『アウトレイジ』北野武監督の独特のヤクザ映画!余計にリアリティを感じる世界観:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信
映画『アウトレイジ』は2010年に公開された日本のヤクザ映画!”全員悪人”など過激なキャッチコピーが使われている本作は、製作段階から人殺しの道具やプロセスからストーリーを後付けで練ったほどの鉄板作品!
[showTable]映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む
海外の映画評論家の北野映画に対するコメントを見ていて、欧州圏内での評価が凄まじく高いことを改めて知った。
当然全員が全員が北野映画を褒めているわけではない一方で、かなりコアな北野ファンを抱えている点を考えると、やはり監督としての才能はすごいんだなぁと改めて感じた次第である。
さて、そんな北野映画には北野ブルーという色彩が特徴として描かれている作品が多いという。
え!?そんなん気がついたことないんだけど!?
と思ったので、改めて北野映画を見ようと思ったのだが・・・『キッズ・リターン』や『菊次郎の夏』とかじゃなくて、なぜかついつい今回紹介する【アウトレイジ】を見てしまった次第だ。
それではあらすじを早速説明しよう。
昔かたぎのヤクザである大友組。小さい組織ながらも厄介ごとを羽つけるイケイケの武闘派組織である彼らは、親元である村瀬組から池本組を締め付けるように指示を出されていた。彼らは貧乏くじを引かされたと考えながらも愚直に指令をこなそうとしていくのだが、事態は小さな構想に止まらず関東圏を統括する山王会を巻き込んだ大抗争に発展していき・・・
ヤクザ映画にありがちなヤクザの美学を描いたりする作品ではなく、そういった側面もあるけれどヤクザはヤクザ。みんな報われないんですよというストーリー展開が斬新だと感じた作品だ。
往々にしてカッコつけたようなヤクザ映画ってよりは、悪は悪であってカッコつけみたいな要素よりはしょせんは・・って方向性のほうが強い
複数のヤクザ組織が出ているのでストーリーが複雑になりがちかなと思われるが、テンポよく話が進んでいくため、あれ?この人誰だっけ?というようなこともない展開は素晴らしいの一言。
あとは、この人死なないんじゃない?みたいな先読みができず、登場人物ほとんどに死亡フラグが立っているのも見ている側としては飽きないのではないだろうか。
とまぁ真面目に書く一方で、個人的には北野武大好きなので非常に面白い作品だった。
あとは因果応報というか、悪いことしたらその分報いがありまっせ
という形で粛清されていく(特に物語後半)シーンが多かったのも、他のヤクザ映画とは異なるポイントではないだろうか。
個人的には拳銃バンバン撃ちすぎなんじゃないかと思うこともあるが、それはそれで物語を進めていく上では必要な演出なんだろう。
個人的には「ウルセェ馬鹿野郎!」的なセリフが圧倒的に多いのでなんか北野イズムを感じた次第だ・・・ただしかし!この映画を見るに至った理由である北野ブルーってどこ!?笑
確かに晴れ渡った晴天みたいな描写はなかったと思うが、ブルー要素ってあった!?(^^♪
個人的に気がついていないだけならばすいません・・・
後で調べると北野ブルーってのは、青みがかったトーン調整を指すようなので、気が付かなくてもいいか
と、それがきっと、映画の映像の方向性を与えて、それも含めて面白い映画だったってことだよねと自分に納得して、まぁ筆者の美的センスのなさで北野ブルーは気がつかなかったが、全体を通して面白い映画だと思う。ただ銃撃シーンが多いのでちょっとアクションより
いや、アクションってよりも人殺すことを前提に作られている映画らしいので
完全にグロ要素もあるわけで、ヒューマンドラマではないね
日本のヤクザと、アメリカン・イタリアンマフィアってなんかやっぱり演出の描き方は違い、思い出したついでに、『ゴッド・ファーザー』も、また見なきゃと脱線しつつ・・・
そして何よりも、出演俳優達が素晴らしい。椎名桔平なんてまさしくハマり役だと思ったし、塚本高史のチンピラ役も個人的にはどハマりの役だったんじゃないかと思う。
個人的には、結構粛清がえげつないやり方で行われていたのと、大友組がシノギを得るためのビジネスの作り方が狡猾かつえげつないなと思ったので、そこにも監督である北野武のこだわりがあったんじゃないかなとは思っている。
総じて言えば、一度は見た方がいい映画。もちろん子供に見せるにはちょっと・・・という部分がある映画ではある。変な話、『バトルロワイヤル』とかみたいな映画よりもより現代社会の闇を鮮烈に描いている映画なので、こっちの方が規制対象になるんじゃないかとも思ったりしたりする。
まあ、ヤクザ映画としては、個人的な感想としては、おそらく深作欣二作品の影響は少なからず影響は受けていると思われるので皮肉な話ではある。
余談だが、アウトレイジはヤクザ映画でありながらも、結構話題作になったので結婚式のビデオなどでアテレコをしたパロディがよく流されたりする稀有なヤクザ映画である。
それだけ、作中の馬鹿野郎!みたいなセリフが印象に残っているのだろうなぁと思う反面、作品を大衆受けするくらいまで世間に浸透させた北野武はさすがだと思う今日この頃。
総じて、めっちゃおすすめ
― hogeru -
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