『あの頃、君を追いかけた』バカ笑い出来る青春は世界共通! 日本でもリメイクの台湾青春映画:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信
映画『あの頃、君を追いかけた』は2011年公開の映画!青春の世知辛くも甘酸っぱい大切なメモリーを映像化した本国台湾では大ヒットした青春あるある映画、日本でもリメイクされている!
[showTable]映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む
コロナのせいでめっきり外出する機会が減った今日この頃、趣味もアウトドアからインドア系が必然的に多くなっていく。
最近Kindleで周囲の目を気にすることなく少女漫画の『君に届け』を大人買いしたこともあり、気分はすっかり青春モード。そんな中見つけた映画が『あの頃を君を追いかけた』だ。
『あの頃を君を追いかけた』は2018年に日本で某坂道系アイドル主演でリメイクされて話題になっていたが、原作は台湾の人気作家の自叙伝小説を題材とした台湾の映画である。
最初は日本版を観ようかなと思っていたが、クラスメイトにアイドルみたいな美少女なんかいねーよ!という偏見と嫉妬心に加えて、日本版はリメイクだと知り、やっぱりここは原作からでしょという几帳面な性格から台湾のオリジナル版を観ることにした。(^^♪
台湾の映画には、そこまで精通していないし正直期待値はかなり低かったが、
これがなかなかというよりもかなりの名作映画を発見したと思っている。
物語は、主人公のコートンがスーツを着ているシーンから彼の高校〜大学生活を振り返る形で進んでいく。
高校生のコートンは勉強嫌いなどこにでもいる普通の男子高校生。友達と席が近かったり、先生から見えにくい後ろの席に座らせると勉強しない上に授業妨害に近いレベルで遊び始めるので、先生によって優等生であるチアイーの近くに座らされる。
最初はおふざけバカ男子と優等生女子の組み合わせということもあり反目しあうのだが、ひょんなきっかけから仲良くなっていく・・・
まぁー絵に描いたような王道ですよ!😍
ある日蜘蛛に噛まれて超人的な能力を授かったり、マッチョなゴキブリが火星から攻めてきたりみたいな要素は一切なし!
優等生の美少女が先生後任のお目付役ってラノベかよ!
というツッコミは置いておいて、本当にみんなが共感できる日常が描かれているのが最大の見どころ。
そんな日常描写ばっかりだと飽きちゃうじゃんと思われるかもしれないが、男子高校生あるあるな小ネタが満載なため観ていて全く飽きない。
同級生のあだ名が下ネタ満載だったり、厨ニ病みたいなふるまいするやつがいたり、女子生徒に対する接し方が理解不能なやつがいたりと笑えるシーンが満載なのである。
まぁでも台湾も日本も関係なく世界共通で男子高校生ってそんなもんだよね。また、余談ではあるが、本編には全く関係ないところでのコートン達の日常会話で、井上雄彦の『スラムダンク』が登場しており、かなり盛り上がって使われる。
スラムダンクってやっぱすげー!
そんなおバカな男子高校生の日常生活を描きながら話が進んでいくのだが、
コートンと優等生チアイーとの距離感の縮まり方の描写もこれまた絶妙。コートンのある漢気全開な行動がきっかけで、チアイーはコートンに勉強を教えるようになっていく
本当に徐々に徐々に二人は仲良くなっていく。
二人の仲良し度パラメーターとしてチアイーによるペンでの突き刺し攻撃をみると分かりやすい。
チアイーはコートンと最初仲がよくないため、コートンへの呼びかけのためにペンで肩をつつくのだが、おおよそ呼びかけとは思えない勢いでつつくため最初見た時びっくりした。
最後の方は、それはもうイチャイチャとしか思えない距離感のため、思わずリア充爆発しろ!
といいたくなるけど実はうまくいくように応援しちゃうぜ!という相反する気持ちで感情移入してしまうことは間違いない。
そんなこんなで青春全開な高校生活が過ぎ、映画の後半では高校卒業をきっかけにそれぞれ別々の道(大学)に進んでいく。
コートンは仲の良かった友達と会う頻度が減ったり、高校卒業をきっかけに付き合ったチアイーとのすれ違いが起きたりと、学生や社会人となる季節の節目あるあるがこれまたさりげなく描かれており、大学生活を経て最終的に映画冒頭のコートンがスーツを着るシーンへと繋がっていく。
ラストのエンディングはネタバレになってしまうのでここでは触れないが、
映画は全体を通して本当に素晴らしいの一言。映画『イニシエーションラブ』みたいな騙されたー!
みたいなオチではないが、大人になっちまったなぁって感じたエンディングであった。
多分観る人(現役の高校生や大学生と社会人になった人)によっては、同じストーリーながら感じ方がまったく異なるにも関わらずどんな人が観ても面白いと感じるはずの映画。
社会人になって、大人になりこの映画を見るのと、できれば高校生の時に見るのとでは感情移入の仕方が半端なく違うでしょうね。
昔に戻って、一度映画を観て、社会人になった後もう一度改めて鑑賞したいと思わせるような映画だった。
最後に本国台湾ではこの映画が社会現象になるレベルで流行ったようだが、
日本ではあまり知られていない。台湾版があまりに素晴らしかったのでその流れで日本版も鑑賞したのだが、クオリティに差がありすぎるのがやっぱり一番の原因。比べるまでもなく台湾版が大差をつけて圧勝だ。映像技術が進んだ上に、こんなに原作が素晴らしい作品を、話題のアイドルを主役にすえて、アイドルファンの観客が何人来るかといった逆算的な発想で映画を撮っている日本の映画界は一体どこに向かっていくのか心配してしまう今日この頃でした。
ぜひに見てほしい。
― hogeru -
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