

幼い時から、ヴァリックにあらゆる体術と暗殺術を訓練されたケイト

依頼されたターゲットを暗殺する、二人でいわゆる暗殺者の仕事をしていた。10年以上も失敗をしていないパーフェクトな暗殺者だった。
そんなケイトの元に、日本のヤクザの木嶋組組長への連絡役の暗殺の仕事が入った。いつものように下調べをしてターゲットをスコープに収めた時、ターゲットと一緒にそのの子供も車から降りてきたのだった。
ケイトの仕事に対するたった一つのルール、「子供がいるときには中止」と決めていた。それは自身も子供の頃に親が死んでいることからのルールだった。
依頼主からは暗殺続行を指示され、そのまま暗殺を遂行したのだった。。
数か月後、ケイトはかつて暗殺ターゲットにした木嶋組の今度は組長その人の暗殺の仕事を請け負うのだった。かつてと違いケイトはこの仕事で足を洗う決心をしていた。「自分の人生を取り戻す」そう相棒のヴァリックへ伝えて、いつものように暗殺をしようとするが極度の体調不良で眩暈から暗殺に失敗してしまう・・・
命からがら現場から逃げ出すが、体調がおかしく逃走中に警察に捕まってしまう。病院で医師から放射能被爆をしていて、あと1日の命と告げられる。
ケイトは自分をハメた木嶋を追うことになる・・

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映画情報&キャスト

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ポニーキャニオン

『ケイト』(KATE) 2021年 アメリカ
【監督】セドリック・ニコラス=トロイアン
【脚本】ウマイル・アリーム
【配信】Netflix
【音楽】BAND-MAID ★祝ハリウッドデビュー★
【出演者】
ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)
 :暗殺者
ヴァリック(ウディ・ハレルソン)
 :ケイトの相棒
アニ(ミキール・ハースマン)
 :かつてケイトが暗殺した木嶋の弟の娘
木嶋(國村隼)
 :ヤクザ 木嶋組組長
蓮司(浅野忠信)
 :木嶋の部下、木嶋組の跡目を秘かに狙う

超感想中心の評価考察・レビュー

セドリック・ニコラス=トロイアン:アジアテイスト感満載の日本

監督のセドリック・ニコラス=トロイアンが描く、日本

本作を通じて、感服しました

個人的に新しい”日本らしさ”を見た気がします。大昔の日本の描き方ってのはーどうも胡散臭くて京都とか東京の描き方もどことなく和服や勘違いした日本が多かった気がする。

本作で受けた日本の感動ってのは、『キル・ビル』を見た時の衝撃に似ていた。キルビルでは戦闘シーンだけが新しいなーって思った次第だが、本作では日本の描き方そのものが個人的には現実世界以上の日本の世界観を世界に見せつける事が出来たのではなかろうか?とまで評価しています

特に秀逸なのが、自然な日本の都市部の描き方をする一方で、ヤクザと戦闘をくりなす街並みにはアジアテイストを満載にして、古き良きアジア感をローアングルから疾走するかのようなカメラワークで怪しさをかもし出すところには本当に感嘆した

普段見ている日本の街並みが、こうもアジア・アジアしていて、西欧人や世界の人々からはきっと日本に観光に来た時に映る世界観がこう映るのだろうと想像できるところが、素晴らしい

単なる、居酒屋やバーが、日本人から見てもアジア風で、日本映画の街並みと違う

もう一つは、BAND-MAIDはじめ、OOIOO、Reolなどオルタナティブ・ロックに位置付けられる日本らしいといえば、これほど日本らしいものはないオタクの心を持ちつつカッコいい、クールさも備えた鮮烈なハリウッド・デビューと言えるのではないか

と個人的にはかなり気に入っている

楽曲が使用されるシーンも、どれもがかっこい

映画全体的にローアングルからのまとわりつくようなカメラワークで全体的に疾走感と一緒にど迫力のシーンが多く、そういったシーンで使われることが多い。特に日本の街並みをドリフトなしに『ワイルド・スピード』のようにただまっすぐ疾走するシーンでのBloomingは最高だった

セドリック・ニコラス=トロイアン監督は、本作の前にアクション映画でも撮影しているのだろうかと思ったが、実はファンタジー系の映画でキャリアを磨いたようだ

『スノーホワイト』や『マレフィセント』等でパート監督などを務めて技術を高めてている

メアリー・エリザベス・ウィンステッド:ド派手な殺し屋

メアリー・エリザベス・ウィンステッドを初めて意識したのはいつだっただろうか・・

そう、たしか『ファイナル・デッドコースター』とかだったと思う

なんだかちょっと陰のある娘っ子で、次世代絶叫クイーンの仲間入りをするのかと思いきや、『ダイ・ハード』の娘役や、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』で一気に主演を務めるや、もう色物女優とはおさらばしておりましたね

最近では、ウイル・スミスと共演した『ジェミニマン』でアクション女優の地位を確立しておりました

本作では、主演のケイトを演じ

ド派手で、格闘術までも身に着けた殺し屋を凄い体術で演じます

スナイパーライフルのシーンは誰にも出も出来るだろうけど、格闘シーンはそう誰にでも出来るこっちゃあないヤクザ相手に、拳銃がなくともナイフやその辺に転がっている尖物をを武器にして、切るは挿すは、打ち抜くはやりたい放題。

しかも、そこそこ手傷を追いながらの格闘シーン

かなーり凄いです

ヤクザが巣くっている料亭の一室でシーンは見ごたえたっぷり

『ファブル』ばりに、とにかく強い

それにシーンが美しんですよねー、白磁のふすまがなんだか日本人的な感覚にはない和室で、美しい!

その和室の中で、ヤクザとの格闘で血が美しく飛び散り、しかもケイトの容赦のない追撃がほんとうにかっこいい

鼻の頭に傷をつけて、ヤクザを追い詰めていくアクションシーンがなんだか『ウォンテッド』のジェームス・マカヴォイばりでどことなく意識しているのではなかろうか・・

とにかく、アクションだけでも見ごたえありだ

ウディ・ハレルソン:怪しい

すっかり怪しい役の多くなったウディ・ハレルソン

デビュー当初は、オリバーストーンの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』で演技派俳優の道を歩んでいくのかと思いきや、すっかり色物の悪役や一癖ありそうなサイコ系が多くなってきました

あれ?

いやナチュラル・ボーン・キラーズもサイコでしたわ

ということで、終始一貫してまともな役が少ない、ウッデイ・ハレルソン

今回も、見るからに真犯人って(>_<)顔で、最初から分かっちゃった系の悪人でした

そういう意味では、浅野忠信と似たような雰囲気ありますね

本作ではW悪役で仲良く共演していました

脚本:物語としてレオン的な・・

脚本をNetflixが買い上げる形でスタートした本作の企画

いや、いいんじゃあないでしょうか?

ヒネリは効いていないのは確かで、殺し屋の復讐劇にヤクザ、そして真犯人を追い詰めていくある意味わかりやすいストーリー

そのストーリーに、主人公のケイトが男版の美人局で、放射能性のもう毒を盛られて被爆!

そのため、体組織がどんどん崩れていく中で、残された命が少なく、余命一日ってシチュエーションが最高にケイトを輝かせます。

暗殺者が、ただだの復讐鬼に成り下がって犯人を追い詰めていくってところがクール

そして、どうしても意識しちゃうのが『レオン』

多少シチュエーションは違うものの、こしゃまくれた子供をどうしても放っておけずに自分の分身のように身を案じる姿がどうしてもレオンのジャン・レノとナタリー・ポートマンにかぶりますよ

さしずめ、ゲイリー・オールドマン役が、浅野忠信ってとこですかねー(^^♪

BAND-MAIDのハリウッドデビュー

実は、私はトレイラーみていて気が付かなかったのですが・・

この映画で、BAND-MAIDが、見事にハリウッドデビューを果たします

先にも詳記した通り、随所で楽曲が使われています

このメイド的なコスチュームプレイでのロックってのが、真の新しい日本スタイルって感じがして物凄く映画に好感度増しました

元々、世界戦略として各地をめぐってフェスやライブをしていた彼女たち

時を得て、見事映画界にもデビュー

映画としては、単なるメイド喫茶だってよかったわけですよね、それがOOIOOだったりBAND-MAIDと新カルチャーとして日本文化を定着させてくれるのに一役買っています

映画の感想まとめ

総じて、めっちゃおすすめ

騙されたと思って見て欲しい

まあ、ヒューマンドラマ系が好きな人に無理には進めないが、アクション映画好きにはだいたい好きになってもらえる系の映画じゃあなかろうか・・

BiSHだったりBAND-MAID、ベビーメタル好きなども世界観はマッチするでしょう

余談だが

あまり紹介しなかったのですが、國村隼は日本映画でもハリウッド映画でもマイペース演技

一度は見るべき、おすすめの映画です