『マリー・アントワネット』砂上の楼閣ベルサイユ宮殿の華やかな日々!パンがないならケーキをお食べ:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『マリー・アントワネット』はアメリカでは2006年に公開、日本では2007年に公開された歴史映画です。ハプスブルク家の皇女マリー・アントワネットは、わずか14歳で政略結婚により異国フランスに嫁ぐことになります。孤独なマリー・アントワネットは、華やかなベルサイユに身をゆだねていくことになります
マリー・アントワネットと言えば、
日本人の多くは漫画『ベルサイユのばら』へと脳内変換してしまうことでしょうね
かくいう私も、その一人です
オスカール的な!
多くの女性を虜にしたオスカルやアンドレは架空のキャラクターなので、
映画『マリー・アントワネット』に出ていないので、その点はご注くださいませ(笑)
『マリー・アントワネット』を監督したソフィア・コッポラは、
巨匠監督コッポラの娘なので重苦しい映画と思われるかもしれませんが、しかし、ソフィア・コッポラ版『マリー・アントワネット』は、通常認識となっているマリー・アントワネットの孤独と並行して、現代の女子とは何ら変わることのない流行を追い求めてる姿を加えた新感覚の歴史映画となっています!
歴史映画とは無縁の軽快なサウンドに乗って、
悲劇とは無縁の可愛らしいマリー・アントワネットを発見できるお勧めの映画です。
”ほげる”的には、
間違いなくおすすめの作品です
☆4のおすすめ(5点満点)
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレあり
1769年。マリア・アントーニア・ヨーゼファ・ヨハーナ・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲンは、母であるオーストリアの女帝マリア・テレジアの命により、14歳で15歳のフランス国王ルイ15世の孫ルイ・オーギュスト王太子と政略結婚をする
彼女はオーストリアでの楽しい日々を捨て、名前をフランス語読みのマリー・アントワネットにして異国の地フランスで生きてゆく。未来のフランス王妃となるマリー・アントワネットの最大の務めは世継ぎを出産することだが、夫ルイ・オーギュストに男性機能に不具合があることと、内向的な理系男子であるため、社交的なマリー・アントワネットと気が合わず夫婦関係が築けない状況が続いていく。
当然のごとく懐妊することのないマリー・アントワネットは、
周囲からの冷たい視線に耐え忍んでいくことなる
慣れない宮廷生活のストレスや世継ぎ出産のプレッシャーに、がんじがらめになっているマリー・アントワネットは、取り巻きの貴族たちに誘われるままパーティーやギャンブル三昧の日々にのめり込んでいく。
どんなに遊んでも心が満たされないマリー・アントワネット
仮面舞踏会でスウェーデンの軍人フェルセン伯爵と運命の出会いを果たす。二人は同じ歳であったこともあり、意気投合する。
ルイ15世の崩御によりルイ・オーギュストは20歳で新フランス国王ルイ16世、マリー・アントワネットも19歳でフランス王妃となる。長らく夫婦関係が無かった二人でしたが、ルイ16世はマリー・アントワネットの兄である神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世の助言を受入れ、専門医の治療により男性機能を復活させ一女二男を授かります。母となったマリー・アントワネットは、自堕落な日々からきっぱり手を引き子供たちにあふれんばかりの愛情を注いでいく。
祖国オーストリアとは違い堅苦しいベルサイユ宮殿で四苦八苦していたマリー・アントワネットは、世継ぎに恵まれたことで王妃としての務めを果たし、ようやく穏やかな日々が訪れた。
政略結婚でありながらも夫ルイ16世と良好な関係を築いていたマリー・アントワネットだが、アメリカ独立戦争に参戦していたフェルセンと再会により二人は磁力が惹かれあうかのように関係を持ってしまう
女性としての幸せを味わったマリー・アントワネットは、再び戦場へ戻っていくフェルセンを見送る。
ルイ15世時代の度重なる戦争で財政難となっていたフランスは、アメリカ独立戦争のアメリカ側への援助により財政難に拍車をかけることなる。今日の食事もままならない国民の不満をよそに、マリー・アントワネットの贅沢な生活は続いていく中、愛する母マリア・テレジア、世継ぎの幼いルイ=ジョゼフを相次いで亡くし意気消沈していく。
1789年7月14日フランス革命が勃発。勢いが衰えることのない革命の渦に巻き込まれた国王一家は、民衆に捕らえられ我が家だったベルサイユ宮殿を後にするのだった
映画情報&キャスト
マリー・アントワネット(字幕版)
『マリー・アントワネット』2006年 アメリカ・フランス
【原題】Marie-Antoinette
【監督】ソフィア・コッポラ
【脚本】ソフィア・コッポラ
【出演者】
マリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)
:オーストリアで何不自由なく暮らしていた
神聖ローマ皇帝フランツ1世とオーストリア女大公マリア・テレジアの十一女
14歳でフランス国王ルイ15世の孫ルイ・オーギュストと政略結婚し、
後に夫が国王ルイ16世に即位したと同時にフランス王妃となる
ルイ16世(ジェイソン・シュワルツマン)
:ルイ16世ことルイ・オーギュストは、父ルイ・フェルディナン王太子、
母マリー=ジョゼフ・ド・サクスの三男として誕生する
父と兄は国王に即位することなく相次いで亡くなったことで
ルイ・オーギュストが王太子となり、その後ルイ16世に即位
フェルセン伯爵(ジェイミー・ドーナン)
:王太子妃時代のマリー・アントワネットと仮面舞踏会で出会う
後に恋人関係となったフェルゼン伯爵は
少女漫画に出てくるようなイケメン+スーパーエリート
18歳で社交界にデビューすると貴婦人たちの注目の的となる
超感想中心の評価考察・レビュー
スタイリッシュでポップな中世のセレブ
映画『マリー・アントワネット』はベルサイユ宮殿という浮世離れした空間で生きたマリー・アントワネットの日常を描かれています
ドラマチック過ぎる『ベルサイユのばら』感覚で見てしまうと
肩透かしを食らってしまう方もいるかもしれないですねー
結婚当初から何かと気苦労が多かったマリー・アントワネット
母であり名君と言われた女帝マリア・テレジアのように賢く立ち回る才覚はなく、
自堕落で楽な方へと流されていきます
勉強より歌や踊りが好きだった彼女は、
現代で言うとまさに、セレブなファッションリーダーになっていくのです
まあ、イメージは、パリス・ヒルトンとか英国王室のメーガン妃、モナコのグレース・ケリーとかですね
あら、パリス・ヒルトンは、少し違うか・・(^^♪
マリー・アントワネットが現代に生きていたなら、SNSを駆使して世界的に活躍するセレブなファッションリーダーになっていたに違いありません。産まれてくる時代を間違えたのが残念!
映画は処刑の場面まで描かれると思っていたのですが、国王一家が我が家であるベルサイユ宮殿を追われ、荒らされたベルサイユ宮殿の一室の映した場面で幕が閉じます
このラストシーンは虚構で彩られた美しい日々が終わり、
誰もが知る、悲劇の始まりを示唆しているように思え世知辛いですねー
主演キルスティン・ダンストの底抜けの明るいマリー
マリー・アントワネットを演じるキルスティン・ダンストは子役から女優業をスタートさせているので、20代で主演を演じた『マリー・アントワネット』の頃は、芸歴20年近いベテラン女優と言えるでしょうね
12歳で出演した『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994年)
トム・クルーズ、ブラッド・ピットの超ハリウッドスターと共演し
ヒロイン的なポジションとなる美少女吸血鬼を見事に演じ高い評価を得ました、
成長しない小憎らしい少女の役は、なかなかです
その後も、『スパイダーマン』でヒロインを経てキャリアを成功させていきます
あれですよ、あれ、
逆さまにぶら下がったスパイダーマンのマスクの唇部分をめくって、
上下逆さのフレンチ・キス・・・もやーー
マリー・アントワネットとキルスティン・ダンストの重なるイメージ
肖像画から伺えるマリー・アントワネット
演じるキルスティン・ダンストは、目鼻立ちの整った美人と言うよりは雰囲気美人という印象を受けることから、キルスティン・ダンストはマリー・アントワネットに適役まさにマッチキャスト!
しかし、当時の肖像画家はパトロンに忖度をしていたようなので、実際のマリー・アントワネットの姿は測りかねるのが実情かもしれませんね。
監督は巨匠コッポラの娘ソフィア・コッポラ
『マリー・アントワネット』監督ソフィア・コッポラは、『ゴッドファーザー』シリーズの監督であるフランシス・フォード・コッポラの娘で、父も娘が監督した『マリー・アントワネット』に製作総指揮として関わっていたようです。
父が巨匠監督であることから娘も二世監督という色眼鏡で見てしまいがちですが、
ソフィア・コッポラはそんな雑音など気にすることなく、
『ヴァージン・スーサイズ 』(1999年)、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)、『SOMEWHERE』(2010年)で監督として高い評価を得ています
音楽のセンスと、映画全体に漂うファッショナブル雰囲気、自身がファッションモデルを務めた事もあるので美しい画風・映画に仕上げてきますね
女優としては父が監督した『ゴッドファーザー』(1972年)で、乳児期にチラッと出演しています。20年近くの時を経て公開された『ゴッドファーザーPartⅢ』(1990年)では、ピンチヒッターとして主人公の娘役という大役を演じたものの監督業とは違い不評だったようです。
映画一家コッポラ・ファミリー
コッポラ家は華麗なる映画一家として知られ、従兄弟には大作映画から小規模映画まで幅広く活躍しているニコラス・ケイジ、叔母は『ゴッドファーザー』シリーズのコニー役、『ロッキー』シリーズのエイドリアン役を演じたタリア・シャイアです。
『マリー・アントワネット』でルイ16世を演じたジェイソン・シュワルツマンの母はタリア・シャイアなので、ソフィア・コッポラとは従兄弟になります。
ここまでくると映画一家コッポラ・ファミリーは、
一言で説明しきれないので家系図が必要となりますね
映画の感想まとめ
あくまでも、演出はあるものの
史実映画であることは間違いがなく、ドラマ性としては誰も知る事実の範囲内
そういうこともあり、あまりファッショナブルにしてもってことで、
第59回カンヌ国際映画祭に出品した『マリー・アントワネット』は残念ながら不評!
各映画サイトの総合的な評価は100点満点中60点という評価が多かったようです。
『マリー・アントワネット』は正統派歴史映画ではなく、物質的に恵まれたマリー・アントワネットの孤独をソフィア・コッポラ風のアレンジを優先していることから史実とは違った面が多かったとろが、やっぱり受けが悪い
撮影はフランスのベルサイユ宮殿で行い、第79回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞という点から時代の雰囲気を忠実に表現しており、終焉に向かいつつあることを理解できない王侯貴族社会の儚さを感じることができることでしょう。
ほげる的には
おすすめの作品です。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 4
キャスト 4
ストーリー構成 3
初見で読み取れない謎 5
いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、に面白い作品と思います
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません