『ある少年の告白』LGBT同性愛の更生施設の衝撃!実話ベースの話題作:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『ある少年の告白』は2018年公開アメリカの青春映画です。牧師の息子として育ったジャレッドはある日、自分が同性愛者だと気が付き、両親が同性愛を治す施設に入れてしまう。そこでは、自分を偽り、治そうとするプログラムが作られており、ジャレッドはそれに反発心を抱くようになっていく・・・。
同性愛を更生させる施設をテーマに描かれている作品!
「え?そんな施設あるの?」と言われても仕方がないですが、
これは実話だというから衝撃ですよね。
「どんな施設だったの?」「どんなふうに更生させようとしていたの?」と思う方もいっぱいいらっしゃるかもしれません。
自由に生きることを認められるような時代になってきた今では全く考えられないことですよね。
かなりおすすめの作品です!
☆5のおすすめ(5点満点)
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
田舎町で牧師をしている父と専業主婦の母の間に生まれたジャレッドは大学に入学し、ある事件がきっかけとなり、自分が同性愛者であると気が付いてしまう。
彼は両親にもゲイであるとばれてしまい、同性愛を治すための矯正施設に参加させられることになるが・・
映画情報&キャスト
『ある少年の告白』 2018年 アメリカ
【監督】ジョエル・エドガートン
【脚本】ジョエル・エドガートン
【原作】ガラルド・コンリー
【音楽】ダニー・ベンシ
ソーンダー・ジュリア―ンズ
【撮影】エドゥアルド・グラウ
【出演者】
ジャレッド・エモンズ(ルーカス・ヘッジズ)
: 同性愛者。父親により、施設に入れられる。
ナンシー・エモンズ(ニコール・キッドマン)
: ジャレッドの母親。唯一ジャレッドのことを理解しようとする。
マーシャル・エモンズ(ラッセル・クロウ)
:ジャレッドの父親。牧師で、ジャレッドを理解しようとせずに施設に入れてしまう。
ヴィクター・サイクス(ジョエル・エドガートン)
:同性愛を更生させる施設の牧師。
超感想中心の評価考察・レビュー
同性愛・LGBTを治す更生施設とは
本作に登場する同性愛を治す施設とは
「どんな施設なのか?」「どんな治療をするのか?」「本当に存在するのか?」
そう思われる方も沢山いらっしゃると思います。
とても気になりますよね。
実は、現在でもアメリカのある州ではそのような施設があるといいます。
同性愛の治療は「コンバージョン・セラピー」と呼ばれ、同性愛者を異性愛者にすることを言うそうです。
具体的な治療方法としては、会話療法、嫌悪療法、電気ショック療法などを行うようです。
現在は以前より、同性愛が認められるようになった世の中だとばかり思っていましたが、自由の国アメリカであってもいまだに薬物やアルコールの依存と同じように扱われていると知り、あまりに衝撃的です。
親などにより強制的に施設に入れられ、何か月も治療を受けさせられたりしてしまうために、自己嫌悪に陥ったり、うつ病を発症してしまったり、自殺をしてしまう人が急増してしまっているようです。
いくら普通とは違うとはいえ、人間はどこかしら誰でも違う部分を持っているものです。その違いや考え、人格を否定する方法はあまりに辛いですよね。
同性愛をテーマとする映画
最近では、LGBTをテーマにした作品がかなり多くなってきました。
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの総称で、現代だからこそその需要も高まっているのかもしれません。
では、そのLGBT映画で人気の作品を少し紹介したいと思います。
まず、「君の名前で僕を呼んで」です。
北イタリアの避暑地で出会ったエリオとオリヴァーの話で、限られた夏の時間が美しく描かれています。
公開当初の映画館ではあまりの人気でずっと満席が続いていた記憶が新しい作品です。
次に「キャロル」
この作品は実力派の女優二人が1950年代のニューヨークを舞台に激しい恋を熱演しています。
二人の美しい恋を是非楽しんでみていただけたらと思います。
最後に、「アデル、ブルーは熱い色」
青い髪のエマに恋をしたアデルの話です。
二人の大胆で濃厚なシーンが印象的だと話題になりました。
純粋な二人の恋模様が美しくも残酷です。
ぜひこちらも合わせて、楽しんでみて欲しいです
実話の衝撃!原作者は?
本作は実話であり、ガラルド・コンリーの小説「Boy Erased」が原作です。
原作者の実体験に基づいて書かれているというから、その時点でかなり衝撃的ですよね。
こんな施設があって今でも行われているなんて、信じたくない事実です。
エグいタイトルですよね、”少年は消えた”
このタイトルからでも容易に想像できるひどさ
映画も、ムービートレイラーでも、予告していますが、内容は見ていてちょっと吐き気を催すくらいの人格否定で怖いです。
この本は2016年に発表され、アメリカではベストセラーとなったようですが、日本では発売されていません。
arakoももし日本語に訳されているようだったら、読んでみたかったです。本当に残念ですよね。
宗教という壁
何故、父親は同性愛を治そうとしたのか?そのことを疑問に思う方もいるかもしれません。
先ほども書きましたが、自由な世の中になりつつあるこの世界で、いまだに強制しようとする動きをする両親とは?と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
それはなによりも、宗教という大きな壁があるように感じます。
主人公の父親は牧師でした。牧師は何を隠そう人に説法する仕事であり、神に仕えた存在。
それなのにもかかわらず、息子の同性愛など許せるはずがありません。
父は息子よりも神や世間体が一番だったのです。
本当に説法されなくてはいけないのは、実は父親だったのかもしれません。
そのことに気が付き、母親は息子の気持ちを理解し、唯一の理解者となります。
父親の気持ちも理解できないわけではありませんが、しかしながら本当に神に仕えているのならば、息子の素直な気持ち、嘘をつかない気持ちにも耳を傾けてほしいと伝えたいですよね。
あなたは宗教の壁によって理解してもらえなかったこの主人公の気持ちをどう感じましたか?
アカデミーノミネート候補のジョエル・エドガートン監督・脚本・出演
ジョエル・エドガートンと言うディレクターの素晴らしさが
映画全編において支配されています
主演のルーカス・ヘッジスの苦悩する少年の演技は、ベテランの父親役のラッセル・クロウと母親役のニコール・キッドマンに支えられ、シナジー効果を出して圧巻の演技でした
何よりも、場の雰囲気を構成し
映画そのもので、訴えたいことをキッチリしあげているのは、
作中でもヴィクター・サイクス神父役をやった、ジョエル・エドガートンという男
完全に映画に対しての方向の統一性と、語りたい部分を抜き出し
演出し、脚本・出演で圧巻の演技力を誇りました
彼は元々が演技派でならしていましたが、本作は3身そろって仕事をこなしたことで、さらに映画のメッセージ性を強調しています
ヴィクター・サイクスは実在?
こんな強制施設を運営したのか、問題のヴィクター・サイクス神父は果たして実在したのでしょうか?
もう色々なサイトで語られていますが、実在していたそうです。
今では、更生施設はやめたそうですが・・・
今では、更生施設の運営は後悔していたとのこと・・・
映画の感想まとめ
本作は、衝撃の実話で自由な世の中になったはずなのに、
いまだにこんなことがあるのだなと感じてさせられました。
ぜひ沢山の人に見ていただいて、この事実を知っていただきたいなと思いました。
今までの同性愛をテーマにした話だとおもいきや、よくよく見ると同性愛を治す施設を描いた話だったというのもかなりの衝撃です。
おすすめの作品です!
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