『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』Netflix配信 ナイトクローラーコンビで贈る異色スタイリッシュホラー!ネタバレと解説:動画配信・映画感想あらすじ考察
映画『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』はNetflix配信のダン・ギルロイのお抱えファミリーによるホラー映画!美術批評家モーフと恋人のジョセフィーナが見つけた、ある美術作品群を見てから不可思議な事ばかり起こっていく、映像綺麗目のホラー映画
2019 Netflix配信の映画!
ダン・ギルロイの監督・脚本とくれば、期待しますよね、さらにファミリーのジェイク・ギレンホールとレネ・ルッソが参画ですからね。
ところがですね、期待が大きすぎてただのホラーとしては許されないところにこの作品の不幸があります。
視聴者は、単なる2流ホラーを期待していなかった。
そういう意味では、期待外れ。 ダン・ギルロイのホラーとしては少し消化不良です。
でも、ホラーとしてみるならば及第点。皮肉たっぷりに自作との比較とかメタファーが色々仕込まれているのでそういう意味では、面白い映画でした!
なので、感想も超ラッシュで!
それでは、以下見ていきましょう
あらすじ ラッシュ サマリー版
モーフはその名を世界にとどろかせる新鋭的な美術批評家で、歯に衣を着せないその評価は業界関係者誰しもが尊敬のまなざしと批評に怖れを抱いていた。美術商のロードラの秘書をしていたジェセフィーナは、密かに自身でも美術商を営むべく野心を隠しながら日々の生活を送っていた。
あるとき、ジョセフィーナの同じアパートの老人が急死しジェセフィーナが遺体の第1発見者となり警察へ連絡した。
ジョセフィーナはネコを探す内に、老人の部屋へ足を踏み入れて大量のただならぬ雰囲気を放つ絵画を見つけた。ジョセフィーナに好意を持っているモーフに、絵画の目利きをしてもらい、自身で絵画を捌く算段を立てるジョセフィーヌ。
ロードラにジェセフィーナの怪しい動きを悟られて、ロードラ・ジョセフィーナ・モーフが手を組み、老人は絵画を遺棄したことにして美術界に価値ある絵画として提供しようとする。
ヴェトリル・ディーズは児童虐待や精神病院を経て、世界への恨みで満ちた感情と自分の血を絵に塗り込めていた。
ディーズの絵に関わる人全てに不思議な現象で虐殺の幕が切って落とされた・・・
映画情報&キャスト
『ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー』 2019年 アメリカ
【原題】Velvet Buzzsaw
【監督】ダン・ギルロイ
【脚本】ダン・ギルロイ
【出演者】
モーフ(ジェイク・ギレンホール)
:美術批評家
ロードラ(レネ・ルッソ)
:美術画商
グレッチェン(トニ・コレット)
:美術アドバイザー
ジェセフィーナ(ゾウイ・アシュトン)
:ロードラの助手、モーフの彼女
ピアース(ジョン・マルコヴィッチ)
:芸術家
合わせて読みたいジェイク・ギレンホール作品
映画感想・評価
『ナイトクローラー』コンビで送るホラー
本作ですが、まさに名作『ナイトクローラー』同じ出演者で再び送られる映画なんですよね。
ダン・ギルロイ監督・脚本と、ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソの共演で胸熱ですね、どんなシナジーが発生するのか本当に期待です。
『ナイトクローラー』がマスコミの行き過ぎ取材や、パパラッチ的なもの、報道の商業主義に対する映画だとするなら、本作品では美術界を扱う映画になっています。
ダン・ギルロイ監督のまるで美術業界の商業主義をあざ笑うかのような、演出・脚本、ストーリー展開になっています。そして、出演者の立場が逆になっているのがまた面白い。
ナイトクローラー
ジェイク・ギレンホール:事件撮影のフリーランサー
レネ・ルッソ:ニュース番組のプロデューサー
ベルベット
レネ・ルッソ:美術商 (ネタを売る側)
ジェイク・ギレンホール:美術評論家(ネタを評価する側)
このあたりのセンスが抜群に良いです。
Netflix配信で、ホラーになります。脚本次第でホラーでなくサスペンスても十分良かった気がしますが、今回はディーズの書いた絵が呪われている的な、ある意味日本では古くからあるような構成になります。
映像そのものと扱う作品がどれも引き込まれる迫力を持っていたので記憶に残りそうです。
(芸術・美術としての本当の価値は、ちょっとわかりませんが)
恐怖のヴェトリル・ディーズの作品とは (ネタバレ)
映画の中からのコメントから以下のような特徴ありますね
- デゥーズ自身の血で描かれている
- 体験したことが基本
- 社会から断絶した状態で描いている
- キャンパスとは限らない
- 色々な技法が混ざっている
- 絵がたまに動く
- 芸術家(作り手)をも魅了する
- 一般人にも良さがわかる(ここが一番ポイントかも)
- 最後、5ドルで売られていきます
とにかく劇中で見るもの全ての一を巻き込んで、魅了していく作風だったのは間違いないですね。
何が生死を分けたのか
ディーズの作品を見て、生き残った人と死んでいった人に別れます。
正直この辺の基準が不明瞭で、合点はいかないのですが整理すると以下のようになります。
殺された人
- 運送係・何でも屋 ブライソン (絵を盗んだ)
- 美術商 ジョン (ディーズの過去を暴こうとした)
- 絵画アドバイザー グレッチェン (美術館でディーズの絵を高値で利用)
- 秘書 ジョセフィーナ (ディーズの絵を売ろうとする)
- 批評家 モーフ (絵を評価しようとした)
- 美術商 ロードラ (絵を売ろうとした)
生き残った人
- 画家 ピアース
- 画家 ダムリッシュ
- 書記・秘書 ココ
- 美術館職員たち
- 最後に絵を売った人
- 最後に絵を買った人
何が生死を分けたかというと、おそらくディーズの絵を自身の商業活動に利用しようとした人達が次々と無くなっていきます。
そして、無欲でディーズの絵を眺め、感嘆した人達は生き残ることから、絵に対する商業主義に対する批判が入っているのだろうと思います。
そう考えると、ディーズの”呪い”的なものではなくて、一貫性の無さといったらもう。。。
殺害はダン・ギルロイ監督の思惑だけで決まっている、ホラー映画としての価値を高める商業主義主観で決めているとしか思えないです。この映画はまさに皮肉そのものです。
また、ディーズの絵で死んだ人は誰も居ないんですよね。
絵が動くのを見た人はいっぱい居ますが、死因はどれも違うし一貫性がないですね。全員バズソーならある意味面白かったのに。
この辺も不思議です、意図はあるのかもしれないけど、読み取れませんでした。
タイトルのベルベット・バズソーの秘密
ベルベットとは、ケバケバした織物・繊維の事です。
バズソーとは、そのまんま丸鋸の事です。ロードラの首に彫られていた、自身がやんちゃだった頃の芸術のことを知っているパンク娘だったときに彫った入れ墨です。
この入れ墨の事を、当時のグループ名ベルベット・バズソーと呼ばれていました。
ここで初めてリンクしてきます。
改めて、オフィシャルトレーラーのジェイク・ギレンホールが血に見立てて血が滴る、いかにもモーフが犯人みたいな絵に何の意味があるのかを考えますと、そうすると殺された人達って、いつしか芸術を商売にして、真の感じると言う芸術を忘れた人達のことを指すんだなぁと。
まあ、でもあの宣伝ポスターはないですよね。ジェイク・ギレンホールが犯人みたいな仕立てに見えますものね、これはずるい。
ここでも、絵の具を血に見立てて、モーフの顔を芸術作品風に飾っているセンスは抜群にいいですね。
海外の評価 2020/03時点
評価は、批評家からはそこそこですが、視聴者からは厳しいものが多いですね。
やはり、ナイトクローラーファミリーには期待が大きすぎたのでしょうね。
Metascore (批評家) | 61 |
User rating | 5.7/10 |
TOMATOMETTER (批評家) | 62 |
Audience | 36 |
映画の感想まとめ
ホラーとして見るのならば、まあ映像の綺麗な今時の映像で見るので、そこそこ楽しめます。
なんと言っても、演技している主役級がアカデミー俳優ですから。
ただ、残念すぎるのが、ただのホラーかよ。って突っ込みたくなります。
もう少し、サスペンス色強くしてホラーでなくともディーズの絵の魔力とか魅力とかで洗脳される的なほうが面白かっただろうに。
→ダン・ギルロイの世界が好き
→美術・芸術が好き
→呪われてバズソーされたい人
こんな人ならこの映画が好きかもしれません。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 4
キャスト 4
ストーリー構成 2
初見で読み取れない謎 2
ディスカッション
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