映画コラム的感想『悪魔は見ていた』韓国版スナッフフィルムがテーマのサスペンス

2019年韓国で公開され2020/5WOWOWにて日本初公開された『悪魔は見ていた』はスナッフフィルムを思い起こすようなサスペンス映画!クリスマスイブの夜の静かなオフィスビルで繰り広げられる監禁劇。自分がなぜビルに監禁されているのかもわからないヨンウ。犯人は分かっているビルの警備員の若者だ。長い夜が始まる

悪魔は見ていたイメージ画像
WOWOW公式より https://www.wowow.co.jp/detail/170345 

映画ショートコラム ネタバレ含む

韓国映画の『悪魔は見ていた』はWOWOWが日本初公開となる、DVDスルーならぬWOWOWスルーに当たる作品でタイトルのみで飛びついた作品だ。

昨今の韓国映画界は本当にすごい、『パラサイト 半地下の家族』はじめ『私の頭の中の消しゴム』『猟奇的な彼女』『あなた、そこにいてくれますか』などヒューマンドラマや恋愛映画はもとより『殺人の追憶』『シュリ』『殺人漫画』など異色のサスペンス、ホラーなどもかなり面白い。

韓国らしさというか、いい意味で情緒が表面に出てくる映像・演出が映画というメディアに実に映える。

日本の映画ほど、何か裏の意図を読まなければいけないようなことはなく、名作やいい映画はストレートに伝わってくる。

そういうわけで、期待しまくってみたWOWOWスルーの映画だが、はたして。。。

結論から言うと、まあもう少しひねりが欲しかったかな。

と言ううところ、期待した分少し損した感じだが飽きずには見ることができた。

なので感想交えて少しだけ紹介!


シングルマザーで、ホームヘルパーに子供を預けながら働くヨンウは会社の中でチーフ的な役割で部下数人を引き連れて真面目に働いている。要領が悪いのか、部下や上司にていよく仕事を押し付けられることもしばしばある。
残業で遅くなりいつものようにヨンウだけ会社に残っていると、酔った上司が現れて、突然セクハラ行為をしてくるが、なんとか逃げ出すことふぁできたヨンウは次の日にオフィスビルの警備員ジュノに差し入れして監視カメラを見せてもらえないか相談する。

クリスマスイブの夜に上司から不当に仕事を増やされたヨンウは子供が待つ家に帰るため、夜遅く仕事を終わらせ急ぎ家に帰ろうとするが、自分の車に触ったとたん感電して気絶してしまう。気が付くと赤いドレスを着せられたヨンウの目の前に、警備員のジュノがいて、おかしなことを色々言い始める。監禁されたと気が付いた時には、ヨンウはオフィスビルから出ることができなくなっていた。

ジュノの指示に従いおとなしくしていると、そこには縛り上げられセクハラをした上司と、ゆうことを聞かない部下の女の子がいた。ジュノは上司を殴り殺した。。。。

ヨンウの知らないところで、ジュノ以外の存在がオフィスビル全体を監視カメラで撮影し巨大な映画セットのような監禁劇が繰り広げられる


とまあ、面白そうな気がするのだが、見終わった後はさほど高揚感もなく、

で?

と思ってしまうたぐいの映画になってしまっている。

おそらく、犯罪の必然性がよくわからないからだと思う。

しかも普通に入ってこない。『オールドボーイ』のような映画では、まったくさっぱり原因はわからないが、最終的には秘密があり最後には巨大な感動(負の感情だけど)が襲ってくる。

この『悪魔は見ていた』では最後まで見ても、なぜヨンウなのか、なぜ犯人がジュノなのか、
なぜ上司は・・あんなことしたのか(犯人の一味で会社ぐるみっぽい)

とか、必然が全く見えずに終わってしまう。

伏線も特に拾うほどもなく、時折韓国風の演出はみられるものの、それ以上ではないところだと思う。

まあ、劇場公開されなかったのにはそれなりの理由があるということだろう。

監督のキム・ソンギは『野良犬たち』などで監督も経験しているが、そこまでは評価は高くないようだ。『消された女』主演を務めたカン・イェウォンが本作でも主演を務める。犯人役のジュノはイ・ハクジュ

映画を見ていく中で、かなり衝撃の期待もあった。

実際、スナッフフィルムと言ってもおかしくないのだろう。かつてのニコラス・ケイジが主演した映画『8mm』とかそういった系統なのかと期待もしたが。その辺が尻すぼみというか、広げておいてエンドテロップ直前にちょろっと匂わすタイプなので、結局はただの監禁劇で終ってしまっている。

ハリウッドに慣れすぎた、目が韓国映画に対して新鮮に見ることができていた。こういう映画も必要だろうしブロックバスター映画も必要だろう。でも、ここらでいったん韓国映画業界も、韓国らしさ。韓国ノワールを思い出してほしい。

なお韓国映画の類似タイトルで超話題作のイ・ビョンホンとチェ・ミンシクが共演したクライムサスペンス『悪魔を見た』とは別の関係ない映画となる。

こんな上から目線な一つの映画だけでは、まったく語ることはできないのは重々承知なのだがコラム形式としてしまった。

― hogeru -

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