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『バトル・ロワイヤル』国会でも問題になった深作監督の最後の作品!シチュエーションが光る:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-04-02

映画『バトル・ロワイヤル』は2000年の深作欣二監督の遺作としても知られているが、子供の映画なのにR15そしてキャッチコピーがヘビー「友達殺したことある?」やばいです。当時人気だったBR法の説明をするビデオのお姉さんが声優の宮村優子だったのも話題だった

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

最近本屋に行った時、バトルロワイヤルの文庫本が出ているのを見かけた。

初めて小説を読んだのは1999年だったのだが、未だに書店に並んでいることに驚くとともに、根強い人気があるのだなと改めて感じた。漫画もあったし当時は超絶人気だった。

バトルロワイヤルが映画化された時、当時のお暇な役人の皆様はR指定をつけるかでかなり揉めており、逆にそれが炎上商法のように作品の知名度を押し上げてしまうという皮肉な結果になっていたことも懐かしい思い出だ。

というわけで、今回は国会でも話題になった問題作であり、深作監督の遺作ともなった映画『バトル・ロワイヤル』を紹介したい。

大東亜共和国という国では、毎年「プログラム」という殺人ゲームが行われる。全国からランダムに選ばれた中学3年生のクラスが「プログラム」対象者となり、選抜されたクラスの生徒達は、閉ざされたエリアで武器と食糧を与えられ、最後の一人になるまで殺し合いを行わなくてはいけない。このデスゲームに選ばれてしまった城岩中学の七原秋也はこのゲームをどう生き残っていくのか・・・

キャストは素晴らしく豪華。藤原竜也、柴咲コウ、山本太郎、安藤政信など日本を代表する俳優がずらりと並んでいる。(ビートたけしも教師役で参加)感想は〜・・・原作となった小説の内容の多くが描かれていないため、アクション映画っぽくなってしまっている。あと俳優陣が豪華なのはいいが、誰一人として中3には見えない・・・

小説では、生徒一人一人の家庭環境などが結構深掘りして書かれており、バトルロワイヤルの中の世界観(大東亜共和国の成り立ちや、「プログラム」が制定された背景など)が描かれているためなかなかに面白いが、映画は単純に生徒の殺し合いだけにフォーカスした感じだ。

アクション映画として楽しむならば、深作監督の作品ということもありクオリティはなかなかに高い。

ただ、小説を読んでいないと映画でフォーカスされているキャラがなぜフォーカスされているのかがわからないし、何よりも各キャラの魅力がさっぱりわからないのが欠点。(あとなぜか映画版だとオリジナル小説とは異なる設定がなされているが、この設定だと主人公七原を筆頭にキャラ設定に矛盾が生じる。)

けどまぁ、相変わらず藤原竜也の叫び芸は秀逸だし、いや、このころからの叫び芸は絶品だった

安藤政信みたいな久しく見なかった俳優(キッズリターンの印象しかないが・・・)など、キャストが豪華なので、開始5分で飽きちゃったみたいな展開にはならないと思う。

個人的には、国会議員やマスコミが残酷な映画だと騒ぎ立て、話題性が高くなったためかなり多くの人が映画館に足を運んだというのが現実だと思う。中3の子が見ても、山本太郎の風貌から自分と重ねて感情移入しちゃうなんてことはないだろうし、ぶっちゃ悪影響悪影響言われ過ぎた結果、逆にたくさんの人が見て評価が厳しくなったという不憫な映画だと思う。

個人的には安藤政信演じる桐山和雄の超人的な身体能力描写が見たかった次第であるが、映画本編ではまったく触れられていない。

総じて言えば、深作監督の遺作とも呼べるアクション映画であり、原作はあまり反映されていない映画。だから原作の熱狂的なファンからすると少し物足りないかもしれない。あ、でも洋画の「ハンガーゲーム」みたいな意味不明なオチはないため、作品としてはしっかり成り立っていると思う。

それにしても、たかたが映画一本(されど映画一本)に、膨大なる時間を費やしてルールを制定する国会議員の方々や、バトルロワイヤル=悪影響みたいな報じ方をしていたマスコミの方は逆にヒットしてしまったこの作品についてどう思っているのか・・・

残酷さでいえばジブリ作品の「もののけ姫」もかなり残酷描写はあるし、「天空の城ラピュタ」ではムスカ大佐が大勢の兵士を地上に落としていた。

「天気の子」なんて、そもそも東京の気候を変えちゃうからね。マスコミや国会の方に何が刺さるのか、ポリコレって恐ろしい。

人がまるでゴミのようだ〜という迷言も生んだ。

そういった意味では、エンターテイメントの映画を、現実とごっちゃにしてしまう人が増えてしまったのかなぁと考える今日この頃・・・

― hogeru -

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