『メッセージ』宇宙人との遭遇に謎は残しつつ壮大で感動の映画!ラストへの展開が秀逸:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『メッセージ』はアカデミー賞にノミネートされ音響部門で受賞している間違いなくおすすめの作品です! 地球に来訪した巨大宇宙船、その謎の宇宙人とのコミュニケーションをとるために言語学者のルイーズが宇宙人の新しい言語の解明に取り組んでいく、その言語取得の課程において時間を越えた認知能力が備わっていき、想像を超えたラストは必見
あらすじ ネタバレあり
世界12カ所に、突然謎の宇宙船が降り立った。地表数十メートルに浮かんで停止している。
特に敵対行為はなく、世界各国が宇宙船とのコンタクトに躍起になっていた。
完全な情報統制された世界では、ニュースからの映像のみで世界の人々にはさしたる情報も渡されなかった。
ルイーズは大学で教鞭を執っている言語学者。普段から結婚もしていないのに、小さな少女(恐らく自分の娘)の夢を頻繁に見ていた。
アメリカ軍ウェバー大佐に要請を受けて、ルイーズはCIA物理学者のイアンと共に宇宙人の言語を解析し地球へ来た目的の調査を開始した。驚いたことに既に宇宙人とはコンタクトしているが意思疎通が全く出来ていなかった。宇宙船の内部へは定期的に下部入り口が開いて、内部へ入ることが出来る。
宇宙人は7本足の巨大なイカを彷彿させる生物で人類とは全く異なるコミュニケーション方法をとっていた。墨のような煙を吹きかけ輪を作り、その形状や突起、枝葉で伝えたいことを全て認識する高等難解なコミュニケーションをとっていた。
宇宙人はヘプタポッドと名付けられ、徐々にではあるがルイーズとイアンと活躍でのコミュニケーションが進み始めた。情報は12カ所の宇宙船スポットの国と共有されていた。数ヶ月経過したとき、突如中国軍が宇宙船に対して敵対行動をとろうし、世界も追随しはじめた。
宇宙人とのコミュニケーションで「武器を与える」と翻訳できる会話があったため、中国はこれを地球への侵略と解釈した。
一方アメリカでも中国の動きに追随する勢力があり、宇宙船への破壊行動があった。ルイーズは単身宇宙船に乗り込み、「武器を与える」の真意を再確認するためだ。
宇宙人からは、「3000年後人類に救ってもらうため、今人類に言葉(武器)を与えに来た」と本当の理由を知ることが出来た。さらに宇宙人の言語を習得するということは、未来についても理解が出来ると言う事実がわかった。宇宙人とのコンタクトで、自分の未来を見ることが出来るルイーズは、中国シャン上将へ連絡して未来にシャン将軍がとる行動と彼の死んだ妻がしゃべった言葉で説得し、軍の敵対的行動を収めた。
ルイーズは普段見ている夢が自分の未来の出来事であることが初めてわかった。
そして、その子供が若くして死ぬ運命であること、自分の伴侶がイアンであることもわかった。
映画情報&キャスト
『メッセージ』 2016年 アメリカ
【原題】Arrival
【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ
【脚本】エリック・ハイセラー
【原作】テッド・チャン「あなたの人生の物語」
【製作】ダン・レヴィン
ショーン・レヴィ
デヴィッド・リンド
カレン・ランダー
アーロン・ライダー
【製作総指揮】
グレン・バスネル
ダン・コーエン
エリック・ハイセラー
トリー・メッツガー
ミラン・ポペルカ
スタン・ヴロドコウスキー
【音楽】ヨハン・ヨハンソン
【撮影】ブラッドフォード・ヤング
【編集】ジョー・ウォーカー
【出演者】
ルイーズ(エイミー・アダムス)
:言語学者
軍の要請で、宇宙船・宇宙人へコンタクトをとることになる
イアン(ジェレミー・レナー)
:CIAの物理学者
軍の要請で、宇宙船・宇宙人へコンタクトをとることになる
ルイーズと行動を共にしている
ウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)
:アメリカの宇宙船調査の責任者
シャン上将(ツィ・マー)
:中国の将軍で、
宇宙船調査の責任者
ロシア、周辺の共産圏に影響力がある
感想考察
ルイーズの回想が味噌なんでしょうか、掴みきれない
アカデミー賞の各賞にノミネート実績を持つ本作は、名作なのでしょう。
なのですが、残念なことに私は最初に映画を見たときには、正直よくわからなかったです。小難しすぎる。狙ったとおりなのでしょうが、ルイーズの回想が過去なのか未来なのか、全く掴みきれずに時間が過ぎていきます。
単純に過去にルイーズって結婚していて、子供を亡くしたんだなーって思っているうちに、
セリフで結婚とか恋人的な伏線が出始めて、ラストシーンの未来の出来事を読むことが出来るようになっていくんですよね。(回想なのか、映画としてのフラッシュバックなのかも判別付かず)
わかりませんて。やきもきしてたら、物語がどんどん進んで行きました。
この辺を映画なんだから、もう少しわかりやすくして欲しかったってのが正直なところで、感想ですね。
アカデミー女優 エイミー・アダムス
ルイーズ役は、アカデミーの助演女優系ではすっかりおなじみのエイミ-・アダムス。
『魔法にかけられて』のジゼルの頃に比べると少しふっくらとしています。
ジゼルのような可憐な感じではなく、知的な中にどこかぷっつん的な雰囲気が本作で出ています。
思いをはせているときの回想している表情がうまいです。
そういう意味ではカメレオン女優なんでしょうね。どこから見ても美人なんですが、出る映画出る映画で見た目のイメージも変わりますので。
『メッセージ』でのルイーズは、地味な言語学者ですが、地球の未来を握っています。
自分で時折見るフラッシュフォワードとバックフォワードと、プレゼントデイ(現在)の”夢”に悩まされ、知らない子供の夢を見続けています。
ヘプタポッドとの対話を通じて、彼女も空間・時空把握能力を身について、未来の子供を見ることになっていたのです。
単なるサイコではなく、奥の深い表情で魅せる演技が特徴でした。
ちょっと、ちょっとサイコがはいっている彼女の演技は、『ノクターナル・アニマルズ』でも光りましたが、本作では似たようなフラッシュバックはするものの、未来の絵をフラッシュフォワードしてみる世界でただ一人の女性ですね。
昔、フラッシュフォワードってテレビドラマありましたが、文字通りあんな感じで映像を突然みて、未来を組み立てて、地球を救います。
合わせて読みたい『ノクターナル・アニマルズ』
助演男優はアクション俳優のジェレミー・レナー
ジェレミー・レナーが本作にからんで、アクション俳優でなく科学者として参画しています。
彼のキャリアの中で、すっかりアベンジャーズファミリーのイメージが根付いてたので忘れ居ました。
元々、ジェレミー・レナーはコメディー系から入って酷評されながらも地道に下積みを重ねて実直な演技を評価されアカデミー賞の助演・主演へのノミネートされるまでになっていた演技派でした。
本作では、演技派のほうのジェレミーを見ることが出来ます。
あくまでも、エイミー・アダムスの付き添いの男の用に扱われますが、映画としては彼はこの後、ルイーズ(エイミー・アダムス)と結婚する未来の旦那様です。
ヘプタポッドの謎、考察 (宇宙人の目的)
元々が、SF小説『あなたの人生の物語』が原作となっている本映画、難しすぎる。
先ほども書きましたが、過去と未来の描写も難しかったのですが本質的なところが謎で、映画としては非常にストレスが残りました。
そもそも宇宙人はなんで地球へ来たのかというと
「3000年後に地球に救ってもらうため」
「今、地球を救いに来た」
「武器(言葉)を与えに来た」
よくわからない。
ヘプタポッドが3000年後に救ってもらいたいのは理解できます。でも、結局ヘプタポッドが地球に与えた物は何なのでしょうか?
映画を2回ほどみましたが、理解できません。
考えられるのは
- ルイーズに未来を見渡せる能力を与えた (来たるべき未来のために)
- シャン上将と未来を作った(全面戦争を止めた? 宇宙人と?)
- 宇宙人の言葉を地球人が理解することが、近未来何か役に立つ
どれもパットしません。
やはり、地球を救いに来たのでは無く、自分達の未来のためだけに来たように思えます。
原作を読んで ※追記
原作を読みましたが、秀逸なSF小説であり
テッド・チャンの作家としての能力や創造性には脱帽です。また映画制作陣が本原作からこれほどまでに原作のイメージを損なうこと無く創ったと言うことには尊敬の念がわきます。
しかしながら、原作を読んでも謎は謎のままでした。ある意味映画ではその辺を視聴者が独自解釈する余地を残しておいてくれているのでまだ親切です。
小説は、ルイーズ主体の物語では無く、まさに原作タイトル通り『あなたの人生の物語』なのです。
そして、あなたとは、ルイーズではなく、ハンナの物語です(小説では名前も違いますが)
以下原作のレビューサイト参考、興味深い考察がいっぱいありますが、
人それぞれですね。
知覚・認知するタイミングの謎
もう一つ謎があります。小説の原作を読んでもよくわかりませんでした。
※原作読まないと、難解なのはちょっと駄目だとおもうし、
原作読んでも更にわからないのは、もっと駄目だと思う。
素人にもわかりやすくしてくれないと・・・
私”ほげる”が最もわからなくなるのは、ルイーズの時間を知覚・認知するタイミングです。
ルイーズが未来を見通す力を得たのは理解できます。
その力を得た後に、未来や過去を自由自在に同時に見通すことが出来て、映画ではその確定的な未来があったとしてもラストシーンでイアンから「君との出会いが最高」と言われて、受け入れます。
これすなわち、将来出会う娘ハンナ(上から読んでも下から読んでもHANNAH)の誕生です。
でもちょっと待って下さい。
映画の冒頭で、ルイーズは知覚能力を得ていないのに、ハンナの映像を見ていましたよね。記憶として。この辺がわかりません。
将来にその時間軸関係無しに知覚できる能力を得た者は、過去に遡って未来を知る力を有することが出来るのでしょうか?であれば、どうして過去の時には気がつかなかったのか。。。謎が深まりました。
海外の評価 2020/03時点
評価は、批評家、視聴者から信じられないくらい良い評価されていますね。
この数値は凄すぎます。
納得です。
- iMDb: Metascore 81点 7.9/10
- TOMATO : 94% / Audience:82%
映画の感想まとめ
映画そのものは、もの凄く面白かったです。
派手さはないですが、”ばかうけ”そっくりと揶揄された宇宙船といい、映画全体に伝わる音楽や音、ヘプタポッドの下が顔か、上が顔かよくわからない高次の生物感もたまらなく良かったです。
ただし、物語のストーリー性と、フラッシュバックとフラッシュフォワードの表現が難解過ぎます。素人でもわかるように作って欲しい。
とはいえ名作には違いなく、映画化不可能と思われた小説からの映像化が上手く出来た良い作品でしょう。
何か壮大な未来に向かって悩んでいる人は、是非見るべき作品です。
是非見るべきおすすめの作品です。そして、素人でもわかるようにコメント頂けると嬉しいです。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 5
キャスト 4
ストーリー構成 5
初見で読み取れない謎 3
いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、に超面白い作品と思います。
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