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ドラマ感想『太陽の子 GIFT OF FIRE』NHKドラマ柳楽優弥・有村架純・三浦春馬共演の戦争と核で苦悩する青春群像ドラマ:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-08-15

ドラマ『太陽の子』NHKで国際共同製作の作品として、映画とドラマのW製作されている戦争で苦悩する兄弟(柳楽優弥・三浦春馬)とその二人が思いを寄せる幼なじみの女性(有村架純)との間で描かれる青春群像ドラマ!原作はアメリカ「サンダンス・インスティテュート」NHK特別賞(スペシャルメンション)を受けた本作品の演出・作の黒崎博の『神の火 PROMETHEUS‘ Fire 』を改題して作られている

『太陽の子』イメージ画像
NHK公式より

今この平和な時だからこそ考えたい

戦争と核爆弾、戦火に兵隊として向かった弟と核爆弾の開発に苦悩する兄

幼なじみ女性へのはかなく切ない思いを巻き込んだ青春の物語

三浦春馬さんが2020年7月18日にご逝去された後の放送になり

※三浦春馬さんの生前で最後に公の場に顔を出したのが本作品の試写会となっています

NHKとしては遺作となるでしょう

そんな話題の本作ですが、映画も2021年に公開されます

内容はドラマと違う視点で書かれています

そんなドラマの

おすすめ度は

4のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

太平洋戦争末期、京都帝国大学の物理学研究室で原子の核分裂について研究している石村修(柳楽優弥)は、海軍から命じられた核エネルギーを使った新型爆弾開発のための実験を続けていた。空襲の被害を防ぐための建物疎開で家を失った幼なじみの朝倉世津(有村架純)が、修の家に居候することになる。そこに修の弟の裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰宅し、久しぶりの再会を喜ぶ。爆弾開発の実験がなかなか進まないなか、研究室のメンバーは研究を続けていく事に疑問を持ち始める。そして、裕之が再び戦地へ行くことになったやさき、広島に原子爆弾が落とされたという知らせが届く。研究者たちは広島に向かい、そこで焼け野原になった広島の姿を目撃するのだった。

NHK公式より https://www.nhk.jp/p/ts/N84926PNYG/
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映画情報&キャスト

『太陽の子』 日本 2020年
【放送】NHK 2020/8/15 19:30~
【作・演出】黒崎博
【音楽】ニコ・ミューリー
【制作統括】土屋勝裕
      浜野高宏
      山岸秀樹
【共同プロデューサー】
      コウ・モリ
      佐野昇平
【共同制作】ELEVEN ARTS Studios
【原題】『神の火 PROMETHEUS‘ Fire 』を改題
【出演者】
石村修(柳楽優弥)
 :科学者の卵
  原子物理学を学び、核爆弾の開発をすることになる
朝倉世津(有村架純)
 :修の幼なじみ
  建物疎開で家を壊されたために修の家に同居する
石村裕之(三浦春馬)
 :空軍所属で戦地から戻る
  幸せもつかの間、また戦地へ自ら赴くことを選ぶ
その他
三浦誠己、宇野祥平、尾上寛之、渡辺大知、
葉山奨之、奥野瑛太、
イッセー尾形、山本晋也、國村隼、田中裕子

超感想中心の評価考察・レビュー

製作の黒崎博監督

黒崎博監督は、NHK制作局でのプロデューサーで数々のテレビドラマを手がけています

『火の魚』で文化庁芸術祭大賞を受賞し、『セカンドバージン』等で映画作成もしてきています。

本作品は、アメリカの「サンダンス・インスティテュート」NHK特別賞(スペシャルメンション)を受けた黒崎博の『神の火 PROMETHEUS‘ Fire 』を改題して作られています

出演者に対して、熱心に核爆弾や戦時下についての勉強会を開いて当時の状況や基礎的な科学技術の講習をしたそうです。

メイキング映像からも、演出家の思いを出演者にぶつけています。

こういった緻密な作り手の思いから、良作が作られると言うことです

実力派俳優達の共演

柳楽優弥、三浦春馬、有村架純の主演の豪華な共演がまずは見事!

兄弟と幼なじみの微妙な思いの交差と、戦争に対しての行き場のない思いがそれぞれの立場で演じられます。

イッセー尾形、山本晋也、國村隼、田中裕子など、ベテラン勢がポイントをおさえます。

特に、田中裕子の母親っぷりは、流石です

國村隼の大学の教授もベストマッチ、國村隼は性格が良い役も悪い役も、同じペースで演じられる希有な人です、ストーリー全体で置き石のように、物語を整流化します。大学の研究室では、三浦誠己、宇野祥平、尾上寛之、渡辺大知、葉山奨之、奥野瑛太と有望若手俳優達が原子核爆弾の是是非非について、日々討論しながらも討論を続け物語を盛り立てます

ドラマ感想、解説 ネタバレあり

全体的なトーンとしては、

戦争への想いを3人の若者の視点から捉えます

修 :
 科学者として、原子核爆弾を作り出す意味を考える

世津:

 普通の女性としての視点、母親の視点の代弁者として

裕之:

 戦争に赴き再び特攻隊員として散る運命に毅然と対する若者

この3者の気持ちのそれぞれ交差を通じて、今の戦後75年の現代から戦争とは何か、原子核爆弾の意味とは何かを問う仕立てになっています。

要所要所は映像と音楽クオリティーはかなり高く、どのシーンも省くことの出来ない無駄なものはないのですが少ない時間に作り手の思いをありったけ込めましたって雰囲気になっていました。

当初のNHKの宣伝が凄すぎたのか、ドラマ時間が少なすぎたのか予告が全てを物語っているのが残念でした。

裕之の病気による1次帰郷と、世津の建物疎開(空襲の延焼を防ぐために間引く為に壊される)、修の大学での原子爆弾研究が重なり物語が進み

各々の気持ちのぶつけ合い

特に世津のセリフはいいです

彼女だけが戦争が終わった後の未来を向いて考えている

女性とは女とはいつだってそういう考え方なのかもしれません

3人で遊びに行った最後の夏、裕之の入水自殺のシーンは

演技だとわかっていても

三浦春馬さんの事が頭をよぎり、涙がうるうる出てしまいます

そして、裕之の再出征!

誰だって間違っているのわかってる

止めたいけど、止められない!

誰もノーと言えない時代・・

そして広島へのアメリカ軍の原爆投下

広島の爆心地の状態を研究者として、視察に行くところあたりから急に物語の進みが荒くなる感じがしました

私が『この世界の片隅に』に多少引っ張られていますが

修が救った女の子はどうなったのか?とか

なんで急に次の原爆投下のために

「京都の上空を観察したい」って修が言い出すのか、科学者の有り様を語りはじめるのか・・

こんなこと言ったら、母さんと世津は離れちゃうことわかるだろうに。。

ちょっと修の気持ちがわかりませんでした

修は比叡山に登るのですが、その後のシーンが最初の冒頭シーンに繋がり、

現代の広島原爆ドームに訪れている修が最後に、天上からすり抜けてくる光を見て終わります。

終わった戦争に対して、太陽(原始)を見ることの意味が正直掴みかねました・・・

おそらく、

研究の行き着いた先には平和があり、その平和には75年前の悲惨な戦争があったと言うことを表しているのだろうと思われます

日本での原子核爆弾の研究(F研究)

本ドラマで中心となる、原子爆弾の研究ですが本当に日本でもされていました

アメリカのマンハッタン計画よりも草案は早期に行われているという驚きです。

東京大学での研究は戦争初期の1941年頃からされていて、本作の物語の中心となっていた京都大学荒勝研究室の研究はF研究と呼ばれていました

F研究は、1942年とか1943年とか後期に研究の委託を海軍から受けました

どこまで研究が本気で進められていたかは定かではありませんが

ウランの分離には東大では熱拡散法で分離を行い、京大では高速遠心分離でトライしていました。

東大では成功しなかった金属ウランの生成までは成功して、結果を残していますので

日本の科学力には驚かされます

感想まとめ

かなりNHKの宣伝を見たせいか、

期待が高すぎました

それぞれの出演者の演技は高く、演出も素晴らしい

ただ、宣伝が全てでポイントをおさえ過ぎていて、それ以上ではなかった感じがします。

三浦春馬さんは、抜群の演技力です。

本当に惜しいです。

ドラマの評価としては、戦争物として賛否両論の映画でしょうね。

個人的には好きなドラマになりそうですが、別の視点から撮ったと言われる映画を見てみてみたいですね。

4k映像も音楽もクリティ高く作られており、おすすめです

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      5
 キャスト       5
 ストーリー構成    4
 初見で読み取れない謎 3