『アメリカン・サイコ』斬新なイミフ!衝撃のラストが物議を醸す:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『アメリカン・サイコ』何不自由のない金持ち男が殺人鬼と化していくサスペンススリラー映画!パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)はウォール街での金融会社の副社長として何不自由なく日々を過ごしていた。日常の同僚とのティーパーティやスモールトークが唯一の仕事で退屈な日常を過ごしていた。あるとき、ウォール街の片隅で寒さに凍える浮浪者に声をかけおもむろに取り出したナイフで無残にも身体を突き刺しまくり狂気の行動に拍車をかけていくのだった・・・・
原作は、ブレット・イーストン・エリス作のサイコスリラー小説で髙い評価を得ています。
原作の小説では、見る人を選ぶ作品
映画は果たして仕上がりはどうでしょうか。
お子様と一緒には間違いなく一緒に見ない方が良いです。
サスペンスのように犯人捜しにワクワクするわけではなく常に何でこんなコトするんだ?
ってモヤモヤにつきまとわれながら物語は進行していきます。
で、結論から言うと
小説同様、かなり見る人を選ぶ映画です
キライではないけど、映画として最後に視聴者に解釈を丸投げするタイプです
そんなわけで、本映画は
☆3のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
ニューヨーク、ウォール街の金融投資家会社の重役副社長を務めるパトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)は、何不自由のない生活を謳歌していた。財も名誉も、女もブランドもどれもこれも一流のものだった。
そんなハイソサエティーの世界の中でも、ライバルや同僚との小さな差が大きな自尊心をくすぶり、少しでも相手より優位に立とうと日々がいそしんでいた。そんななかベイトマンは自分の中にある、猛烈な殺人衝動を抑えられずに、ついには狂気の行動に走り始める。
道で寒さをしのぐ浮浪者、道ばたに立つ売春婦、自分のライバルであり同僚の男を次々と狂気の行為の犠牲にしていくのだった・・・
ネタバレ詳細ストリーはMIHOシネマ
[showTable]映画情報&キャスト
『アメリカン・サイコ』 2000年 アメリカ
【原題】American Psycho
【監督】メアリー・ハロン
【原作】ブレット・イーストン・エリス
【脚本】メアリー・ハロン
グィネヴィア・ターナー
【製作】エドワード・R・プレスマン
クリス・ハンリー
クリスチャン・ハルシー・ソロモン
【製作総指揮】
マイケル・パサーネク
ジェフ・サックマン
ジョセフ・ドレイク
【出演者】
パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)
:金融会社副社長 裕福な生活を送るエリート
サイコキラー
キンボール(ウィレム・デフォー)
:行方不明者を捜索する刑事
ポール・アレン(ジャレッド・レト)
:パトリックのライバル
イヴリン(リース・ウィザースプーン)
:パトリックの婚約者
ホームレスの男(レグ・E・キャシー)
パトリックの同僚
(ジョシュ・ルーカス)
(マット・ロス)
(ビル・セイジ)
エリザベス(グィネヴィア・ターナー)
:パトリックの愛人
超感想中心の評価考察・レビュー
原作小説が秀逸のサイコスリラー
原作はブレット・イーストン・エリス作の1992年刊行の同名の小説になります。
まあーまー、映画もそうですが賛否両論が飛び交っています。
”ほげる”は原作を見ていないので、調べた印象になりますが
原作の殺人描写の生々しさが、映画ではほぼ語られていないとのこと。これってかなり引いてしまいました。
映画でも、それなりにエグい描写は多々あり
バラバラ
ミキサー
カニバリズム
などなど、その映画が甘いってくらい、原作では酷い描写が多いとのこと。
しかも小説の中の全体の20%くらいが、その惨殺&後処理描写だとか、生々しすぎて怖い。
日本の漫画でも、『マイホーム ヒーロー』とかでの描写がめっちゃ怖かった。多分小説なんかでみると、もっとリアリティの感じる恐ろしい想像が尽きないでしょうね。。。
いろんな人の小説のインプレッションを見ると、どうも映画とはかなり雰囲気が違うことが見て取れます
小説では、仕掛けが無いように見えてかなり用意周到な思考のマジックを埋め込まれているようです。映画ではそこまで踏み込まれておらず、殺人衝動のあるエリートの枠から出きっていないです
メアリー・ハロン監督と脚本グィネヴィア・ターナー
メアリー・ハロン監督は、『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』など、サイコパスを扱うのが得意な監督です。テレビシリーズでも『ザ・フォロイング The Following (2015年)』、『シックス・フィート・アンダー』など少し狂気の世界をキャリアと足がかりとしてきました。
脚本も本作では手がけています。
さらに、本作ではパトリック・ベイトマンの飲み友達で愛人で別途の上でパトリックと情事中に殺されるエリザベス役をしている、グィネヴィア・ターナーが脚本を兼任しています
グィネヴィア・ターナーは、Lの世界の脚本も手がけリアルなレズビアンであることもカミングアウトしています。Lの世界との関連もあったのでしょう、メアリー・ハロン監督との繋がりが多く、本作でも脚本兼出演してます。
映画考察
ここ最近でこそ、Netflixでも超暴力的な映画がお茶の間で手軽に見れる時代になってきました。
古くは、サスペンスにはある程度つきものだった、惨殺シーンも本映画では実はあまり映画描かれたりしていません。そういうところになると、シーン的に飛ばしたり、事後描写に終始しています。
ここには、意図的なモノをもの凄く感じます。
原作の小説では、これもかってくらい惨殺シーンを事細かな情景として作り書き込まれているようです。
映画では、そういう惨殺シーンがメインモチーフとして扱われるのではなく、
あくまでもパトリック・ベイトマンと言う裕福なアメリカ人が、狂気に走って行く様を客観的風に描いています。
事実として、あるのは
金持ちの象徴ベイトマン
空虚なハイソサエティーの世界
自分以外は皆同じ
自分も実は空虚な存在
誰もが皆狂った世界を抱えている
高級ブランド
流行の店
自分だけの神的なアーティスト(ex ホイットニーヒューストン)
こういった、ところから
世界観を作り出して、見る側からも中身ね~
空っぽ~
って思わせようとしています
ブランド店や、アーティストやデザイナーなどを、自分達が崇拝する一つのアイコンとして捉えています。まるで自分を代弁するかのような扱いです。
一方で、自分達の層以外は、ゴミ以下です。歯牙にもかけていません。
そして、ポール・アレン(ジャレッド・レト)と言う同僚に手を出して、気にくわないから消してしまします。さらにポール・アレンの振りをして、エリザベス(グィネヴィア・ターナー)等も殺してしまいますが、世界は変わりません!
でもそんなパトリック・ベイトマンも、遂に壊れます
キャッシュディスペンサーの液晶に映った
「FEED ME STRAY CAT」
野良猫を喰わせてくれ! 突然キャッシュディスペンサーが言います!
ネコを殺して機械に喰わせようとしたところに、おばちゃんに止められ、そのおばちゃんをはずみで殺してしまい、そっからは警察やらパトカーやら見境無しでばんばん状態です
ここで客観的風と言ったのは、ラストの衝撃の謎で深まる映画の重大な事実がそうさせているからです
プロット的には、ベイトマンが殺人狂にどこまでも墜ちていく方向性で間違いなしで、野良猫のシーンまでは淡々と描かれていた殺人が、一気に感情的な爆発や、よりどころ無いとっさの行動による殺人に変わっていきます。
そうです
野良猫のシーンまでは、全てが殺人衝動による計画的殺人だったのに対して、
ここからは雪崩をうって、現実的なリアリティのある死になっていきます。
ここに何か重要な意味があると思います。
ラストシーン解釈 妄想か現実か
ラストシーンの解釈は、結論的に言うと人それぞれと言うしかないです。映画からは何一つ客観的なところは伝わってきませんので。
ただ空想はすることが出来ます
特にアメリカン・サイコは、妄想派と現実派と両方いるでしょう。
妄想派
- 弁護士曰わくポール・アレンは死んでいなかった
- 死体が見つかっていない
- 秘書が落書きを見て笑ってる
現実派
- 不動産屋の反応がおかしい
- ベイトマンを誰も認識していない
こんなところでしょう!どっちも合っていると思います
”ほげる”的には、現実派です。
空虚な世界の中で、何をどうしても誰も捌かれ(さばかれる)ることはない
ラストのシーンでベイトマンが、弁護士との会話の後に物事を達観してみています。
今まで客観風であった映画の視点が、野良猫のシーンから主観に代わり、
そして弁護士と話した後のシーンでは更に物事の善悪を超越した、ニューヨークのハイソサエティーの世界では誰も他人に興味など無いし、ニューヨークでは他人の死に対しても誰も気にもしない。
そんな、超越した客観的な視点に変わっています。
テレビのニュースで流れている、イラン・コントラ事件がそれを物語っていて、「誰もが嘘つき」真実などどうでも良く、カタルシスの先の世界にベイトマンは立ったという締めくくり方をしています。
かなり、乱暴ですが
個人的には好きな世界観です
結局のところ、空想妄想なのか、現実なのか、それさえも含めてべイトマンに起こったことは事実でありカタルシスの中から究極の快楽を得ていたわけで。
それすなわち、べイトマンには真実ではないかもしれないけど、まごうことなき事実(起こったことなのです)
なので、カタルシスの向こう側を感じている。
そんなところで解釈しています。
イラン・コントラ事件を題材にするあたりが、シュールです
合わせて読みたいイランコントラモチーフの『マクマホンファイル』
クリスチャン・ベールの最高の笑顔
クリスチャン・ベールは、甘ーいイケメンの向こうにある狂気を見事に表現しています。
映画によって、身体のサイズの変化はお手の物
『マニシスト』から『バットマン』まで、何でもこなすクリスチャン・ベールは本当にカッコイイ
ガンカタの教祖的な映画『リベリオン』でのうさんくささも、『アメリカン・サイコ』の流れで。。。。
最新作『フォードvsフェラーリ』でも良い味出していますね、ザ俳優プロフェッショナルです
80年代の代表的な歌手として、ジェネシスとか、ホイットニー・ヒューストンのウンチクは、かなり悦に入っている恍惚とした表情で、神扱いして語るところが素晴らしい。
芸術だけは、パトリック・ベイトマンを物質現実につなぎ止めている唯一の共通的な事項かもしれませんね
海外の評価 2020/04時点
まあ、かなり高評価されています。この手のわけわからない系にしては高い評価を受けています
Metascore (批評家) | 64 |
User rating | 7.6/10 |
TOMATOMETTER (批評家) | 69 |
Audience | 85 |
映画の感想まとめ
なかなか、空虚感を呼び起こす
ひとつのムーブメントですね
原作読んでいませんが、ラストシーンはえ?
ってなりますからね。
全体的に、もくもくと薄っぺらい会話で社会を痛烈に風刺していて、逆に良かったです
殺人者から教えられなくてもねー
でもねー、自分たちの存在証明が名刺だけなんて悲しすぎますね
家族で観るより、一人で見たほうがいいです
✔クリスチャン・ベール作品は外せない
✔グロくても、むごくても映画はいい
✔落ちがない映画も好き
こんな人ならこの映画おすすめで、好きだと思います。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 4
キャスト 4
ストーリー構成 3
初見で読み取れない謎 3
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