『イングロリアス・バスターズ』第2次世界大戦を最高にエンターテイメントな反戦架空タランティーノ風刺ワールド!:動画配信・映画感想あらすじ考察
『イングロリアス・バスターズ』はナチス・ドイツを徹底的に痛めつける痛快・妄想大全開のタランティーノ監督の架空長編歴史映画。ブラッド・ピット演じるレイン中尉がバスターズを指揮して、ナチス・ドイツ陣地に痛快に切り込んでいく。
クエンティン・タランティーノが、脚本・監督として、練りに練り上げられたストーリーは誰もが引き込まれる事間違い無しです。
第82回2009年アカデミー賞では、8部門にノミネートされ助演男優賞を獲得しています。タランティーノの『パルプフィクション』を越えて自身の興行成績一位になるなど話題作です。
その辺の眠くなるアカデミー賞作品とは違い、間違いなくおすすめです。
あらすじ ネタバレあり
ユダヤハンターのランダ大佐に追われる、ユダヤ人少女ショシャナは命からがら逃げのびフランスのパリに潜伏する。
連合アメリカのレイン中尉はユダヤ系アメリカ人などドイツに恨みのある人々を中心に「バスターズ」秘密部隊を組織した。
バスターズの目的は敵地奥深くに潜入し、ドイツ人を血祭りにあげること!
ドイツ人に対してはどんなことでも行い、情報を聞き取った後には一人を残して全員殺し、その一人にも鍵十時の烙印をして逃がし、「頭皮を剥いでいる」ことを宣伝させた。
そして、ドイツ軍の間では、レインの部隊は「バスターズ」として怖れられてきた!
一方ショシャナはパリで身を偽りながら映画館を営んでいた。ドイツ軍最優秀狙撃兵フレデリックから一方的に好意を寄せられ、パリで開かれるナチス高官の集まるプレミアム上映の上映会場をショシャナの劇場を推薦される。
バスターズもプレミアム上映の話を聞きつけ、ヒトラーの暗殺を企てる。ショシャナもナチス高官に一網打尽で復讐する計画をねるのだった。
プレミアム上映のその幕が切って落とされる・・・
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[showTable]映画情報&キャスト
『イングロリアス・バスターズ』 2009年 アメリカ
【原題】Inglourious Basterds
【監督】クエンティン・タランティーノ
【脚本】クエンティン・タランティーノ
【製作】ローレンス・ベンダー
【製作総指揮】
ロイド・フィリップス
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
エリカ・スタインバーグ
【撮影】ロバート・リチャードソン
【編集】サリー・メンケ
【出演者】
アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)
:ひたすらドイツ軍の粛清・撲滅を図る
バスターズを率いる隊長、中尉
ドニー・ドノウィッツ(イーライ・ロス)
:バスターズ
ショシャナ・ドレフュス/エマニュエル・ミミュー(メラニー・ロラン)
:ユダヤ人、ランダ大佐の魔の手を逃れ
フランス人を装う
ブリジット・フォン・ハマーシュマルク(ダイアン・クルーガー)
:ドイツ人、有名女優
連合軍に密かに協力する
ハンス・ランダ親衛隊大佐(クリストフ・ヴァルツ)
:ドイツ軍ナチスドイツ親衛隊
切れ者で、ユダヤ人を探し出すのが得意
感想考察
タランティーノの妄想が溢れる架空歴史
『イングロリアス・バスターズ』を見ると、あれ?と思うことが多々あります。
そうです。タランティーノの長年の脚本練り上げによる、架空の歴史なのです。
タランティーノ作品らしい部構成になっていて、いろんな散らばって伏線がどんどん回収されていきます。この辺は流石のタランティーノ尻上がりにのめり込めるように面白くなっていきます。
タランティーノはハリウッドの中でも有名なほど『イングロリアス・バスターズ』の脚本にのめり込み8年もの間書きためたそうです。
クエンティン・タランティーノへのインタビューによると、同じシーン何度も撮影も繰り返して、それでも思いつきをどんどん次の日にも撮影に加えていく熱の入れようとのこと。
インタビューでは、
この映画は確かに架空で存在しないキャラクターだけど、クエンティン・タランティーノの中では確かに存在し、彼の中で作り上げた存在する歴史でキャラクターでり、見る人がどう感じるのも自由で楽しんで欲しいとのことですから、自信もありありとうかがえます。
個性の強いキャスト
イングロリアス・バスターズといえば、ブラッド・ピットと思い浮かぶかもしれません。
確かに癖の強いキャラクターと喋り方は独特で、レイン中尉を演じています。先祖がアパッチでるとのことからドイツ人の皮を剥ぐことをバスターズ達に命令するのも忘れられないシーンです。
レイン中尉のアゴをわざとしゃくれたようにしているのも、クエンティン・タランティーノへのオマージュがあるとの味方もあり、タランティーノがそうさせたのか、ブラピのキャラクターがそうさせたのか想像するだけでも楽しくなってしまいます。
”ほげる”的には、ハンス・ランダ親衛隊大佐(クリストフ・ヴァルツ)の存在が大きかったと思います。
クレバーでいて真面目でチャーミングな振る舞い、清潔な潔癖症でありながら
冷徹なナチであり、ラストシーンでは抜け目のない卑怯者(ドイツを裏切る行為を平気で出来る)
そんなキャラクターを演じきれる人はそういません。
見ていても光る演技があり、クリストフ・ヴァルツがアカデミー助演男優賞を獲得するのもうなずけます。さらに彼は英語・フランス語・ドイツ語、イタリア語を話せるなんて凄すぎです。
タランティーノとプロデューサーローレンス・ベンダーへのインタビューでも彼を見つけたときの小躍りする様をコミカルに話してくれています。
クリストフ・ヴァルツ自身もインタビューで、タランティーノからは毎日いろんなアイデアをぶつけられたことを話しています。
もう一人個人的に注目したいのが、この映画で頭角を表したのがメラニー・ロランですね。
美しい顔の向こうにある狂気(復讐心)がもの凄かった。
中々良作に巡り会えない彼女ですが、出演する作品によっては大化けするのではないかと思っています。
一方で、ダイアン・クルーガーはいまいち存在感が感じられませんでした。
ただの美しい女優さんって感じで、『トロイ』や『ナショナル・トレジャー』のような光るものが少し足りなかったように感じます。
映画タイトルへの思い『イングロリアス・バスターズ』と意味
タランティーノ自身が映画タイトルの意味としては、「名誉なき野郎ども」としています。
名前には、色々な想いが込められていて、史実の歴史に対しての歴史観も入っているでしょう。フランスの反戦映画である、『追想 (1975年の映画)』へのオマージュも相当入っています。
反戦がストーリーの中核にありながらも、タランティーノらしいエンターテイメント性や映画の中で直接的にストーリーに意味の無い台詞回しが、映画の中に生き抜きポイントを作り、メリハリのきいたタッチで架空であることの実感と戦争に対する嫌悪感を感じさせてくれます。
しかも暗くない、陰湿なところのない構成が素晴らしく、
映画タイトルもそうならっているようです。(綴り間違い)
タイトルそのものは、イタリア映画の『地獄のバスターズ』からインスパイアされているとのことです。
映画の感想まとめ
『イングロリアス・バスターズ』は、間違いなくおさえておきたい名作?です。
第二次大戦への反戦や戦争を繰り返さないための、ナチスの非人道的行為や、残虐性をうったえる映画は数知れずあります。それはそれで素晴らしく、特にアカデミー賞を受賞するような作品ではどれもこれも胸を打たれます。
合わせて読みたい反戦映画 『 戦場のピアニスト』
イングロリアスでは、そういう要素がエンターテイメントで置き換わり、架空の歴史に中でもしもストーリーとして痛快さがまします。トム・クルーズの『ワルキューレ』とかそういう感じでも無く、まさにクエンティン・タランティーノここにありって作品です。
視聴者からすると、『パルプフィクション』の伏線に加えて、『キル・ビル』のわくわく感、それに西部劇が加わり悪人を退治するような痛快さが本当に見事にマッチしています。
戦争映画を元気たい時におすすめの作品です。
でも、少し長いです!
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 5
キャスト 5
ストーリー構成 5
初見で読み取れない謎 4
いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、に超面白い作品と思います。
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