アニメ映画感想『泣きたい私は猫をかぶる』映画からNetflix配信に変更となった大型アニメ!ネコなのか人間なのかハートフルキャットドラマ

2020-08-12

アニメ『泣きたい私は猫をかぶる』はNetflixで配信されている本格劇場アニメ!ムゲ(無限大謎人間)とあだ名される中学生の女の子美代がネコに変身できる不思議な”お面”を手に入れたことからネコの世界で不思議な体験を通じて、自分の置かれた複雑な家庭環境や大好きな同級生の日之出に素直に心を開いていく物語

アニメ『泣きたい私は猫をかぶる』はNetflixで配信されています

元々は映画館上映だった劇場クオリティーで作成された映画です

Covid19の影響で軒並み劇場公開映画の割りをくっているのは、何も実写系の映画だけではありません

アニメも同様です

企画・製作側は、悩みに悩み抜いてNetflixとの独占契約で配信をすることになったようです

”ヨルシカ”さんの、主題歌・挿入歌でも話題になった本作

そんな本作のおすすめ度は

3のおすすめ(5点満点)

感想中心となります

それでは見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

ある祭りの夜にムゲ:笹木美代(志田未来)は、ネコのお面屋からネコに化ける(変身)ことの出来る不思議なお面を渡された。

ムゲは、その晩お面をかぶりネコになった。そこに、同級生の日之出(花江夏樹)が以前飼っていた猫の太郎に似ているムゲを拾い抱きしめて、語り掛けるのだった。ムゲは日之出の内面に触れ、心からの笑顔に触れて、日之出に想いを寄せていく。

一方中学生としてのムゲは同級生から無限大謎人間と言われ、面倒くさいキャラ扱いされていた。ムゲは自分の心に正直に日之出に近づいては、猛烈な大好きアタックをしてかわされる毎日を送っていた。

ムゲは家では自分の気持ちを素直に言えない子で、素直で何でも言うことを聞く子を演じていた。本当は、実のお母さんは家を早くに出ていき、継母の薫さんとは溶け込めず、お互い気を使う関係を保っていた。ムゲは帰宅するとすぐに、猫のお面をかぶり太郎として日之出の家の陶芸工房へ出かけ、日之出に甘えるのだった。

猫の目線と世界を通して日之出を見ることが多くなったムゲ
人間の世界での嫌なことが重なったある時に、ネコのお面屋から「人間が嫌ならネコになっちゃえばいい」と言われ、人間顔の形をしたお面が自分の顔から剥がれ落ちて、それをお面屋にもっていかれ人間に戻ることが出来なくなってしまう。

ネコとして世界になじんできたとき、自分が日之出の言葉を理解できなくなっていることに気が付いたムゲ
もう一度人間に戻るために、猫の世界へお面屋を捜しに冒険の旅に踏み出す

映画情報&キャスト

『泣きたい私は猫をかぶる』 2020年 日本
【監督】佐藤順一
    柴山智隆
【脚本】岡田麿里
【配信】Netflix
【製作スタジオ】スタジオコロリド
【企画】ツインエンジン
【出演】
笹木美代:ムゲ(志田未来)
 :誰にもはばかることなく、自由奔放に生きているが
  素の彼女は周りに気を使っている女の子
  猫のお面を手に入れてからは、好きな男の子日之出に毎日会いに行く
日之出(花江夏樹)
 :実家を継いで陶芸家を目指す
  以前飼っていた猫の太郎の代わりに
  猫に変身したムゲを可愛がる
  人間のムゲにも好かれるが、自分の気持ちをなかなか表現できない
頼子:ムゲの幼馴染
正道:日之出の親友

超感想中心の評価考察

TOHO公式 youtube.comより

佐藤順一と柴山智隆によるW監督

スタジオコロリド発の製作作品として、スタジオコロリド所属の柴山智隆監督と『ペンギン・ハイウェイ』の監督の佐藤順一のタッグによるダブル監督作品になります

柴山智隆監督は、スタジオジブリ所属時代に『千と千尋の神隠し』の製作にも参加してキャリアを築き、『ペンギン・ハイウェイ』では、絵コンテを担当して、佐藤順一監督とも絡んでします。本作が長編アニメーションの監督は初となります。

佐藤順一監督は、日本の小さな子供達から絶大な人気のあった『美少女戦士セーラームーン』、今までのアニメと何かが違う、ボケとツッコミの宇宙人の地球侵略出来ないダメダメなコメディアニメ『ケロロ軍曹』を手がけています。オリジナルは漫画コミックからのアニメ化ですが、シーズン2以降は徐々にアニメオリジナルストーリーとして形成していきます。

佐藤順一監督は非常に少年・少女の気持ちを汲んだ作風を得意とすると言って良いでしょう。本作でもムゲや日之出の思いを中心に描かれているところも、こういった経歴からなされています。

志田未来のムゲこと笹木美代

志田未来が、主役のムゲの声優を演じています。

『女王の教室』『14才の母』などドラマではおなじみの彼女ですが、アニメでもジブリの人間の家で者を借りパクしながら生活する”こびと”の『借りぐらしのアリエッティ』のアリエッティ役をするなど、声優としても幅広く活躍しています。

本作でも、中学生の女の子の複雑心情をアニメの映像に乗せて、気持ちが入っていました

個人的には、ムゲの自宅での薫さん(新しいお母さん)との、会話で思春期にありがちな本当の気持ちを隠しながら遠慮とも我慢ともとれる

物事や起きることにあがなえない・でも理解しなきゃいけない

大人の事情を推し量っているかのようなセリフ回しが心に響きましたね。

見どころです

映画感想、解説 ネタバレあり

通称『泣きネコ』、『泣きたい私はネコをかぶる』のタイトルは

えてして全てを語ってしまっています

本当は泣きたいくらい
色々抱えている主人公の女の子のムゲは
ネコをかぶって現実逃避する

なんですよね。

脚本の岡田麿里の醸しだす、微妙な面倒くさい性格の主人公ムゲ!

あっけらかんとしていて、オープンな性格に見えますが実は本当は誰かに話を聞いて欲しい、複雑な家の事情を押し殺している女の子

そんな、中学生くらいの女の子の心情を岡田麿里の描く脚本は良く設定出来ていると思います。

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』でもそうでしたが、各々の微妙な少年少女の心情の背景設定が抜群に旨いライターだと思います。

そんな設定で産まれた、ムゲと日之出

個人的には、ムゲの親友の深瀬頼子の置き方がすごい

なんでこんな勝手な性格の女に友達でいられるのか理解出来ない、女友達いなさそうだろうなーと思っていると

頼子ちゃんと言う友達がいつも寄り添っています

頼子ちゃんのムゲとの過去の連想シーンがあるのですが、このシーンは見どころでおすすめです

こんなこと友達から言われたら、惚れてしまいます

「私はムゲにいるーーー。
 ムゲがいらなくても私はいる~~」
 

このシーンは本当に重要で、頼子の気持ちだけでなく

ムゲは本当は態度や口では言わないけれど、

いろいろな思いを心の奥にしまって、こらえて我慢していることが見て取れます

ちょっと、一足飛びに書いちゃいましたが

ムゲ、日之出を中心に書かれる周りの人の思いっての切々として伝わってきます

継母(ママハハ)の、薫さんの微妙な立ち位置とムゲに対する複雑な心情や思いも良かったです、飼い猫の”きなこ”への思いとムゲの幸せとの対比なんかも、幸せの定義の表現として良かったです

もう少し表現して欲しかったのは、ムゲがどうして日之出の事をそこまで好きなのか?
なれそめとか、祭りの日のネコの姿の導入部分あたりですねー

映画としてバランスとしては良いのかもしれないですけど、個人的にはネコの島での出来事をもっと熱く表現するか、人間界に振って謎のままするかが良かったかなぁ~

最後に夢落ちっていうストーリーではなもないので、もう少しネコ界をキチンと描写しても良かったような気もします。

ネコのバーで、かつて人間だった人達との会話やその前後が生きてこないです。

ネコの島へ行ったのが、単なるお面屋との対決になってしまっていて

ネコの島の美しさや、複雑さも伝わるようで伝わらないし。

敢えて言うのなら、『リメンバーミー』のような、どっぷり死の国感なのか、『となりのトトロ』のようにあくまでも人間の世界が主軸なのかがはっきりして欲しかったかなぁ、これは好みですけどね

総じて、面白かったのは間違いないです!

ヨルシカさんの挿入歌も綺麗なメロディラインに映画調にぴったしマッチしています

映画そのものは、Netflix品質では無くて劇場クオリティで作られています。コロナウイルスの関係でNetflix配信に切り替えた背景があります。

チャンスがあれば、劇場で一度は観てみたいです

映画の感想まとめ

こういう映画も増えてくるのかもしれません

映画配給で商業的に公開を見送るよりは、次の作品を作るためにもクリエイターや制作陣は即刻公開していきたいはずだけどもコロナショックで劇場では損益回収の見込みが見えない。

その為に、動画配信に切り替える等が続々とありそうです。

Netflix配信ですが、今年『ザ・ファイブ・ブラッズ』なんかもその一つです。

Netflixなどの劇場の規制のユルい、製作者の意思が比較的ストレートに表現しやす理由だけで動画コンテンツに魅力を感じるクリエイターも多かったと思いますが、商業マーケティングの関係でここ数年で一気に、そういう映画が増えるかもしれません。

本作はアニメですが、非常に映像も音楽もクリティ高く作られており、おすすめです

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       4
 ストーリー構成    3
 初見で読み取れない謎 3