『シングルマン』人生最後の1日はかくも美しく静かに!最愛の人を無くした虚無感に耐えられない時・・:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『シングルマン』の映画感想あらすじ考察と無料動画配信情報!2009年に公開された、ゲイ映画際で話題をさらった逸品!ファッションデザイナーとして活躍するトム・フォードの映画監督デビュー作でもあり、コリン・ファース主演の美しく洗練されたデザインのような映画と演出が見どころ
どの世界にもマルチタレント(才能)を持った人はいるわけで、歌だったり踊りだったりいろいろな才能を持つ人がいる。
本作は、ファッションデザイナーとして知られるトム・フォードによる監督デビュー作になります。
トム・フォードですよ!
誰もが知るブランドじゃあなかろうか、私には一生手が出ませんがセレブ御用達とか、最も男をセクシーに見せることのできるスーツとか言われるスーツを作るファッションデザイナーです。
それにとどまらず、コスメやメガネ、サングラスとデザインセンスは抜群です
何でも一着当たりオーダーメイドだと100万以上するとか・・・
まあ、でも映画視点で言うと007の『007慰めの報酬』でジェームス・ボンドが着ているスーツだよって話だと、それはそれで納得!
前置きが長くなりすぎました、本作はそんなトム・フォードによる、美しく、洗練されたデザインのような映画、そういっていいでしょう。
『シングルマン』は2009年公開のアメリカのドラマ映画で、最愛の同性愛の恋人を亡くしたジョージは自殺しようと計画をするが・・・。
最愛の恋人を突然亡くしたら、あなたはどうしますか?
『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースが出演して、映画的にもメッチャ見どころありです。
☆4のおすすめ(5点満点)
感想中心となります
それでは見ていきましょう
あらすじ ネタバレなし
最愛の恋人のジムを交通事故で亡くした大学教授のジョージ
ジョージたちは同性愛者だった
毎朝、生きる意味を考え、彼がいなくなった虚無感の中を漂うようにただただ生きていた。
そして、苦痛で目が覚めるジョージは、彼が亡くなって8か月たった時、自殺することを決意するのだった。少しずつジョージは自殺の準備を進めていく
そして当日の朝、完璧な身支度といつもの日常!
最後の1日を過ごし始める。元恋人との約束など、色々な事があるが美しい最後の日だ。そんなジョージの元に、教え子であるケニーがジョージに近づいていくが・・・
映画情報&キャスト
『シングルマン』2009年 アメリカ
【監督】トム・フォード
【脚本】トム・フォード
デヴィッド・スケアス
【音楽】アベエル・コジェニオウスキ
梅林茂
【撮影】エドゥアルド・グラウ
【出演】
ジョージ・ファルコナー(コリン・ファース)
:大学教授で、同性愛者。恋人を事故で亡くす。
シャーロット(チャーリー)(ジュリアン・ムーア)
:ジョージの元恋人。
ケニー・ポッター(ニコラス・ホルト)
:ジョージの教え子。
ジム(マシュー・グード)
:ジョージの恋人。
超感想中心の評価考察・レビュー
トム・フォード作品のお洒落さ
冒頭でも書きましたが、本作の監督はなんとファッション界で有名なトム・フォードというから驚きです。
トム・フォードといえば、破綻寸前だったグッチを再建したことでも、有名で、その彼自身も実は同性愛者であることは有名な話!
で、パートナーのリチャード・バックリーとの間に、子供をもうけています。そんなトムが監督した本作は、かなりお洒落であるというのもよく言われています。
例えば、コリン・ファースが着こなしている衣装。
黒縁メガネで、スタイリッシュなスーツが印象的です。
これも、衣装担当が別にいたそうですが、トムが細部までこだわったと言われています。
余計なものが削ぎ落とされたことで、より物語に集中できるとも感じられますよね。
流石、トム・フォードとも言えます!
トム・フォードは『ノクターナル・アニマルズ』という映画も監督しています。本当にこちらの作品もお勧めで、大好きな映画です。ブログ記事は残念ながら人気が無いのですが、映画の内容に反して、本作に劣らず、凄惨さの中での美しさが際立つ作品です。
こちらもかなりお洒落な映画ですので、合わせてみるのもオススメ
同性愛者の恋愛観
本作はジョージが以前付き合っていたシャーロットの結婚とジョージの恋愛が対比されて描かれているようにも感じます。
シャーロットはジョージが若い頃、試しに付き合った女性です。
彼女は男性と結婚し、子どももいますが、離婚し、一人で寂しい思いをしています。
そこで、恋人を亡くしたジョージを呼び出しますが、ジョージはただ失った恋人のことを思っているため、シャーロットとやり直す気などさらさらありません。
シャーロットはジョージと結婚していれば、幸せになれた、あなたがゲイじゃなければとまで言います。
これは、寂しさから来るシャーロットの本心でしょう。
それに比べて、ジョージとジムの恋は深い結びつきがあったのだというのがよく分かります。
16年一緒にいて、事故がなければずっと一緒にいたというジョージのセリフにもあるように、ジョージにとってジムは唯一無二の愛する人だったのです。
本作で描かれている時代的にまだまだ同性愛が認められていない時代だったこともあり、二人にとって、強い結びつきがあったのかもしれないと思わされます。
コリン・ファース美人過ぎる
本作のジョージを演じたコリン・ファース
本当に美しいです、役によってもっさい役をやる事も多いのですが、本作ではまさにハマり役
本作で、アカデミー賞の主演男優にノミネートされて、はずみをつけて翌年に『英国王のスピーチ』で見事に、アカデミー賞主演男優賞をゲットしています。お見事すぎる展開。
俳優には、優秀作品が固まる時期・年代があるんですよね、多くの俳優が短い期間に集中してノミネートされることも多いです、コリン・ファースもその一人。
そして、際立つ洗練された美しさですが、彼の場合は『アナザー・カントリー』で既にその片鱗があったというか、同性愛・ゲイの恋愛で、美しい少年・青年を演じている経験もあり、本作では全てが実を結びました。
ラストの結末:ネタバレ注意
ジムを失い、自殺を試みようとしていたジョージでしたが、教え子のケニーと話しているうちに眠ってしまい、ずっと自殺をしようと思っていたにも関わらず、「世界が清らかになった」と言い、自殺をやめるのです。
しかし、死を望まなくなった瞬間にジョージは心臓発作で亡くなってしまうのです。
まさに悲劇
いや、スタイリッシュ
ですが、交通事故で亡くなったはずのジムがスーツを着て、ジョージのところへやってきて、キスをするのです。まさに、天国へおいでと言わんばかり
これは、冒頭でジムにキスするジョージと重なり、二人の愛の逢瀬は天国に行っても続く
美しく、エレガントな、
天国からのコール・・ラストがあまりに美しく、ジョージも亡くなったとしても、望んだ死だったのではないかと思わされてしまいます
映画の感想まとめ
淡々としているシーンが続いていたので、少し退屈する部分も正直あり
ただ、ラストが美しく感じ、さすがトム・フォードだと感じさせらる作品
はやりの同性愛者の映画と思いきや、それぞれの愛の描き方が丁寧に書かれていて、秀逸でした。
ファッションに興味のある方、同性愛者に関心がある方にはオススメです。
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