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『ビバリウム 』退屈以上爆睡未満これはホラーならぬ人生そのもの!無理ゲーの匂い:動画配信・映画感想あらすじ考察

2021-04-12

『ビバリウム』(vivarium)は、2021年に公開された不可思議なテイストのホラー・サスペンス映画!キャッチコピーは「極限のラビリンス・スリラー」、恋人同士のトムとジェマは自分たちの新居探しである集合住宅地へ案内されるが、そのシングルトーンで統一された住宅からいつの間にか不動産屋も消え抜け、そこから出せなくなっていた・・・

なんだー、この映画は

ジェシー・アイゼンバーグ、彼が主演ということで大人気映画になること絶対間違いなしだと思って、CMやトレーラーを見ていた。

ところがですよ、この映画はお世辞にも面白いとは素直に言えない

人を選ぶのかもしれない、少なくとも私にはまったくのイミフ

謎の展開に退屈なだけの日常、多少出演者たちの演技が上手いにしても奇声を上げる子供・・・

なんじゃーこりゃあ

面白くない、以上

で思わらせてもいいレベルだと思いますが、それだと映画ブログをやっている意味もないので、なんとか意味不明に意味を付けて、考察ちっくにガンバってみたいと思います。

これにハマる人もいると信じ・・

ちなみに海外での 評価はかなりいいです

2のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレあり

小学校の教員をするジェマと植木職人のトムのカップルは、二人の生活を安定させるために新居を捜していた。
町の不動産屋で住宅を捜していると、ヨンダー(YONDER)という集合住宅を紹介される。少し変わった不動産屋の営業マーチンに案内され、ほどなくYONDERへ着く。そこは、全住宅が同じデザインで同じシングルトーンであわさった、奇妙な宅地だった
住宅の中は理想的な家族向けのファミリーハウスだったが、気が付くと営業のマーチンは消え、二人は取り残されるのだった。案内された9号の家を離れるが、再び9号に戻って来てしまうおかしな出来事に遭遇する。何度も舞い戻り敷地から出られなくなっていることに気が付く。二人は、車のガソリンがなくなるまで車を走らせるが一向に敷地を出られず、やむなく9号の家に戻り休みをとる。
数日が過ぎても、徒歩でも敷地を出られれず、9号の家に戻ってきてしまう
そんなある時、家の前に段ボールが置かれ、その中には食料が入っていた。トムはとうとう家に火を放ち燃やし落とすが、翌日家は不思議なことに綺麗に戻っているのだった。そしていつものように段ボールが置かれるが、その中には食料の代わりに赤ん坊が入っていた。
手紙には「子供を二で育てれば、解放される」と記されていた。
何人すぎたかわからない、あの時の赤ん坊は幼児に育っていた。
食事の時間や起床時間を少し過ぎただけで、奇声を上げる子供になんども、「あなたの母親ではない」といって聞かすジェマ
一心不乱に、家の庭を掘り脱出経路を捜し始めたトム、子供は信じられないスピードで成長していった。
さらに月日は流れ、トムは庭を掘り進めるほど体調が悪くなっていった。ジェマは子供に”何か?”の影を見ながらも少しだけ母性が芽生え、育てようとするが、まったく解放される雰囲気はなかった。
子供は育ち、青年になっていた
ついにトムは体調不良で身体がおかしくなり、死んでしまう。悲しみに暮れるジェマは毎日どこかに出かける”何か”を、ツルハシで殴り倒す。何かは、排水溝と庭の間に捻じ曲げた空間を作り、消えていった。ジェマはそのあとを追いかけるが、どこにもそれはいなく、あるのは自分と同じ境遇の人々が日間に暮れている姿で生活していた。その姿をガラスを通して観るかのように、ジェマはみて最後には目まいと階段から落下し、自身も死を迎えるのだった。
エピローグ)
”何か”は、ジェマの死体も処分し9号の家は何事もなかったかのように元通りになっていた。まるで誰も生活していなかったかのように。
”何か”は、ヨンダーを離れ町の不動産屋へ行き、息も絶え絶えのマーチンの名札を取り、死体バッグに納め、マーチンの椅子につくのだった

[showTable]

映画情報&キャスト

『ビバリウム』 日本2021年公開 2019年
  アイルランド・デンマーク・ベルギー合作
 VIVARIUM
【監督】ロルカン・フィネガン
【脚本】ギャレット・シャンリー
【原案】ロルカン・フィネガン
    ギャレット・シャンリー
【製作総指揮】
 ロルカン・フィネガン
 イモージェン・プーツ
 トッド・ブラウン
 ジェシー・アイゼンバーグ、他
【出演者】
ジェマ(イモージェン・プーツ)
 :教師 トムと付き合っている
  二人の家が欲しい
トム(ジェシー・アイゼンバーグ)
 :庭師 ジェマと付き合っている
マーチン(ジョナサン・アリス)

超感想中心の評価考察・レビュー

新鋭監督 ロルカン・フィネガン

この映画は、本当にまったく救いがないし、グッドエンディングではない

だけでなく、バッドエンディングなのかどうかも判断できない。不可思議ホラー!こういう感覚を抱いたのは、アリ・アスター監督の「ヘレディタリー」や同じく新鋭のジョーダン・ピール「ゲットアウト」を初めて見た時に似ている。

時代は、ホラーに対してギャーとか、キャーといったこと以外に何かを求めているということだろうか。この映画もそう叫んでいるような気がする。といっても、本作はかなり海外では評価が高い。いやネットを見ていると意外と日本の中でも好きだとか、凄いってコメントする人もいる。

個人的には、まったくついていけてないので悔しい感じもしますがね。

ロルカン・フィネガン監督は、監督としてはキャリアもかなり少ないようで、本作がほぼキャリアスタートに近いのだと思う。

映画そのものは、なんとなくアメリカの片田舎を想起させますが、アイルランド・デンマーク・ベルギー合作の作品だ。そうか、だからなんとなくシングルトーンでの統一世界が描かれているのかと、妙に納得。

向こうの住宅のイメージは個性よりも、淡いシングルトーンってイメージありますものね。

そして、各演出が摩訶不思議

全くと言っていいほど、変化の映画で、肩透かしを食ってしまう

正直、かったるい

海外でも日本でも一部の人からは評価は高いし、

実際『第72回カンヌ国際映画祭』ギャン・ファンデーション賞を獲得している。

主演のジェシー・アイゼンバーグとイモージェン・プーツ

ジェシー・アイゼンバーグについては、語るまでもないほど有名で

「ソーシャルネットワーク」や、「ゾンビランド」「グランドイリュージョン」で名をはせた、もはやベテランの若手俳優です。早口でしゃべくりまくる演技が特徴で、それほどスマートな感じのしない普通の人の雰囲気がかえって人気だったりします

今回は、早口封印

土堀に専念です!

方や、イモージェン・プーツですが、「恋人までの1%」でヒロインのエリーを演じた、キュートな彼女です誰からも好かれそうな元気いっぱいな雰囲気が特徴ですね。

今回は、”それ”の母親役を無理やりやらされます

驚きの展開と伏線

伏線もそれなりに隠れているが、”あらすじ”の道を外れるようなサプライズは特にない。

驚きなのは、結論がよくわからないこと、後ほど考察はとっておくとして、

ストーリーは、単純なもので

”それ”、を育てるためにカップルが選ばれ、”それ”を統一された仕様の住宅で育てる、育て終るとカップルは死に、”それ”が新しいカップルを捜しに行く

本当にそれだけなのだ。

映画内で、そこそこ伏線も語られているが、基本はあまり変化のない演出のトーンで、淡々と進んでいく

伏線としては

  • タイトル(VIVARIUM)
  • オープニングのカッコウの托卵
  • マーチンのおかしな言動(言葉を繰り返す)
  • 空と家の同じ見た目
  • 段ボールに入れて渡される食料とその味
  • ”それ”の育つスピード
  • ”それ”が真似した何かのしゃべり方

まあ、他にもありそうですが
このくらいで、十分かと思います

一番は、タイトルなんだろうな。。きっと主旨的には・・

タイトルに隠された秘密と意味 何故ビバリウムなのか

タイトル「ビバリウム」VIVARIUMは、文字通りの英語の意味で調べると

「生き物の住む環境を再現した空間」です

そして、これはバイオリウムとかバイオトープのように生物の住む環境を用意した疑似環境を指します。

現在では、爬虫類や両生類の棲む環境を再選したケージっていう意味で

要は虫かごで、その中に本物っぽい環境を揃えているってことですね

カッコウの托卵とは

まあ、小さいころ聞いたことあるでしょ托卵

カッコウとか、鳥類には稀に他人の多種類の鳥の巣で自分の卵を育ててもらう、不埒な種類がいます。それを宅配と言います。残酷ですが、オープニングのシーンで使われていた、ヒナが巣から人一倍身体の大きなヒナに落とされて、踏みつけられているのが、それです。

親は、ピーチクパーチク叫んでいるヒナを盲目的に自分の子供だと勘違いするんですね。

実際のカッコウの托卵はそれほど成功しないとも聞いたことがあります。

そんなことばかりしていたら、されている鳥もよほどのアホウってことになりますからね。

実はそこまで成功率は高くないとのことです

住宅地Yonder (ヨンダー)の意味

住宅地の名前は、Yonder

英語で言うと、彼方・向こう側

といいます。

まさにぴったりの宅地の題名ですね

終の棲家とはよく言ったものです。

映画の深い意味 考察

本当に出演者も少なく、何かを考える余地もない本作
実は、意外と深い意味を持っていたりしないかを考えてみます

一言でいうと、ずばり

「社会の縮図・システムを風刺」している映画だと思います。

同じ色で同じ形の住宅に、そこに住む子育てカップルは現代社会そのものを風刺しているに他なりません。さらに彼らは隣の家や他の家には入ろうとしませんでした。干渉しないし、されないんですね。

子供の時の”それ”に対しての扱いと、トム(ジェシー・アイゼンバーグ)の”事なかれ主義”的な態度、話しても暴力を振るっても言うこと聞かない子供には、あとは庭堀り(仕事)にいそしみ、家族を顧みることもしない。母親のジェマ(イモージェン・プーツ)は”それ”の正体や本質を分かっているくせに、盲目的に気が付かないふりをして、母親役であり続けた。

そして、”それ”は、繰り返す言葉や言動は父と母の物まねであり、本心や本当の気持ちを隠し、テレビで放送されているわけのわからない文字や記号や絵は、子供の中でしかわからない世界観であり、学校や教師やメディアからの情報入力を指しており、親には”わからない”うちに、なんとなく、そしていつの間にか子供は育っていくことを指しています

さらに、”それ”は父が死んだ時には、物として扱って死体袋から空気を抜きますが、母親のジェマが死んだ時には空気を抜かないんですよね。これは、母への特別な敬愛を表していると思います。

もちろん、わかりやすい托卵、爬虫類のゲージ的なものも、宇宙や外世界からこの世界を見ると、こういうゲージに住んでいる昆虫や爬虫類のようなもので、取るに足らない存在で、個性のかけらもない”生き物”に見えるということでしょう。

バードボックス・バードゲージでなくビバリウムの謎 考察

カッコウの托卵から、普通に考えるとバードゲージ

まあ、どっかの映画じゃあないですけど「バードボックス」的な何か表現でもよかったはず

それが、ビバリウムって言う爬虫類などを育てる疑似環境の名前であった理由は、

正確にはちょっとわかりませんでした

無理やり考察すると、メタファー的な事柄ではなく

ストレートに、不気味な子供の”それ”が爬虫類系だったから

恐らくカエルの系列の生き物なんだと思う、”それ”は短命で死にそうなときにも体の色が干からびたように悪くなることから爬虫類もしくは両生類の類なんだろうということ!

傷を負った時に、空ではなく土の中に消えたことからもそう考えられます

カッコウの托卵に文字っているけど、”それ”と一緒に、トム+ジェマもビバリウムの中で飼育されている

観察対象なのです

そのビバリウムの外の世界に、飼育者がどこかにいるはずで

飼育舎の姿は、嘘くさい空の向こうにいるのだろうちうことだけですね。

結局のところ、ホラーではなく人生そのものを強烈に風刺しているように再確認する次第です

感想まとめ

トレイラーが破壊力ありすぎて、飛びついてしまいましたが

映画の展開は、退屈そのもの

不覚考察すると、こうだろうなってのは、分かるようなわからないような。

でも、ちょっと訴えかけなさすぎな感じがします。

いい評価を付ける方に聞きたいですが、「何回眠くなりましたか?」

って聞きたいですね。

この副次効果「眠くなる」「単調」もわざと狙っているものだとしたら、これはこれで凄い映画のような気がします。純粋なホラーとも意味が違うので、なんともな映画

トムとジェマに献杯!

ってことで、おすすめはしませんが、話題作であることに間違いはないです