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『ターミネーター:ニュー・フェイト』進化してないパラレルワールドのターミネーター:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-03-09

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、シリーズ第6作目にあたり、T2からの正式な後継ストーリーとのキャッチフレーズに公開された新エラとでも言うか、T2とは違う世界観の新しいターミネーター!愛息子のジョンを殺されたサラ・コナーは未来からの新しいアンドロイドから、未来の鍵を握るダニーを強化人間グレースと共に守ることが出来るか!

2019年公開の話題の『ターミネーター2』の続編に当たる、ニューフェイト!新しい運命と名前を冠する本作品ですが、前作T2からジェームス・キャメロンが正式に再参画した力の入れよう!

期待の映画です

話題性十分、T3,T4、ジェニシスは、そう忘れましょう。

新たな気持ちで、こちらもリセットして見始めます。

エンターテイメントとしては、おすすめ出来る作品です!

が、しかし、しかしですよ。

ターミネータファンとしては、残念なところも多々あり。

その辺の感想を綴ってみました。

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ターミネーター:ニュー・フェイト

人類がAIに滅ぼされる「審判の日」を回避してから1年、1998年のグアテマラでサラと息子のジョンはつかの間の休息を楽しんでいた。父親カイルを殺した同型アンドロイドT800(未来のジョンが送り込んだ)と共に1995年にT1000のジョン暗殺を阻止した二人は安心しきっていった。その時T800(かつでの仲間と違うアンドロイド)がジョンをグアテマラで殺した。全ては終わったはずだったのに・・

時はうつり2020年メキシコ、アンドロイドREV9と一人の強化人間グレースが未来の世界から送り込まれた。ダニー・ラモスの命を狙ったREV9を阻止すべくグレースは一人奮闘する。
突然サラ・コナーが現れ、ダニー・ラモスとグレースを助けるが、サラ自身も二人と未来の関係はわかっていなかった。 既にサラの知っているスカイネットに支配された未来も、阻止した未来も書き換わっていた。
サラに情報を渡していたのは、ジョンを殺したT800(カール)だった。人間に近し心を手に入れたアンドロイドが次元変動のエネルギーを感知しては、サラに罪滅ぼしのための情報を渡していたのだ。

ダニー・ラモスは未来の世界のリーダーだった。
REV9からダニー・ラモスの命を守り、グレースとサラ、T800(カール)は未来を救えるか・・

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映画情報&キャスト

『ターミネーター:ニュー・フェイト』イメージ画像
http://www.foxmovies-jp.com/terminator/ 公式HPより

『ターミネーター:ニュー・フェイト』 2019年 アメリカ
【原題】Terminator: Dark Fate
【監督】ティム・ミラー
【脚本】デヴィッド・S・ゴイヤー
    ビリー・レイ
    ジャスティン・ローズ
【原案】ジェームズ・キャメロン
    ゲイル・アン・ハード
【原作】ジェームズ・キャメロン
    ジャスティン・ローズ
    ジョシュ・フリードマン
    デヴィッド・S・ゴイヤー
    チャールズ・H・イグリー
【製作】ジェームズ・キャメロン
    デヴィッド・エリソン
【製作総指揮】
    ジェームズ・キャメロン
【出演者】
サラ(リンダ・ハミルトン)
 :人類を救いながらも
  ターミネータに息子ジョンを殺された女性
T800(アーノルド・シュワルツェネッガー)
 :ターミネーター
  ジョンを殺したアンドロイド
  既にAIの命令はなく
  人間に近い気持ちが宿っている
グレース(マッケンジー・デイヴィス)
 :未来から来た強化人間
ダニー・ラモス(ナタリア・レイエス)
 :未来からのREV9アンドロイドに命を狙われ、
  グレースに助けられ
REV9(ガブリエル・ルナ)
 :ダニーの命を狙うアンドロイド

映画感想・評価『ターミネーター:ニュー・フェイト』

ジェームス・キャメロンの再加入

youtube.comより

『ターミネーター』シリーズとして、実に6作目に当たる本作品、ニューフェイト。原題ではダーク・フェイトとなっているので、邦題で何か意味を持たせたかったんだろうなと思います。

暗い運命から新しい運命へと、何か小賢しさを感じますが、まあ置いときましょう。

以降所々でネタバレ含みます

ジェームス・キャメロンがメガホンでなく、製作総指揮と言うことで新しい何かがあるのではないかと期待を込めて見てしまうことでしょう。

良い面と悪い面が会ったと思います。ジェームス・キャメロン自身は生みの親としてのシリーズ構想と終わらせ方を模索していて、この形を取ったのだろうと思います。

この形ってのは、平行異世界ね。

合わせて読みたいジェームス・キャメロン作品

もうアナザーストーリーで良くないか?

タイムマシンとかタイムスリップが本当にあるわけでもないし、現時点で空想科学的なものだから何でもありなんでしょうが、SF大好きの”ほげる”的には、確定した未来は変わらないってのが普通の考えだと思います。

だって、未来が変わってしまっていたら他のSFが困ってしまうじゃないか。

と言うのはさておき、

『ターミネーター』 :カイルがサラに子種を残す ストーリーライン守る!
『ターミネーター2』:審判の日の日程が微妙に変わるが、
           大きくは流れは変わっていない
           ラストシーンでT800は破壊されても、審判の日が回避されたとこまでは言及無し
           来るかもしれないし、来ないかもしれない
           
この流れで、

本作は、T2の完全なる後継とか銘打った上で描かれていて、

「審判の日」が回避された、平行世界です。かつジョンが審判の日以後に殺されています。しかもT800に!

感覚的に、ここがピンとこないです。

回避された未来なら、T800も存在しないわけで、存在しないのに、T800がまだ現在に存在して暗殺を履行してしまう!

そうすると、カイルも未来から送られてこなかったわけで、T1そのものが成り立たなくなる。

要約すると、T1の世界観はT2でぎりぎり成り立っています。T3はねじ曲がった未来が既にありますが、
T1の世界観がベースにもあるので、映画T1ワールドはT3で終わり!

本作は、T1と平行する、パラレルワールドとしてスッキリした方が良かったと思います。

なので、そうするとT800シュワルツネッガーが登場するのは、おかしい!(スカイネットの未来はないのだから)

ってことに繋がります。

映画の中で、サラ(リンダ・ハミルトン)も言っていた通り、「回避された未来」なのだから。

シリーズものでなく映画としてみると

一方で、アクション・SF対策としてみると、面白く見ることができました。

グレース(強化人間)なんて、新しい考え方が入りこみ色々と演出やド派手なアクションがあり。

やるなら、徹底して例えばマイケル・ベイ監督を撮影陣にくわえるとかすると、面白かったかもしれませんね。”たられば”ですけどね。

アクションそのものはそこそこですが、

新たなターミネーターREV9からの逃走パターンはなんとなくT1,T2とワンパターン化してしまい、カーアクションだったり、トレーラーやバスなど大型車で追いかけられたりとメタファとしてT2へのオマージュ的な要素が強いのかもしれませんが、どことなく既視感が強く働きました。

ようは、この部分だけ取ると、ワクワク感が少なく、つまらなかったですね。

技術的演出にはドキモを抜かれた

一方で、ジェームス・キャメロンは冒頭のシーンからドキモを抜いてくれました。

そのシーンは、ジョンが殺されるシーンです。

そうです。前作の『ターミネーター2』からすでに約30年の年月が経っているのに、エドワード・ファーロングとリンダ・ハミルトンが、当時のままに演技しています!

凄すぎる、ダブルジャストで演じた後にCGを合成して、作り上げています。現在のエドワード・ファーロング(2019年時点)の体型を見ると、本当に凄さを実感できます。

技術ってここまで来たか!

youtube.comより 現在のエドワードファーロング!

いちゃもん付ければ、そりゃあ色々ありますけど、素直に凄いと思いました。

ハイビジョンで見ていても、違和感なし。

新聞記者とのインタビューで、当のエドワード・ファーロングはこのシーン気に入っていないと伝えられています。(ちょっと 今鏡見ようよと思ってしまいました。)

そのまま成長していれば、、、ショーン・ビーン(『ロード・オブ・ザリング』のボロミア)とかノーマン・リーダス(テレビドラマの『ウオーキング・デッド』のダリル) ばりの渋いおじさんになっていたはずが。。。

何故REV9は黒いのか

答えは、監督の趣味に合ったと推察しています。

ティム・ミラー監督は、『デッド・プール』で監督、『マイティ・ソー ダークワールド』等をディレクターとして手がけています。

でも違うんですね、REV9が黒い片鱗は、ティム・ミラー監督が手がけた、『ドラゴン・タトゥーの女』のオープニングシーケンスにあります。

そうです、あの格好いい、黒い液体が動き回るオープニングです。

youtube.com

『ターミネータ』ファンとしての残念ポイント

それは、ずばりターミネータの進化がない。。。

いか、ターミネーターアンドロイドの簡単な特徴です。

  • T1:不死身の機械
  • T2:液体金属
  • T3:液体金属風、武器なら何でも実装している、機械を思い通り操れる
  • ジェニシス:ナノ粒子でできたボディ
  • ニューフェイト:液体金属+分身

あれ?
あれ?
あれ?
進化ないよね。
ここは本当に残念でした。

その分、グレースの強化人間ってのがもの凄く新鮮さを感じましたね。

海外の評価

評価は、やはり娯楽映画としてはいいですね。

批評家からも良い!

”ほげる”とは違うんだな。いや、面白かったけど物足りなさが。。。

  • iMDb: Metascore 54点 6.3/10
  • TOMATO:70% / Audience:82%

映画の感想まとめ

並外れたスケールの大きさ、それはよくわかります。それに楽しめました。

ものすごく、アクション・SF映画自体も面白いし、ジェームス・キャメロンの力のいれ具合も共感しますし、楽しめました。

ただなー、全体的に期待が大きすぎた反面、残念でもありました。

エンターテイメントとして、純粋にアクションSF映画としては、おすすめです。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       3
 ストーリー構成    3
 初見で読み取れない謎 3