『運び屋』90歳の運び屋の実話をイーストウッドが熱演 ネタバレ:動画配信・映画感想あらすじ考察
彼の好きな花はデイリリィ!たった一日だけ咲く花に人生を費やしたアール・ストーンは家族から疎遠になり、いつしか園芸農園も抵当に入り麻薬の運び屋へ。一つ運ぶ毎に人生で大事な物を取り戻していく!
クリント・イーストウッド監督・主演の実話が元のサスペンス
豪華アカデミー俳優陣が送る至極の人生がテーマの映画で、間違いなくおすすめの1本!
あらすじ 見どころ
彼の好きな花はデイリリィ!90歳になるアール・ストーンは、たった一日だけで枯れてしまい、その為に咲く花に人生を費やしてきた。園芸農園を運営しながら花の品評会で国中を旅し車を走らせ、ひたすら仕事に没頭する毎日だった。
分かれた女房のメアリーからも家族をないがしろにし続けていると攻められる日々。娘のアイリスとも20年近く口をきいていない、味方は孫娘のジーニーだけだ。
そんなとき、自分の園芸農園の経営がインターネット時代について行けなかったため農園を抵当に入れることになる。家族よりも何よりも仕事を優先してきただけなのに。
孫娘のジーニーの婚約パーティへ顔を出した時に、「お金に困っているならただ車を走らせるだけの仕事がある」と組織の人間から声をかけられる。アールの無事故・無違反の車の運転の経歴を見込んでの、”運び屋”のオファーだ。
アールは麻薬の運搬と知りつつも回を重ねる毎に多くなる金額と、運び屋業が思いのほか上手くいく事でやめるにやめられなくなっていった。DEA(麻薬取締局)の必死の取締強化や組織への監視の目をかいくぐり、組織からの麻薬運搬量の要求はエスカレートしていった。
そんなときに孫娘のジーニーから連絡が入りメアリーが病院に運ばれ、あと数日の命であることを告げられる。アールはメアリーに会いに行き、自分の人生を顧みて娘のアイリスとも和解する。
組織は急に消えたアールを血眼になって探すのだが・・・・・
映画情報&キャスト
『運び屋』 2018年 アメリカ
The Mule
監督 クリント・イーストウッド
脚本 ニック・シェンク
原案 サム・ドルニック
『The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule』
製作 クリント・イーストウッド
ティム・ムーア
クリスティーナ・リベラ
ジェシカ・マイヤー
ダン・フリードキン
ブラッドリー・トーマス
製作総指揮 アーロン・L・ギルバート
出演者
アール・ストーン
クリント・イーストウッド
コリン・ベイツ捜査官
ブラッドリー・クーパー
主任特別捜査官
ローレンス・フィッシュバーン
トレビノ捜査官
マイケル・ペーニャ
メアリー ダイアン・ウィースト
ラトン アンディ・ガルシア
ジニー 孫娘
タイッサ・ファーミガ
アイリス 娘
アリソン・イーストウッド ※クリント・イーストウッドの実の娘
映画としての評価感想
アールが人生の失った時間を一つずつ取り戻していく
アール・ストーンは、今までの人生でデイリリィの花をひたすら作り続け、品評会や他の園芸仲間と楽しく時を過ごしてきた。品評会では仲間や自分を慕ってくれる人に花を無料で配り、賞を貰い酒を飲みダンスをして生きてきた。
アールという人間は、人から頼られると良い顔をしてなにかをしてあげたい人なのだ。その為に仕事に没頭して90歳までの人生は全てを園芸にかけてきた。
そんなアールが経営難から園芸農家を失って、手に染めてはいけない麻薬の”運び屋”をしてしまった。
皮肉なことにそこで稼ぐお金で今までの自分の人生で出来なかった事を実現したり、家族との関係を少しずつ取り戻していくのだ。
色々な人にお節介を焼く度に、自分の人生のパズルのピースが戻ってくるかのように。
名画たり得る要素は随所にあり <ネタバレあり>
実話をベースにしているため、随所に出てくる家屋との絆を一つずつたくり寄せていく様が実にハートフルだ。アールの取って大切だった物は何だったのか、失ってしまった一番大切な事に最後の最後に気がつくことが出来たアールは幸せだったのかもしれない。
ラストシーンでは、刑務所に収監されているアールが再び園芸をしている。
この時のアールは、運び屋をやる前の仕事人間のアールでは無いのだ、家族との絆を取り戻して人生では何が一番大切なことなのか知っているアールなのだ。
運び屋の隠れたテーマは、”運びの”回を繰り返す毎にアールの人生を逆から取り戻し、最後には本当に大切な物は何なのかアールは気がついたことだ。
大切な家族も仕事や園芸と同じで、一日も欠かさずに世話をすることで美しく咲き誇るのだ。
亡くなる前のメアリーから聞かされた言葉の重みは大きい。
鑑賞が終わった後に、さざ波のように心に染み入ってくる。
この辺の表現、終わらせ方はクリント・イーストウッド監督は群の抜いていると思う。
アカデミー豪華俳優陣
麻薬捜査官ブラッドリー・クーパー
大量の麻薬をアメリカに密輸入している犯人を血眼になりながら捜している捜査官薬がブラッドリー・クーパーだ。
『アメリカン・スナイパー』以来のクリント・イーストウッド監督との共演。
ブラッドリー・クーパーも本当にいい俳優だ、チャライ役どころから、本作のように偽直で真面目な役どころも演技をすることが出来る。『運び屋』では、前に出すぎずいきすぎず、目立ちすぎず、クリント・イーストウッドのアールがキチンと前面に出てくる静かな演技がもの凄く好感が持てる。
主任特別捜査官ローレンス・フィッシュバーン
ブラッドリー・クーパー同様に、ローレンス・フィッシュバーンも映画の中での立ち位置が適切だ。
劇中で、ブラッドリー・クーパーの上司役として彼を支えるサポート役だ。
組織のボス アンディ・ガルシア
最近では、悪の組織のボスが板に付いてきたアンディ・ガルシア
イケメンぶりは健在だが、悪の顔が実に上手い
まとめ
”ほげる”的には、超おすすめの映画だ!
クリント・イーストウッド監督の作品は間違いなく。実話を基にした重厚な作品はどれを見ても高評価に値する。
独善的評価[5段階]としては
映像・音楽 4
キャスト 5
ストーリー構成 4
初見で読み取れない謎 4
いつも通り、この映画の評価も毎度同じでが、 基本どんな映画でも大好きな”ほげる”としては、面白い作品と思います。
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