『Joker』ジョーカー中毒注意3周目視聴中!見るほどに味が出る:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『Joker』(ジョーカー)は2019年アメリカのスリラー映画です。ピエロとして大道芸人をしながら、体の弱い母と暮らす心優しきアーサー。コメディアンを目指す彼は同じアパートに住むソフィーに恋い焦がれている。どん底の暮らしから抜け出そうともがくうちに、彼の中に狂気が生まれ始め、誰もが知るジョーカーへと変貌していく・・・
アメコミのダークヒーロー、ジョーカー誕生の秘密!
なんで、ピエロの恰好しているの?どうしてあんな残虐になったの?
そう思っていた方も本作を見れば、どうやってジョーカーになってしまったのか、全て分かります!
世界で大ヒットした本作!
賛否両論はありましたが、主演男優賞と作曲賞でアカデミー賞も受賞しています。
とにかくホアキン・フェニックスの演技が素晴らしすぎて、ダークヒーローのはずなのに魅了されてしまうのです。
かなりおすすめの作品です!
☆5のおすすめ(5点満点)
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
1981年、ゴッサムシティに住むアーサー・フレックはピエロの恰好で大道芸人のバイトをしながら、年老いた母と一緒に暮らしていた。
彼は突然笑い出してしまう持病を持ちながらも、コメディアンを目指し、大物司会者マレー・フランクリンのトークショーに出演する自分の姿を想像したりしていた。だが、ある日、トラブルを起こし、仕事を失ったアーサーは偶然電車で出くわした酔っ払い3人を衝動的に拳銃で射殺し、興奮を覚えてしまう。そこから、狂気のダークヒーロー、ジョーカーが誕生する。
映画情報&キャスト
『ジョーカー』 2019年 アメリカ
【原題】Joker
【監督】トッド・フィリップス
【脚本】トッド・フィリップス
スコット・シルヴァー
【製作】トッド・フィリップス
ブラッドリー・クーパー
エマ・ティリンガー・コスコフ
【製作総指揮】
マイケル・E・ウスラン
ウォルター・ハマダ
アーロン・L・ギルバート
ジョセフ・ガーナー
リチャード・バラッタ
ブルース・バーマン
【音楽】ヒドゥル・グドナドッティル
【撮影】ローレンス・シャー
【出演者】
アーサー・フレック/ジョーカー(ホアキン・フェニックス)
:コメディアンを目指す道化師。突然、笑いだしてしまう病気や貧困に苦しみながらも
母の面倒を見ながら暮らしている。
マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)
:トーク番組の人気司会者。
ソフィー・デュモンド(ザジー・ビーツ)
:女の子を持つシングルマザー。アーサーと同じマンションに住んでいる。
ペニー・フレック(フランセス・コンロイ)
:アーサーの母親。体が不自由で、アーサーに大富豪の家にメイドとして仕えていたといつも話す。
超感想中心の評価考察・レビュー
ジョーカーとは
今更恥ずかしくて聞けないけど、そもそも「ジョーカーって誰?」「何者?」と思っている方、実はいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、映画を観るまで実際のところそんなに知らない人も多いと思い、
ここで少し紹介いたします
ジョーカーとはアメリカンコミック「バットマン」に登場する架空のダークヒーロー!
1940年に「Batman#1”」で初登場し、ユーモアを持つサイコパスとして描かれました
1950年代には悪戯をする間抜けなキャラクター、1970年代にはダークなキャラクターとコミック倫理規定委員会により、時代を経て変化しています。
ジョーカーのお馴染みのスタイルと言えば、白塗りに緑の髪、裂けた赤い口が特徴的ですよね。
何故このスタイルになったのか、気になりますよね。
元になったと言われているのが、ヴィクトル・ユーゴー原作の映画「笑う男」に登場する俳優コンラート・ファイトのスチール写真
その写真を見てインスピレーションを感じ、製作者たちがスケッチしたのが始まりだと言われています。
確かにこの写真を実際見ると、ジョーカーに瓜二つ!
本当に口が大きくて不気味な笑顔。
写真を見るだけでも恐怖で逃げ出してしまいたくなります。
また、ジョーカーは「バットマン」シリーズは勿論のこと、最近では「スーサイド・スクワッド」にも登場していて、設定も実は少しずつ変化したりしているのです。
例えば、2016年「スーサイド・スクワッド」では、原作通り薬品槽に落下し顔が白くなったとなっていますが、2008年「ダークナイト」、2019年「ジョーカー」では自ら白塗りをしているという設定になっています。
作品や俳優さんによっても、自分なりのジョーカーを演じているようです。
ホアキン・フェニックスの怪演!
ジョーカーというキャラクターについて少し理解したところで、次は本作でジョーカー役を演じたホアキン・フェニックスについて触れていきたいと思います。
ホアキン・フェニックスはアメリカの俳優で、ハリウッドきっての個性派俳優と言われています。
代表作としては新興宗教が題材だった「ザ・マスター」や最近ではAIと恋に落ちてしまう孤独な男性を演じた「her/世界でひとつの彼女」などが記憶に新しいですよね。
そんな彼が本作では沢山の名俳優が演じてきたジョーカーを演じるという事で期待大です!
ジョーカーを今まで演じてきた俳優は有名なところで言えば、1989年「バットマン」でコミカルでありながら、暗いジョーカーを演じたジャック・ニコルソン
2008年「ダークナイト」が公開前に亡くなったヒース・レジャー
「スーサイド・スクワッド」でイケメンのジョーカーを演じたジャレッド・レトなどがいます
ですが、本作のホアキン・フェニックスは一癖二癖もあるジョーカーを見事に演じ切っています。
それが惜しみなく表現されていると感じるのは、幾度となく登場するダンスです。
最初は人とのコミュニケーションが苦手だったアーサー、下を向いて煙草ばかり吸うようなイメージがあります。そこから、白塗りをし、ジョーカーとなった彼はお茶目でチャーミングな動きをするように変化します
この変化の見せ方も素晴らしすぎますが、特に目を引くのが階段でダンスをする象徴的なシーン。
初めての殺人を犯し、自分が初めて解放されたと言わんばかりのダンスです。
まさにダンスのシーンは彼の中の狂気が姿を現したと言っても過言ではありません
元々、ダンス経験者であったというホアキンはほとんどアドリブで踊っていたそう。
彼ならではのジョーカーの異常性を表現した演じ方に拍手を送りたいですよね!
賛否両論の嵐!あなたの意見は?
全世界で興行収入50億円を突破しているジョーカーですが、実は評論家の間でも賛否両論がありました。
何故、そんなに意見が割れてしまうのか、不思議ですよね。
まずは、絶賛している意見から見ていきたいと思います。
それは主人公が持病を持ち、弱者であること。
世の中には沢山の人間がいます。暮らしに困らないお金持ちもいれば、貧しく病気を持つような人間だっているのです。
その格差という現代の問題を教えてくれる存在として上手く描かれた作品だという意見です。
また、そういう弱者である人間が犯罪者になりかねない危険性があると訴えかけているという意見もあるだろうと思います。
その一方で、反対意見を見てみましょう。
それはまるで1976年「タクシードライバー」を模しているという意見です。
「タクシードライバー」の主人公トラヴィスも確かに政治家の暗殺を計画したり、世の中への不満を持っていたりしています。
実際、トラヴィスを演じたロバート・デ・ニーロも本作では有名司会者マレーとして出演しています。
まさに、その通りあえてオマージュをしているのかもしれませんね。
また、このようなアメコミ原作の作品なのにもかかわらず、社会風刺を加えるのはどうか、という意見やピエロの恰好をして顔を隠して犯罪を犯すような人間を美化して描くのはどうなのか、真似してしまう人間がでてきてしまうのではないか、という意見があったのも事実です。
実際、2012年「ダークナイト ライジング」の上映中にアメリカで乱射事件が発生もしているので、その意見には少し賛成できますよね。
皆さんはどう感じましたか?
arako自身は半分半分というところでしょうか。
ホアキンの芝居はとても素晴らしいですが、ジョーカーに感情移入しすぎてしまうというのは危険だと感じてしまいます。
こんな大人にはなるな!ジョーカーのセリフ・名言から見る危険ポイント
ジョーカーの中には沢山の名言が隠されています。
「あ、わかる!」「納得」という方もいらっしゃったのではないでしょうか?
しかし、そこには先ほども書いたように、あなたもジョーカー予備軍になってしまう可能性が潜んでいるのです。
そこで、今回はその名言のいくつかをご紹介しながら、ジョーカーにならないように気を付けるにはどうしたらいいか考えていきたいと思います。
・「狂っているのは僕?それとも世間?」
持病の診察でカウンセラーにアーサーが話すシーンのセリフです。
貧しい暮らしに対する不満をカウンセラーにぶつけているのでしょう。
一市民で権力もなく、弱者であるアーサー。どうしようもないこの貧しくて、卑しい暮らしを打破したいという気持ちが表れています。
何かをしたいけど、何もできないで人に相談しているだけ。
それってどうなのでしょうか?自分で新しいことを前向きに始めたら?と言いたくなります。
・「自分が存在するか分からなかった。でも僕はいる。世間は気づき始めた」
地下鉄で酔っ払いを殺し、カウンセリングを受けた時のアーサーの言葉です。
今まで弱者で、存在すら認識されないような人間だと思っていたアーサーですが、殺人に手を染めたことで悪いと思っている奴に手を自分で下せるようになり、世間にも自分の存在を認知されるようになったと思っているのです。
ずっとコメディアンになることを夢見ていたアーサー。
ですが、違う方法であれ、人に認められたい、評価されたい、認識されたいという気持ちがこの結果を招いてしまったのでしょう。
違う方法で評価されたいと思ってくれたら・・・と思いますよね。「恐ろしい」の一言しかありません。
・「人生は悲劇だと思った。だが今分かった。僕の人生は喜劇だ」
病院で母を殺す前に言うセリフです。
まさにチャップリンが言った「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」と同じ意味でしょう。渦中に悲しい気持ちが先立ちますが、他人から見たら笑い話でしかないのです。
そうやって聞くと、一見、前向きそうに聞こえますが、このアーサーの意図はちょっぴり違います。全部やけくそなのです。
上手くいかないこと、悲しいこと、辛いこと、嫌なこと、全部が彼に荷物として重くのしかかり、「いろいろ大変すぎて、笑えちゃうよね」と言っているのです。
人生には色んなことがありますが、みんなだって苦労しているのです。彼だけが大変なわけじゃないのです。それを分かってほしいですよね。
・「喜劇なんて主観さ。この社会だってそうだ。善悪を主観で決めている。自分で決めればいい。笑えるか、笑えないか」
憧れていたマレーにトークショーで話すセリフです。
このセリフは決定的です。
「良いか悪いかは自分で決める!」と言ってしまっています。
世間の人たちがそう出るなら、僕もそうするよ!という開き直りです。
確かに、権力者が優位に立つことだってこの世の中にはたくさんあるかもしれません。ですが、だからと言って開き直って気に入らない人には自分で手を下すというやり方はよくありません。
・「社会にごみみたいに扱われた男だ!報いを受けろ」
同じくマレーに言ったセリフです。
彼の中では憧れていたマレーに馬鹿にされたと思っているのが大きいのでしょうが、これがまさにジョーカーの完成形のように思えます。完全に悪の行為でしかないのに、自分では正義のつもりなのです。
これが全ての今までを網羅した言葉でしょう。本当に恐ろしい限りです。
皆さんはいくつジョーカーに共感しましたか?
少しの考え方の違いでこんなに恐ろしい殺人犯になってしまう可能性だってあるのです。
ジョーカー予備軍にならないように、これを読んでぜひ気を付けてくださいね。
海外の評価 2021/03時点
先ほども書いたように、かなりの興行成績を収めはしましたが、評論家の意見は真っ二つに。
暴力的なシーンなどが多い上に、それを美化するのはどうなのだろうという考えも・・・。先ほども述べたように、そういわれても仕方ないのかもしれません。
Metascore
(評論家)59 User rating 9.0/10
TOMATOES
(評論家)69% Audience 70%
映画の感想まとめ
とにかくホアキン・フェニックスの芝居が素晴らしいという事は間違いありません!
そして、一度は必ず見てほしい作品です。
ですが、ジョーカーがカッコいいからと言って彼の真似をしたり、彼の意見を丸のみにしたりするのはやめましょう。
映画は現実のように見えますが、現実ではありません。
そこを踏まえて、ぜひ一度はダークヒーロー、ジョーカーの世界に触れてみてはいかがでしょうか?
こんな大人にはなってはいけないよという警鐘を鳴らすような作品ですが、是非、一度は必ず見ていただきたい作品です。
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