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『ライト/オフ』人間の持つ暗闇への恐怖を煽り炙り出す秀逸ホラー:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

映画『ライト/オフ』はタイトルからもわかる文字通りのホラー!2016年のアメリカ映画!原題は「light out」どことなく邦題の”/”が物語る、赤いスラッシュで恐怖がわかる。人間の潜在的な闇への恐怖を描く秀逸ホラー

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

公開されるや否や、怖すぎる!と話題になった本作

ソウを担当したジェイムズワン氏が制作したこともあり、’恐怖’を感じない人はいないと言えるホラー長編作!!ホラー好きだし、ホラーに名作ありなんて思っている私でもめっちゃ怖かった…

地味な映画でもいいんです。わかりやすいホラーのほうがシンプルで良し!そう言っているかのような王道的な恐怖を味わえます。『テリファイド』的な怖さもありますね。

ある日突然現れた’それ’は、電気を消すことでぼんやりと黒い影のような人型。電気をつけると見えないが、消すと’それ’はぼんやり見える。この設定だけでも激怖だが…簡単にあらすじを紹介していこうと思う。

ある日、うつ病を患っているソフィーの夫であるテキスタイル社の社長ポールは、息子のマーティンから母ソフィーの具合が悪そう、独り言を言っていると電話がかかってくる。残業してから帰ろうとするポールの前に、暗闇に現れる謎の’それ’が現れる。それは女性のシルエットをした黒い影で爪の先に尖ったハサミのようなものがついていて…ポールは暗闇へと引きずり込まれてしまい…マーティンの年の離れた姉であるレベッカは、マーティンから母の様子がおかしいことを知らされる。しかし、レベッカは母と仲が悪く実家へ帰りたがらない。そんな中、マーティンの学校から授業中居眠りをしていること、授業中倒れたことを知らされる。明らかに睡眠不足が原因との事で、母ソフィーや家庭状況を心配される。マーティンの不眠の原因である、ソフィーの友人ダイアナとはどんな人なのか。一体誰なのか…

という形でストーリーは進むのだが、途中から感じたのは家族の絆!

レベッカとソフィーの仲が悪いのは、精神的に辛かった時にそばにいてくれなかったことをソフィーが恨んでいるからで、レベッカはちゃんと薬を服用しないソフィーをだらしなく感じていたからで…という、誰にでも起こり得るすれ違いが原因と言える。

しっかりとそこがわかちあえていれば、他に解決策もあったんじゃないかなと感じてしまった。

今回のポイントである暗闇で姿を見せる黒い影のダイアナ。ソフィーが以前入院していた病院で出会い、その時からソフィーに固執していたのだ。独特な皮膚疾患を持ち、日光にあたるのをすごく嫌がっており、本作中では日光治療中に失踪している。

このダイアナが怖い!!暗闇ならどこでも現れる!!

日光が嫌いだったということから光がつくと姿が見えなくなるのだろう。暗闇なんて夜になればそこらじゅうにあるもので移動し放題…

レベッカやマーティン、レベッカの恋人ブレットはソフィーの家に泊まると数々の恐怖体験が…!

中盤から後半、ダイアナは生きている!?と思う描写が少しあるのだが、実際はダイアナが生前から持っていた特殊能力が関係している。それは、’人の頭に入り込む’こと。

人の頭に入り込み、精神的に支配するという恐ろしい能力。生前から持っていたって恐ろしい…
雑な考察だが、ダイアナは亡くなっているが影が存在できるのはソフィーの頭の中でたダイアナという存在が残っていることがひとつだろう。作中の言葉から考えると、ダイアナは弱っている人間の頭の中に入れるということになる。

ここで考えられるのは、ソフィーがうつ病の薬を飲まなかったのは、飲まなかったのではなく飲めなかったのではないか?ということだ!ダイアナが頭を支配するためには弱っている状態にしなければならないから薬を飲んで正常に近づけるとダイアナの存在はなくなってしまう。と、こんなとこだろうか。

この時、ダイアナの存在を消そうとしたりソフィーを助けようとする人がダイアナに襲われてしまっていることから、ソフィーという存在はダイアナにとって唯一の人ということになるのではないか。

最後、ソフィーが下す決断が本当に悲しく…

レベッカとソフィーの仲が良くなってきた矢先のことだからこそ、違う結末になって欲しかったと思った人も少なくないだろう。

総じて、面白かった。ホラーと言うなかにも家族の大切さや、絆、母親としての想い、ダイアナの真実など見どころたくさんのこの映画

是非見てみて欲しい。きっと暗闇が怖くなるに違いないぞ。

― hogeru -

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