韓流バナー

『地球へ・・・』SFの幕開け!竹宮恵子原作の超能力の金字塔:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-03-28

『地球へ・・・』テラへは2007年にもテレビアニメ化されたが、さらにさかのぼること1980年にSF漫画原作でいきなり映画化されたのは初であろうアニメの金字塔的なアニメ映画!古い映像ながらもSF要素、世界観がきっちりと詰め込まれている優良アニメ!人類とミュー二つの異なる種が闘い地球の大地はどちらのものなのか数百年にわたる答えが今出る!

絶対需要ないだろうなぁ、

こんなアニメ映画、好きなの自分くらいだろうなぁと思いながら筆を執ってしまいました。

昔から好きで、こういう世界観と重厚な背景設計がたまらなくいいです。

テラって言葉、フレーズもいいですね。

そういうことで、おすすめ作品です。

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ネタバレ!

『地球へ』イメージ画像
iMDbより https://www.imdb.com/title/tt0081648/mediaviewer/rm3609603072

地球の厳格なSD体制の元、出産は全てが試験管で産まれる管理体制が敷かれていた。アタラクシア・シティーでは子供達は14歳になると成人の日を迎え、教育ステーションへ行くための成人検査と言う最終試験が行われる。それまでの記憶を消され、画一した人格・能力として教育ステーションで受け入れるためだ。

ジョミーは14歳になる少し前から、奇妙な夢を見るようになる。夢には若い男と女が出てきて語り合っている夢だ。
シティーは幻覚な監視管理体制が敷かれている、毎晩見る奇妙な夢とジョミーの言動も監視されていた。
シティーはジョミーをミュー(超能力者)かどうかを調べるためにエスパー検査を行う。エスパーだった場合には、反乱分子として排除するためだ。

14歳の日、両親との別れ成人の日を楽しもうとするがシティーはミューを排除するためジョミーに攻撃を仕掛けてくるが、ミューの長ソルジャーブルーが寸前のところで助けてくれる。
ジョミーは巨大な能力を有するも、ミューとして自分を認められないでいた。ジョミーはソルジャーブルーとの会話でパニックに陥り、能力を一気に爆発させ、大気圏外までジャンプしてしまう。ソルジャーブルーがジョミーを抑え助けるも、ソルジャーブルーの寿命は既に力の発揮と共に限界に来ていた。
ソルジャーブルーは死を迎え、ジョミーを次のソルジャーへ指名した。

3年後、教育ステーションにて教育を受けている子供達の中にキース・アニアンがスーパーエリートとしていた。キースは常にミュウと人類の存在に対しての疑問を持ち続けていた。またキース自身の出生についても謎が多かった。
そんなときミューの長であるジョミーからテレパシーでの通信があるが、キース以外全ての人にとっては思念波は攻撃にしかならず、キースは見事にバリアを張り教育ステーションを救うことに成功し、さらにトップエリートとして歩み始める。

一方でミューの一団は、惑星ナスカで一時の安堵を安全な生活を手に入れる。若いミューたちはナスカで人類に関わらずに生きて行くことを選択しようとしていた。長老たちは人類の日動作を訴えるが、新しいミューの長ジョミーもまたナスカで試験管でなく女性の母体を使った自然分娩に生きる希望を宿していた。

5年後、ナスカでのミューの生活は安定した。ジョミーとカリナの息子トォニィーも含めて自然分娩の子供たちも強く育っていた。人類の探査船が偶然ナスカに近づいた事で事態は急展開する。探査船に乗っていたのはジョミーの幼馴染のサムだった、記憶を改善せずに他の惑星に偽装工作をすることでナスカを隠そうとしたが、キースに見破られてしまう。
キースがナスカに近づくとテレパシー攻撃を受け、キースは捕虜になる。

フィシスが何故かキースとテレパシーを交わらせ逃走経路を教えてしまう。キースは逃亡するときにトォニィーに怪我を負わせカリナは発狂状態となり死亡してしまう。トォニィーはカリナの死で急変体して少年にまで育ちキースの攻撃を100%予知した。
キースが地球に戻ると体制を立て直し、ナスカへ総攻撃をかけ、ナスカに残ろうとした若いミューを含めほとんどのミューが死んでしまう。
ジョミーはナスカでの救出作業で、五感を失い超能力も閉ざし、心を閉ざしてしまった。

数年後、トォニィーを中心とした新ミューの攻勢は地球まで迫っていた。
地球が幸福を決める間際にキースは地球の国家元首となるが、背後には地球を操るスーパーコンピュータ”マザー”がいた。最後まで抵抗したマザーをジョミーが破壊に成功するが、最後にマザーにより洗脳操作されたキースがジョミーを撃ち、キースは初めて自身の意思で怒りをあらわにしてマザーを破壊する。

地球にミューの船団が降り立ち、人類もミューも関係なく皆が人々を救済していく。

トォニィーはじめ新ミューは大きくなりすぎた自分たちの能力とともに宇宙の深淵に自ら消えていく。

[showTable]

映画情報&キャスト

『地球へ…』 1980年 日本
【監督】恩地日出夫
【脚本】恩地日出夫、塩田千種
【製作】今田智憲
【配給】東映洋画
【主題歌】ダ・カーポ
【出演者】
ジョミー・マーキス・シン(井上純一)
 :自分の超能力に気がついていない少年
  ミューとふれあうことで
  人類とミューの架け橋になろうとする
キース・アニアン(沖雅也)
 :人類のスーパーエリート
ソルジャー・ブルー(志垣太郎)
 :ミューの長(ソルジャー)
  ジョミーを見つけ能力の高さを評価する
フィシス(秋吉久美子)
 :盲目の占い師
  地球のイメージを画像を記憶に持っている
ジョナ・マツカ(薬師丸ひろ子)
 :キースに助けられたミュー
トォニィ(古谷徹)
 :ジョミーとカリナの子供
  スーパー超能力を持つ、母体から生まれた子供
カリナ(小山茉美)
 :ミューで男勝りの女性
  ジョミーを愛する、トォニィの母

映画感想・評価

youtube.comより 公式予告

竹宮恵子の卓越した世界観のSF漫画

1980年、当時はアニメーション映画と言ってもまだまだこなれていない時代です。漫画原作から映画化されるのはドラえもんくらいのもので、宇宙戦艦ヤマト、ルパンなどテレビである程度ヒット予測が立っているものが映画化されていましたから、その中で漫画原作のSFが映画化されるのすごいことだったと思います。

声優の起用としても、当時の大スターを揃えています。

何気に、薬師丸ひろ子なんかをだしたりもして、話題性たっぷり!

時代なので古臭いのは仕方ないとして、すごく好きなアニメなのです。

この映画を見てから原作の竹宮恵子作品が好きになり、一気に読み漁ったのものです。

あらすじも、まとめようと思いましたが、思いがこもりすぎて、ダメでした。。。

ごめんなさい長文でしたね。

それぐらい、個人的には気に入っています。

残念ながら、興行収入的には伸びず同年に公開されている『映画ドラえもん のび太の恐竜』15億円にさえ、遠く及びません。

『地球へ』は4.4億円強となります

この世界観が秀逸なのは、ミューというわけのわからない不要因子と、人類との選別を時の先人たちはスーパーコンピュータに託し、スーパーコンピュータの上に君臨する地球の意思として、対立をさせ続けたことです。

竹宮恵子さんの作品は、こういう背景的に巨大な意思とか慣わし、掟みたいなものが、世界ルールとして必ずあるところから始まるものが多いような気がします。おそらくSFとして書き始めるときに、きっちりと世界観やベース設計をきっちりしてから進めていくのが得意なのでしょう。

どの作品をみても、ラストまで読み終わると感銘を受けます。

合わせて読みたい、竹宮恵子作品

原作参考

科学背景設定

人類は、スーパーコンピュータを手に入れましたが、地球の資源を枯渇して地球そのものを死滅の道へ歩ませていました。

それを回避するために、地球を守る体制としてSD体制=Superior Dominance:特殊統治体制が組まれ選ばれたエリートのみが地球に住めるようにしました。

それら以外の人類は、銀河全体へ散らばっていったのです。

ここで注目は、ワープ工法を確立していることです、地球からどんなに離れていてもワープで行ける技術まで発達しています。そのわりに移動に数年かかったりもしているので、かなりの時間をかけて銀河中に散らばったことでしょう。

ここで、試験管ベイビーから親は子供を選んで育てることができます

年若い親が何度も何回も、子供を育てていそうです。(ジョミーの次は女の子がいいと話していることから)

人類そのものが長寿になっているのかもしれません。

試験管ベイビーの段階でミュー因子は一定の割合で、産み続けるように設定されている。ここがこのアニメの素晴らしい設定です。対立構造軸は生まれた瞬間から発生するのです。

合わせて読みたい秀逸世界観『セブン・シスターズ』

ソルジャー・ブルーかっこよすぎるぞ、爺さんだけど

最初にさっそうとマントを翻しながら、ヘッドフォンをつけて登場するソルジャー・ブルーかっこいいですよねー。

耳に着けているのは補聴器で、あれがないとほとんど聞こえていません。

そして、ミューは何よりも外見を自由に設定して変化させることができます。なので、ソルジャー・ブルーの年齢も実年齢だと300歳くらいの年よりです。超能力で年齢もごまかしつつ、長命なんですよね。

外見にパワー使うなら、ちゃんともっと生きようよ。とも思いますが、あそこまでの美形は維持しなければいけませんよね。

原作読むとわかりますが、ソルジャー・ブルーはSD体制初期のころからのミューでミューのコミュニティーの創業者であり最年長者なんです。なので、劇中に出てくる長老たち誰よりも爺さんなんです本当わね。

他の長老たちが、外見をおじさんだったり、おじいさん・おばあさんに変えているのは、まあ好みだからか能力が低いからそうできないかのどちらかでしょう。

物語の肝になるフィシスの秘密

映画だけを見ていると、多くは分かりませんが、フィシスは実はミュー組ではありません。

ソルジャーが昔、教育ステーションから救ったキースと同じマザーイライザに育てられていた少女なのです。そこで盲目として生まれましたが特徴のあるテレパシーだけ使い、マザーイライザが持っている地球のイメージを誰かに伝えられるだけなのです。

予知とかは、ソルジャーに影響されてタロットカード占いを本当にしていただけと思われます。

そして、フィシスはキースのお母さんですね。まあこれは卵子提供者という意味でですけど!

なので、キース逃亡時にお互いが手のひらを合した瞬間に、情報をテレパシーでガードしていてもやり取りができたんです。

原作の漫画では、フィシスの横に付き添う、アルフレートは彼女にぞっこんな様子まで書かれています。

ジョミーの純粋無垢さが多くの命を奪う

この作品の主人公なのですが、彼の行動で結局はいろいろな人の命が奪われていきます。

  • ソルジャー・ブルー
  • ナスカの若い子たち
  • カリナ
  • 同級生のサム

ジョミーの人類とは分かり合えるという気持ちが強く、いつか、そういつかと思って信じているうちにどんどん人の命が消えていきます。人類の中で育ち、ミューの特徴である不遇(体の一部が欠けている)という遺伝子的な特性がない、完全体のジョミーは劣等感のない無垢な心で、人類を信じすぎたんですね。

ナスカでは、さらに自分自身をも殻に閉じ込めてしまいます。

※いまだにわからないのは、天岩戸の天照大神よろしく、ミューの館内の奥に滑り込むように閉じこもったのですが、食事や風呂や、排泄物はどうしたのかが本当に気になるところです。

おっと、言わない言わない。。好きなアニメなのに。。突っ込まない。

映画の感想まとめ

”ほげる”的には、好きすぎて古すぎて懐かしいアニメですが、今見ても好きです面白かったです

2007年のテレビアニメ版も好きですが、こちらの映画版のほうがまとまっていて好きです。

好きに理由はなし

✔地球へ行きたい人
✔ソルジャー・ブルーを少しでもかっこいいと思った人
✔超能力好きな人

こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      3
 キャスト       4
 ストーリー構成    4
 初見で読み取れない謎 4